新戦闘機「疾風」の手配と疑いを感じたアテナ
洞窟の中から出てきた原子力空母の残骸?と言った方がいいのかな?
大きさは約300m、これは改装した信濃とほぼ同じ大きさのようだ、
牽引した後地底湖整備港・・面倒だからドックと呼ぶことにした。
そのドックに入港する原子力空母、見た感じエンタープライズ級のようだ、
だが原子炉や艦載機などは既に撤去され艦内はほとんど空っぽの状態、
艦名も撤去されていて・・というかその形跡が見当たらなかった。
もしかしてこれは・・
そのとき艦を調べていた調査員ライアンが俺に報告に来た。
「コウさん現時点までに分かった事をご報告します」
「ああ頼む、だがここではなんだから会議室に移動しよう」
「分かりました、急ぎ向かいましょう」
俺と調査員ライアンは新たに出来たドックの会議室に移動する、
途中ヘイゾウお兄さまとナターシャお姉さまも合流し会議室に入る、
そしてジェニー達が飲み物を用意してくれて俺は飲む・・
・・・
「うふふ美味しいですね、コウさん私に隠し事はダメですよ!」
「そうですよコウさん、僕たちに黙ってるなんてひどいですよ!」
・・・
なぜか俺の両脇にはサユミとタケシがいてサユミがそっと俺の飲み物を没収、
どうやらこの2人は俺の神殿の部屋に勝手に入りメモ等を見て気づいたらしい、
ふと横を見るとイチカが申し訳無さそうに会議室の入り口付近で頭を下げる。
・・・
サユミとタケシがイチカに問い詰め・・イチカがここを喋ったようだな・・
・・・
まあこの2人なら口が堅いから詳細を話しても大丈夫だと俺達は判断した、
なので話を進める、まず隼鷹と飛鷹に載せる艦載機のことで話し合った、
これに関しては現在製造している橘隼と新たな軽戦闘機を積む事となった。
その軽戦闘機の名は・・「疾風」
戦後生産された四式戦闘機「疾風」の名をそのまま受け継いだ機体となる、
見た感じは航空自衛隊のF-2を少し小型化した機体で最高速度マッハ2、
各地に配備する前提で開発した機体で各部メンテナンスフリーの部品を使用。
操縦の扱いやすさ、コスト、大量生産、滑走の短さを前提に開発されている、
威凜族の召喚した空母は中空母が多く数を乗せるため小型の戦闘機が欲しかった、
だが今迄の機体ではマッハ1.6と少し物足りないので新たに開発していた。
この機体なら橘隼程ではないが魔物と十分戦えるため採用となる、尚・・
隊長クラスは引き続き橘隼、セイビアーイーグルを使うことになっている、
これには理由がある、隊長クラスは専用にカスタマイズしているからだ。
だが一般兵は扱いやすさを求めたので疾風はカスタマイズ機能は省いている、
その分コストを抑えられたので大量に生産、各地各空母に次々と配属となる、
ちなみに第一艦隊に関しては自分達の機体を使いたいからと拒否された。
疾風に猛烈にライバル心を燃やすアメリカライアン達は新たな戦闘機を開発中、
だが今迄のF-5の改造版が大量にあるのでしばらくの間それを使い続けるそうだ、
ある程度新型機の目処が立てば順次入れ替えると意気込んでいた。
・・・
今は仲間なんだから仲良く共同開発すればいいのに・・
!!!!!!!!!!!!!!!
それは進化が止まると言われ俺の声はかき消された!
・・・
下手に関わるとろくなことがないのでほっとくことにした。
それはさておき・・・
隼鷹と飛鷹は万一にそなえての後方支援艦としてここに隠しておきたい、
だが肝心の艦載機が一機も無い、運ぶにしても工場からは距離がありすぎる、
それに大がかりに運ぶと各種族に一発でばれてしまう・・
・・・
存在を知られたら最後、俺をボコボコにしてでも奪うのは間違いない。
・・・
頭を抱える俺達、すると俺のパフェまで奪ったサユミが自信満々に語る!
「それなら信濃を使えばいいんじゃないですか?」
はい?
「信濃がこの海域で訓練すると各種族に伝えれば疑われないと思います、
信濃なら大量の戦闘機を運べますし紀伊に物資を詰め込み同行させるのです、
この2隻なら隼鷹・飛鷹と時雨の様々な必要物資も余裕で運べますよ!」
その手があったか!!!!!!!!!
