母子の心境と謎の鍵の情報収集
人間の裏世界に向かう戦艦三笠、その艦橋室に俺の子供達が乗っている、
俺は結論から言うと乗艦を許可、子供達は妻からの手紙を持参していた、
その内容は以下の通り、合せて子供達の心境もご覧ください!
まずルアの母親のエリーナから!
「あなた、ルアが桜咲さんのイラストを見てこの女性を知りたいそうよ、
私としては危険だから反対したけどルアは行きたいと猛烈に訴えたの、
なので私が折れたわ、ほんと誰かさんと似て頑固で手間がかかるわね!」
・・・
俺そんなに頑固かな?
むしろエリーナの方が頑固のような気がするが・・
・・・
争っても絶対勝てないと察した俺は逆らうことはやめることにした。
続いてルアの心境をどうぞ!
「この女性は本当に誰なんだろう?だけど猛烈に気になるんだ・・
何故かは知らないけど・・今動かないと先で会えない気がしてならない、
だけど卿魔族は強いと聞いている、それでも僕は怖いけど動きたいんだ!」
・・・
まあルアの性格からしてこの判断は妥当なんだろう・・
続いてエナの母親エマからの手紙の内容をどうぞ!
「あなた!エナは将来エルフ族の女王となるため厳しく躾けてるの、
今回卿魔族の捜索と聞いて同行するように私が行くように訴えたのよ、
あの子温厚で厳しさがあまりないからしっかり面倒を見てね」
・・・
エマは教育ママなので・・俺は黙ってうなずいていた。
続いて愛娘のエナの心境をどうぞ!
「卿魔族は気になるけど・・でも私は正直今回は商売を習いたかったな~、
サユミ姉さんと同行して海底種族や白銀族さんとの交流をしたかったけど・・
お母さんがお父さんに同行しないと小遣い減らすと言われたから・・」
・・・
エナは関心はあるが・・それほど積極的ではないらしい。
続いてソアラの母ソニアの手紙の内容をどうぞ!
「あなたソアラが卿魔族の女性を見て・・闘争心を燃やして困ってるの、
あの子絶対ルアと結婚するからと言ってライバルを蹴落とす気でいるわ、
このままだと暴走しそうだからしっかり管理してね、頼んだわよ!」
・・・
続いて当のソアラの心境をどうぞ!
「誰よあの女!ルア兄は私のもの!だれにも渡さないわ!!!、
邪魔する女は誰であろうと許さない!ルア兄は私だけのものよ」
・・・
端から見ると笑顔で落ち着いてる感じのソアラではあるが・・
・・・
一番危険だと判断した俺は全員にソアラを注視しておくよう命じた。
続いてカオルの母クリスティーナの手紙の内容をどうぞ!
「コウさんカオルに教育の一環として今回同行を許可しました、なお・・
カオルはエナちゃんに気があるようで差支えなければ傍に置いてください、
それともし戦闘になったら息子の安全とサポートを宜しくお願いします」
・・・
まあクリスティーナとしては万一以外は自由にさせろと言うことだろう、
俺としてもこの方がわかりやすい、危険さえ抑えればいい社会勉強になる、
それとエナに気があるのは知っているからな、なのでご指摘通りにします!
続いてカオルの心境をどうぞ!
「もしルア兄ちゃんがこのイラストの女性と付き合うのなら・・
そしてこの遠征で僕が活躍すれば!!頼もしい姿を見せれたなら・・
エナ姉ちゃんが僕に振り向いてくれるかも・・がんばるぞ~~!!」
・・・
まあカオルに至っては単刀直入の考えだから一番扱いやすいかもな。
さて・・
子供達も載せた戦艦三笠はルーム国を出港、今回は単独で裏世界に向かう、
途中東の大陸、白の大陸を経由してフェニックスの島で補給を受ける、
ここで先回りしていたミオとレイ、それと田所静子さんがなぜかいた。
「私達も連れていってください!!!」
ミオとレイはなんとなくわかる、人間世界は彼女達の故郷だからな、
その人間世界が大凶作と聞けば居ても立っても居られないだろう、
だが田所さんはなぜ同行したいのだろう?疑問なので尋ねてみた。
「はい、これ・・私が預かっている鍵なのですが・・」
「ああそれは聞いている、だが今回は無関係ではないのか?」
「私も当初はそう思っていました、でも何も情報がないので・・
もしかしたらこのイラストの女性が知っているかもと思ったのです、
この鍵には何かある、そう思うと居ても立っても居られなくなって・・」
・・・
確かにこの鍵は何か神秘的な力を感じる、だが誰も何も知らないのだ、
ルシファー達元破壊神も知らないので摩訶不思議な気分なのも無理はない、
仲間が命がけで守った鍵の正体を知りたいのは当然のことだろう。
なので・・
「わかった、乗艦を許可する、だが無理はするなよ!」
「あ・・ありがとうございます、最善を尽くします!」
こうしてミオ、レイ、田所さんが三笠に乗り込み乗務員が増えた、
だが田所さんは戦闘に関してはど素人、さらに憑依モンスターもいない、
なのでミオとレイが護衛役として基本3人一組で動くよう命じた。
3時間後・・・
準備が出来たので俺達は三笠に乗り込む準備・・
出港の際フェニックスの夫・・スノードラゴンのセイアの旦那が来て一言!
