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大幅に遅れた式典と大空に描かれた満面の笑顔




なんとか最悪の事態は避けられた隣の星、王達は深く考えていた、

もしアメリーの捨て身の説得が無かったら・・冷や汗が止まらなかった、

だが気になることもある、なぜ彼ら彼女らが総攻撃をしなかったのか?




その気になればアメリーの話など無視して攻撃することは容易いはず、

だが当初アヌビスは彼ら彼女らは話が通じると言っていたことを思い出す、

なので・・一度深く話し合いたいという感情が芽生えてきていた。




そのため第7艦隊の訪問を許可、攻撃以外の行動も許可すると返事、

話し合いの後同盟が締結する前には式典を行いたいとも返事してきた、

俺達もこの内容には了承、翌日午前に伺うと返事していた。




その頃俺達は・・




出航を明日に控え・・まあアメリーはクレーンゲームで遊んでいたのだが・・

幹部達は隣の星の民衆にインパクトを与えるなにやらを考えているようだ、

その対策案が一つ出てきた、それは戦闘機を使った演出だった。




「うぇ~~~~~ん1個もとれなかった~~~~!!!!」




・・・




大甘設定のクレーンゲームなのに1個もとれず大泣きして悔しがるアメリー、

はぶててエリーナの所に来たのだが・・ちょうどある案が纏まっていた、

エリーナはアメリーを膝の上にのせて自分達の案をアメリーに話す。




「うん面白そう!でもこんなこと出来るの?」




「それは大丈夫よ、うちの戦闘機乗りは自信満々だったわ!」




「じゃお願い!大空に大きく描いてね!」




「ええ任せてちょうだい!」




アメリーはその後ルア達とトランプなどで遊び・・全敗で悔しがっていた、

先見の目は鋭いがそれ以外は普通以下のアメリーに気遣い合わせる子供達、

なのでその後気づかれないようわざと負けたり手を抜いたりと大忙しだった。




翌日・・・




「第7艦隊出航!アメリーの星に向かう!」




いつのまにか隣の星をアメリーの星と名付けた俺達は静かに港を出る!

信濃が先頭で左横に武蔵、右横に大和、左後ろに紀伊、右後ろにモンタナ、

三角形の形の陣形でアメリーの星に向かう第7艦隊の5隻だった。




キイイイイイイイイイーーーーーーン!!!




信濃の戦闘機隊、各艦に積んである垂直戦闘機が出撃準備を整えている、

信濃艦長サユミは戦闘機隊の指揮を取ろうとパイロットスーツに着替える、

すると後ろから2つの手が伸びてきてそれを阻む、サユミは驚き振り向くと・・




「だ・・誰???」




「あらサユミどこ行くの?戦闘機隊は私達に任せてちょうだい!」




「そうですよサユミさん、貴方は艦橋で指揮を取ってください」




・・・



そこにはなぜか天聖族のヘミニと威凜族のバイオレットがいた、

ヘミニは旦那のマテオが戦闘機乗りなので何となくわかるのだが・・

だがバイオレットは自分の拠点で指揮を取っていたはず・・




「拠点は旦那に任せて私は気分転換に信濃に乗り込んでいたのよ!」




・・・




あれだけイチャイチャだった2人があっさり離れたの?




何かあったのか?




「単純に気分転換だけよ、というかマーティンがそうしろと言ったの」




はい?




「あまりにくっつきすぎると飽きた時冷めが一気に来るからそれは嫌だって!

