第7艦隊の主砲大改装と愛された戦艦の登場
ルシファー特戦隊はポーズの練習を繰り返しながら合間に俺と会議、
人間の裏世界にいるであろう卿魔族をどうするかをまず話し合った、
現時点被害は出て・・難民問題が超深刻なので静観は出来なかった。
俺達はカオス達とリモート会議、カオス達も無視は出来ないと言っている、
だが精鋭を送ると卿魔族は即座に逃げるので話は通じそうにない、それと・・
難民を受け入れているクレール王国と周辺国は疲労がピークに達した。
各王国は・・これ以上の難民受け入れは難しいのでさらなる援助を求めた、
ある程度の難民はこちらの世界に受け入れてはいるが教育が追いつかない、
なので物資を増やしてはいるがこのままだと堂々巡りとなってしまう。
というのも・・・
こっちの世界にはドラゴンはじめ様々な種族が・・中には凶暴な者もいる、
そのためある程度の教育を施さないと思わぬ事故に繋がりかねないからだ、
なので学校等を開催し教えてはいるが難民が多すぎるので追いついていない。
なのでとりあえず空いてる場所にログハウス等を建てまくり・・
・・・
さらにテント等を次々展開、熱中症に気をつけながら凌いでいる。
尚・・
難民達も出来れば自分の故郷で過ごしたいが大凶作で止む無くその地を離れる、
ある程度の収穫が期待出来れば戻りたいと訴える者もいるので俺達は考える、
現時点原因は卿魔族の可能性が高いのでこれを抑える必要があると結論付けた。
だが各種族馨響・威凛・白銀・海底種族等との対応で大忙し!
なので・・
動ける俺と特戦隊が人間世界に出向き卿魔族を探そうと考えた、だが問題が出た、
長期に滞在する可能性もあるので補給を受けられる母艦がないと厳しくなる、
だが先般造った神摩は海底種族に譲渡したので長期間使える艦が無いのだ。
そこで・・
俺はヘイゾウお兄さまに電話、大和が動かせるか尋ねたがダメだと瞬殺された、
なら武蔵か信濃・・第7艦隊は全艦ダメだと怒られた、これに俺は反論する、
キアーラの星から帰ってきてかなり経つのになぜ使えないのか訴えた!
「孫よ!今は第7艦隊は全艦使えない、というか全艦主砲を取り除いている、
今主砲の大改装を行っているから当分ダメだ、早くても半年はかかるぞ!」
「ち・・ちょっと待ってくれ!なんで全艦主砲を取り除いているんだ?」
「ある新型兵器を搭載するためだ、今迄の構造だと難しいので一旦取り除いた、
今新たに組み立ててる最中だ、なので全艦動かせない、尚信濃にも搭載する、
悪いが他の艦を当面使ってくれ!この新兵器は今後必ず役に立つ!」
「その新型兵器とは・・どういうものなんだ?」
「宇●戦艦ヤマトは知っているだろう?」
「ああもちろんだ!」
「さすがに波動砲は無理だがこの異世界なら・・ショックカノンなら・・
魔法があるこの異世界なら出来るかと思案していたんだ、結論出来そうだ、
なので主砲を大改装して新兵器を載せる、これで大幅にパワーアップするぞ!」
ちなみにショックカノンとは日本語で訳すると・・
「衝撃砲」
または・・
「衝撃波砲」
と言い砲身から撃たれた衝撃波エネルギーが螺旋状に絡み敵を粉砕する、
これにはエネルギー伝導式(艦本体からエネルギーを直接供給)する方式、
エネルギーカードリッジ式(砲弾状のカプセルに封入)する方式がある。
今回ヘイゾウお兄さまが考えているのはエネルギーカードリッジ式、
理由は伝導式だと構造が複雑となり氷裂弾等が使えなくなるのが理由だ、
カードリッジ式なら様々な弾が撃てるので実射弾を減らしこれを搭載する。
だが今迄の砲身だと衝撃波砲の高エネルギーに耐えられないので全部交換、
その際俺が海底種族から貰った希少金属の一部がこれに耐えられるらしい、
なので後日俺は貰った希少金属のほとんどをヘイゾウお兄さまに没収された。
ちなみに信濃に関しては艦橋の前後に搭載したレーザー砲の後ろを交換、
口径は副砲程度の大きさだがそれでも破壊力はさらに上回るそうだ、
実射弾が乏しい信濃にもこれなら搭載できるとお兄さまは息荒くしていた。
・・・
当分大和が使えないと判断した俺達は他の方法を模索していたが・・
・・・
長期間の滞在となるとどうしても衣食住が必要となるので頭を抱える、
収納魔法だけだと心細く艦なら広く移動も出来るので当面は心配ない、
なので艦を探す、だがどの艦も使用中で余った艦は1隻も無かった。
そこで俺達は考える、艦が無いのなら新たに造るしかないであろう・・
先般俺が老朽艦を大改装して神摩を建造したように新たな艦を造ろう!
