民衆への細かい説明としょーもないトラブル
大空に描かれたアメリーの笑顔を見て民衆達は大歓声を上げる、さらに・・
同盟締結後各艦を見学し今迄見た事の無い技術に驚き仰天していた、
尚乗組員達は民衆の質疑応答に応えていて大忙しだった。
一例として・・
「こ・・これは何なんですか?」
「これはスマホといいます、これがあれば遠くの仲間と話が出来ます」
「えっ?こんな光る板で話が出来るのですか?」
「ええ大丈夫です、なんなら隣の艦にいるお仲間とお話ししますか?」
「えっ・隣には妻達がいますが・・ここから話せるのですか?」
「ちょっとお待ちください、隣に連絡してみます」
モンタナ乗務員は隣の紀伊にいる獣妖族の仲間に詳細を話しスマホを持たせる、
すると・・・
「あらあなたなの?すごいわこれ!あなたの声すごくはっきり聞こえるわ!」
「お・・驚いたな・・妻の声が・・こんな板からはっきり聞こえる・・・」
「我々はこれで遠くの仲間と連絡が取れます、そして画像や文字等も送れます、
さらに我らは共通語を使い翻訳魔法を使わずに会話できるのです、なので・・
我らの技術をこの星でも使えるようにお願いしたいのです」
「す・・するとどうなるのですか?」
「大概の問題点は改善出来ます、例えば明日の天気がこの板で調べられます、
他にも手紙を瞬時に送れるので意思疎通が早くできます、他にもあります、
これを持った複数の仲間と離れていても話が出来るので会議も出来るのです」
「言われた事がすごいのはわかりました、でも貴方方のメリットは何ですか?」
「私達のメリットはこれらを使った貿易や商談、緊急時連絡など様々です、
既に複数の星でこれらを使い各地は大発展しています、ここもそうなります、
そうなると我々も欲しいものや情報などが手に入るので共に発展出来るのです」
「ということは・・我々はその技術を提供してもらい不自由さが減っていく、
貴方方は我々の土地にある資源などを手に入れて更に技術を高めていく、
そうすることでお互い発展を進めていく・・と解釈していいのですか?」
「もちろんその考えは的を得ています、さらに私達はある懸念があるからです、
それは破壊神の存在、お聞きだと思いますが我々の仲間が攻撃を受けました、
そのような脅威の相手と戦うため仲間は多い方がいいと考えているからです」
つづけて・・
「我々は「共存」を最重要と考えています、それは破壊神とて例外ではありません、
我々の考えに同意し理不尽な暴力等が無いと判断したら仲間として歓迎します、
既に何人か仲間がいますが残念ながら大半は我らに敵意を向けていますので・・」
「あ・・貴方達は先でそれらと戦うのですか?」
「状況によります、攻めてくる敵には応戦しないと大事な仲間が殺されます、
それは絶対嫌なので武器を持って戦います、貴方方も同じだと思いますよ、
理不尽に攻めてくる輩にひれ伏すのですか?私達は絶対に拒否します」
さらに・・
「ただ敵が強大だと単独では限度があります、だから我々は仲間を求めています、
自分と大事な仲間を守る・・時には戦う必要もあります、だから備えるのです、
私達はその想いで動いています、勿論貴方方ともそうでありたいと願います」
「お気持ちはわかりました、となると貴方方の技術が我が星に入るのですか?」
「現時点では最小限のみです、というのも現在アヌビス様領地を大幅整備中です、
我らが往来する転送の鏡はアヌビス様領地にあるので水路等を開拓中です、
こちらが落ち着き貴方達の王族の許可を得てから整備する考えでございます」
「我らの生活に影響はあるのですか?」
「ある程度はあります、勿論我らの技術を拒否していただいても構いません、
しっかり確認していただいて必要であれば導入すればいいだけです、なので・・
我らは貴方方に強制は致しません、しっかり確認してからお考えください」
「それは興味深いですね、でもどうやったらそれらを深く確認出来ますか?」
「現在アヌビス様領地の一部の町を特区として我らの技術を投入しています、
こちらに関しては来月工事が完了しますのでそちらでお確かめください、
ただ人数が多いと見学は抽選になる場合がございますのでご了承ください」
「わかりました!!!!!!」
こんな感じで・・
各艦の乗務員は民衆に説明、民衆も特区を見てから判断すると考えたようだ、
2日ほど滞在した後第7艦隊は反転しアヌビス領地に戻っていく、尚・・
帰る直前俺と幹部は王城に向かい挨拶、転送の鏡と空間封印の鍵を受け取った。
「この度は譲渡感謝いたします」
「いえいえご迷惑をおかけした事を考えると安いものです」
「これより我らはアヌビス様領地に戻ります、お騒がせしました」
「そ・・それについてなのですが・・」
「どうなされました?」
「さ・・先では・・我らもアヌビスと同じ扱いになるのですか?」
「私達はそのつもりです、同盟仲間は軍務等を除き皆対等と考えています、
ただアヌビス様領地に転送の鏡があり先にこちらを開拓する必要があります、
水路等を確保しないと物資が運べないので・・それはご了承ください」
「それは当然の答えです、それに関しては了解しました、その代わり・・」
「何でしょう?」
「見聞を広めるため我ら王族の何人かを貴殿達と同行させたいのだか・・」
「それは構いませんが・・・どなたですか?」
「は~~いあたしで~す~~!」
・・・
いつのまにかルア達と仲良しになっていたアメリーが元気よく挙手!
