精霊族の第1王子とデウのとんでもない特殊能力
戦艦金剛の取り調べ室でデウを尋問しようと考えていたレイナだが・・
・・・
「う~このケーキ美味しかったわ、どうもありがとう!」
・・・
レイナはこの言葉で目を光らせる、というのもケーキをなぜ知っている?
巫女の星には砂糖らしきものはあるが加工品のケーキはそもそも無い、
なのにデウはケーキを知っている、これはもしかして・・
「あはは・・あなた私がケーキを知ってる事に疑問を感じてるわね?」
「えっ?ええそうよ、この異世界にはケーキはそもそも無いから・・」
「なのに・・私がなぜ知ってるのか?・・知りたくない?」
「そ・・それは当然よ、疑わない方がおかしいわ」
「それは当然の反応ね、説明していいけど条件があるわ!」
「な・・内容にもよるわ、言ってみて!」
「そうね~まず私の身の安全を保障すること、それと一日3食支給、
他に衣類等の支給や差別など手荒な真似等をしないこと、これでどう?」
「そ・・その程度ならいいわよ!」
「じゃ契約成立ね、これからもよろしくね!」
「よ・・よろしく」
驚きながら返答するレイナだが・・これで確信したようだ、
このデウは俺達の世界・・地球の情報を何らかの形で把握している、
そうでないとこの行動は説明できない、そこでレイナは・・
「ねえ聞かせくれる?コウ達の故郷・・地球の様子を・・」
「ええいいわよ、でも大半は客観的な内容よ、それでもいいの?」
「それで構わないわ、是非聞かせてほしいのよ」
「それなら・・貴方達皆と共有できる通信手段があるんでしょう?
それを使ったらどうなの?そうすれば皆に説明が行き届くわ!」
「えっ?あなたスマホを知ってるの?」
「それもあるけど~~私が提案したのはTV放送の事だけどね、
あれで地球の人々は情報を会得してるようだから言ってみたのよ!」
「TVのことは私も聞いてるわ、でもここではほとんどスマホでしてるわ、
あれなら場所に拘らず情報共有できるからね、それなら対応出来るわよ」
「それでもいいわ、私も貴方方に敵意を持たれたままだと困るのよ、
なぜなら・・私はもうディーテの元には戻れない、すべてを捨てて逃げたの、
なので今後は私も貴方方と共存したい・・・これが本音よ」
「わかったわ、準備するからしばらく待ってて!」
「あっ・・でもその前に・・」
「どうしたの?」
「他にも何か食べさせてくれない?私すごくお腹ペコペコなのよ、
あっ!できればすき焼きがいいな~~思い出したら食べたくなったの」
・・・
レイナは部下にすき焼きを用意させて緊急放送の準備に入った、
その際この画像をバルベリスとアクリスにも見せるよう通達した、
デウだけが優遇されていると誤解を招く恐れがあるからだ。
その2人だが・・バルベリスはイザリアの変態攻撃で気絶していた。
バルベリスに関しては既に力を失った子供なので薬で起こした、
そしてモニターの前に座らせ・・空腹そうなのでラーメンセットを与えた、
なぜか箸を上手に使うバルベリス、喜んで食べていた。
「うめ~~|うめ~~~!!!」
・・・
よほどラーメンが気に入ったのかおかわりを頻繁に催促してくる、
だがバルベリスは捕虜のようなものなので替え玉二つでストップ、
巫女の星を攻撃していた張本人なので食事は抑えめにした。
すると・・
「た・・頼む、せめて飯だけは腹一杯食わせてくれ、その代わり・・
俺が知る情報はデウの放送の後に教えるから・・」
・・・
よく考えるとバルベリスも3幹部の一人、特に最前線で頻繁に戦ってきた、
なので予想もつかない話が出るかもしれない・・部下はアデールに報告、
確証は無いが情報は知っていて損は無いと報告、アデールは頷き許可した。
その後バルベリスは牢の中で放送を見る、そして・・
・・・
その後バルベリスも俺達に有益な情報を提供することとなる。
それと・・・
アクリスとその妹達は特殊な魔法結界を展開した牢屋に移動させた、
