メイドさんの村出と売れ残った際の保険扱いの俺
ティーラー・ミオ・レイは急ぎ荷物を纏め駆逐艦不知火を後にした、
乗組員達は3人の乗るヘリに向かって手を振りバイバイ、皆笑顔だった、
ヘリに乗る3人も満面の笑顔で不知火に向かって手を振っていた。
不知火から戦艦比叡まで約5分、その間3人は何やら話し合っていた、
どうやらミオが何かを閃いたみたいで自分の考えを2人に話している、
それを聞いて驚く2人、だがなぜか2人はなるほどと頷いていた。
「・・というわけよ、そうすれば先で売れ残っても安心でしょ?」
「そ・・そうね・コウさんならそれは対応出来そうね」
「そ・・そんなことできるのですか?」
「そこはレイ!貴方が堂々と宣言すればいいのよ、それを誓ってほしいとね、
そうすればあなたは・・いえ私達2人も安泰なのよ、ねえティーラー?」
「そ・・そうですね・・私も売れ残りそうですから・・」
「でしょ?先のことはわからないから保険をかけておくと安心できるわ、
それまでは私達好きに動いた後いい出会いが無ければ保険を使うのよ、
勿論エリーナさん達には私から話しておくわ、それならいいでしょ?」
「そ・・そうね、それなら了承できます!」
「よし!これで決まりね!レイしっかり頼むわよ!」
「わ・・わかったわ!やってみる!」
3人は手を取り合い堅い握手、するとヘリは比叡の艦尾に周り静かに着艦、
静かにヘリから降りる3人、すると目の前にカオスが現れ3人はビックリ!
まさか西の大陸の王が直々に出迎えに来るとは想像もしていなかった。
「ようこそ比叡へ!我が名はカオス、以降お見知りおきを・・」
「は・・・は・じ・め・ま・し・て・・・・テ・ィ・ーラーです」
「お・・お久しぶりです・・レイです・・」
「か・・カオスさん・・ミオです、お・・覚えてますか?」
ヘタレ3人組は異様な殺気を放つカオスにタジタジ、するとレイナが来た!
「あなた殺気出す必要は無いわよ、この3人には用があるんでしょ?」
「ああそうだな、すまなかったな、ついあいつの事で・・」
???
ミオ・レイ・ティーラーは意味不明、だがカオスが怒っているのは理解、
ふと思い出したミオ、そういえばこの比叡にはコウも乗っているはず?
だが俺コウはどこにもいない・・突然後ろからアデールが出てきた!
「わっ!!!!!!!!!!」
「キャアアアアアアアーーー!!!!!!!(×3)」
「あはははははははは!!!おひさ~~~!」
アデールのビックリ!で腰抜かした3人、するとアクワリオが現れる!
「もうアデールったら・・来客を腰抜かせてどうする気なの?」
「あはははごめんごめ~~ん~~あまりにも堅苦しかったからついね!」
ハヘハヘハヘ・・・
猛烈に驚き立つことも出来ない3人、さらにシルヴィとソフィアも現れる、
カオスの正妻5人が集まり遠くに金剛・伊勢・日向・扶桑・山城が見える、
尚山城艦長のマイラは現場の指揮をしていてここには来なかった。
「よいしょ!と・・・!!!これで大丈夫かしら?」
シルヴィとソフィア、それとアクワリオがミオ達に回復魔法をかける、
なんとか元通りになった3人はレイナの先導について行き来賓室に移動、
そこには・・なぜか俺のメイドさん4人がいてミオ達をもてなしていた。
なんとか落ち着いた3人、だが肝心の俺がいないので3人は落ち着かない、
というのも・・俺にあることを告げる為レイは気合いを入れていたが・・
・・・
それを見たカオスは本題は後回しにして落ち着かないレイに尋ねる。
「レイさん、落ち着きがないようですが何かあったのですか?」
「あっ?は・・はい、実はコウさんに告げたい事があるのです、
でもここにはいないみたいで・・コウさんはどこ行ったんですか?」
「あああいつか・・あいつは俺に君達を任せて魔族の村に行ったんだ!
