聖なる場所の建設とウェディングドレス
東の大陸からデーヴィド達が帰ってきた、皆元気で安心した、
艦隊もほぼ無傷だが念の為東の大陸に行った全艦を整備に出した、
特に瑞鶴と翔鶴とアリゾナは念入りに整備、追加装備をしている。
デーヴィドが急ぎ列車を用意してくれと言うので3両ほど用意した、
他にも客車や荷車なども用意して航空母艦飛龍と蒼龍の中に載せた、
他にも戦車やヘリ等を搭載したのでこの2隻は今回輸送専門だ。
この2隻の甲板には東の大陸で使う音速機を各20機ほど積んでいる、
手間を減らすためほとんどメンテナンスフリーの部品を使っている、
プロペラ機も考えたが東の大陸は広いので足早の音速機にした。
甲板の合間にはアースドラゴン代表のシュメールの本体が眠る、
それとフォレストドラゴン代表ディアーナの本体も隣に眠る、
分身はルーム国王や各種族に挨拶後各駅のグルメを楽しんでいた。
再度東の大陸に向かう艦隊は以下の通りとなる。
戦艦(旗艦)
オクラホマ。
航空母艦
蒼龍・飛龍(輸送専門)ヨークタウン・瑞鳳。
重巡洋艦
鳥海・熊野。
軽巡洋艦
川内・那珂。
駆逐艦
白雲・磯波・綾波。
・・・
あれ?
前より戦力が少ない気がするが?
「それは心配ない、もう一隻戦艦を追加するから安心しろ!」
いつのまにか来ていた祖父木人形が自信満々に喋っていた。
「で?その戦艦は?」
「それは出港までのお楽しみだ!お前ら驚くぞ~~?」
前のため息はどこへやらと祖父は足どり軽く去って行った。
さて・・・
東の大陸に行く前のデーヴィドとルーム国王と話がしたい、
デーヴィドを呼んでルーム国王の所を訪ねて王室の中で話をする、
ある場所にこういう建物を建てたいからと許可を貰うためだ。
「大胆だな、俺はそれはとても思いつかなかった」
「なるほど、君たちの世界ではこういう事をするのか・・」
「俺の気持ちを固めるためにもこの地での建設許可をください」
「わかった、許可しよう、我にも見せてくれよ!」
「それはもちろん、あと国王にもう一つお願いがあります」
「なんだね?」
「実は・・・・」
・・・
「なるほどな、確かに我が適任かもしれない、わかった!、
君の頼みなら喜んでその大役引き受けよう」
「ありがとうございます」
「で?いつ実行するんだ」
「建物が出来次第すぐだ」
ここで木人形がノックをして入ってきた!
「ご安心ください、その建物の準備は出来ております!
デーヴィドさんが東の大陸に行く前に出来ますのでご安心を、
ついでに例のドレスも複数作りましたのでご期待ください」
どこからこの情報知ったんだ?
「我らはコウさんとデーヴィドさんの悩みを読み取る能力があります、
魂が繋がってますからある程度の考えは把握できます」
なんて迷惑な能力なんだ・・・
「あとはコウさんの行動にかかってますよ!」
心の準備はまだ出来てないが・・
こうなれば気合いで押し切ろう!