俺は案を出したサユミの頭をナデナデ、なぜかタケシも求めるのでナデナデ、
さらにイチカの手伝いに来ていたミナトとヒトミの頭もナデナデしている、
それを見てイチカも・・
私にもと・・・
涙ぐむ顔を見た俺は負けて頭をナデナデしていた。
これらはさておき・・
早速この案を採用したヘイゾウお兄さまは急ぎ手配を整え戦闘機を準備、
それをルーム国の整備港にいる信濃に積めるだけ積んで出港準備をさせた、
同じく紀伊にも様々な物資を詰め込みいつでも出れるようにした。
隼鷹と飛鷹に関しては一応目処はついたので・・
次は謎の原子力空母の扱い、尚時雨の関連も紀伊に運ばせることとなる、
なので最大の問題としてこの原子力空母をどうするかに焦点が集まる、
既に原子炉などは無いので中身は空っぽ、改装は見やすそうだが・・
「ご報告します、この原子力空母はエンタープライズ級で間違いありません、
ただ艦名などは見当たらなかったのでおそらく試作艦かと思われます、
たぶん造ったのはいいのですが使い道が無かったので放置してたかと・・」
・・・
アメリカさんは何考えているのかな?
・・・
ここでタケシがある案を出してきた!
「この艦を改装して第7艦隊に所属させてはいかがでしょうか?」
これに対してヘイゾウお兄さまとナターシャお姉さまは渋い顔。
「それはわしらも考えた、だが肝心の浮遊石と重力石が無いから無理だ、
第7艦隊はどこに出向くか分からないからこの2つは必須なんだ、
これが無いと第7艦隊には配備できない、まあ改装は十分出来るがね」
「それなら大改装だけ行い使えるレベルまで準備するのはいかかでしょうか?
先で何らかの形で手に入るかもしれません、それまでは・・」
「隼鷹・飛鷹と一緒にここに留めておく・・ということかね」
「はい!先ではどのようになるかはわかりませんので備えは多い方がいいです」
「よし、その方向で行こう!原子力空母は使えるレベルまで改装するぞ!」
「はい!!!!!!!!
そうと決まれば行動は早い、ライアンとジェニー達は急ぎ空母を大改装、
砂糖に群がる蟻のように原子力空母にとりつき・・いや改装を行っていく、
2週間もすると鉄の塊だった空母は見事最新の空母に生まれ変わった。
ちなみに装備や武装は信濃とほぼ同じ、外観は異なるがほぼ同じ仕様となる、
名前はまだ無し、これに関しては落ち着いたら募集しようと考えた、
下手に勝手に名をつけると各種族が猛烈に怒りそうなので・・それを恐れた。
しばらくして・・
信濃と紀伊は表向き訓練として地底湖ドック近くまで往復を繰り返す、
疑われるとまずいので帰りはついでとして発掘した鉄を持ち帰っている、
そのためか誰にも疑われずに信濃と紀伊は往復を繰り返した。
原子力空母は艦載機約80機と信濃と同じ数を搭載出来たのでフル装備、
隼鷹・飛鷹が約50機づつ搭載できるので信濃でも一度では運べなかった、
そのため訓練のついでに鉄に加え他の物資も運ぶという行動を繰り返した。
各種族はそれに疑いを持たなかった、というのも自分達も同じ行動、
軍艦を使い各地に出向き補給と物資の運搬を繰り返していたからだ、
しかし・・信濃のこの行動に疑いを持つ者が現れた、神族のアテナだ。
基本第7艦隊は大和・武蔵・信濃・紀伊・モンタナの5隻で各地に出向く、
なので訓練でもこの5隻が分散して行動することはめったにない、
さらに信濃にはなにやら大量の荷物が満載しているようにも感じる・・
・・・
一応戦闘機に関しては輸送用は収納して信濃艦載機は甲板に出している、
だが数が多いので半数は下ろしカムフラージュのため甲板に乗せている、
なので見た感じ普通の状態にしか見えないようにしてはいるが・・
・・・
聖域から信濃の行動を監視するアテナ、その後ろに紀伊がついて行く、
紀伊の腹の中は物資でぎっしり、なので若干艦の水位が下がっている、
それを見抜いたアテナ、この2隻の行動は何かあると疑いだした。
・・・
アテナは考える、俺の性格を考えると何か隠し事をしてるのは間違いない、
だが行き先がキアーラの星なので自分は介入出来ないので12天聖を呼ぶ、
アテナは駆けつけた何人かの12天聖に自分の疑問を伝え・・
「・・というわけなの、急ぎ調べてちょうだい!」
「わかりました!!!!!!!!!!!!」
何人かの12天聖は密かに動き出し・・
・・・
信濃と紀伊の行き先を監視していた。
その頃・・・
「あっ・・この仕様いいですね~早速取り入れましょう!」
「おお~~これはいい、もっと豪華になるぞ~~」
・・・
ライアンとジェニー達は・・
暇だからとこの原子力空母に次々と様々な装飾を加えたのて・・
・・・
めちゃくちゃ豪華な仕様となっていた。