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異世界の過酷な現実と空回りの俺




ミオとティーラーはゆっくり手を挙げていた、それに呆れる俺だった、

驚くほどの美女ではないが・・レイを含むこの3人は十分に可愛い、

なので俺としては本人が望めばすぐに相手は見つかると思っていた。




だが・・現実はそう甘くはないらしい。




「コウさんはどう思っているのかは分かりませんが私達は末端の人間です、

この異世界では普通以下で力も弱く特別な能力も無いので魅力は乏しいのです、

さらに男性が極端に少ないから私達はほとんど異性から相手にされません」




ティーラーが深刻な顔をして語る、さらにミオが補足を語り出した。




「コウさん、私はあなたと同じ世界から来て実感したのですが・・」




「どう感じたんだ?」




「まず美貌ですね、末端の天使族でも私達の世界だとモデルクラスです、

さらに様々な魔法を使え剣等の武器の扱いも達人クラスで桁が違います、

以前私とレイがあなたの子供達と戦い・・全く歯が立ちませんでした」




つづいて・・




「私とレイはカサンドラさんとエスメラルダさんに憑依して貰いました、

そのおかげで聖級クラスの力は得ましたが単独では変わらず貧弱な存在です、

そのためかこの異世界の男性からは魅力が乏しいらしく相手にされません」




そういえば・・




ティーラーに人気があるのはライアンとジェニー、各種族はほとんどが末端、

幹部クラスは3人に親切ではあるが女性として見ておらず色恋事はないそうだ、

今でこそかなり薄れたがこの異世界は厳しい弱肉強食、なので当然・・




・・・




伴侶となる相手にも強さを求める、幹部クラスならなおさらそう考える、

以前俺が子を授かる事が出来ない種族とも結婚し風穴を開けたのだが・・

これも一時的なブームで終わりまだまだ伴侶に強さを求める風習は根深い。




ふと横を見ると・・




・・・・




魔族メイドさん4人の手は震えていた、極度に緊張しているのがわかる、

後から知ったがこの4人の相手は同じレベルの男性達だそうだ、なので・・

相手が嫌いでは無いがこのまま結婚すると末端確定するのでそれが嫌らしい。




・・・・




彼女達の苦しみは理解出来た俺、だがこのままでは俺の妻が増えるだけ、

いくら男性不足とは言ってもこのまま俺が女性達を独占してもいいのかな?

むしろ多妻を広げて各幹部達が受け入れれば問題ないと思うのだが・・




と俺はこれを告げる、すると魔族メイドさんが涙を流し俺に訴える!




「それが出来れば苦労はしません、確かにそれも一手だと思います、

でも末端の私達からしてみたら常に比較され役立たずの目で見られます、

でもコウさんに嫁げば種族の差はあるにせよ大切に扱って貰えるんです!」




さらに・・・




「コウさんは他の妻さんからボコボコにされても決して捨てたりはしません、

さらにソニアさん等論外の未亡人も受け入れています、それが魅力的なのです、

私達はそんなあなたに惹かれたから妻になりたいのです!お分かりですか?」




ボコボコは余計だろう・・




・・・




彼女達の苦しみは理解出来た俺、だがなんかが引っかかる俺の心境、

それを察知したアクワリオ、俺の心境を納得させるかのように語り出す。




「コウさんよく聞いて、私達もカオスに嫁いでいるけど末端はいないのよ、

その理由はね、他の種族の監視があるから強大な力を見せないと統制できないの、

特にそれらは極度にプライドが高いからね、末端がいるだけで怒り出すのよ」




そういうことか・・




伝令ならともかく非力な末端が自分達に統制を指示するのは許せないのだろう、

まあこの手は俺達の世界でも日常茶飯事、例えると会社の上下関係が考えられる、

平社員が社長に向かって指図する・・まあその後の展開は容易に考えられる。




ということは・・今度はアデールとカオスが俺に語り出す。




「ようやく理解できたんだね~あたいらもその辺はすごく苦労してるんだよ~、

何しろ凶暴な魔獣等と戦ってきた猛者達だからね、下手な説得は通用しないよ、

だから逆に末端を守るために籍には入れられない、求める声は多いんだけどね」





「そういうことだ、俺も彼女達の気持ちは嬉しいが危険だから拒否している、

だがお前はこの異世界の近代化を保持させるために超特例扱いとなっている、

だからどの種族の末端が妻になっても皆が納得し大切にする、理解したか?」




・・・




改めて自分は単なる種馬扱いと考えた俺だが・・




そうではないよと・・シルヴィとソフィアが俺を励ましてくれた。




「コウさんが本当は1人の妻と共にしたいのはわかります、でもそれは無理、

それはあなたの特殊な事情、それはエリーナさん達もわかっているのです、

本当は彼女達も傍にいたい・・でもそれだと次が娶れないから離れているの」




「それとね、あなたは妻が増えるのが不安みたいだけど・・それは大丈夫よ、

何しろこの異世界は戦争続きで男性が極端に減っているからむしろ大歓迎、

たぶん1000人ぐらい妻にしても問題ないからどんどん娶ってちょうだい!」




!!!!!!!!!!!!!!!!!!




