逆転の発想と隕石を住処にする新たな破壊神
シルビアの提案に驚きを隠せない夏姫と田所さん、まあ無理も無いだろう、
要望の為に意にそぐわない・・犯罪者等の人物の身体を使うのは気が引ける、
それともし・・今の身体に戻れなくなったらと思うと躊躇するのも当然だろう。
「(夏姫)そ・・その方法でしか日本に戻れないのでしょうか・・???」
「(俺)現時点ではそのようだな、今の君達と憑依者は魔力で繋がっている、
それが途切れると非常に危険と言える、まあやってみないとわからないが・・」
・・・
部屋には沈黙が漂う、気まずい雰囲気にしてしまったシルビアは心で反省、
自分は修羅場で生きてきたが夏姫達はほぼ純粋な子供のようだと悟ったようだ、
なので自分と同じ目線で話すのは得策では無いと考え目線を変える・・
・・・
!!!
「(シルビア)ね・・ねえ別にお願いがあるの、聞いてくれる?」
「(田所さん)な・・何でしょうか?」
「(シルビア)実はね~私達敵から狙われることが多くて被害も深刻なの、
その中には私の大事な部下も何人かいるわ、その大半は今も寝たきりなの、
でも現在の地球の医療では生命維持が限度、そこで貴方方の力を借りたいのよ」
「(夏姫)ぐ・・具体的にはどのような・・?」
「(シルビア)コウさんから聞いた話だと・・憑依で仲間を蘇らしているでしょ?
それの応用で私の部下を救って欲しいの、その方法はコウさんが知っているわ!」
俺に無茶ぶりするなや!!!!
「(田所さん)こ・・コウさんどのような方法なのですか?」
いきなりそんなこと言われても・・・
俺はしばらく考え・・バルベリスを思いだし仮説を立ててみた!
「一つ思い当たることがある、バルベリスが子供を収納魔法に隠していた、
その子供は既に死んでいたがバルベリスが入ったことにより身体が動き出した、
これに関しては田所さん・・貴方も似たような経緯のはず・・ですよね」
「は・・はい、私は一度絶命しましたが破壊神が入ることで蘇りました・・」
・・・・
!!!!!!!!!!!!!
「(夏姫)コウさん・・も・・もしかして言いたいことは・・」
「(田所さん)わ・・私が部下達に入り込むと言うことでしょうか?」
「(俺)ああ破壊神とある意味同化している田所さんなら出来るかもしれない、
精神だけでは無く身体そのものを憑依状態にしてシルビアの部下に入りこむ、
これなら一ヶ月程度は地球に滞在できるかもしれない、俺はそう考える」
「(マーティン)その根拠は?」
「(俺)単なる勘だよ、俺は様々な種族の魂をカードに宿し皆に憑依させた、
その経験から何となくだがある程度この勘は当たる、まあ他は全然だけどな、
なので試す意味でも当分地球のマンションで生活させればいいだろう」
「(シルビア)じゃ決まりね、とりあえず大事な部下2人をここに連れてくるわ、
ごめんだけど他の部下は使えないから貴方の子供達を使いたいんだけど・・いい?」
「(俺)ああ構わない、だけどもう1人頼みたいんだがいいか?」
「(シルビア)それは・・マーティンさん用・・というわけ?」
「(俺)ああそうだ、彼も地球に戻りたがっているからな」
「(マーティン)・・・た・・頼む・・」
「(シルビア)わかったわ、特に大事な部下3人をここに連れてくるわね!」
シルビアは即座に動きルア達を使って意識不明の部下3人を異世界に連れてくる、
そして夏姫と田所さんを憑依状態に・・最初は戸惑う2人だが故郷愛が勝った、
なので夏姫も憑依状態になることに同意、早速俺はカードを作成・・
「(ディーテ)面白そうだな、我も手伝おう」
「(俺)ああ頼む、神の後押しがあれば確実だからな」
「(ディーテ)ああ任せておけ!」
俺とディーテは憑依用の特殊カードを作る、尚これに関しては戦闘力は無い、
一時的に他の人間に憑依するだけのカードなので特殊能力も最小限に抑える、
