プロモーションビデオとドラゴン達との質疑応答
東の大陸のドラゴンと人間達とやっと話し合いが出来そうだ、
久々の満腹からかすぐに皆爆睡して翌朝まで寝ていたからだ、
東の大陸の人間達には寝袋等を貸出しして・・持って帰らないように!
「寝心地がいいもので・・つい・・」
普段どんな生活をしてるんだろう?
木人形たちが後の対応は任せろと言うので俺は移動する、
アリゾナからホーネットに移り会議室に足を運んでいた、
ホーネットの会議室に皆集まり椅子に座った。
ドラゴン達の本体は航空母艦ホーネットの甲板で皆寝ている、
甲板は完全封鎖されてるので艦載機は飛び立つことが出来ない、
暇なパイロットたちは気晴らしに洗車・・いや洗竜をしていた。
で・・
今俺の前には複数のドラゴン達と人間の代表が並んでいる、
こちらにはクリスティーナはじめ各種族の女性陣が並ぶ、
リリーとララーも並んでいるが・・なぜかみんな照れていた。
「改めて自己紹介しよう、我はスカイドラゴンのアトラスだ」
「俺はフレイムドラゴン代表のアグニだ」
「私はアースドラゴン代表のシュメールと言います」
「私はフォレストドラゴン代表のディアーナと申します」
「私は東の大陸の村長ヤマダと申します」
日本人の名前?
見た感じ40代位でかっちりした体格のそこそこいい男・・
なんだろう・・彼を見ると俺と似た感覚を覚える、
深く尋ねたい所だが・・先に挨拶を優先することにした。
「俺・・いや私は・・」
俺の自己紹介を遮るようにクリスティーナが立ち上がり挨拶する。
「ドラゴンと人間の皆様はじめまして、こちらが総指揮官のデーヴィドです、
私はデーヴィドの青の夫人でクリスティーナ・クロフォードといいます、
主にルーム王国の軍事・芸術や文化保存の担当をしております」
俺は内心驚くが・・リリーがテレパシーで静観しろと言ってきた。
続けてジセルたちが挨拶を始めた。
「はじめまして、私はガルーダ代表のジセル・クロフォードといいます、
デーヴィドの金の夫人で西大陸の情報担当をしております」
「はじめまして、私はグリフォン代表のルミナ・クロフォードです、
デーヴィドの茶の夫人で西大陸の経済担当をしております」
「はじめまして、私は魔族代表のアミー・クロフォードと申します、
デーヴィドの黄の夫人で西大陸の狩猟関連の担当をしております」
「はじめまして、私は西大陸の人間代表のサクラ・クロフォードです、
デーヴィドの銀の夫人で農業関連全般の担当をしております」
何とか顔は平常心を保っている俺だが・・俺いつ結婚したのかな?
「はじめまして、私はリリー・クロフォード、と申します、
こちらはララー・クロフォード、西の大陸の環境担当です、
私達はデーヴィドの紫の夫人です、お見知りおきを・・」
ここでリリーから説明が入る、理由はコウの時とほぼ同じだ、
俺達が強固な団結と対等の立場だと見せつけるのは婚姻関係、
これが最も有効だからそれに合わせろと・・」
なるほどな・・
確かにこれだけドラゴンがいると生半可な状況だと足元見られる、
彼らのほうが個々の力は上だから、こちらは団結力を示す必要がある、
それには俺達が婚姻関係・・確かにこれ以上の団結はないだろう。
俺はリリーの言葉で気持ちを切り替え今は彼女達を妻とした、
まずは東の大陸の事を教えて・・相手から先に喋り出した、
話しだしたのはフレイムドラゴンのアグニだ。
「まずは食料の提供を感謝する、そして尋ねたい」
「なんでしょう?」
「君達は一体何者なんだ?美味い食事にこの巨大な船の数々、
どう見てもこの世界のものとは思えない、別世界から来たのか?」
ここで木人形たちが50インチ位のモニターを持って中に入る。
「そのご質問には我らが用意したプロモーションビデオをご覧ください、
映像や音声の中にあなた達が疑問に思っている内容が含まれています、
しばらく静観してご覧頂きたいのですがよろしいでしょうか?」
ドラゴン達はよくわからないみたいだが・・一応頷いていた。
「では始めます、こちらの画像と音声をしっかりご視聴ください、
尚同じ映像と音声を東の住民の方々にも各艦にてご視聴いただきます、
その後質疑応答を承りますので宜しくお願い致します!」
モニターに画像が映し出されプロモーションビデオが再生される、
ドラゴン達と東の大陸の住民たちは画像を見て驚いていた。
まずS●APの「Dea●WOMAN」の替え歌に合わせルーム王国、
各種族の女性達が笑顔で爽やかに踊りながら各地の状況を説明している、
当然ながらクリスティーナ達も出演していて皆照れ笑いしていた。