そう決心した俺達は威凛族王に電話!老朽艦を譲渡してほしいと懇願する。
威凛族王は早速捜索、すると初期の戦艦が一隻手つかずであるとの返答、
これに関しては単純に順番待ち、落ち着いたら改装する予定だったらしい、
これならいいと王の許可を貰ったので俺達は急ぎ艦を取りに行った。
翌日・・・
俺達はその老朽艦を受け取る、古いのは古いが何とか自力で動ける、
だがどこで改装しよう・・既に全港満杯で漁港も船で溢れていた、
そこで白銀族のミラに連絡、空いてる整備港は無いか尋ねた。
「桐玉響の奥の港しか空いてないけど・・」
「ああそこでいい、出来れば誰も近づけないでくれ!」
「えっ?どうして?」
「俺の特戦隊に元破壊神がいる、それを聞けばわかるだろう?」
「えっ・・ええ・・でも信用できるの?」
「ああ俺は全員心から信用している!」
これを聞いたルシファー達は嬉し涙を流していた。
「そう・・わかったわ、言う通りにするね」
「すまない、頼む!」
「えへへ・・任せて!」
俺達は急ぎ桐玉響に向かう、2日程要したが無事に到着した、
その間ミラが用意してくれた端の整備港に老朽戦艦を入港させた、
急ぎ俺達は艦の改造に取り掛かる、尚資材などは高速鉄道で運んだ。
今回は聖級クラスが5人いる、さらにブルーアイズ等お供達も来ている、
なぜかコロ、雉、猿も同行、手伝うと言うので雑用を任せることにした、
ルシファー達は早速作業、移動中勉強してたので内容は理解していた。
ルシファー達は自分の分身を複数展開し老朽した部品を次々と外していく、
一旦全体の老朽部分を取り除き新たな部品を組み付け次々と作業を進める、
驚くほど効率的で見事な段取り、老朽艦は見る見るうちに変わっていく。
ちなみに俺は部品の型を造るのと・・なぜか食事係となり料理を作る、
お供達は猛烈に食べるので俺はほぼ一日台所で調理する日々が続いた、
一週間ほど経過したら・・老朽艦は消え新たな艦が姿を現していた。
次の作業は武装や内装などを行う、皆この作業が楽しいようで笑顔だ、
特に元破壊神4人は初めてのモノつくりらしく汗流しながらも笑顔、
モノつくりがこんなに楽しいのかと感激しながら作業を進めていく。
更に一週間が経過、驚くことに老朽艦は新たな戦艦としてその姿を現す、
破壊神とは言え神、通常の整備員とは比べるまでもなく圧倒的な存在感、
原理を理解した彼らの作業は驚愕レベルだった。
ちなみに俺達が神摩を大改装したのは皆知っているが依頼は全然来ない、
俺達に艦の大改装を依頼すれば速いのは知っていたがそれは断固拒否、
理由は自分達の職場確保、俺達に仕事を奪われたら困るからだ。
もう一つ理由がある、それは俺達は特殊な存在で常に艦の整備に携われない、
いついなくなるかわからないので仕事の段取りがつかず結局自分達が受け持つ、
それなら自分達が全管理した方がいいと結論付け俺達にはお声はかからない。
まあ・・
俺達が特殊すぎるだけで整備員たちの仕事は決して遅くは無く速い方だ、
なので威凛族からの依頼の艦の大改装はどんどん進んでいて一部は進水済、
内装の仕上げさえ済めば・・来月にはある程度の艦が譲渡出来るらしい。
そんなわけで・・
俺達は黙々と作業を進め・・老朽戦艦は新たな最新鋭戦艦へと変貌する、
クラスとしては初期の扶桑、山城とほぼ同じ大きさで全長210m位、
例えるならデモイン級重巡と護衛艦むらさめ型を足して2で割った感じ。
さて名前はどうしよう?
これに関してはシャックス・・元ホーリーキマイラ猫が眼を輝かす、
なぜかこの艦の名はどこにも出てこなかったが・・有名なあの艦の名前、
この名前がいいとシャックスは訴える、俺達も頷きこの名前に決めた!
その戦艦の名前は・・かつて大功績を収め今でもその姿を見る事が出来る、
国民から愛され保存運動も勃興し記念艦として特別に保存を認められた艦、
その経緯からこの異世界には来ていないが俺達はこの名だけを引き継いだ。
その艦とは・・
「戦艦三笠!」
以降この艦は・・
戦艦三笠と名乗りこの異世界で活躍することとなる。