追い出される俺達と展開したクラウディアドール
各地の重鎮達は次々とルーム国にあるサッカースタジアムに集結する、
これは長方形の方が戦いやすいというマーリット達の希望に沿ったもの、
さらにVIP席も多く結界も展開しやすいのでこの場所に決まった。
ちなみに今回は有料扱い、集まった資金は貧困層の援助に使う事になる、
一般席は一律1500ギルで指定席は2000ギルとなっている、尚・・
VIPルームは一律100万ギル、定員内なら何人でも同じ値段だ。
俺は中央にあるVIPルームを確保、100万ギル支払い席に座る・・
・・・
エマたち妻軍団と子供達が占領し俺達は一般に放り出されて意気消沈、
仕方がないので指定席を別途購入してお供達と共に並んで座っている、
すると親衛隊達がうどん等を買ってきてくれた、皆で楽しく食べている。
・・・
控室で俺達を見ていたマーリット達は呆れ顔、あんたら重要人物でしょ?
と言いたげそうな表情ではあるが・・もう慣れた俺達は全然気にしない、
周りもそんなもんだとばかりに接しているので全然違和感が無かった。
・・・
マーリット達は見て見ぬふりをして決闘に備え準備をしていた。
ちなみに決闘開始時間は午前10時なので皆は先に朝食を取っている、
用意したのは朝7時だがマーリット達は満腹になるまで食べていた、
その後シャワーを浴びてのんびり過ごす、さらにワイン等も飲んでいた。
・・・
あんなに食べて飲んで・・本気で戦う気あるのかな?
ナレーションルームで頭を傾げる俺、するとマーリットが来た!
なぜかシャワー後のタオル一枚姿、猛烈に色っぽい姿で俺に迫る、
そして笑いながら俺の耳元に向かって静かに喋りだす!
「それはご心配いりません、私達は20分あれば十分消化できます!」
そういい残し彼女はさっさと控室に戻りのんびり準備をしていた、
尚対戦相手のソネットとバイオレットも同じような感じで準備をしていた、
んでエリーナはと言うと・・こちらもワインを飲んで上機嫌だった。
・・・
俺は彼女達に深く関わることはやめることにした。
これらはさておき・・
会場は超満員、久々の決闘ということで注目度はうなぎのぼりだった、
さらに公認の賭けも盛況、現時点一番人気はマーリットだった、
次に人気があるのがソネット、ちなみに最下位はエリーナだった。
???
なぜかエリーナには誰も賭けていなかった。
・・・
「どうして私だけ誰も賭けないの?あなたなんとかしなさいよ!!」
!!!!!!!!!!!!
猛烈に怒った彼女は俺に苦情の電話!自分に賭けろと猛烈に訴える、
仕方がないので俺達は総出で持ち金叩いてエリーナに賭けまくる、
なんとか最下位脱出したエリーナ、代わりにバイオレットが最下位。
・・・
バイオレットは気にしない様でマーティンとイチャイチャしていた。
・・・
「これより決闘を開催いたします!」
なぜか審判役として現れたワイバーンのアデール、猛烈に嬉しそうだ、
やっと自分の出番だとばかりにテンションアップでマイクを握りしめる、
そうして選手入場、なぜかどちらも子供達と手を繋ぎ中央に歩いていく。
サッカーの入場のように現れたエリーナ達、なぜか彼女達は満面の笑顔、
さらにお互い握手、ただマーリットのエリーナの握手の際・・
2人して何やら頷いていたが俺にはその意図が理解できなかった。
「それでは第一試合!選手は前に!!」
決闘なのか試合なのかよくわからんアデールの進行になぜか誰も疑わない、
俺達は深く考えない事にしてポップコーン片手にピッチに視線を注いだ、
静かにピッチの中央に立つキャサリンとソネットが審判の説明を聞いている。
● 相手を殺したら無条件で負け、さらに厳罰を加える。
● 武器は一つだけ、但しマヒア等飛び道具は無しとする。
● 魔法は使用可、但し観客席に被害を加えたら負けとする。
● 憑依モンスターや召喚魔物も使用可、但し3体までとする。
● 地中と空中は結界範囲は使用可、出ても5秒以内に戻ればOK。
● 他死魔法等非常識な行動に出た場合は無条件で負けとする。
● 戦闘時間は30分、延長は無く時間が過ぎたら引き分けとする。
● その他状況に応じて審判が判断する。
説明が済みお互い距離を取る2人、アデールも2人と距離を置いた、
そして合図!アデールが右手を上げ戦闘開始となる!
