戦艦三笠の出港となぜかついてくる子供達
戦艦三笠はその姿を現す、明日には桐玉響のドックから出港出来るだろう、
だが進水式は俺たちのみ、というのもこの艦は元破壊神達が造った艦だから、
仲間を大勢失った白銀族に配慮したので大掛かりな進水式は見送った。
翌日・・・
俺達は最終点検を行う、三笠は金剛型戦艦の武装をそのまま応用している、
なので弾薬等の補給は一度ルーム国を経由して行いそのまま裏世界に行く、
途中フェニックスの島で食糧等の補給を行い卿魔族を捜索する予定だ。
ちなみに三笠の姉妹艦の敷島、朝日、初瀬の3隻はこの異世界に来ていた、
これらは解体、沈没していたので三笠のように保存はされていなかった、
そのためか威凛族の強制召喚に導かれこの異世界に来ていた。
だがこの3隻を始め各艦は沈没、解体前の姿で召喚されていたのでガタガタ、
なので根本から大改装してることもあり資材不足で手つかずが多かった、
そのためか敷島、朝日、初瀬の3隻はまだ改装前で順番待ちの状態だった。
この事を知った威凛族王はこの3隻を最後に大改装するよう指示を出した、
三笠の姉妹艦なので俺達が大改装した内容と同じように改装するよう命じた、
なので三笠は卿魔族捜索の任務遂行後に威凛族に預ける流れとなった。
・・・
戦艦三笠は俺達の趣味を満載している、というか俺達の専用として設計、
武装やレーダーなど基本装備は金剛型と同じだが一部趣味を施している、
具体的にはゲームセンターや洋服裁縫機等の簡易工場機能を備えている。
というのも・・・
この三笠は俺と特戦隊の専用艦としているので乗務員はいないのだ、
ほとんどの操作はオート、さらにルシファー達は分身を複数展開可能、
それぞれが単独の行動が出来るので自分達で賄えるからだ。
なので・・
大勢の乗務員は必要なし!ただ難民を乗せる場合があるので定員300人、
定期船の2等室のように絨毯を引いた大部屋を複数備え緊急時には開放する、
普段は俺達のプライベートルームとして使用、収納式のベットなどがある。
戦闘は勿論出来るが・・
艦内部は拘った施工だらけなのである意味俺達の移動遊園地のような感じ、
軍隊で使う艦としては超異例の仕様、そのことは威凛族王にも話している、
なので三笠と同仕様に改装することは推奨出来ないと言ったのだが・・
「むしろその方がいいんだよ、この3隻は王族専用艦とするからな!」
・・・
俺達の趣味をそのまま継承する気なのかな?
・・・
今は深く考えることはやめることにした。
それはさておき・・・
三笠の最終チェックが終了した、俺達は早めの夕食を取り仮眠する、
出発は深夜1時、この時間なら白銀族はほぼ全員寝ていると聞いたから、
なので音を立てずに静かに港を出て・・沖に出たので巡航を始める。
ここで俺が号令・・・
「コウさん、この三笠の船長は僕ルシファーに任せてくれないか?」
「ああいいとも、なら俺は後ろで静観させてもらう」
「ありがとう、では・・戦艦三笠出発!!!」
グゥウウウウウウウウウウ~~~~ン!!!!
三笠は静かにスクリューを回し動き出す、桐玉響がどんどん遠くなる、
俺達は桐玉響に向かって手を振り静かな別れを告げ船室に戻った、
アスタロトが舵を握り操縦する、しばらくすると松仙郷が見えてきた。
街の灯りは見えるがほぼ誰もいない、皆寝静かっているようだ、
俺達は静かに手を振り松仙郷に別れを告げスピードを上げた、
深夜4時頃桜久遠が見えてきた、だがここでは・・
「あはは!!コウさん達気をつけて行って来てね~!!」
「落ち着いたら挙式を挙げたいから忘れないでね~!」
なんと桜久遠の港から輸送駆逐艦が近づき・・ミラとティアラが手を振る、
こんな深夜に待っていてくれたのか・・俺達は感激の涙を流していた、
そして静かに手を振り敬礼、輸送駆逐艦は静かに桜久遠に帰っていった。
「三笠全速前進!一気に転送の鏡まで向かいます!」
グギュウーーーーーーーーーンン!!!
三笠は約40ノット(約74km)で一気に転送の鏡まで巡航する、
ここで班を2つに分け片方は仮眠、片方は操縦と警備に専念した、
俺は先に眠る班、専用の部屋でぐっする眠っていた。
翌日・・・
交代の時間が来てルシファー達が眠りに入り俺とラーヴァナが操縦、
コロたちが艦の中を警備、特に問題なく馨響城が見えてきた、
ここで一旦停泊、既に港は拡張され三笠も余裕で入れた。
すると城の中からイザベルが出てきて俺に挨拶、かなりお腹が大きい。
「お疲れ様、これが戦艦三笠なの?」
「ああそうだ、これで人間の裏世界を偵察してくる、あとは頼むぞ」
「ええ任せて、こっちの事は心配しなくていいわよ」
「ああ任せた!」
「じゃ行ってらっしゃい!気を付けてね!」
俺達はイザベルと別れ転送の鏡へ・・20分後ルーム国に到着、
一度軍艦整備港に立ち寄りヘイゾウお兄さま達にルシファー達を紹介、
その後電車でルーム王国城に向かい王と対面、今後を話し合う。
ちなみに三笠を見て眼を光らせたヘイゾウお兄さま達、何か企む眼だった、
珍しい物は貰おうと三笠に乗り込もうとしていたが・・
「ワン!」
「キューイ!」
「ウキキキキーーーーー」
頼もしい犬のコロ、雉、猿たちがおにいさま達から三笠を守ってる、
こりゃ敵わんと退散するおにいさまたち、なぜか全員お面を被ってる、
そのお面は鬼、そそくさと退散するおにい様達だった。
・・・
遊んでいる暇があるなら早く大和を改装しろよ・・
・・・
おにいさまたちはさておき・・
俺達はルーム国王と今後を話し合い・・その後急ぎ三笠に戻った、
だが艦の中にはヘイゾウお兄さま達は退散していたが別の人物達がいた、
その人物たちとは・・
・・・
「お父さん僕も行きます!」
「私も行きます!」
「あはは・・私も行きたいの~」
「コウ叔父さん、僕も同行させてください!」
・・・
三笠の艦長室には・・・
・・・
俺の子供のルア、エナ、ソアラとデーヴィドの子供カオル、
この4人が三笠に乗り込んできて懇願、既に荷物も載せていた、
桜咲さんのイラストの女性がすごく気になるらしい。
・・・
俺はどうするか悩んだ。