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アメリーの覚悟の自害と彼女の予想外の要望




隣の星の幼い第1王女、俺は彼女にアメリーと名付けた。




彼女は俺達の怒りを静める為自らを生贄とし亡骸を捧げる気だった、

護身用のナイフを躊躇いも無く自らの喉に突き刺し死のうとしたが・・




・・・




「氷壁!!!」




サユミがアメリーの喉元に薄い氷壁を張り彼女の自害を阻止していた。




「破砕!」




バキィイイイイイイイイーーーーーン!!!!




次の瞬間タケシが護身用のナイフを破砕していた。




・・・




「あっ・・・あああああ・・・」




大粒の涙を流しながら砕けたナイフを見て・・その場に崩れるアメリー、

どうやらエリーナはアメリーが自害すると見てサユミ達に密命していた、

まあ確かに幼い彼女が俺達の怒りを静める方法はこれしかないだろう。




静かに彼女を見るエリーナ、ふと横を向くとルア達が泣いて見つめていた、

もう勘弁してあげて・・自分達と同じぐらいのアメリーを見て目で訴えてくる、

これ以上アメリーを苦しめないでと・・エナが祈るように母を見つめる。




エナは・・なんとなく嫌な予感がしていた、たぶんこれのことだろう、

何かは特定はしていなかったようだが・・目の前の光景で確信していた、

なので母・・まあ異母ではあるがエナ達は実の親のように懐いていた。




それはエリーナも同じ、エナ達を実の子のように大切にしていた、

その子供達が自分に無言の懇願をしている・・




・・・




アメリーの行動は予測していたエリーナ、なので自害は絶対阻止する気ではいた、

だがアメリーの・・その躊躇いの無い行動を見て・・




・・・




彼女と俺達の怒りは吹き飛んだ、そして泣き崩れるアメリーの傍に来て・・




!!!




アメリーの手を握りしめ・・涙を流しながら語り出す。




「貴方の覚悟受け止めました、これより私達は総攻撃を中止いたします、

アメリー様が望むのであれば我々は改めて貴殿達と交渉いたします、

もちろん対等の立場での交渉です、受け入れていただけますか?」




この言葉を聞いたアメリーは・・




「も・・もちろんです、よろしくお願いいたします!!!」




泣き崩れた顔から満面の笑顔、エリーナは周りを見て皆の意思を確かめる、

俺を含む幹部達は静かに頷き・・




グゥウウウウウウウウウ~~~~~!!!




アメリーのお腹から猛烈な腹の虫の音がした、真っ赤な顔になったアメリー、

どうやら緊張のためこの数日何も食べていなかったらしい、さらに音が鳴る、

緊張が解けたことで一気に力が抜け空腹感がモロに出たらしい。




「先に食事にしましょうか?もちろんこちらで用意します」




「よ・・よろしくお願いしま・・・・・・す・・」




超赤面のアメリーと手を繋ぎ食堂に向かうエリーナ、他はアヌビスと対話、

今までの経緯はリセットし改めて隣の星との交渉に望む為会議室に移動、

お互いが納得できる内容を書面に纏めた後アヌビスに交渉してもらう。




ちなみにアメリーは食事後疲れ果て爆睡したので紀伊の来賓室に眠らせている、

以降彼女の世話はエナ達が引き受けエリーナ達は交渉内容を確認していた、

尚この経緯は各艦のモニターとスマホで放送されていたので皆知っていた。




2日後・・・




アメリーが起きた頃内容が纏まったので彼女にも確認してもらう、

その内容は以下の通り、尚アメリーの要望があれば別途追加する。




● 隣の星からの先制攻撃に関しては武蔵が帆船艦隊を撃破したので相殺。



● ただアヌビスの同胞を攻撃した事に関しては謝罪をしてもらう。



● 交流・貿易は今まで通りとし海上封鎖は取り消しとする。



● 転送の鏡と空間封印の鍵は譲渡願う、その相当額の対価は支払う。



● 希望があれば俺達異世界との同盟後交流・貿易も可とする。



● 今回の最大功労者はアメリーとしお互いの歴史に詳細を刻むこと。



● 上記の同盟・交渉に関しては中立のアヌビス領地で行う。




他の細かい内容に関しては後日話し合いで決めることとしアメリーに見せる、

すると彼女は予想外の要求をしてきた、それは・・




「この第7艦隊が私達の星に来てこの上で同盟締結してほしいの!」




この言葉に一番驚いたのはエリーナ、すぐさま確認してきた。




「そ・・それはどういう意図なの?」




「お父様や王族は貴方達を知ってるけど民衆は知らないの、だからね、

先でまた愚かな戦いを挑む輩が出ると思うの、それを防ぎたいのと・・

頼れる仲間が出来たと知らせるには来て貰ったほうがいいと思うの」




・・・




ほんとに彼女小学生なのか?