だが5人はまだ起きないので牢屋に入れた後に強制的に起こした、
具体的には強烈な眠気覚まし、吹き矢に塗り腕に向けて撃った。
すると・・・
「こ・・ここはどこだ?」
今迄の殺気が嘘のように穏やかなアクリス。妹達もキョトンとしている、
どうやらカオス達の攻撃をまともに受けあらゆる封印が吹き飛んだようだ、
なのでアクリス達もバルベリス同様初級レベルまで力を落としている。
「こ・・ここはどこなんですか?」
「わ・・私達はなぜ牢屋にいるのですか?」
「あ・・貴方方のことを教えてください」
アクリス達は警備兵に質問の嵐、警備兵は差し支えない範囲で答える、
ある程度状況を把握したアクリス、デウの話があると聞きモニターを見る、
そうして準備は整った、レイナはデウを放送室に連れて行く。
尚・・
後から気づいた話だが・・
アクリス達は精霊族という種族らしく特殊な力を備えているらしい、
だが戦闘力はそれほどでもなくディーテに攻められ捕えられたそうだ、
その時にあらゆる封印を施されいいなりになっていたらしい。
なぜかアクリスにべったりの妹達、腹違いらしいが血縁関係のようだ、
だが妹達はアクリスから離れない、当のアクリスは凄く戸惑っている、
その理由は・・精霊族は女性が圧倒的多数で男性は1万分の1程度。
なので・・
女性達は数少ない男性に過剰なほど求婚を求める、それは肉親でも同じ、
さらにアクリスは第1王子らしく妹達には理想の相手なので尚更、
そのためか・・妹達は操られていた時もアクリスを気にかけていた。
尚精霊族も身内婚OKらしく・・まあ比率を見ればそうなるだろう、
激しく迫る妹達を宥めるアクリス、まず放送を見ろと言い聞かせた、
今後のこともあるので妹達も頷き・・でも傍からは離れなかった。
これは一旦置いといて・・
デウは放送室に入り・・カメラも熟知してるらしく手を振っている、
これに驚く各種族、一応先に詳細をメールで送ってはおいたのだが・・
あまりにも気軽にカメラに微笑むデウに皆は戸惑っていた。
そして・・
「みなさま初めまして、私は3幹部・・いえ元幹部のデウと申します、
これから私は・・皆様に会得した情報をお伝えしたいと思います、
尚これらに関しての質問は放送後にお願い致します」
これを聞いた各種族達・・
もちろん俺達地球人も・・
・・・
デウの言葉に・・集中していた。
「では・・まず私は死者を召喚してその知識や経験等を得ることが出来ます、
この度貴方方と交戦することとなった私は情報収集のためこれを行いました、
その結果・・戦闘では私の力ではあなた方に遠く及ばないと判断しました」
「そこで私は考えました、私を操るディーテ様・・いえディーテは冷酷です、
命令に背く、達成出来ない者は容赦なく滅ぼします、私はこれを恐れました、
ですが・・先程申しましたように貴方方にも勝てないと理解していました」
「幸い死者のほとんどは貴方方の総司令官であるコウさん達の星の人間です、
その知識を得た私は貴方方となら話が通じ身を守れ共存出来る可能性がある、
ならばディーテから逃げ出し投降しようと決意し行動に移しました」
「ありがたいことに私の気持ちは通じました、そしてここに来ています、
今後は身の保護と引き換えに私が得る情報をすべて貴方方に提供します、
現時点は・・地球時間で2023年秋までの客観的な情報を得ています」
そして・・
「必要であれば今後も私の特殊召喚を行い情報を提供させていただきます、
ただこの召喚は相手を選べませんので運任せです、それはご了承ください」
ここでデウは席を立ちお辞儀、この仕草は日本人の挨拶そのものだった、
次に彼女は・・ある歌を歌い出した、それはYO●SOBI「祝福」という曲、
なんでも新しいガ●ダムの主題歌らしく独特のメロディーだった。
これを聞いた俺達は・・・
デウの特殊能力に・・
・・・
無限の可能性を抱いていた。




