謎の卿魔族の出現と元破壊神の人間化
ルアらしき老人男性が桜咲さんの描いたイラストに大きく描かれている、
細かくチェックするとルアの左側の首には2つホクロがある、位置も同じだ、
なのでこの老人はルアと判明、これを知った俺達は期待を膨らませる!
というのも・・
ルアが老人姿と言うことは・・俺からの引継ぎが出来てる可能性が高い、
詳細は不明だが老人ともなると最低でも今から100年後位と見ている、
もし引き継ぎに失敗していたら混沌の世界に戻り争いが絶えないだろう。
だがイラストを見る限り老人姿のルアは穏やかで着る服も傷んではいない、
背景も特に争いの感じは無いようで普段の生活を過ごしている感じ、
なので戦火の可能性は低い、着てる服は防寒着のようで冬のようだ。
念の為イラストに描かれた背景等を調べる、だが屋外らしく詳細は不明、
唯一の手がかりは隣に描かれている謎の女性、一体誰なんだろう?
美人ではあるが何となく殺気に満ちていて無気味な存在と感じている。
とても気になるので試しにこの女性をCG化してパソコンに取り込んだ、
そして登録している全種族女性を未来の姿に編集して画像を照らし合わせる、
その結果・・同盟種族の誰にも該当しなかった。
ちなみに馨響・威凛・白銀・海底種族の女性達も登録してるので確認した、
これは各王が望んだ事、人数が多いと誰が行方不明か追跡出来ないからだ、
尚男性も現在登録の最中、艦の改造を優先してるので合間に登録している。
あり得ないとは思うのだが・・
用心の為男性も同じ作業を行った、当り前かもしれないが誰も該当しない、
なので保留とした、タケシ達が戻ったら確認させるのでデーターだけ貰う、
そして俺のパソコンにデータをインストール、これでいつでも確認できる。
3日後・・・
タケシ達が人間の裏世界から帰ってきた、全員無事だったので一安心、
早速内容を尋ねる・・なぜかルシファーも一緒で元破壊神と談笑していた、
まあ彼らは元々同じ破壊神、同じ境遇なので意気投合したのだろう。
まずタケシが調べた内容を語り出す!
「現地を広範囲に調べましたがこれといった種族はいませんでした、
ただ妙な気配は感じたので何かがいたのはほぼ間違いないようです、
途中ルシファーさんが合流して一緒に探してくれましたが・・」
「なにもいなかった・・ということか?」
「ここからは僕が話すよ!」
タケシの肩を叩きながらルシファーが宥め代わりに説明を始める、
既にその何かは去った後だったが残った気配で確信したようだった、
それは・・・
「卿魔族」
悪魔系統の種族で最上級の存在らしい。
俺は名前を聞いてデーモンの関連かと思ったが・・
裏世界のデーモン達とは異なる存在らしい。
裏世界のデーモン達は顔こそ怖いが基本的なことは俺達と大差ない、
デーモンの特殊能力としては小動物にとりつけること、巨大化できる!
人間に変身できそれと俺達と同じ魔法が使えるのは確認している。
ちなみにデーモン達のほとんどは中~特級レベルの強さ、
ブルーデーモンのアレス等が鍛え聖級クラスに進化している。
だがルシファーの言う卿魔族は神の領域類のようで破壊神とは仲悪い、
破壊神はその名の通り破壊を司る神だが上下関係があり一応統制がある、
だが卿魔族に関してはほぼ単独で動く一匹狼的な感じらしい。
実力は破壊神の中位以上がほとんどだがそれほど数は多くないそうだ、
例えるなら虎に近いようで普段は単独だがたまに交配等で相手を求める、
卿魔族もそんな感じらしく単独を好み他の種族との関わりを嫌う。
ここからは俺とルシファー達との質疑応答!