「第1試合始め!!!!」
合図と同時にキャサリンが召喚魔法を展開、3体の魔物を召喚する!
「出でよデビルヘビーモス!魔漆黒の騎士!」
ゴアアアアアアアアアアアアーーーー
サイと豹を足した様な魔獣2匹と魔影の騎士の上位種を召喚した、
魔獣は雄叫びをあげソネットに突撃、即座にかわすソネット!
そして彼女も憑依モンスターとある人形を展開していく!
「出でよリファイア!ホーリー!そしてクラウディアドール!」
ソネットは憑依モンスターのリファイアとホーリーそして人形を展開、
この人形は以前俺がディファレント・クラウディア城を造る際に展開、
城を守らせる為に造った人形だが・・なぜソネットが持っているんだ?
疑問に思う俺の横に来た天使族のショウコ、彼女は横に座り説明する。
「先般海底種族に挨拶に行った際私達14天王はあの人形を気に入りました、
なのでネプチューン王に頼み14体だけ譲渡してもらいました、そうして・・
持ち帰った際神魔瓊石から光を受け人形は大幅なパワーアップをしました」
さらに・・
「神魔瓊石は私達に語りかけました、これで先の脅威と戦えと・・
そして人形は聖級の上位レベルに進化し私達の大事な相棒となりました、
以降私達はこの人形、クラウディアドールで鍛え力を増しています」
そうだったのか・・・
・・・
?
あれ?ちょっと待てよ?神魔瓊石に関しては極秘のはず・・
「先日サユミさんがあなたの事務所に行った時石が語りかけたそうです、
あなた達は留守だったので神魔瓊石はサユミさんに経緯を語りました
そうして神魔瓊石は幹部に伝えろと・・なので私達幹部は全員知ってます」
・・・
サユミが俺達の事務所を勝手に入っているのは知ってたが・・
・・・
まさか石が自ら幹部に経緯を伝えろと言ったのは予想外だった。
「チュ!!!!」
するとショウコは俺にキスした後控室に戻り仲間と共に戦いを見守る、
俺は目線をピッチに移し戦いを見る・・
「ハアアアアアアアアアーーー!!!」
ソネットは槍を持ちキャサリンと交戦、対するキャサリンも槍を持つ、
だがお互い鉄の槍、武器に頼らない力試しの意図らしく技で応戦している、
その横ではリファイアとホーリーが合体して魔獣2匹と戦っていた。
そして気になるクラウディアドールだが・・・
キィーーーンキィーーーン!「
魔漆黒の騎士と交戦、こちらも聖級レベルらしく互角に戦っている、
結界内のピッチは猛烈な覇気が漂い衝突する度会場が揺れまくっている、
だがどこも互角、お互い致命傷は与えられず時間だけが過ぎていく。
ゴワアアアアアーーーーーーーーー!!!
魔獣は炎を吐きまくるが合体したリファイアとホーリーは余裕で弾く、
そして鉄で出来た日本刀で攻撃、魔獣の懐に潜り込み切り裂く・・
瞬時にもう一匹が割り込み攻撃、リファイア達は瞬時にかわした。
「百撤槍!!!」
ソネットが猛攻撃、だがキャサリンも技をすり抜けカウンター攻撃、
それを予測していたソネットは翼を広げキャサリンの攻撃をかわす、
お互い不敵な笑みを浮かべる、戦うに値すると感じてるようだ。
その後も戦闘は続く、激しい戦いとなったが決定機は出なかった。
「それまで!この勝負引き分けとします!!!」
この合図を聞いた2人は即座に憑依、召喚魔物を解除した。
お互い決定機をつくる事は出来ずタイムオーバー、この試合引き分けとなる、
だだお互い満面の笑顔で抱き合い・・笑いながら手を繋ぎ控室に戻っていく。
パチパチパチパチーーーーーー!!!!!!!!!
会場からは大拍手、尚引き分けなのでオッズは低かった。
「次は私ね!」
控室から出てきたのは卿魔族のカルディナと・・
「じゃ行ってくるわね!!」
「ああ気をつけてな!!」
笑顔で夫と抱き合いキスした後出てきた・・
・・・
先程までの笑顔は消え・・
・・・
マジモードのバイオレットが・・・
ピッチの中央に向かって歩いていった。