謎の猛獣シャインフェルリンと火球を吐くトリケラトプス
俺達は空気玉の中でのんびり・・では無く頻繁に戦闘訓練を繰り返していた、
小人族の話だと星には猛獣だらけと聞いたのでいつ戦闘になるかわからない、
中には特殊な攻撃を仕掛けてくる猛獣もいるそうなのでその対策だ。
「この猛獣はこういう攻撃をします!こいつは魔法を吸い取ります!」
心配だからとついてきた2人の小人族、男と女で幼馴染みらしいのだが・・
女の方が強いらしく男の方は尻に敷かれてるらしい、まあ俺もそうだが・・
ただ言いにくいのでこの2人に名前・・あるけど恒例の訳わからない名前。
なので俺が勝手に命名、女・・というと怒るので女性の方は縷縷、
男の方は鬼気と提案すると即座に気に入り以降この名となる、
この2人がわかる範囲でイラストを描きそれをモニター越しに説明している。
その中で1種類気になる猛獣がいた、尻尾が複数の色で輝くフェルリンらしい、
この異世界にもレッドフェルリンがいるが理性は無くエニウェアの配下魔物、
こいつは以前メディの故郷を攻めたのでメディが毛嫌いし以降関わっていない。
だがこのフェルリン・・
名は特に無いらしく・・俺が勝手にシャインフェルリンと名付けた、
こいつは猛獣たちの中では比較的温厚らしいが怒ると恐ろしいらしい、
小人族はこいつと遭遇すると静かに下がり刺激を与えないようにしていた。
すると・・・
敵意が無いとわかると小人族を襲うことは無く静かに森に帰るらしい、
だが他の猛獣がその隙に襲いかかると瞬時に首を跳ね飛ばし食い尽くすらしい、
その光景があまりにも壮絶らしく小人族はこいつを怒らせるのをタブーとした。
他にも危険な猛獣はいるらしいが今の俺達なら特殊攻撃以外は余裕らしい、
例えば広範囲に毒をまき散らす猛獣はその前に銃で狙撃すれば余裕で倒せる、
だが小人族も全部を把握してる訳ではないので未知の猛獣もいるだろう。
なので基本は遠距離狙撃や攻撃、尚魔法に関しては反射する魔物もいる、
そのため魔法攻撃は極力避け銃やバズーカー、棘弾等の兵器で応戦する、
だが過剰に殺すと生態系が崩れる可能性もあるので最小限に留める。
そのため・・
当初タケシが戦闘機隊で空爆した方がいいのでは?と提案したが却下となる、
下手に広範囲攻撃すると生態系の乱れや・・創造神が俺達が敵と警戒する、
相手が身構えてしまうと交渉出来ないので広範囲攻撃は最終手段としている。
他にも・・・
小人族の星は海もあるそうだが小人族の住んでいた村からはかなり離れる、
海にも凶暴な魔獣がいるが小人族は結界を敷いた村に閉じこもっていた、
そのため海の情報はほとんど無いため思いつく対策を考え日々訓練している。
一週間後・・・
空気玉を展開した5柱が何かを感じたらしく一気にスピードが増し震動が増えた!
ギュウイイイイイイイイーーーーーーン!!!!!!
「創造神の気配を感じたわ!ここからはさらにスピードを上げるわよ!」
ベルゼ達が空気玉の速度を速めた、そのため空気玉の中は常に揺れてる状態、
例えるなら台風が近づくような状態となり訓練も出来ないので皆家に籠もる、
艦隊に関しては無人島に造った港に緊急入港させ厳重に固定して凌いでいる。
尚砂漠空母には別に用意した巨大な筏に乗せ海に浮かべている状態だ、
これは輸送もそうだが島に平地が少なく正直邪魔なので海に浮かべた、
一応砂漠空母も海に浮かべることは出来るが水陸両用車のような感じだ。
尚艦は全部展開している、憑依戦艦などは収納魔法に収める・・
「うっ・・ううう・・・」
「は・・・吐きそう・・これじゃ魔法を維持できないわ」
ギュウイイイイイイイイーーーーーーン!!!!!!
グルグルグルグルグル~~~~~~~!!!!
