卿魔族星に向かう俺達とドスケベのルア制御方法
卿魔族達・・特にマーリットはものすごく複雑な気分で落ち込んでいる、
というのも・・自分を差し置いて妹達がこの異世界歴史に名を残したこと、
それも元祖の類いなので羨ましさと妬みと恥ずかしさも込み上げているようだ。
それはアリスィも同じ、まだ同盟関係に至っていない相手の歴史に名を残した、
だがそれは元祖猫攫いというある意味卿魔族の恥とも言えるような称号・・
事情を知らない種族が見たら卿魔族は野蛮で過激な種族と見られてしまう・・
・・・
アリスィとマーリットは頭を抱える、反面大喜びのカルディナとキャサリン、
猫攫いという訳のわからない称号?ではあるが自分達は歴史に名を残した、
頭を抱える美女2人と歓喜の美女2人を見ていたお供の男性3人は・・
・・・
「そんな事で悩んでいるだけ時間の無駄です!早く帰りましょう!!!」
!!!!
冷静な男性3人の声を聞き我に返る女性達、頭をかきながら開き直る、
その横では・・散々待たされている俺達、既に転送の鏡は設置済み、
あとは空間封印の鍵を使えば卿魔族達の星に向かうことが出来る。
ご・・ごほん!!
「お待たせしました、これより我が星に移動致します!!!!」
マーリット達は襟を正し転送の鏡の前に立ち空間封印の鍵を握りしめる、
そして鍵を投げる・・空間封印の鍵は砕け散り何かがねじ曲がる音がした、
しばらくすると転送の鏡が一つ消え・・もう一つが光を放ち始めた。
「これで我が星と繋がったはずです、確認してきますね」
マーリット姉妹は3人揃って転送の鏡の中に入る、だがアリスィ達はそのまま、
念のためなのかアリスィはカルディナに紐をくくりつけ引っ張る姿勢を維持する、
なんか犬の散歩のような雰囲気だが本人は大真面目だった。
しばらくして・・
カルディナが1人で戻ってきた、まあ彼女は縛られているから当然ではある、
だがマーリットとキャサリンは傍にいない、先に王に報告に行ったらしい、
なのでアリスィは通っても問題ないと判断して転送の鏡に入っていく。
「どうぞ皆様、転送の鏡は無事我が星に繋がっております」
これを聞いた俺達はアリスィ達の後を追い転送の鏡の中に入っていった、
外に出ると・・1km程先ではあるが海のような水平線がしっかり見える、
どうやら今回は海沿いの近くに繋がったようだ、一安心の俺達。
「ここから我々の王城までは10km程先にあるので飛んでいきましょう!」
俺を含む皆は空を飛べるので静かに浮上して王城方面に飛んでいく、
今回向かうのは俺とカオスファミリーとルシファー特戦隊のメンバーだ、
エリーナ達は他の妻達の子供のお守りが忙しいので今回お留守番となる。
「お~~~い待ってくれ~~~!!!!!」
声がしたのでその場で静止し振り向くと・・大人姿のルア達が飛んできた、
来たのはルア・エナ・ソアラ・カオルとなぜかアメリーとアヌビスがいる、
そのアメリーは大人姿のエナにしっかり抱きかかえられていた。
「ふっ・・俺は子供には興味ないのさ!」
ドスケベなルアも小学生位のアメリーには興味は無いようだ、
本当はエナを抱きかかえ飛びたかったようだがエナは危機を感じ・・
先にアメリーを抱きかかえソアラがルアに寄ったがルアは離れて飛んでいる。
「もう~~なんでルア兄は私を避けるのよ~~!!」
その理由は簡単、今の時点でソアラとイチャイチャしてたら他が逃げてしまう、
特にエナは母がエルフのトップのエマということもありエルフの次期女王候補、
この異世界も女性エルフは美人だらけなのでルアは同年代全員を狙っていた。
当初はルアに惚れていたエナだったが・・ルアのあまりのドスケベに幻滅、
まだ自分に一途で真面目なカオルの方が安心できるのでルアとは距離を置く、
だが何だかんだとルアがしつこく絡むので更にアメリーを傍に置いている。
