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地獄の3姉妹と呼ばれた経緯と妥協案を考える俺





俺とブルーアイズは寝る間も無しでカードに光を注ぎまくっていく、

その甲斐あって次々と憑依モンスターが生まれ仲間と再会を果たす、

卿魔族達は大喜び、消滅した約7割の卿魔族が憑依モンスターになった。




だが残念ながら・・




既に寿命が近い老人等はすぐに魂が消滅したらしくカードに宿らなかった、

他にも生まれる前の胎児等がカードに宿らずそのまま魂が消えていたそうだ、

残念だがこれは仕方ない、魂がカードに宿らなければ憑依は出来ないからな。




ウワアアアアアアアアアアア~~~~~ン!!!!!!!




泣き喚く同胞を慰めるイザリア達、卿魔族の幹部は各地に出向き同胞を慰めた、

俺達としては・・少しでも落ち着けるように食事の支度をするのが精一杯、

空腹だとさらに悲しみが倍増するので民衆もその気持ちは理解していた。




思いっきり泣き喚き・・




・・・




しばらくしたら落ち着いたようで・・この時俺達はどうするのか聞いてきた、

担当者は・・遺体は火葬し病原菌の繁殖を防ぐためだと説明、民衆も頷いた、

ちなみに卿魔族達は寿命が近づいたときは人目を避け静かに散るそうだ。




・・・



なんか猫に似ている感じがするが・・



・・・



深く考えないことにした。




他にも石碑を彫り仲間を供養することや墓参り等を行うと説明、

卿魔族達は仲間の名を石碑に残すことに関心を示し空き地を提供してきた、

俺達はそこに礼拝堂などを造り供養できるように整備した。




死者への弔いが落ち着いた後・・




「それでなんですけど~~~~!!!!!!!!!!」




・・・



めちゃくちゃ切り替えの早い卿魔族の民衆の皆様は次の話題に切り替える、

それは俺達の世界の食べ物、非常食を食べた後すっかり虜になっていた、

まあ無理もない、今迄が生きるための壮絶なハイエナ生活だったからな。




ここからは経験のあるマーリット達に説明をさせた方がいいかも・・

と俺は考えた、だがマーリット達はなぜかその場から逃げていった、

周りがこれを聞いた途端顔を青ざめ身震いしながら俺に確認してきた。




「えっ?マーリット三姉妹に貴方達の事を説明させるのですか?」




「ああそれがいいと思う、彼女達は俺達の世界を細かく知っているからな」




「そ・・それは避けた方がいいかと・・あの三姉妹はとても危険です」




「?、どうしてだ?彼女達は普通に俺たちと接しているぞ?」




「わ・・私たちは・・あ・・あの3人と目が合ったら恐怖しかありません、

何もしてないのにすぐ攻撃されたり威圧されたりと虐められていました、

なのであの3姉妹に貴方方のことを民衆に伝えるのはやめた方がいいかと・・」




・・・




俺はマーリット達を呼ぶ・・3人ともなぜか一目散にルーム国に逃げて行った、

後からアリスィ達に尋ねた所あの3人は地獄の3姉妹と民衆から恐れられていた、

だが俺は信じられなかった、初めて会った時は威圧はあったが常識的だった・・





「それはコウさん達が戦艦三笠であの三姉妹の配下魔獣を一蹴したからですよ、

あの3人は何か気に入らないことがあればすぐに魔物を呼び出し暴れ出します、

そのため部下たちはいつもあの3人を避け民衆は家に隠れたり閉じこもります」




・・・




「だ・・だがあの3人は卿魔族は相手を選ぶと言ったぞ!認めた種族としか・・」




「確かにある程度は考えますよ!ですが意固地になるほどこだわっていません、

大体配下種族が沢山いるのに選り好みしていたら差別や偏見ばかりが生まれます、

あの3人は単に歩く等の些細なことでも気を害するので手に負えないだけです」




・・・




今迄のマーリット達のことを思い出しながら・・頭を傾げる俺だった、

まあ確かに好戦的な雰囲気はあったが話は通じるし筋の通った行動をしていた、

なのでまだ信じられない、それほど彼女たちは民衆に恐れられているのか?