速度がさらに増している、もう台風の中にいる状態なので皆外に出れない、
一応建物の中は魔法で制御しているので普段通り住めるが外は大変な状態、
この速度なら一ヶ月で着くらしいが中にいる俺達はてんてこ舞いだった。
そのため皆収納魔法を解除、あまりにも揺れるので魔法の維持ができなかった。
「こ・・コウさん・・気分がわるいのですが・・」
こう訴えてくる乗組員が次々と増える、なので俺は5柱に減速を頼んだが・・
「何言ってるのよ!創造神が逃げる前に・・さらにスピード上げるわよ!!!」
ドッピューーーーーーーーーーーーーン!!!!
ふぎゃあああああああああああああ~~~~~~!!!!
5柱は減速どころかさらにスピードを増し空気玉の中は乱気流状態となる、
とりあえず俺は魔法が使える種族を病院や医務室に集め結界を敷いて貰う、
この中なら乱気流も影響が無いためダウンした乗組員を詰め込んで凌いだ。
「き・・気持ち悪いわ、ごめんなさい私リタイヤします・・」
だが魔法を展開する者が乱気流の影響を受け耐えたのは一部だけだった。
一週間後・・・
「みんな~~~小人族の星が見えてきたよ~~~!!!!!」
ゴオオオオオオオオオオーーーードッパ~~~~ン!!!!!
パァ~~~~~ンン!!!!!!!
空気玉は大気圏を抜け海に着水、次の瞬間空気玉は割れ無人島が海に同化、
艦隊も小人族の星の海に着水、尚ここは陸地からかなり離れた沖合だった、
到着の感激・・はどこへやら皆極度の船酔い状態となっていた。
「みんなあとはお願いね~私達疲れたから当分寝ておくわ~~!!!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・
空気玉の中などお構いなかった5柱はお役御免とばかり来賓室に移動した、
そして冷蔵庫の中に入っていた軽食や飲み物を食べ飲みまくりその後風呂、
その後髪を乾かし寝巻きに着替え即座にベットに入り瞬時に爆睡した。
んで俺達はというと・・
「うっ・・うう気持ち悪い・・」
「も・・もうダメ!人工AIさん達後は任せます・・・」
乗組員は皆・・俺達幹部も全員ダウン、無理も無い、乱気流の中だったからな、
それが一週間止まらず・・例えるなら洗濯機の中で常に脱水状態、なので・・
全員なんとか部屋に戻り自分のベットに倒れそのまま熟睡してしまった。
キュゥイイイイイイイイイイイイーーーーン!!!!
人工AI達は即座に作動し周辺警戒、それと人工衛星を打ち上げ準備・・
・・・・
「告!人工衛星は5基中4基浸水のため打ち上げ不可、1基打ち上げます!」
ドシューーーーーーーーーーン!!!!!!
人工衛星を乗せたロケットが無人島より打ち上げられた、尚1基だけ、
本来は大気圏突入前に放出する予定だったが勢いが早すぎて通り抜けた、
さらに乗組員達が全員ダウンしたのでロケットを保護できず浸水してしまう。
ピピピピピピ・・・
打ち上げた1基が作動し始めた、だが半径10km程度しか探知できない、
どうやらこの1基も多少浸水の影響を受けたらしく部分的しか映せない、
そのため各艦レーダーを作動し周りの地形を調べ始めた。
すると・・・
ゴフゴフゴフ・・・
ドスドドスドスドス・・・・
何かを察知して急ぎ海岸に向かう猛獣・・こいつはトリケラトプス?
小学生の頃何度も見ていた恐竜図鑑に出てきたトリケラトプスそっくりだ、
これが無数に現れ湾岸に向かっていく・・・
ゴフゴフゴフ・・・
まるで俺達が沖合にいるのを察知してるようで海を猛烈に睨んでいる、
その数は100を超える、見れば見るほど図鑑のトリケラトプスそっくりだ、
だが地球のトリケラトプスと異なるのは・・
ガバ!!!!!
コオオオオオオオオオオーーーー!!!!!
トリケラトプス達は大きな口を開け・・火球の塊を展開している、
他のトリケラトプスも大きく口を開け火球を展開・・
ボシューーーーーーーーーン!!!!!!!!
トリケラトプス達は一斉に火球を吐き・・俺達を攻撃してきた!!!
ビービービ!!!!!!
「湾岸より火球を確認!こちらに向かってきます!!!」
人工AI達が緊急事態を発するが・・・
・・・
俺達乗組員は全員動けなかった。