「よしやるぞ!」
俺は王室を出て急ぎエリーナを探す、彼女は飛行場で仕事中、
若手の女性陣になにやら指導をしていた。
「あらどうしたの?深刻な顔してなにかあったの?」
「君を探していたんだ、一緒に来てもらっていいか?」
「あれ~?なに考えてるの?夜にはまだ早いわよ?」
「とにかく・・今すぐ来てほしい!」
「わかったわ」
俺はエリーナの手を引っ張って飛行場を後にして列車に乗る、
目的の駅までは最短で3駅走る程度だがあえて逆回りに乗った。
「ちょっと!どこ行くのよ?」
「エリーナとクリスティーナ駅だ」
「なんで逆に乗ったのよ?あっちなら3駅先なのに?」
「君と2人でゆっくり話がしたいからだ」
木人形達が機転を利かせて俺とエリーナの車両は貸切にした、
木人形達も車両を離れ俺達2人だけになった、エリーナは・・
もしかして・・
を感じたのか少し照れている。
「俺は君と初めて会った時・・正直怖い感じがした」
エリーナがキレて俺に脳天ゲンコを叩きこむ。
「いてててて・・・」
「何よそれ?私をからかってるの?」
「話を聞いてくれ、確かに最初はそう思った、だが・・・
君と一緒に武蔵に乗って戦った時君の苦しさも感じたんだ、
俺がこの世界に来る前にどれほど大変だったかも考えた」
「ふ~ん・・で?それがどうしたの?」
「言葉で言うのは難しいんだが・・とても頼りになったんだ、
不思議と落ち着けて戦場でも背中に君がいると怖さを感じない、
だがそれは・・君がこの世界で苦しんだ経験でもあると・・」
「・・・」
「それ以降俺の心の隅に・・・いつも君の姿があるんだ」
「正直俺はこの世界では生涯独身で過ごそうと考えていた、
もし結婚後前の世界に戻った時は・・おそらく俺一人だろうと、
妻や子供たちから離れることを心の隅で怯えていたからだ」
・・・
「だが・・」
「もうそんなことはどうでもいい」
「どういう事よ?」
「もし前の世界に戻れたとしても俺一人では絶対帰らない!、
この世界が俺の住む場所だ、戻るなら君達全員を連れて帰るよ、
それが叶わない場合・・俺は命を絶つ」
「ちょっと・・何言ってるのよ!」
「もう前の世界に戻る気はない、俺はこの世界で生きていく、
その傍に君がいてほしい、もちろんエマやソニアたちもだ、
だが・・俺の最初のプロポーズは・・」
「エリーナ、君に受け取ってほしい・・・」
「・・・」
ここで列車はエリーナとクリスティーナ駅に着いた、
木人形達が背広姿で車両に入りエリーナにある箱を2つ渡す。
「君が俺についてきてくれるなら・・そのドレスを着てほしい、
そしてあの丘にある建物まできてほしい、俺はあそこで待っている」
エリーナは箱を抱えて考えている、俺は車両を降りあの丘に向かう、
丘には十字架はないが教会のような白い建物が丘の上に建っている、
俺は純白の背広に着替えて指輪の入った箱を持ってエリーナを待つ。
恒例のごとく木人形達はこういう関連はすぐ各地に生中継していた、
画面に釘付けの各種族たち、デーヴィドとクリスティーナも見ている、
しばらくしたら・・・
・・・
純白のウェディングドレスを着たエリーナが歩いてきた、
そして建物の中に入り俺の傍に来てくれた。
「来てくれてありがとう!嬉しいよ」
「この異世界でこのドレスを着るなんて考えてなかったもの・・
でも・・嬉しいわ」
ここでルーム国王が祭壇らしき前に立つ、俺とエリーナは・・
国王の前に並んだ。
「コウよ!君はエリーナを生涯の妻として誓うか?」
「はい!誓います!」
「エリーナよ、君はコウを生涯の夫として誓うか?」
「・・・はい・・誓います!」
では着替えを・・・
エリーナは一度この場を離れ控室に入り着替えをはじめる、
もう一つの箱のドレスに着替えたあと祭壇の前に戻ってきた。
その姿は・・・
彼女のカラーである赤をモチーフにしたウェディングドレス姿、
まるで高貴の令嬢のように華やかで気品漂う美しい姿だった、
俺はその美しさに・・心を奪われた。
「あら顔が赤いわよ?私の美しさにときめいたの?」
「ああ・・とても美しいよ・・愛してる」
「ありがとう・・・私もよ・・あ・な・た」
俺はエリーナを抱きしめ・・
ゆっくりと誓いのキスをした。
そして・・
指輪を取り出してエリーナの左手の薬指にはめた。
「これよりこの2人は夫婦となった、皆よ祝福を!」
国王の声を皮切りに丘の下に隠れていた木人形達が飛び出す、
俺とエリーナを抱きかかえ祝福の胴上げをしてくれた、
凄く恥ずかしかったが・・とても嬉かった。
画面を見ていた各種族はお祝いの拍手をしてくれた。
これを見ていたエマとソニアは・・・
次は私達の番だと気合いを入れていた。
サユミは・・・
嬉し涙を流していた。
クリスティーナはじめ各種族の独身女性達は・・
何も言わないデーヴィドを思いっきり睨みつけていた。
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