魔神の怒りと新たに加わる2人の女の子
魔神がいるであろう祠のあった地下から女の子のような声がした、
この声はもしやシャインフェルリン達の子供か?だが皆は首を横に振る、
だとしたらこいつが魔神の本体かもしれない・・だが俺達はと言うと・・
・・・
正直めんどくさいのと厄介ごとには絡みたく無いのが超本音である、
なのでこの声は聞かざる、さらに穴も見ざる、そしてこの事は言わざる、
そう心に決めた俺とブルーアイズは急ぎ掘削作業人形達に指示を出す!
グォングォングォォォォーーーーーーン!!!!!!
再び砂漠空母の出番、塞いだ所を何度も踏み固めて封印を行った、
しばらくすると踏み固めた所はコンクリートのようになり真っ平ら、
声も聞こえなくなったのでめでたしめでたし・・ではなかった!
突如!!!!!!
ボコッ!!!!!!!!!!
ピカカカカカカカカーーーーーーー!!!!!!!
踏み固めた所が突如地盤沈下を起こし・・そしてなぜか輝きだした、
そして出てきたのは絶世の美女・・では無くこれまた幼い女の子だった、
見た感じ小学生の高学年かな?シャインフェルリンの女の子と同じ感じ。
「あ~~~あ~!やっと出れたわ~久々の地上だわ!!!」
・・・・
魔神と聞いていたのでてっきり凶暴な魔物かと思い込んでいた俺達、
シャインフェルリン達もこの姿は想像外だったらしく眼を丸くする、
どうしていいやらわからない俺達、すると謎の女の子が語り出す。
「あらあんた達が蓋を開けてくれたのね、それは感謝するわ!」
いえいえどういたしまして・・・
次の瞬間女の子は笑顔から鬼のような顔つきとなり猛烈に怒りだした!
「でもあの巨大な乗り物?で穴をまた塞いだのはどういうつもりなの?
もしかしたらあの蓋が目当てで私は厄介者とでも言いたいのかしら?
返答次第では暴れ出すわよ!魔神の力を思い知らせてあげるわ~~!」
はい!その通りです!
俺達としては正直金になるこのオリハルコンの蓋だけが目当てなのです!
仰る通り我々は金になるオリハルコンが欲しいだけで厄介ごとはお断り!
なのであんたは論外、そのため砂漠空母で岩を踏み固め封印したのです!
と・・・
さすがに本人に対してこのようなことは言えないので言葉を換える俺!
まずは怒りを抑えてから適当に埋めた理由を説明すればいいだろう・・
俺は無い頭を捻り・・そして苦し紛れを承知でこう質疑応答を始めた。
「う・・埋めたことは謝る、たが尋ねたい事がある、君が魔神なのか?
俺達は希少物を捜索してたが祠に魔神がいると聞いてそこは避けていたんだ、
だが突如穴が空いたから慌てて岩で塞ごうとしただけだ!」
「ふ~んそうなの?ええそうよ!私はこの星に住む魔神!名前はないけどね」
「ど・・どうしてこんな所に封じられていたんだ?」
「昔この星で大暴れしたからよ、まあそこのシャインフェルリンかしら?
こいつらの先祖の先祖が私の領地に侵入してきたから蹴散らしただけよ、
でもこいつらは逆恨みして私を翻弄してあの蓋で封印したのよ!!!」
「経緯はだいたいわかった、だが何か腑に落ちない点がある!」
「なにかしら?」
「シャインフェルリン達が君を封じたのが気になる、もしかしたら・・
君が間接的になにかしたんじゃないのか?それは思いあたらないのか?
先程まで話したがこのシャインフェルリンという魔物は常識的だぞ?」
・・・
「う~~~ん言われてみたら・・・まあ時々鬱憤晴らしはしてたわよ、
でも特定の種族に向けてでは無いわ、広範囲に魔法弾を拡散しただけよ!
まあほとんどが荒れ地になったけどね、この星は大きいから些細な事よ」
・・・
そりや危険と判断され封じられるのは当たり前だと思うのだが・・
・・・
まあ今更遙か昔のことを掘り返しても意味が無い、なので俺は話を変える!
