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スマホに夢中の老齢達と獣妖族への疑問





馨響・威凛の各拠点に旗艦が配備され軍備は着々と進み民衆も訓練中、

余程ひどい目にあったようで軍事に関しては子供ですら真剣に向き合う、

今自分達に出来ることを・・二度とあの悲惨を繰り返さない為前を向く。




そのためか・・・




今迄俺達の技術に消極的だった馨響・威凛族の民衆も気持ちを切り替える、

先祖の土地を提供し過剰な信仰心を薄め臨機応変の考えを学んでいく、

各拠点では昔の面影を残しつつも最新鋭の建物が次々と建設されている。




驚くことにそれらを活用してるのは反対していた馨響・威凛族の老齢達、

これはバイオレットの新婚旅行を見て自分達が井の中の蛙だと痛感した、

遙かに進んだ世界を見た老齢達は負けてなるものかと奮起し学んでいた。




特に熱中しているのがスマホ、説明担当者にこれでもかと質問の嵐!

さらに大勢で来て何度も似たような質問を繰り返し受付時間をほぼ埋めた、

そのため担当者は他の作業が出来ずにうんざりしていた。




「ふむふむ・・なるほど、ではどうすれば地図が映るんだ?」




「あっ・・これをクリックして・・」




「おっ!わしの孫の拠点が映ったぞ!」




「よ・・よかったですね、では次の方~・・」




「まあ待ちなさい、次はサイトの見方で尋ねたい・・」




(担当者の心の声)それさっき説明しました~~~!




続いて別の老齢への説明、こちらも似たような質問を繰り返す、

ちなみにこの老齢は昨日も来ていて担当者はしっかり覚えていた。




「さて次は通話の仕方なのだが・・」




(担当者の心の声)それ昨日4回も説明したんですけどーー!!!!




・・・




担当者は日々苦悩しながらも根気よく教え老齢達もスマホを使いこなす、

これにより老齢達は様々な知識を習得し俺達への偏見は徐々に薄れていく、

最近では俺達の世界に旅行に行くまでとなり新たな知識を吸収していった。




ここで豆知識!




魔法が当たり前にあるこの異世界の種族がなぜ俺達の技術を学ぶのか?

その答えの一つがその魔法、威力はすごいが・・反面対策も数多くある、

例えば火球の魔法で攻撃された時反射魔法を展開しそれを跳ね返す。




他にも封印魔法や転移魔法等数多くあり闇雲に攻撃すると跳ね返ってくる、

跳ね返された魔法は大概自分に返ってくるのでそれを防がないといけない、

さらに魔法を封印され攻撃されるとほぼ無防備なので相当のダメージを負う。




なので魔法に加え格闘等も必須、例としてエルフがそれらを実践している、

彼ら彼女達は魔法に加え弓や槍、サーベルタイガー等も従え狩りをしている、

そして蛇等の魔物に絡まれたら護身ナイフ等で切り刻み自分の身を守る。




だが毒等を吐かれて意識が朦朧としたときに襲われ命を落とす時もあった、

さらに敵の中には魔法そのものを吸引する魔物もいて根こそぎ奪われる、

魔法は膨大な威力があり便利だが対策も徹底され万能ではなくなった。




そのため魔法が使えても・・




いざ戦闘になるとほとんどが封じられ効果は限定的だった。




逆に敵が自分より強大な魔法を使い乱射してくる場合もある、

そうなると防ぎきれないので大ダメージを負い最悪絶命となる、

エルフはサラマンダーに頻繁に襲われ多くの仲間を失っていた。




それは他の種族も同じ、特に人間等は魔力が乏しく被害が絶えない、

ルーム国の国民達はガルーダに襲われ絶滅の危機に追い込まれた、

それを打破するために魔法以外の戦闘手段を求め召喚を繰り返した。




そんな矢先俺達が召喚され様々な兵器や科学知識等を知ることとなる、

これらはこの異世界に存在せず効果は絶大で敵を次々と蹴散らしていく、

それは破壊神等神族系に対しても有効で驚異の力となった。




馨響・威凛族等も手ごたえを感じ俺達の技術を求め積極的に取り入れる、

最近では己の魔法と組み合せ奇想天外な攻撃で敵を翻弄している、

さらに生活水準も向上し飢えの怖さは無くなり日々充実していた。




豆知識はここまで!