比叡にいたそこのメイドさんのお父さんがいて挨拶したんだけどな、
それならばと他のメイドさんの親御さんにも挨拶に行くと逃げたんだ!」
「はい?」
予想もしない返答に目が点になるレイ、横見るとメイドさんが複雑な顔、
というのも俺は今いる魔族のメイドさん4人とこの後強制結婚させられる、
だが比叡にいたお父さんはこの結婚乗り気では無いと俺に話してきた。
その理由は・・
娘達は既に親が決めた婚約者がいたのだが娘達は村に永住を嫌がった、
俺達が召喚される前は半分諦めていたのだが俺達が召喚されて一変、
様々な娯楽や高度な教育を求め村を出てルーム国に来たらしい。
当初彼女達は軍艦の部品を作る工場に勤めながら俺達の文化を吸収していく、
真面目に頑張ったこともあり給料は増え生活も徐々に豊かになっていく、
心に余裕が出来た彼女達、するとスマホに掲載していたある募集を知る。
その内容は・・
俺の面倒を見るメイドの募集案内を見て気持ちが揺らぐ、これはチャンス!
この時彼女達は俺が破壊神を蹴散らした時大量の指輪をまき散らした、
まああれは鎧の中に入っていた指輪が出ただけなのだがそれを見て・・
・・・
彼女達も指輪の意味は知っていたので・・
・・・
末端の自分達でも受け入れて貰えると勝手に思い込みメイドに応募、
だが申込者があまりにも多かったので何度も不採用になったそうだ、
10回目の応募でやっと当選、やっと念願の相手が見つかったと心で喜ぶ。
それと同時に・・
俺の妻になった女性には地位が約束されるので彼女達は燃えていた、
やっと末端から解放されると意気込みあの手この手で求婚を申し込む、
だが俺は彼女達から愛は感じなかったのでなんとか断ろうと考えてた。
そんな気持ちの時・・
比叡にいた魔族メイドさんの父親と相談して俺は魔族の村に直行した、
純粋な魔族の跡継ぎが欲しい母親などと相談するため、その内容は・・
・・・
娘さんの気持ちは嬉しいが俺としては本来の相手と結ばれるべきと考える、
なので一度俺を含む全員で会話の場を設けてはどうかと進言、親達は頷く、
話はほぼ纏まったので・・俺は翌日一旦戦艦比叡に戻った。
戦艦比叡には既にミオ達がいた、メイドさんもいたので会議室に皆を呼ぶ、
そして俺の考えを説明、皆は静かに聞いてはいたが不機嫌な顔をしている、
俺の話が終わった後カオスから挙手が出たので俺は応じることにした。
まずカオス・・・
「コウお前の気持ちは分かった、だがその前に彼女達の声を聞け!」
カオスはこう言って沈黙、まずメイドさんが自分の意思を語る!
「コウさんが私達を避ける意図は理解出来ました、でも村には戻りません、
私達は確かに度が過ぎた言動をしていましたが・・好きなのは確かです、
それと私達は本気であなたの子を授かりたいのです、それは信じてください」
続いてレイナが語り出す!
「コウ、親御さんの気持ちもわかるけど私は彼女達の意思を尊重するわ、
あなたはこの異世界に必要不可欠な存在なの、でもいつかは・・
それに備えての行動なのよ、だからあなたは先でも受け入れるべきよ」
???
レイナの引っかかる言葉に戸惑う俺、するとレイが立ち上がった、
そして俺にお辞儀、次の瞬間彼女が爆弾発言をする!」
「コウさん・・あなたとの婚約のことですが・・今回は断念します、
私はまだまだ未熟なので見聞を広めて自分の進みべき道を探します、
でも先でもし私・・いえ私達が売れ残ったら受け入れて欲しいのです」
??????????????
何言ってるんだ?
婚約を断っておいて・・先で受け入れろだと?
俺を保険かなんかと思っているのか?
それに私達?なんで複数形なんだ?
だとしたら・・他に誰がいるんだ?
俺がそう考えていると・・
・・・
ミオとティーラーが・・
・・・
ゆっくりと手を挙げていた。