「コウさん単独で大丈夫ですか?輸送駆逐艦なら2隻同行できますけど?」
お気遣いありがとうございます!
だが俺は断った、というのも今回は警戒心の強い卿魔族を探しに行くから、
単独でも怪しいのに護衛を同行させるとますます警戒されるだろう、
この理由を夫に話す、夫はなるほどと納得したようだ。
・・・
正直彼からこんな気遣いを貰えるとは思ってもいなかった、
よく見ると顔は笑顔だが相当苦労しているようで手がガサガサだ、
おそらく目に見えない所で必死に働いているんだろう・・
・・・
その後夫は仕事があるからと言って別れた、その背中は少し頼もしい、
今迄のずぼらと臆病で横着は完全に消え日々働いてる姿勢が垣間見える、
そのためか他の種族とも笑顔で接している、これなら問題ないだろう。
補給を済ませた俺達はすぐに出港!三笠はゆっくり港から離れた!
「いってらっしゃ~い!!!!!」
「気を付けてね~~~~~~!!!!」
「ありがとう~~行ってきま~す!!!!!!!!!」
湾岸では整備兵や事務員達が手を振り激励!俺達も甲板から手を振る、
しばらくすると人間の裏世界に向かう洞窟が見え三笠はゆっくり入る、
そして洞窟を抜けたら・・
パアアアアアアアアアアアーーーーーーー!!!!
少し曇りだった天気が快晴となり爽やかな空気が三笠を包んでいく、
俺は艦首付近に移動、するとイルカが歓迎するかのように飛び跳ねる、
それを見たミオ達が大喜び、イルカと並ぶように甲板の上を走る。
同じように子供達も大喜び!冷凍の魚を与えて挨拶代り、イルカも喜ぶ!
さて俺はと言うと・・
・・・
あまりにも気持ちいい快晴なので・・
昔聞いたあるCM曲をふと思い出し歌い出す!
「け~●りんけ~●りんあおぞらは~れたそら~~!」
ジ~~~~~ン!!!!
なぜか後ろで聞いていたルシファー達が感激の涙を流して感動している、
そして俺を含め皆で大合唱、だがミオは俺達を見て呆れた顔をしていた、
というのも彼女の実家は石川県、ケ●リンのある県のお隣なので知っていた。
・・・
お馬鹿を見るような眼つきで俺達を見つめるミオ、だが俺達はお構いなし、
端から見ると馬鹿馬鹿しくても俺達は楽しいからそれでいいと思っている、
俺達は艦首の甲板の上で肩を組み大笑いしながら歌っていた。
「いい・・あの人たちああいうとこおかしいから真似しちゃダメよ!」
ミオは子供達にアホな親の真似はするなと力説、子供達も頷いていた、
だがコロと雉、猿、ピンキーとラッドル、それと猫2匹は俺の元に来る、
それぞれが同じように歌う・・というか鳴くと言う方が正解かな?
「ア~~オオンア~~オオン!!」
「キュ~イキュ~~イ!!」
「ウキキウ~キキキキ~~~~!!!」
・・・
三笠の甲板で歌う俺、ルシファー、アスタロト、ラーヴァナ、アザゼル、
シャックスと猫2匹、ピンキーとラッドル、コロと雉、猿とブルーアイズ3体、
調子に乗った俺達は大合唱を繰り返し感動に更けていた。
・・・
「あ・・あいつら超馬鹿だわ、ほんと恥ずかしい・・」
ミオは超呆れ顔、頭痛もするようでカサンドラが優しく頭を撫でていた、
レイとエスペランサ、静子さんはイマイチ理解してない様でキョトン、
あとは子供達はと言うと・・
・・・
大声で喚くような歌を歌いまくる俺達を見て・・
・・・
何とも言えない顔をしていた。