この言葉に崩れる俺、今でも200人近くいるのだが・・




・・・




さらにその4倍を娶っても問題ないってこと?




呆気にとられる俺、するとレイナが呆れながら俺に訴える!




「何あんパン口開けているの?これだけ同盟種族が集まっているのよ!

ほとんどの種族は長い戦乱で男性を失っているのだから全然大丈夫、

それにそれらの男子はほっといても誰かを娶れるから心配は無用よ!」




そうなのか?




「そうよ、確かにあの魔族の親の気持ちも分かるけど肝心の相手は無関心、

実際来ようともしてないでしょ?それは別に相手が既にいるからよ、

だからあなたも受け身ではなく気に入れば求めればそれでいいのよ!」




この言葉で俺は驚き・・すぐさまメイドさんのお父さんに詳細を尋ねた、

その返事はレイナの言う通り、親としては相手方に娘を嫁がせたいのだが・・




・・・




かなり前に村を出ている娘達、傍にいないので相手方は既に諦めていた、

あの後母親達が確認した所相手方は別の女性と既に婚約成立したらしい、

なので申し訳ないが俺との婚約をそのまま続けて欲しいと掌返してきた。




・・・




結果として空回りで振り回されただけの俺、さてどうするか?

今のままだと目の前にいる魔族メイドさん4人との結婚に加え・・

場合によっては今後レイ達も受け入れるようになる・・



・・・



俺はどうしたらいいんだろう?



・・・



今でも名前や顔すらも覚えていない妻が多すぎるのに・・

さらに増えても問題ないと言われても・・




その時ティーラーが・・




!!!!!




爆弾発言をしてきた!




「コウさんがお望みであれば・・私でよければ今すぐにでも嫁ぎます、

その代わりこの2人は・・納得できるまで我慢して欲しいのです、

その時が来たら受け入れて貰えば・・その間は私が昼夜奉仕いたします」




いえいえそれは求めていませんから・・




・・・




悟りの行動をしているティーラーがここまで言うのだから深刻のようだ、

メイドさん達も・・もう後がないの・・とばかりに俺に懇願の目を向ける、

さらにミオとレイも目で訴えてくる・・もう道は一つしかなさそうだ。



・・・



俺は・・もう割り切るしかなかった。




「わかった!君達が望むのであれば俺は全員受け入れる、ただし・・

条件は3つ!一つは他の妻達と仲良くすること、2つめは子の扱い、

俺達は皆の模範となるからしっかり教育して常識的な子に育てること!」




「もう一つはなんですか?」




ミオが俺に尋ねる、俺はこう答えた!




「もう一つは・・俺は君達を束縛する気はない、好きに行動すればいい、

非常識な行動を除き婚姻前も後も自分が望むままに行動することを許す、

なのでミオ達が婚姻前に他の男性と結ばれても俺はそれを祝福する!」




「えっ?ということは・・」




「ああ今迄通り動けばいい、ティーラーも今迄通り動き見聞を広めろ、

そしてどうしても相手が見つからなかった場合は俺が全員受け入れる、

それならば問題ないだろう?俺も君達には期待しているからな!」




「あ・・ありがとうございます~~~!!!!!!!!!」




ミオ達は安堵の表情、メイドさん達も安心したのか皆うれし涙を流す、

これで一応婚姻関係は目処がついた、一段落に安心する俺だったが・・




「じゃ次はキアーラさん達の星の問題を話し合いましょ!」




すぐさまレイナが本題に切り替える、まあこのために集まったからな、

そしてキアーラの星の問題を皆に話し出す、ティーラー達は真剣に聞く、

そして一通り説明が済んだとき・・カオスがティーラー達に指示をする!




「君達に命ずる、キアーラさんの星に向かい各地の状況を尋ねてくれ、

そしてそれを纏め俺達に報告すること、可能な限り急ぎ動いて欲しい」




「わかりました!!!」




ティーラー、ミオ、レイは・・・




急ぎ動きキアーラの星に向かった!
































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