すごくしっかりしてるんだけど・・




ちなみにアメリーは起きた後俺達の詳細を知りたいとエナに尋ねていた、

エナはプロモーションビデオを見せたり本で伝えたりと大忙しだった、

途中ルア達がスマホ等を説明、これにはアメリーも目を輝かせていた。




そして・・・




ある程度交渉内容が纏まったので再びアヌビスに仲介してもらう、

その時アメリーも連れて帰るかと思ったが本人は猛烈に拒否した、

俺達としては人質を取るような感じなので帰るように促したが・・




「私はここに残ります、この艦隊と一緒に戻りたいのです!!!」




堂々と宣言するアメリー、何かあると考えたエリーナが質問する!




「ねえアメリー・・何か魂胆でもあるの?」




「ええ!もちろんあります!」




堂々と宣言するなよ・・




「よかったら教えてくれる?」




「はい!私がこの艦隊と戻ったら民衆は貴方達を仲間だと思うはずです、

正直私達の軍備は貴方達に到底及びません、なので強化したいのです、

そのためにはこの艦隊を見て免疫をつけなければ拒絶反応が出るでしょう」




続けて・・・




「今後を考えると私達はあらゆる蟠りを捨て柔軟にならないといけません、

それにはこの5隻を民衆に見せつけ新たな世界を教える必要があります、

その先駆けとして我が星に来て貰いここで同盟締結するのが理想なのです!」




・・・




アメリーって本当に小学生なのか?




ものすごく先見の目が鋭いんだけど・・




あまりにもしっかりしすぎているので俺達はアヌビスに尋ねた。




「この子は昔からこうなのです、先見に関しては大人にひけをとりません、

ただ他に関しては普通以下なのであまり過剰な期待はしない方がいいです」




・・・



なんか不安があるが・・まあいいか!




結局アメリーはここに残り・・・




エリーナ達はアメリーの案を受け入れたようなのでアヌビスに仲介を依頼、

アヌビスは単独で隣の星に再び出向き王たちにアメリーの行動を説明、

その甲斐あって攻撃は中止、俺達が対等な条件で応じたいと説明していた。




これに対して王達は・・




最悪の事態は避けられたとして安堵の表情、条件を書いた書面を受け取る、

内容を見た王は・・皆と検討したいらしく3日後に返事すると言ってきた、

アヌビスは了承、3日後にまた来ると言い残し自分の領地に戻った。




翌日・・・




別行動をしていたルシファー達がアヌビスの帆船艦隊を引き連れ戻る、

当初カオス達の援護をするため隠れていたがこの時点では戦闘はなし、

会話を聞いているうちに危険は無いと判断し帆船を回収に向かった。




その際海賊の幹部と対談、船は返すが中身は勘弁して欲しいと言ってきた、

というのも・・海賊達の作物は凶作もあり収穫が大幅に落ち込んでいた、

育ち盛りの子供達を飢えさせるわけにはいかないので艦隊を襲ったそうだ。




この帆船艦隊には俺達への貢ぎ物が満載していたがほとんどは海賊が食べた、

なので残りはわずか・・これは返せないので海賊達はある案を言ってきた、

それは肉体労働、自分達が働いた分を対価にして欲しいという内容だった。




なので帆船艦隊の中には海賊が大勢いた、俺にその経緯を説明するルシファー、

ならばと俺はまだ未完成の転送の鏡付近の水路等の設備工事を委託した、

体力には自信がある海賊達はその案を了承、交代で工事に関わっていた。




しばらくすると水路は完成、海賊の働きもあり水路は更に大きくなった、

これで戦艦クラスでも余裕で通れるようになり貿易は盛んとなっていく、

ちなみに海賊達もここで働きたいと言うので出店や卸等を手伝っている。




そうして・・




隣の星から返事が来た、一部の内容は交渉の要望があったが概ね了承、

アメリーの希望でもある第7艦隊での訪問・行動等は許可するとの返答、

それと転送の鏡が見つかりそのことも併せて話し合いたいとの返事だった。




これを聞いた俺は第7艦隊に号令・・




「あなたは今回引っ込んでいて!私達が受け持つわ!」




エリーナに押し出されはぶてる俺を皆無視して各艦は出航準備を急ぐ、

ちなみにパンに関しては要望が多かったので工場を建設することにした、

港付近に広大な空き地があったのでそこに最新鋭の工場を建設している。




ただ天候が雨だったのでアメリーは晴れの日を要望、急ぎ天候を調べる、

隣の星には人工衛星が無いのでアヌビスの部下が広範囲に天候を調べた、

その結果明日には晴れそうなので明日出航することとなった、




その間アメリーは・・




ポトリ!!




「あ~また落ちた~~!もう一回!」




大甘のクレーンゲームに悪戦苦闘していて・・




ポトリ!!




「くやし~~もう一回!!!!!!!」




景品を1個もとれていなかった。






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