次に西の大陸、北の大陸と各地の同盟関係の詳細を説明している、
続いて軍備の説明、ここでは戦艦アリゾナと航空母艦ホーネット、
この2隻を代表として各武装の説明と内部の構造を紹介していた。
次にルーム国王が出てきて俺達の召喚の経緯や理由を説明している、
そして各種族との抗争と和解、共存に向けての行動を話していた、
そのための各地の食糧栽培や養殖場の状況等を伝えている。
他にも子供たちが学んでいる文化や芸術、自衛のための訓練、
食事の対価分のお手伝いなどを子供達が自ら説明をしていた。
そして敵対するエニウェアドラゴンとの死闘、南の大陸の悲惨状況、
ワイバーン等の南の大陸に住んでいた種族がその無念を訴える、
さらに矛盾した敵対には容赦なく戦うと各種族が宣言している。
そして最後に・・・
「東の大陸の皆様~~お会いできる日を楽しみにしていま~す!」
各種族が笑顔で手を振りビデオ再生は終了となる。
3時間ほどの長いビデオだったが・・皆瞬きも忘れる位視聴していた。
尋ねたい内容はある程度ビデオを見て納得したのか皆頷いていた。
「質問いいですか?」
質問してきたのはアースドラゴン代表のシュメールだ、
彼女は例えるなら社長秘書のような感じの長髪美女だ。
「はいどうぞ」
「あなたたちの詳細はわかりました、今後はどうお考えですか?」
「ビデオでもあったように我らは各種族との共存を望んでおります、
もちろんこの東の大陸の方々とも末永く共存したいと考えております」
「具体的にはどのように行動するおつもりですか?」
「今までの例で説明しますと・・まず話し合い各種族の悩みを尋ねます、
我らの技術で解決できるのであればそれらを提供して問題を解決します、
対価として各地の資源や労働力などを提供してもらってます」
「なぜ武力を使わないのですか?その方が早いのではないですか?
あなたたちの武力なら相手を一気に殲滅できるのではないですか?」
「確かにその見方もあります、ですが我々はそれを望んでいません、
一時的に繁栄してもその後悲惨な未来が来ることを我々は知ってます、
元いた世界でそれを痛感しております、同じことは繰り返しません」
シュメールは頷き納得したようだ。
「あの~私も質問いいですか?」
声を出したのはフォレストドラゴン代表のディアーナだ、
彼女はどちらかというと保母さんの感じでやんわりとした美女だ。
「あなたたちの心境はある程度理解できました、ただ・・
恥ずかしい話ですが私たちはあなた達に比べ貧弱な存在です、
ただドラゴンというだけで驚異的な力がある訳ではありません」
さらに・・
「あなた達は私たちを脅威の存在だと考え用心していませんか?
ですが私たちは自分の領地を守るのが精一杯でその力はありません、
そんな私たちをあなた達はどうお考えなんですか?」
「ご指摘の通り当初はドラゴンを驚異の存在だと思っていました、
ですが実際こうしてお会いしてみると話も通じ気持ちも通じました、
ならば共存と発展を望みます、共に助け合い未来に進みたいのです」
「こんな貧弱な我々とですか?」
「自分を過小評価するのはやめてください、皆必ず長所はあるのです、
自分でわからないのであれば他種族に客観的に見てもらえばいいのです」
「自分では気づかなくとも、目線を変えれば気づくこともあります、
貧弱な俺でも皆で力と知恵を出し合って難を乗り越えてきたのです
実際俺が愛する妻達は想像だにしない発想で何度も助けてくれました」
ディアーナは頷き・・クリスティーナ達は顔を真っ赤にしていた。
「すみません・・つい地が出てしまって・・・」
皆はデーヴィドの「俺」発言を思い出し大笑いしていた。
「あと一つ質問いいか?」
フレイムドラゴンのアグニから声が出る、
彼はみたまんま髭ダルマの体格のいい豪快な男のようだ。
「はいどうぞ」
「何で君たちは総司令官が2人いるんだ?、おかしくないか?
普通権力を一人で把握したいと考えないのか?」
「俺もコウも各種族が行動に移す時の背中押しにしかすぎません、
その方が皆気兼ねなく行動できますし様々な状況にも対応できます、
お互い幼少からの付き合いで考えてる事は大体わかりますから」
アグニは大笑いして納得していた。
「面白い奴らだな、よかろう、ぜひとも同盟を結びたい」
「ぜひ宜しくお願いします」
俺達とドラゴン達、それと東の大陸の人間達と・・
固い握手をして同盟を結ぶこととなった。
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