軍備が進み少し余裕が出てきたキアーラは各拠点の将軍達とリモート会議、

これには威凛族と白銀族、さらに海底種族が参加し気になる点を話し合う、

その時バイオレットからある疑問が出たので皆はそれに意識を集中させた。




それはキアーラと同じ地域・・デーモンの世界で召喚された魔物達の事、

彼らは獣妖族じゅうようぞくという種族らしく見た目は獣っぽいが普通に理性もある、

あまり戦闘は得意ではないようでひたすら逃げ回っていたそうだ。




獣妖族達はその後アシュラ達が捕獲したが話し合い和解し仲良しとなる、

今は地底人とフェニックスの裏世界に移動し日々仕事しながら生活している、

これを聞いていたバイオレットは同じ所に召喚されたキアーラに尋ねる。




「獣妖族・・というのかしら?彼ら彼女達はどこから来たの?」




「遙か遠くの星から・・と聞いているだけよ」




「それはどこなの?具体的にはわからないのかしら?」




「う~んアシュラさんも尋ねたみたいだけどわからないみたい」




まあ当然だろう、キアーラと同じで突然召喚されたからな、だが・・

キアーラに関しては破壊神の絡みがあったのですぐに場所は特定できた、

だが獣妖族に関しては全く手がかりが無いのでお手上げ状態だった。




バイオレット・・というか獣妖族に関しては夫のマーティンが気にかける、

彼も突然召喚された、だが彼の場合絶命寸前での召喚だったので難を逃れた、

実際召喚を体験してる彼は獣妖族がなにかトラブルがあったのではと考える。




彼は訓練で忙しかったので妻のバイオレットに情報収集を依頼していた、

夫の頼みを快諾していたバイオレットはその後も質問を繰り返していた、

すると拠点エンジェルフォールの新将軍ロビンがある仮説を言い出した。




「あくまで私の想像ですが・・コウさん達が捜索している卿魔族・・

これと絡みがありそうな感じがします、というのも時期が近いからです、

もしかしたら卿魔族も一緒に召喚されて即座に逃げたとも想定できます」




続けて・・




「卿魔族は逃げ足が速い種族と聞いています、もしかしたら・・

コウさん達がキアーラ様に対応している間に艦に忍び込み情報収集、

強敵が少ないと思われる人間裏世界を知り即座に逃げたと考えられます」




これを聞いたキアーラは考える、確かに召喚された時複数の気配があった、

だがそれは獣妖族だと思い込む、しかしデーモンのレッドとブラックの王・・

彼らは召喚した得体の知れない魔物達の一部を逃がした事を認めている。




・・・




これに関しては・・




転送の鏡で俺達の星と繋がっている今キアーラ達も他人事ではない、

思わぬ話の流れとなったが同盟種族達の危機にも繋がりかねない・・

急ぎキアーラはレイナに連絡、仮説ではあるが可能性はあると伝える。




「それは十分考えられるわね、急きコウに連絡するわ!」




レイナは即座に部下に命じこの事をクレール国を経由して三笠に連絡、

攻めあぐんで洞窟をドローン偵察していた俺達にこの仮説の連絡が来る、

それを聞いた俺達は・・あえてドローン偵察を続けていた。




と言うのも・・




人工衛星での画像だが・・この未開の大陸はなんとなしに無気味だからだ、

もしかしたら大陸ごと幻惑の可能性が高く無暗に上陸するのは危険と判断、

だが情報が何もないのでこの洞窟を捜索する以外手が無いからだ。




「お父さんそろそろ電波が届かなくなるよ!」




「ああそのようだな、だが他に手が無い、出来るだけ奥に進もう」




「うん!わかった!」




ドローンを遠隔操作するルアが慎重に奥を調べていく、そして分かれ道、

右側は人間でも余裕で通れる穴、左は四つん這いになれば通れる穴だ、

ここで意見が分かれる、女性陣は右を進言するが親衛隊は左を推奨する。




「右の方が大きいから卿魔族がいる可能性が高いと思うわ!」




「う~ん・・何となしに左が気になるんだけどな~~」




話し合いの結果女性陣が推奨する右の穴にドローンを向かわせた、

そろそろ電波が届かなくなる距離だが放棄覚悟で奥へと進んでいく、

すると曲がり角があった、ルアは曲がり角に向けてドローンを・・




!!!!!!!!!!!!




グシュ・・バキバキバキ!!!




一瞬女性らしき画像が映し出され・・




ザーーーーーーーーーーー!!!




次の瞬間画像が乱れ映らなくなった。




「あれは卿魔族かも?すぐに画像を解析します!」




ミオが録画していた画像をパソコンに取り込み画像を分析していく、

パソコン画面に出てきた女性、だがイラストの女性とは異なっていた、

何となく似てはいるが調べた結果イラストとは別の女性と判断された。




次の瞬間!!!!




ガジュガジュガジューーーーーーーー!!!!




突然未開の大陸が・・




まるで写真画像をグチャグチャにしたような・・




・・・




ガジャガジャガジャガジャ・・・




得体の知れない音をたてながら未開の大陸は見る見るうちに消えていく、

呆然と見ている俺達、3分後未開の大陸は消え洞窟の周りだけが残った、

それは直径3kmほどの小さな島だった。




俺達はそれを見て・・




・・・




「戦艦三笠戦闘態勢!いつでも攻撃できるよう備えよ!」




即座に戦闘態勢に入った。
















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