他にもいとこらしき男性と女性が2人ずつ、さらにそれらのメイドさん、
10人ほどが席を立ち同行を希望したので受け入れることにした。
尚人工衛星に関しては準備ができ次第できるだけ早く打ち上げる事になった、
スマホでの通話機能やネット環境は早く欲しいと王が懇願したので了承した、
他にも輸送重巡での定期便も開拓、こちらも用意ができ次第運行する。
他のことに関しては王達もアヌビスの特区を見てから決めたいと言っている、
なので俺達は転送の鏡を運ぶため一旦戻り特区を最優先で整備する流れとなる、
尚アメリーが気に入ったクレーンゲームは王達も欲しがったので譲渡した。
「じゃお父様行ってくるわね!」
「ああしっかり学んで来るんだぞ!」
「は~~~~~い!!!!!」
王城を後にした俺達、第7艦隊は転送の鏡を牽引しアヌビス領地を通っていく、
既に水路は完成・・海賊達が張り切り大幅に拡張したので余裕で通れた、
尚アヌビス領地にあった転送の鏡も牽引、一旦ルーム国迄運ぶことにした。
これはマーリット達卿魔族が望んだこと、入出口はルーム国を希望した、
俺達がいる星と他の星を繋ぐ転送の鏡はすべてルーム国で厳重管理している、
ならば自分達も同じ位置におけば厳重管理してもらえると考え進言したからだ。
それと転送の鏡まで帰る途中海賊達が面談を希望したので応じることにした、
基本的な流れはアメリーの星と同じ、他の船を襲わない事を条件に同盟締結、
以降海賊達は穏やかとなりアヌビス達と貿易を活発化していった。
3日後・・・
第7艦隊はルーム国に戻り転送の鏡を運んだ後ドックに入り整備を受ける、
既に卿魔族用の転送の鏡を置く位置は決められていていつでも開通可能、
早速開通を・・その前にあるしょーもないトラブルが出た!
それは・・ある事務所での出来事だった!
「え~~~~~~~!!!!」
「カルディナさん!キャサリンさん!貴方方は完全に包囲されました!!!
無駄な抵抗は止めて人質・・いえ猫質を解放して出てきなさい!」
これに対して2人は・・
「い・・嫌よ!誰が出て行くものですか!!!!」
「そ・・そうよ、こんな美味しそうな猫を見たらもう我慢できないわ!!」
「ニャーニャー(訳)コウさん助けて~~食われる~!!」
「ニャォ~~ン(訳)まだ食べられたくないよ~~!」
・・・
カルディナとキャサリンはある事務所に立て籠もる、助けを求める猫たち、
それは俺のお供の猫2匹、カルディナ達に懐いていてすごく甘えていた、
当初2人は深く考えずに構っていたが丸々と肥えたこの2匹を見ていて・・
・・・
押さえつけていた野生の本能が目覚めたのか2匹を攫って事務所に立てこもる、
皆は殺気と食べる気満々の2人を見てただ事では無いと察知し説得を続ける、
尚マーリット達も集まり説得するが2人は応じる気配はない。
・・・
俺は呆れ汗をかきながら・・・
・・・
マーリット達の説得に任せるしかなかった。




