魂の召喚と引き換えに失うもの
国王たちの意図はこうだった・・
政治家や軍人を召喚したい大きな理由は戦争経験者が欲しいから、
二世や三世が多い政治家や軍人なら先祖に戦争経験者が多いはず、
そう考えた国王たちはそれらを招こうと召喚を繰り返していたそうだ。
そうして召喚した戦争経験者に支配魔法を使い繋がりを求める。
例えると・・
召喚者が軍艦等で一緒だった戦友たちの魂をまとめて召喚する、
その魂を支配魔法で木人形に乗り移らせて異世界で復活させる、
高度な経験者を招くほど戦力として莫大な効果を発揮すると・・
「難しいな」
「簡単に言うとあなたの血を辿り祖父母の魂と関連の魂を呼びたいの、」
その年代なら第2次世界大戦を体験してるでしょ?その経験が欲しいのよ、
軍人の家系なら関わりの深い祖父母がいてもおかしくないでしょ?」
「俺のお祖父さんならまだ生きてるが・・老衰で家で寝たきりだぞ、
たしかデーヴィドのお祖母さんも生きてたよな?」
「ああ、病院で寝たきりだけど」
「そのお二人は戦争経験者なの?」
「俺のお祖父さんは旧日本軍の連合艦隊幹部だったと聞いている」
「俺のお祖母さんは米軍で通信やレーダ関連の仕事をしてたらしい、
ただ現場(戦場)には行かなかったみたいだが・・」
「なおさらベストだわ」
「ちょっと待ってくれ!何がベストなんだ?」
「召喚魔法と支配魔法を混合させあなた達の血を辿り祖父母の魂を得る、
その魂に関わりのある魂たちを一気に引き寄せこの世界に召喚するのだ」
「そんなこと出来るのか?」
「試したことはない、だが我らはこれしか生き延びる術はない、
強大な魔物に立ち向かうには生半可な力だと意味が無いからな」
それはわかるが・・
「ちょっと待て!その祖父母が生きてる場合はどうなるんだ?」
「同時に魂が召喚される」
と言うことは・・
「俺たちがいた元の世界では・・死ぬということか?」
「そういうことになる」
「おい簡単に言うなよ、それだと俺たちがトドメさすじゃないか、
まだ生きてるんだぞ!他に方法はないのか?」
「申し訳ないが・・今の我々はこれしか方法が思いつかない」
「そ・・そんなことできるか!」
俺とデーヴィドは怒り狂って国王に詰め寄る。
俺たちは確かにこの国の危機を救いたい気持ちはある、
だが・・すでに亡くなってるならともかく生存してる人間、
生まれた時から大切に成長を見守ってくれた愛する祖父母だ。
それをこの手で・・
猛烈な怒りとそれを抑えようとする自尊心が俺の頭の中で入り乱れる。
「すまない、だが我らを助けてほしい、全滅だけは避けたいんだ」
それはわかるが・・
わかるんだよ!!!!!!!
でも譲れない事もある・・
「こっちに来て!」
エリーナたちが俺たちの手を引っ張り国王から遠ざける、
彼女は俺達を別の部屋に連れ込んだ。