「経緯はわかった、それで?君は今後どう過ごす気なんだ?」
「そうね・・ここにいても暇だから私もあなた達の仲間になりたいの、
あなたのその覇気もそうだけど・・何か神めいた特殊な力を感じるのよ、
だから一緒に行くわ!私も一応神だから神と過ごすのが道理と思うのよ」
俺がいつ神になったんだよ!
・・・
だがこの魔神からは敵意は感じない、まあ埋められた事には立腹している、
これに関しては素直に謝るとして・・本当に俺についてくる気なのか?
単なる気分で喋ってるかもしれないので一応尋ねてみた。
「穴を再度埋めた事に関しては君の言う通りだ、それに関してはすまない、
だがその後に言った言葉は・・俺の住む異世界で君も暮らすということか?」
「ええそうよ、あなたの傍にいればなにか楽しそうな予感がするのよ、
それにあの機械・・というのかしら、あれ人間が扱う物でしょ?だから・・
私も一応人間をベースにしてるから過ごすのは問題無いと思うわ」
そんなものなのか?
・・・
まあ人間サイズなら来ても問題ない、魔神であっても問題はないだろう、
なにしろ・・既に俺達の世界は神だらけだから多少増えても別に気にしない、
むしろ戦力として見れるのなら逆に来て欲しいが・・俺は本音で語り出す!
「じ・・実は俺達には敵対する破壊神がいる、いつかは戦う日が来るだろう、
場合によっては君も参戦するかもしれない、それでもいいのなら歓迎する、
だが相手は強大だ、最悪消滅するかもしれない、それでもいいのか?」
「・・・まあ私もそれには躊躇を覚えたわ、でも退屈なのも苦痛だけなのよ、
こんな機械やあの船を見るとあなた達は独特の魅力があるからそれに賭けるわ、
だから連れていって、もう1人で暗い地下で過ごすのは嫌なのよ」
「わかった!そういう事なら歓迎するぞ!」
「うふふ嬉しいわ!よろしくね!」
こうして・・
なぜか魔神が新たに仲間に加わった、それに安堵するシャインフェルリン、
彼らもこれで昔からの蟠りが消えたので肩の荷が下りたようだ、そして・・
魔神がいなくなったことで祠は撤去、以降ここは資源鉱物採掘場となった。
その後はシャインフェルリンの復興の手伝い、ここで砂漠空母が大活躍、
まずはお供?のブルドーザーやショベルカーが昼夜働き更地にする、
そして砂漠空母がロードローラーとなり道路や建物の基礎を構築した。
その上に建物や魔物達を遮る壁などを造り外敵を遮断し建物を造る、
シャインフェルリン達は人間姿でも生活は問題無いのでこの際街にした、
そこにアパートや病院なども造り俺達と変わらない街が出来上がった。
そうしてある程度シャインフェルリン達の住処を構築したあと・・
「こ・・この砂漠空母は素晴らしいですね!ぜひ譲ってください!」
陸や海も移動出来て甲板が広く臨時の基地になる砂漠空母に注目が集まった、
シャインフェルリンは普段は空母の中、戦闘時には甲板の上で本体に戻る、
そうして活用すれば最小限の疲労で各地を監視できると眼を輝かした。
・・・
ある意味シャインフェルリン達が戦闘機の役割をするようなものかな?
確かに砂漠空母なら巨大な鋼鉄の塊だから大概の魔物は手を出せないだろう、
負傷しても戻れる場所が・・それも移動出来るとなれば安心度は高いだろう。
ちなみに艦載機はいらないそうだ、理由は単に操縦や整備が難しいから、
だがブルドーザーやショベルカーは操作できるのでこれは欲しいとのこと、
穴掘りや地ならしがとても楽に出来るからとセットで懇願してきた。
そこで俺は資源と引き換えに・・具体的には魔神がいた祠周りにある資源、
これの独占発掘権と所有権を引き換えに砂漠空母を譲渡することを提案した!
その返事は・・
「ええいいですよ、環境に影響が無い範囲であれば問題ありません」
あっさりOK、自分達には無用の長物だからと躊躇いも無く承諾してくれた。
そうして数日後・・
ある程度落ち着いたので・・俺達は帰ろうとしたその時!!!
「待って!わたしも連れていって!!!!」
と訴えてきたのは・・・
あのシャインフェルリンの女の子だった。