・・・




するとアリスィと憑依したイザリアが俺に近づき彼女たちの生い立ちを話す、

3姉妹の両親はケイオウの幼馴染だったがその昔破壊神との戦いで絶命、

まだ幼かった3姉妹はその惨劇を見て・・悔し涙を流し復讐を誓ったそうだ。




以降三姉妹は狂ったように強くなることだけを求め周りと距離を置き始めた、

だが彼女達に近付く者は偶然であっても攻撃されていたので怯えていた、

さすがに無法的な行動を繰り返す3姉妹にケイオウは無視できず傍に置いた。




王の命なので渋々従っていたマーリット達、だが常に周りと衝突していた、

そんな矢先突然召喚され・・得体のしれない俺達を用心して隠れていた、

だが俺達を調べていくうちに・・新たな力を得れるような感じがしたようだ。




しばらくは様子を見ようと人間世界に移動し周りを凶作にして追い払った、

だが俺達に察知され・・魔影の騎士達を展開し追い払おうとしたのだが・・

戦艦三笠の艦砲射撃に肝を冷やし・・話し合いに持ち込んだらしい。




マーリット達は憑依モンスターとして復活したイザリアに経緯を話していた、

俺達を知り・・自分たちの仇の破壊神は俺とデーヴィドが倒していたと聞く、

間接的ではあるが親の復讐は果たせたので・・心の復讐心は消えたそうだ。




だが・・




今迄の同胞たちへの行いは・・謝って済むことではないと悩んでいた、

せめてもの罪滅ぼしにと・・自分達が帰りたいと偽り俺達を紹介させること、

そうすれば食も豊かになり皆の心の傷もぬぐえるだろうと考えたらしい。




それと同時に・・




役目を終えた自分達は・・卿魔族の星に戻らず俺達の星で暮らしたいらしい、

幸いにもマーリットがルアと婚約してるかもしれないイラストを見た、

これも運命だろうと悟り・・急ぎ卿魔族の星から逃げたらしい。




・・・




複雑な心境ではあるが・・話を聞いてると彼女達も相当苦しんだようだ、

やりようのない怒りを周りにぶつけ憂鬱な気分を周りに押し付けていた、

そんな自分達は・・今さら改心したと言っても信じてもらえないだろう。



・・・



俺は・・・




ある妥協案を考えた。




それはマーリット達を俺達との貿易の窓口・・受付係にすると言う案、

俺達の商品を買いたい場合マーリット達を経由しないと買えない仕組み、

3人が真面目に働き卿魔族達に尽くす姿を見せれば・・




・・・




たぶん卿魔族達はマーリット達は俺達との出会いと戦いで改心したと思うだろう、

あとは真面目に仕事をしている姿を見せれば民衆も見る目が変わると思う、

マーリット達も今迄の行いの償いをすれば気兼ねも減っていくだろう・・




・・・




思いっきり消去法の妥協案だが・・まあ単刀直入の行動の方がいいと思う、

下手に回りくどいことしたら逆に溝が大きくなるからな・・・




・・・




まあなんとかなるだろう!




翌日・・




俺はマーリット達とイザリア達を呼び・・場所は中立を保つため神殿で行う、

まずはマーリット達に今迄の償いを兼ねた貿易の窓口担当をするよう提案、

イザリア達はマーリット達の仕事を評価し民衆にそのことを伝えること!




と俺は彼女らに提案したんだが・・




「コウさんお心遣いはありがたいのですが・・私達の答えはノーです!!!」




あっさりマーリット達に拒否された俺だった。




「お・・おいちょっと待て!なんで拒否するんだ?」




「単純に余計なお世話だからです、私達は元々単独で動く種族です、

なので出会い頭に衝突、争いになることは日常茶飯事です、それと・・

私達雑務関連はすごく嫌なのです、なのでその案は断固拒否します」




さらにイザリア達も俺の提案にはノーを訴える。




「コウさん心配しなくてもいいんですよ、この3姉妹は必要とあらば動きます、

それに・・この3人に窓口させると儲けばかり追求して貿易になりません、

この3人は認めた者には礼を尽くしますがそれ以外だと・・」




・・・




「めちゃヤバいということか?」




この言葉を聞いたマーリット達は顔を赤らめ・・イザリア達は静かに頷く!




・・・




俺はどうしたらいいんだろう?




悩む俺の顔を見てイザリア達が笑う、そしてこう一言!




「コウさんがマーリット達を心配する気持ちは私達素直に嬉しいのです、

でも私達も基本弱肉供食、弱い者は淘汰される世界で育ってきました、

なのでいつまでも昔のことにしがらみを持つ者はいませんのでご安心を」




「そ・・そうなのか?」




「ええ・・そんなことを考える暇はありませんから・・」




「で・・でも部下はマーリット達を恐れていたぞ?」




「別にいいんじゃないですか?そんな些細な事考えても仕方ありません、

いちいち弱者に過剰な気遣いをする必要はありません、そう思いませんか?

悔しかったらその者が別分野でもなんでもいいから強くなればいいだけです」




・・・



「か・・過剰な気遣いは不要ということか?」




「当然ですよ、大体いい大人がいつまでもウジウジして気味悪いだけです、

なのでコウさんも深く考えずに私達と接してください、その方が気が楽です」




・・・




「はい・・わかりました!」




「では私達はこれで・・」




マーリット達はさっさと帰っていった・・




・・・



俺も・・




・・・



深く考えるのはやめることにした。
















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