洞窟への艦砲射撃と敵を焼き尽くす焼夷徹甲弾
未開の大陸に近づく戦艦三笠、だが敵が次から次へと続々出てきた、
先程のアメンボの魔物は応援が来て次々と分身が現れ数を増やしている、
どうやらこの魔物達は分裂か分身かが可能で数を増やせる種族らしい。
さらに地上からも攻撃が来る、レーダーで見てみるとそれは大型の爬虫類?
見た感じコドモオオトカゲの姿だが大きさは5m位で猛烈は炎を吐いてくる、
海と陸から同時攻撃を受ける戦艦三笠、だがこの程度なら余裕で凌げる。
ゴオオオオオオオオオオオーーーーー!!!!
「前左30度から炎の球が複数飛んできます!!!」
「アイスシールド展開、即座に陸地をレールガンで攻撃しろ!」
「了解!!レールガン5番6番発射!」
ズシュズシューーーーーー!!!
!!!
ギャアアアアアアアーーーー!!!
「全弾命中、右45度よりアメンボの魔物が向かってきます!」
「2番主砲氷裂弾撃て~~~!!」
ズシューンズシューーン!!
バシィイイイイイイーーーーン!!!!
グギャアアアアアアーーーーー!!!!
「主砲弾命中、右の魔物を駆逐しました!」
「全砲五月雨攻撃継続!敵を一匹も逃すな!!!!!!」
ズシュ―――ン!!!ドゴドゴドゴ!!!ドガガガガガガガガ!!!
前と右、左と3方向から攻めてくる魔物、さらに火球を吐いてくる、
その攻撃をアイスシールドで防ぎ各砲が正確に敵の魔物を撃ち抜いていく、
次々と倒れる魔物、だがさらに援軍が来て猛烈な攻撃を仕掛けてくる。
!!!!!!!!!!
・・・
俺は一旦指揮をルシファーに任せ人工衛星から未開の大陸を見てみる、
次から次へと魔物の援軍が来る、余程俺達を上陸させたくないらしい、
だが攻撃は激しいが上級程度の攻撃、この程度なら三笠の敵ではない。
だが長期戦になると厄介なので一旦退くか敵の本丸を狙うかを考えた、
そこで俺はまず人工衛星で敵の本丸を探す事にした、広範囲に探す俺、
しばらくすると怪しい洞窟を発見、魔物がここから次々と出てきている。
「アスタロト、ここにイージスミサイルを撃ち込め!」
「了解、イージスミサイル1番2番発射準備!」
第1主砲の前にある発射管が開き2発のイージスミサイルが姿を現す、
そして洞窟にロックオン、他の砲はミサイルを避けるよう向きを変えた!
「照準固定!イージスミサイル発射準備完了!」
ここで俺がごうれ・・ルアが言いたいと言うので任せた。
「イージスミサイル発射!!」
!!
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーー!!
アスタロトがスイッチを押し2発のイージスミサイルが上空に放たれる、
それは一旦雲を突き向け角度を変え洞窟に向かって一直線に飛んでいく、
ミサイルに気付き目を丸くする魔物達だが・・既に遅かった。
ズガガガガガガガガガガーーーーーーーーーンン!!
「イージスミサイル全弾命中!」
グギャアアアアーーーーーーーー!!!!!
中にいたであろう魔物達の悲鳴、どうやらここが敵の本丸のようだ、
洞窟の周りには魔物が倒れ洞窟は一部砕けてはいるが穴はしっかり見える、
すると・・用心しながらまた魔物の姿が見える、そこで俺は・・
「三笠面舵!全砲を使いあの洞窟に艦砲射撃を加える!!!」
「了解!三笠おもかじ~~いっぱ~い!!!」
グゥウウウウウウウウーーーーン
三笠は向きを変え各砲は洞窟に向けて照準を合わせる、そして・・
俺は主副砲を氷裂弾では無く・・
「ここで魔物達を根絶やしにする、全砲に焼夷徹甲弾を装填せよ」
「了解!全砲焼夷徹甲弾に切り替えます」
ちなみに焼夷徹甲弾とは敵の装甲(戦車等)を貫いて内部で燃焼、
洞窟等に潜んでいても着弾時火炎や高熱を発生させ火傷を負わせる、
敵の本丸が洞窟の中にあると判断した俺はこの弾を使うことにした。
「全砲焼夷徹甲弾装填完了、いつでも撃てます!」
正直俺はこの弾を使うのは気が引ける、だが敵の魔物達は危険と見た、
あの大群がもし人間の都市・・レイ達の故郷に入りこんだら超ヤバい、
巨大な三笠を見ても攻撃してくるあの獰猛さは放ってはおけない。
レイも人工衛星の画像であの魔物達を見た、よく見ると身体が震えている、
もしあれが来たら・・民衆が喰い殺される光景を想像し冷や汗をかいている、
それは俺達も同じ、なのでここで殲滅しようと皆の気持ちは一致した。
なので・・
「三笠艦砲射撃開始!あの魔物達を一匹残らず焼き尽くせ!」
「撃ち方~はじめ!!!!!」
ドゴーーーーーン!ズガガガガガガ!!!ズグワーーン!!!