「その卿魔族というのはどういう容姿をしているんだ?」
「見た感じ人間に近いよ、さっきのイラストの女性のような感じだね」
「えっ?この女性が卿魔族というのか?」
「たぶんそうだと思うよ、まあ僕は会ってないから確証は出来ないけどね」
「そ・・その卿魔族と言うのは危険な存在なのか?」
「ある意味危険だね、怒ると破壊神にも攻撃してくるからたちが悪い、
だけど温厚な所もあって格下が相手だと威圧な戦闘は避け離れようとする」
「ということは・・その卿魔族が人間達を追い払ったと?」
「可能性は高いね、だけど敵の気配を感じたら即座に身を隠すんだ、
だから僕たちの前の偵察隊を感じて・・増援が来ると思ったんだろう、
おそらく卿魔族は人間を追い払いそこに住処を造ろうとしたんだと思う」
「なるほど・・としたら戻ってくる可能性もあるのか?」
「当分は無理だと思う、もうあの地は僕たちが眼をつけたと思っているはず、
余程の拘りが無い限り戻らない、そこから去って新天地を求めると思うよ」
この言葉を聞いた俺は一安心、とりあえず戦闘は避けられそうだ。
「でも戻ってくる可能性もあるよ、それはどうするの?」
「ああ防犯カメラなどを仕掛けようと思う、たぶん面識はないはず、
タケシすまないがカメラを設置して・・」
俺の言葉を遮ったタケシ、なぜか自信満々に語り出す!
「そう言われると思いましていろいろ設置してきました!」
なんと頼もしい・・
俺はタケシに感激の握手、タケシは照れながらも受け入れていた。
早速モニターに接続して画面を見る・・・現時点何も映ってなかった、
暫く皆で見ていたが何も変化がないので・・
・・・
これに関しては様子を見ることにした。
ここで俺はあることを思い出す!
それはデーモンの世界で召喚されていた謎の生命体・・なのかな?
キアーラの星に向かう前に存在を知り捜索を任せていたのだが・・
アシュラ達が翻弄されていたとは聞いた、もしかすると卿魔族なのか?
「いやデーモンの世界のは違うよ、あれは単なる聖級クラスの魔物だ」
「それは・・その後どうなったんだ?」
「アシュラ君たちは魔物が高度な知性を持っていると判断し考えを変えた、
さっきの対応のようにあちこちにカメラ等を仕掛けて様子を見ていたんだよ、
そうしたら反応した、すぐさま追い詰めて全員捕らえたよ」
「そ・・その後は??」
「アシュラ君たちと仲良しになって一緒に暮らしてるよ!」
・・・
人騒がせな話だが・・まあ争いがないだけ良しとしよう。
ちなみにその魔物達はある異世界で暮らしていた魔物らしい、
キアーラのように突然召喚されて危険を感じ隠れていたらしい、
アシュラは破壊神の先鋒隊だったのでその気配を身体に纏っていた。
なので魔物達は用心のため逃げていたが・・
・・・
アシュラ達は敵ではないと判明して今は地底人の都市で住んでるようだ、
尚これに関しては俺とお供だけが知らなかったらしく他は知っていた、
というのも俺がキアーラの星で開拓していたので伝え忘れたそうだ。
・・・
こういうことまでほったらかしはやめてほしい!!!
と俺は訴えたが・・
・・・
緊急事態ではないので俺の主張はスルーされた。
ちなみにこの魔物達が今後の動きに大きく影響することとなる、
現時点では気付かなかったが・・これに関しては後日説明する。
一応これらはさておき・・
ここで元破壊神の3体・・今は人間姿だが元の姿に戻るのかな?
彼らは柴犬のコロ、雉、猿に摂りついていたから・・
「コウさんそのことで相談があるんです!」
コロに摂りついていた元破壊神があることを提案する!
「俺達はもう動物に戻りたくない・・この人間姿に留まりたいのです、
だけど神魔瓊石の力はもうすぐ尽きる、だからカードを造ってほしい!」
「それは・・憑依モンスターとして生きると言うことか?」
「まあそんな感じです、ただ異なるのはこの臨時の身体のカード、
これを造ってもらい僕たちが摂りつきます、たぶんそれでこの身体が・・」
「維持できるかも・・と言いたいんだな」
「その通りです!!!」
なんかややこしい話となったが・・まあ彼らも人間姿を求めている、
神魔瓊石が身体を一時的に創ってくれたから憑依できるかもしれない、
根拠はよくわからないが・・俺は急ぎ目の前の3体のカードを創る。
30分後・・・
見本が目の前にいるので作成は容易、そのまんまのカードを創った、
それをルシファーが握りしめ・・神魔瓊石がそれを感じ光を放った!
次の瞬間ルシファーが3枚のカードをそれぞれの元破壊神に投げた!
ビキーーーーーーーーーーーン!!!
電気がショートしたかのような猛烈な音が辺りに響き渡る、
さらに猛烈な煙、俺は部屋の隅にあるスイッチを入れ換気する、
しばらくしたら煙が晴れてきた、そこに立っていたのは・・
・・・
見た目は人間姿のまんまだが・・
・・・
だが猛烈な覇気を纏った・・
・・・
元破壊神3体・・いや3人が立っていた。