自分達と異なり子供のまんまのアメリーは・・
純粋無垢な笑顔で接してくるので・・
さすがの大人姿のルアもこの笑顔には手が出せず普通に接するしかなかった、
子供の時は何も抵抗がないが大人姿になるとこの笑顔には手が出せなかった、
さらに無下にすると女性陣からひんしゅくを買いそうなので用心している。
そういう意味では・・
ドスケベな大人ルアの最大の天敵かもしれないアメリー、エナはそれを感じた、
なのでエナはルアが大人姿になるとすかさずアメリーを傍に置き備えている、
アメリーは訳わからずキョトンとして・・でも深く考えずにニコニコしている。
なので・・
最近エナはアメリーに出来るだけルアの傍にいるようにとも告げている、
子供のルアはそれを喜んでいるが・・大人になるとものすごく憂鬱になる、
アメリーが傍にいることで目当ての女性に手が出せないのがその理由だ。
・・・
エナはこのことをエリーナ達にも伝えていた、エリーナ達もこの考えに同意、
妻達もルアのあまりのドスケベに深刻に悩み対策を講じる必要があると考える、
エナの案を聞いた妻達はその考えに同意、アメリーを傍に置くよう指示した。
ちなみに大人となったルアは気に入った成人女性・・まあほとんどなのだが・・
セクハラやプロポーズを繰り返し自分の女にしようと猛烈にアタックしている、
それは母親でも例外ではない、実際実の母のエリーナに猛烈なキスをしている。
・・・
俺はこのことに関しては・・
・・・
何も見ざる、聞かざる、言わざるを貫くことにした。
これらはさておき・・
アリスィ達はルア達の同行を許可、まあ断る理由がないので深く考えない、
しばらく飛んでいくと王城が見えた、白く大きな城だが形が独特だった、
例えると沖縄の首里城とロンドン塔とドイツのマルクスブルク城を混ぜた感じ。
・・・
いまいちピンとこないかもしれないが・・まあそういうことだ。
その王城に俺達は入る、だが中には誰もいない・・廊下が続くだけだ。
「皆は貴方方を遠視魔法で見ているのよ、だからここには誰もいない・・」
「なるほどな、俺達は品定めされてるようなもんだな・・」
「それは違うわね」
「なんだと?」
「私達が以前驚いた事覚えてる?」
・・・
なんだっけ?
「マーリット達のことよ、冷酷で笑うことが無かったあの3人が・・
貴方達と出会ってからまるで別人のように明るくなっているのよ、
それに皆驚いているの・・だから貴方達と距離を取っているのよ」
「ますますわからないな・・」
「だからね~貴方方の不思議な能力を見極めるまで距離を取っているの、
でないと自分達もなにされるかわからないから用心に用心を重ねてるの、
それと王の命令もあるのよ、自分が認めるまで干渉するなとね」
・・・
単純に戦艦三笠の艦砲射撃で彼女達の配下をボコボコにしただけだが・・
・・・
俺達は深く考える事は止めて・・
アリスィの案内で王の待つ部屋に向かう、かなり歩いたがまだ着かない、
どうやらこの城は迷宮と化しているようでアリスィ達がいないと・・
おそらく彷徨い永遠にこの迷宮から出られない・・
「そういうことよ、迷宮に迷い込みたくなかったらついてきなさい」
・・・
俺達は黙ってアリスィ達についていく、しばらくすると扉が見えてきた、
アリスィ達は何やら呪文のようなものを唱え・・ゆっくり扉は開く。
「どうぞお入りください、私の父・・卿魔族王がお待ちです」
俺達は静かに扉を通る・・もの凄い覇気が俺達の身体に響いてくる、
正面を向くと・・王座らしき椅子に座る雄々しい男が一人座っていた、
例えるなら北斗●拳のラ●ウのような猛烈な覇気を放つ男の感じだ。
その横では・・
「お待ちしていました、どうぞそちらの席にお座りください」
こう俺達を案内するのは・・
・・・
なぜか満面の笑顔の・・
マーリットとキャサリンだった。