泣き喚くドラゴンと東の大陸の鉄道ルート検討
信濃は既に異世界軍の港に入港したのにまだ稼働している、
大きな理由は信濃の中で俺とエリーナとエマへのお祝い、
すっかり宴会モードとなった信濃、他の艦も真似している。
エリーナとサユミはマージャンで負けたのが余程悔しいらしい、
あまり酒を飲まないエリーナがワインの一気飲みを繰り返す、
サユミは日本酒を飲みながらブツブツ呟いていた。
しばらく飲んでいたらエリーナとサユミがダウンした、
2人はそのまま眠ったので女性木人形達が寝室に運んだ、
俺はまだ飲めるが・・ここでエマがストップをかける。
「この時を待っていました」
エマは何やらアイテムを出して俺の手を握りアイテムを使う、
このアイテムは転移魔法のようで俺とエマはある寝室に移動、
するとエマがゆっくりと服を脱ぎ始め・・俺の服も脱がせる。
「さあ楽しみましょうね・・・」
・・・
エマはものすごいテクニシャンだった。
「ハァ・・ハァ・・」
俺の方がもたずに・・
その都度エマの回復魔法でなんとか朝まで頑張った。
翌日・・・
何事も無かったかのようにエリーナとサユミに挨拶するエマ、
エリーナとサユミは俺の雰囲気を見てすべてを察知したようだ、
ちなみに俺は・・回復魔法を何度も受けたのにヘトヘトだった。
「ところで・・ソニアさんはどこなの?」
エリーナがサユミに尋ねる。
そういえば・・ソニアの姿が見えない。
「祖母は・・」
サユミの転移魔法でドラゴン達が住むルーム国の邸宅に移動。
「あぁ~~~~~~~~~~~~~~~ん!!!!!」
着いた瞬間からソニアの声とわかる泣き声が邸宅に鳴り響く。
「タケシが出て行った時から泣いているんです」
・・・
出て行った?
彼は東の大陸に行っただけだろう?家出とは違うと思うが?
「祖母はタケシがいなくなるとすぐ泣くんです」
・・・
あれ?
確かタケシはソニアの血筋ではないはずだが?
頭をかしげる俺達にサユミが説明してくれた。
「祖母はタケシの乳母なんです、聞いた話ですがなんでも・・・
祖母の親友が子供のタケシを置いて北の大陸から逃げたそうです、
1人っきりになった幼いタケシを祖母が面倒をみました」
「まだ幼かった私達とタケシは年も近く兄弟のように育ちました、
空腹で私達が祖母から逃げようと相談した時タケシだけが猛反対、
俺はたとえ死んでも祖母から逃げないと泣きながら訴えました」
「私達はその言葉を聞いて覚悟を決めました、それと・・
それを隠れて聞いていた祖母は涙が止まらなかったそうです、
以降祖母はタケシを溺愛するようになりました」
なるほどな・・・
気持ちはよくわかったが・・・
・・・
別にタケシはソニアから離れたんじゃないぞ!
「ああ・・タケシ・・タケシ・・」
「タケシを奪った紀伊が憎い・・・・」
戦艦に八つ当たりしてどうするんだ?
・・・
!
俺は閃いた!そしてサユミ達に・・・
「気持ちはよくわかった、つらいだろうからそっとしておこう、
タケシが帰ってくるまでの辛抱だ、それまでは邸宅で休ませよう・・」
おそらくソニアもあっちはかなり激しいだろう、俺の体がもたない、
なんとか時間稼ぎを・・出来るだけ式の日を伸ばし体力の回復を・・
「タケシ~~おねえさまは頑張るからね~~!」
何かを悟ったようにソニアが気持ちを切り替えた、そして・・
一目散に部屋から出て俺の元に走ってくる!
