空間封印の鍵の詳細と奪われた三笠
祝!連載500回目となりました。
おかげさまで沢山の方々にこの小説を見て頂き感激しています!
本当にありがとうございます!
今後も気合い入れて書いていきます、応援宜しくお願い致します。
マーリットが謎の鍵の正体を知っていた、空間封印の鍵だそうだ、
これは転送の鏡を繋ぐ役割を持っていてマーリットは一度使っていた、
その時は破壊神の配下の星を攻める時これを用いたらしい。
「でもこの鍵だけじゃ意味ないわ、転送の鏡が2つ必要なのよ」
「よくわからないな、具体例で話してもらえないか?」
「いいわよ、ついでだから録音したら?そうすれば後で皆も聞けるわ」
「それはありがたい、準備するからしばらく待ってくれ!」
俺は急ぎ艦の録音装置をセット、マイクをマーリットの前に置いた、
なんかラジオのDJのような感じとなりマーリットはクスクス笑う、
そして静かに語り出す、それを俺達は耳を澄ませて聞いていた。
「この空間封印の鍵は転送の鏡同士の空間を繋げる特殊能力があります、
例えばデーモンの裏世界と馨響族の世界とを移動無しで繋げられます!」
続いて・・
「具体的にはデーモンの住民と馨響族の住民、転送の鏡を2つ用意します、
そうして向かい合いそれぞれ転送の鏡を触ります、そして空間封印の鍵を・・
その合間に投げ込めば鍵が光り・・転送の鏡はそれぞれの世界と繋がります」
次の瞬間マーリットは俺にウインク、何か質問しろという仕草を見せる、
ルアが尋ねたがっていたがマーリットは俺を指名したので質問を始めた。
「質問があります!」
「はいどうぞ!」
「繋がった時転送の鏡は希望の場所に設置されるのですか?」
「それは無理です、その世界とは繋がりますが場所は選べません」
さすがにそれは無理だったか・・
「では次の質問、なぜその世界の住民が必要なのですか?」
「単純にその地を知る種族が目印役として必要だからです」
「それでは次、空間封印の鍵は何度でも使えるのですか?」
「いいえ一度だけです、使ったら砕け散り消滅します」
さすがにそう都合よくいかないか・・
その後も質問を繰り返したが・・
・・・
要約すると・・空間封印の鍵は転送の鏡と同じく一世界に一つだけ、
だがどこにあるのかは転送の鏡と同じく不明、偶然見つかるものらしい、
それと・・行きたい世界の種族に関しては理性が無いとダメらしい。
「理性のない獣等ではダメなのはどうしてですか?」
「理性が無いとそもそも言うことを聞きません、襲うか逃げるからです」
そりゃそうだ・・・
・・・
!!!!!!!!!!!!
ここで俺は考えた、もしかしたら転送の鏡で元の世界に帰れるかもしれない、
だがここで話すのは問題が起こりそうなの録音の時には尋ねなかった、
そして休憩、マーリットに俺が元いた世界の事を話し戻れるか尋ねた。
「聞いた話だと・・無理だと思います」
「えっ?それはどうしてだ?」
「転送の鏡は膨大な魔力を要するため繋がった以降も魔力を要します、
この異世界は大気中にも魔力があるので繋がった後でも保持できます、
でもコウさんの世界は魔法・魔力が無いので答えはノーです」
・・・
淡い期待は抱いてはいたが・・俺の期待は見事に玉砕となった。
その日の晩・・夕食を済ませた後全員で今迄の経緯を確認しあう、
それをPDFなどにまとめて各地にメールで報告を行った、その後・・
皆はそれぞれ部屋に戻り就寝、尚決闘は明日の正午に行うことにした。
尚決闘に関してはルア対マーリット、エナ&ソアラ対カルディナ、
シャックス&カオル対キャサリンで場所は洞窟のあったあの島、
裏側に東京ドーム2つ分ぐらいの広さがあったのでそこで行う。
はずだったのだが・・
・・・
翌朝・・
「卿魔族との決闘は認めません!三笠は皆を連れて至急戻ってください!」
神族のアテナはじめ全員が決闘拒否の命を出し至急戻れとメールで通達、
(決闘を)やる気満々だった俺達は超不満、決闘後戻ると再通達した、
だが各地の重鎮達から猛抗議のメール!急ぎ戻れと頻繁にメールが来る。
・・・
「ウフフフフフフフ・・」
俺の隣でこのメールを見ていたマーリットが笑いながら俺に語る。
「決闘は延期にしましょうか?」
「それでいいのか?」
「ええ構いません、ただ私達の力はどこかで見せるべきだと思います、
なので一旦ルーム国に戻り皆の意見を聞いてから開催しましょう、
それからでも遅くは無いと思いますよ」
「そうだな、そうしよう・・」
マーリットの案に俺達は頷き決闘は延期、三笠は急ぎルーム国に戻る、
その間すっかり意気投合した俺達はドンチャン騒ぎを繰り返していた、
飲めや食えや歌えで・・とても楽しい時を過ごしていた。
そうして・・・
俺達が乗る戦艦三笠は数日後ルーム国に戻り・・俺達は神殿に移動、
一旦最小限の荷物だけ運び部屋で休む、翌朝他を取りにいこうと・・
・・・
「えっ?三笠がいないぞ?」
「えっ?えっ?どうしていないの??」
「ワンニャアーキィーピィーウッキー??????」
戦艦三笠は港から消えていた・・
???????????