それとお前は若いんだから色々見聞を広めろと言われたのでそうしたのよ、

ちょうど信濃が出航してたからこれ幸いとヘミニさんの部屋に潜り混んだの!」




・・・




ヘミニは信濃に専用の部屋を作っていた、来賓室並の豪華な仕様だ、

この部屋は天聖族幹部専用の部屋らしく夫のマテオも入ることが出来ない、

だがバイオレットは女性で威凜族の幹部なので特別に許可したらしい。




ちなみにマテオは888空戦隊長なので個室ではあるが二等部屋の扱い、

部屋は4畳ほどでダブルベットが置かれ他は机ぐらいで正直かなり狭い、

ダブルベットなのは妻のヘミニが時々部屋に来るのでそのためらしい。




・・・




軽い扱いは俺だけではないと確認し・・ほっとした俺だった。




それはさておき・・・




「こ・・ここは信濃艦長である私が戦闘機隊の指揮を取ります」




「何言ってるの?艦長が艦を離れたら意味ないでしょ?」




「そうそう、戦闘機隊は私達が指揮するから貴方は艦に残りなさい!」




サユミとヘミニ・バイオレット連合は口論、戦闘機隊を指揮したいサユミ、

戦闘機に関しては自分達が上だと主張し目立つ地位を奪おうとする連合、

結局連合が勝利しサユミは肩を落としながら艦橋に戻りすねていた。




「ぐすん・・ヘミニさんもバイオレットさんも・・ひどい・・」




・・・




これもさておき・・




第7艦隊はアメリーの星の星に入った、しばらくすると帆船艦隊が現れた、

帆船艦隊は第7艦隊の道案内として合流し前を進んでいたのだが・・・




・・・




「道案内役遅いですね~~~」




「仕方ないわよ、風がないから帆船だとスピード出せないわ」




この日は晴れで風もほとんど無いので帆船艦隊はスピードが出せなかった、

なので第7艦隊も減速、到着時間がかなり遅れ王達は待ちくたびれていた、

俺達も気合いが抜け待ちくたびれたアメリーはエリーナの部屋で爆睡していた。




遅れること3時間・・




午前中に着く予定だったが着いたのは昼過ぎ、暑さもあり皆くたびれていた、

王達は簡易テントの中で待っていたのだが暑いので服を脱ぎ凌いでいた、

民衆は住処が近い者達は一旦帰ったりタオルで頭を覆ったりしていた。




ちなみに温度は38度まで上がり式典は明日に延期しようと相手が言ってきた、

天気を調べたところ明日も晴れなので俺達も了承、王達を艦に招き食事を提供、

艦内は冷房が効いているので快適、王達はこの快適な艦内と食事に驚いていた。




だが・・




まだ同盟締結していないので民衆は艦には乗せることは出来ない、だが・・

王達の許可を貰い見物でいた2千人程の民衆にはアイスシャーベット等を提供、

更に簡易テントを複数作り屋外クーラ等で熱中症を防ぐ処置を行った。




この晩食事が済んだ後王達と会談、まず俺達の今迄の経緯と考えを説明する、

王達はこの考えを理解してくれたようで頷いていた。




次にアメリーの行動や先見の考えに同意し共に歩みたいと心惹かれたこと、

先般各地で破壊神が攻めてきたこともあり備えるため仲間を増やしている、

各地の軍備を整え連携を深めれば十分対抗できるとも伝えている。




この言葉は王族に響いたようだ、更に強大な敵が侵略してきたら防ぎきれない、

自分達の精鋭がわずか5分で武蔵一隻に蹴散らされた事を考えると楽観は出来ない、

今すぐにでも戦力を補強しないと滅ぶだけだと実感したようだ。




そうして・・




大まかなところはお互いほぼ同意、翌日同盟締結の流れとなりお互い一安心、

ただアヌビスの同志を攻撃した事に関してはこの場で謝罪を行い公表はしない、

これは民衆に伝えるとややこしいことになると判断しアヌビス達も頷いた。




その後も話し合いは続き・・お互い同意したので翌日同盟締結となった。




王達は各艦の来賓室で休む、外にいる民衆には非常食と毛布などを配給した、

一旦帰るように王族は促したが歴史的瞬間に立ち会いたいと民衆は居残る、

なので俺達は寝袋も支給、尚これらは記念品として贈呈することにした。




翌日・・・




急ぎ式典の準備を整える、場所はモンタナの甲板で王族と俺が署名する、

当初朝10時に行う予定だったが次々と民衆が来たので1時間前倒しにした、

朝食を軽めに済ませ皆式典に向けて準備を早める。




「これより異世界連合軍とアメリーの星との同盟締結を行います!」




進行役が宣言し王と俺達幹部がモンタナの甲板に立ち同盟締結を宣言する、

民衆は各地に設置したモニターでその様子を見守る、尚内容も映し出される、

民衆はそれを見て経緯と詳細を知る、尚暴動などは一切起きなかった。




こうして同盟締結!俺と王は固い握手を交わし喜びを分かち合う!




「これよりアメリー王女の功績を称え表彰を行います!」




ワアアアアアアアアアアアアーーーーーーー!!!!!!




アメリーが戦艦武蔵から現れ皆に手を振る!民衆はアメリーを見て大歓声、

すると信濃からヘミニとバイオレット率いる・・一応マテオもなんだが・・

戦闘機隊が次々と離陸し大空に向かって飛び立ち編隊を組む!




「絵柄担当の機は私に、色担当はバイオレットに、残りはマテオに従って!」




「了解です!!!!!!」




戦闘機隊は三班に分かれ・・まず絵柄担当が大空にスモークで絵を描いていく、

次に色担当が様々なカラーを絵に重ね残りはアクセサリー等を描いていく、

尚各艦の垂直戦闘機は全機離陸、マテオの指示に従い描いていった。



そうして・・大空にある顔が現れた、その顔の人物は・・




「えっ?あれアメリー様でしょ?」




「わあ~~満面の笑顔だ~~~!!!」




「すげ~~~!大空にアメリー様の顔が描かれているぞ~~」




戦闘機隊が描いていたのはアメリーの満面の笑顔、あの時の笑顔だった、

護身用の剣を砕かれ落胆したアメリーがエリーナの言葉を聞いたときの笑顔、

俺達幹部はあの笑顔こそが友好の証であると思いこれを思いついたのだ。




民衆は大歓声!そしてアメリーに手を振りアメリーもそれに応えていた!




式典終了後・・




各艦は民衆に艦内の見学を許可、一斉に各艦に押し寄せ興味津々に見ていた、

重要箇所を除き詳細を説明する各乗務員、忙しいが皆笑顔で対応していた、

大仕事を終え一息つく俺達幹部、するとアメリーが来て俺に手紙を渡してきた。




その手紙の内容は・・




!!!




転送の鏡と空間封印の鍵を無償で譲渡するという内容だった。










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