ドゴオオオオオオーーーン!!!ズシューーーーーーーーン!!
猛烈な煙を立ち上げながら各砲を撃ちまくる戦艦三笠!
無数の焼夷徹甲弾は次から次へと洞窟の中に吸い込まれていく、
そして・・
!!!!
ゴワアアアアアアアアアアアアーーーーー!!!!!
グギャアアアアアアアアアーーーーーーー!!!!
猛烈な炎が洞窟の中から吐き出される、同時に悲鳴も響き渡る、
地獄絵図のような猛火と化した洞窟の中、魔物達は次々と蒸発、
内部にいた魔物達はこの攻撃で・・ほぼ全滅したようだ。
ゴオオオオオオオオオオ~~~~・・・・・
洞窟の入り口は炎が吹き出している、それを見た俺達は攻撃を中止した、
画像で見るだけでもわかる猛烈な炎、しばらく様子を見ることにした、
その間に倒した魔物を海から引き上げ調査・・なぜか一匹もいなかった。
「えっ?あれだけの数を倒したんだぞ?」
「レーダーでも調べましたが・・死骸は全部消えています」
「そ・・そんなはずはありません、200体以上倒したんですよ!」
「ウキキキキキーー(訳 海も見たけど魔物は全部消えてるよ~!)」
・・・
あっけにとられる俺達、だが画像は録画していたので全員で確認する、
画像には・・たしかに魔物達が鮮明に録画されている。
俺達は双眼鏡を持ち甲板に出て海を見渡す、だが何もいなかった、
まるで神隠しでもあったかのように消えた魔物達、一体どうして?
考えこむルシファーが・・ある仮説を言い出した。
「もしかしたら・・あの魔物達全部・・幻惑魔法の魔物かもしれない、
でも攻撃の手応えはあったから幻惑と召喚を混ぜ合わせた魔法のようだね、
噂には聞いていたけど初めて見たから僕も気づかなかったよ」
「そ・・その魔法とは・・どういう仕組み・・効果があるんだ?」
「一種の混合魔法だよ、例えば炎と氷が混ざると爆発を起こすだろう?
それと似ていて幻惑で形を作り召喚で魔物を呼び込み混合させるんだよ、
そうすれば未知の魔物が出来るんだ、新たな自分の属種としてね」
「そ・・その魔法はルシファー・・君はできるのか?」
「出来ない事はないけど・・必要ないからやった事は無いよ、
だって僕は破壊神、そんなの創らなくても配下が山ほどいたからね、
わざわざ手間をかけて新たな魔物を創る必要はないんだよ」
「なるほど・・だとしたら・・」
「ああ卿魔族の絡みが高いね、存在を知られたくないから・・
あえて架空の魔物を攻撃させ僕たちに的を絞らせたくないんだろう、
その証拠に先程倒した魔物は一匹もいない、完全な証拠隠滅だよね」
・・・
俺は改めてモニターを見てみる、するとこっちでも変化があった、
洞窟の入り口付近で燃えて倒れていた魔物たちも全部消えていた、
洞窟からは煙が出ていたが・・おそらく中はもぬけの空だろう。
・・・
俺達は・・
上陸して洞窟を調べようと考えたが・・
・・・
まだ洞窟から炎が噴き出している、これは本当の炎のようだ、
あれだけの艦砲射撃の炎だから当分の間入ることは無理のようだ。
なので・・
三笠を沖合いで停止、錨を降ろしここに留まり・・
・・・
しばらく様子を見ることにした。