俺達は急ぎ調査、すると港の警備ライアンが衝撃的な言葉を放つ!
「えっ三笠ですか?早朝キアーラさん達が持って帰りましたよ?
何でも三笠の姉妹艦をそのまま同じ仕様にするので見本が必要だとか・・
・・・
俺達は最小限の荷物だけ持ち一度神殿に戻り改めて三笠に戻ろうとした、
そこで趣味の品等を除いてから威凛族領地の経由島に運ぼうと考えた、
だが僅かな隙をついてキアーラ達が三笠をそのまま持って帰ったそうだ。
・・・
ミオ達も一緒に戻っていた、おそらく裏で打ち合わせしていたのだろう、
俺達が降りた後に秘かにキアーラ達に連絡して急ぎ艦を移動させた、
そして転送の鏡を通り・・三笠は俺達の手から完全に離れてしまった。
!!!!!!!!!!!!!!!
当然俺達は猛抗議!一旦三笠を返せとキアーラ達に激しく訴えた!
艦の中には様々な娯楽品や趣味の品、珍しいアイテム等が積んである、
それ以外にも親衛隊やコロ達お供の生活用品等も積んでいたからだ。
翌日・・・
何も語らないキアーラ達から荷物が届いた、親衛隊達の生活用品等だ、
だが珍しいアイテム等は入っていない、さらに金目の物等も無かった、
ふざけるなと俺達は怒り馨響城に乗り込む・・待ったが出た!
「全員よく聞きなさい!三笠は馨響族のイザベル達に預けました!」
それは神族のアルテミス、俺達を宥め一旦席に座らせ語り出す!
この言葉に怒った俺、すかさず反論する、尚・・
マーリット達も挨拶するからと言って馨響城に行きここにはいない。
「ふざけるな!あの艦には俺達の趣味の品も満載してるんだぞ!」
「あれらは次の世代の為の糧と致します!」
「なに?どういうことだ?」
「お忘れですか?馨響・威凛領地の種族達は以前破壊神に襲われました、
大半の種族は親を殺され孤児となりました、それはお分かりですね?」
「ああもちろんだ!」
「本来その孤児たちは親の愛を受け幸せな生活を送るはずでした、
でも破壊神達が各地を襲い孤児となった子達は希望を失いました、
当然放置は出来ません、我々が親代わりとなり育てる義務があります」
「それはわかった、だがなんで俺達の趣味の品まで奪われるんだ?」
「貴方方の趣味の品は子供達が喜び楽しめるモノばかりです、なので・・
この世の中にはまだまだ未知で楽しい事も多いと教える必要があります、
傷ついた子供達の心を癒すには貴方方の趣味の品は最適なのです」
・・・
ここまで言われると大体察しがついた、俺には特戦隊達がいる、
そのほとんどは元破壊神、自分の意志ではないが加担はしている、
そして俺もお供も同じ釜の飯を食う仲間なので連帯責任・・
「そういうことです!わかりましたね!」
アルテミスはなぜか逆ギレしてさっさと聖域に帰っていった、
俺達はボー然・・しばらく言葉が出なかった。
その後・・
改造された戦艦三笠と同じように施された敷島、朝日、初瀬、
敷島と朝日は威凛族の王族が使用する御召艦として運用される、
そして初瀬と三笠は馨響族王族の御召艦として運用されていた。
尚三笠に関してはイザベルとキアーラの専用艦となっていた、
彼女達は各地に出向き孤児院などで生活する子供達を癒していく、
子供達は艦に備えた俺達の趣味の品で遊び寂しさを癒していた。
ちなみに俺達は・・
「うぇええええええええええ~~~~~ん!!」
根こそぎ趣味の品を・・苦労して改造した三笠を奪われて・・
・・・
ただただ泣いていた。