これは憑依された人間に悪影響を及ぼさない為の処置だ。
そのころ・・・
ゴオオオオオオオオオオーーーーーーー
遙か彼方から巨大な・・火星ぐらいの大きさの隕石が飛んでくる、
驚くことにその隕石はほぼ無回転で進みさらに小さな太陽を従えている
さらにその中には空気や水、生命体も複数いて昼も夜もあるようだ。
これはもう隕石とは言えない・・
まるで地球が高速で移動しているようだ。
その中には・・・
「ウフフ・・この方向にディーテがいるようね・・」
「ええお母様、気配は感じますから間違いはないかと・・」
「それで?ディーテがいたら戦うの?」
「それは状況によるわ、あの暴れ魔のディーテが突然破壊を止めたからね、
おそらくだけどディーテは何かを悟ったと思うの、でないと納得出来ないのよ、
それが知りたいからわざわざ私達が出向いている・・そうでしょ?」
「ええその通りよ、まあある意味楽しみだわ~~」
「うふふ私もよ、まあディーテが私達を覚えていてくれたらいいけどね」
・・・
この高速移動する星の中にいる破壊神・・1人はディーテと同格と見る、
他にもディーテの分身と同格レベルが3人、見た目は全員女性のようだ、
他にも様々な種族がこの星で暮らしている、知的生命体もいるようだ。
!
ディーテは何かを感じたようだが・・
・・・
今は話す時では無いと考えたのか普段通り振る舞い笑顔で過ごす、
翌日4人の分身が気配に気づき密かに幹部を集め極秘会議を開催する、
皆の緊張が高まる、だがここに到着するのは3ヶ月後らしい。
「(ディーテ)どうだ?憑依戦艦は間に合うのか?」
「(ヘイゾウ)ああなんとか20隻は用意できる、だが次の生産は無理だ」
「(ディーテ)となると第7艦隊も憑依艦にする必要があるな」
「(ヘイゾウ)それはなんとかしよう、だが本当に来るのか?」
「(ディーテ)ああ我の気配を察知しているから間違いない、ここに来る、
だが我は・・こいつらの気配はなにか懐かしいがなぜか思い出せないんだ、
だが殺気もあるから戦闘になる可能性は高い、なので急ぎ備えてくれ」
「(俺)ああわかった、緊急指令を放つ、全員戦闘に備えよ!」
ウゥウウウウウウウウウウ~~~~~~~!!!!!
緊急サイレンが鳴り響く、だが皆は気合いは入れるが当面は普段の生活、
敵が来るのが約3ヶ月後なのでまずは食料保存と水の確保を徹底する、
用意が出来た所で戦闘訓練、小学生の子供でも銃を習っていた。
各星を結ぶ転送の鏡の警護は5倍に増やされ念のため資料を送りまくる、
万一転送の鏡が遮断されても俺達の技術はその星にそのまま残すためだ、
こうすることで通路が途切れても今の生活は維持できるようにしている。
とはいえ・・
キアーラ等俺達の異世界に特に関心がある者は応援と言ってこちらに来る、
それはカウノスやミラ、アメリー達も同様で何かと言ってこっちに留まる、
なので各星の重鎮達は隙見ては縛ろうとしているがその都度逃げられてる。
・・・
まあ一心同体の仲だと思うことにしよう。
その後は各艦の整備、戦闘機や戦車、対空砲など各地に配備されさらに武装化、
新たに開発された戦闘衛星も各星で打ち上げられレーザーやミサイルを備える、
これでもかと思いつく備えを徹底する各種族、さらに早寝早起きも欠かさない。
・・・
まあ寝る子は育つと思うことにする。
こうして一ヶ月が過ぎ・・・
「よし次は格闘・射撃訓練だ、全員揃っているな?」
「はい!!!!!!!!!!!!!」
各種族は学校等で格闘訓練を繰り返す、尚老人達もゲーム感覚で高射砲を扱う、
ほとんどが自動ではあるが故障した時を想定して手動訓練を繰り返している、
なにもしないよりはマシだとばかりに皆真剣に操作を習っていた。
さらに一ヶ月がすぎ・・
・・・
来月には謎の破壊神が来るはず・・
・・・
対決する時が近づいてきた。