「エマとの結婚式済んだんでしょう?次は私とよ!早く!」
・・・
俺とソニアは明日結婚式を挙げる・・のはソニアがなぜか却下。
「サユミ以外孫たちがいないのよ~~~それじゃダメなの~、
全部の孫にウェディング姿見せないと意味ないわ~~」
そういえばショウとレイミもいないな・・・
相談の末・・タケシたちが帰るまでソニアとの結婚は延期となる、
俺は内心ほっと・・エマはともかくエリーナの視線が怖い。
・・・
俺はこの日以降夜1人で寝ることはなくなった。
ここからは東の大陸に向かったデーヴィド目線でお伝えします。
デーヴィド達は戦艦オクラホマから戦艦紀伊に移動していた、
タケシから戦艦紀伊の戦闘能力の説明を聞いていた。
「紀伊は大和武蔵の精密射撃タイプとして開発されていますが・・
先般見て頂いた遠距離狙撃に加え棘弾やイージスミサイル等、
現時点考えられる最新装備を備えあらゆる状況にも対応できます」
「ということは・・接近戦も可能なのか?」
「はい、ただ本来は後方より小型艦や撤退する艦の援護、
それと今回のように相手の中枢を狙撃する目的で造られてます、
接近戦はむしろ信濃の方が得意なので紀伊は後方に徹します」
航空母艦の方が接近戦が得意なのもおかしな話だな・・
「まあ信濃は・・超例外です」
そりゃあそうだろう・・
「ところで・・皆さまは紀伊を旗艦として指揮を取られますか?
そうであれば私が戦艦オクラホマに移動しますが・・」
「いや紀伊はこのまま君が指揮してくれ、俺達はオクラホマに戻る、
おそらくエニウェアがどこかで攻めてくる、君が指揮した方がいい」
「わかりました、旗艦は戦艦オクラホマのままでお願いします」
「わかった、なにかあったら頼むぞ」
「はい、お任せください」
俺達は戦艦オクラホマに戻りそのまま各艦の指揮を取る、
戻ったら・・
・・・
・・・
シュメールとディアーナが艦橋の隅ではぶてていた・・
「もっと食べたかったのに~~」
いい加減にしてほしい!
とりあえず東の大陸に通す鉄道の駅と食堂の打ち合わせを・・
・・・
さっきまで泣いていたシュメールとディアーナが席に座っていた。
ついでだからタケシも呼んで・・・
・・・
どこにいたのかショウとレイミも一緒に来た。
「私も参加させて・・・」
「楽しそうだね~僕もまぜて!」
「紀伊の食堂を占拠していて・・」
・・・
俺は深くは追求せずに皆を座らせ東の大陸鉄道の検討を始めた。
「まず・・どこに駅を造るんだ?」
「そうね、港はもちろんだけど魔物の城までは欲しいわね」
「反対側はどこまで必要ですか?」
「アグニの所が最終駅かな?それ以降は険しい山が続くからね」
「シュメールさんとディアーナさんの所に鉄道は通せるのですか?」
「それは大丈夫よ、ただ複線は必要ないかな?単線でいいと思うけど」
話はその後も続き・・とりあえず建設予定駅一覧を造った。
⇔ フレイムドラゴン駅。(発終着駅)
⇔ 山脈空港駅。
⇔ アースドラゴン駅。
⇔ 森林開拓駅。
⇔ フォレストドラゴン駅。
⇔ 魔物の集い駅。
⇔ スカイドラゴン駅、
⇔ 東の大陸軍港駅(経由地+駅での飲食可能)
⇔ 東の人間の村駅(駅での飲食可能)
長距離区間(約200km)
⇔ メディのお城駅(発終着駅)
・・・
確かに鉄道は通せるが・・これだと問題が山積みだ。
「食べる所が少なすぎるわ!」
「ならドラゴン達に各地の食堂を経営してほしいんだが・・」
「それはダメよ!ドラゴンは食べるのが専門だから!」
自信満々に宣言するのはやめてほしい・・
「う~ん、だが木人形に食堂をさせる訳にはいかないな、
俺達と距離が離れすぎるし各艦の整備で人手が必要だからな、
他にも色々と造っているから東の大陸への派遣は無理だ。
「それならメディさんに魔物を紹介してもらったらどうです?
手先が器用な魔物なら料理も出来ると思いますよ」
「それがいいな!」
この時俺のスマホが着信、相手は東の大陸のヤマダさんだ、
現時点俺とコウ、ヤマダさんと一部の木人形が電話を持っている、
端末の量産と設備がまだ試験段階なので他には持たせていない・・
・・・
なんで私達にスマホくれないの?・・と目で訴えられた。
・・・
全員から物凄く睨まれている・・俺は目を背けて電話に出る。
「もしもし・・デーヴィドです」
「デーヴィドさん大変です、エニウェア配下の魔物が攻めてきました」
皆の緊張が一気に高まった。
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