仲間との再会と拠点名と俺へのプロポーズ
俺はルーム国の神殿に戻り自分の部屋でくつろ・・げなかった、
やっと自分の理想郷を造る流れが出来たと考えた矢先の横やり、
止むを得ないとはいえ結果的に俺達だけが苦渋を味わっている。
俺の相当なストレスを感じたジェニー達は急ぎ医師ライアンを呼んだ、
診察の結果しばらく安静が必要だと言われしばらく眠ることにした、
だがストレスで眠れない・・睡眠薬を投与してもらい深い眠りにつく。
ちなみにお供達も相当疲れていたので同じ処置、別部屋で眠っている。
その間・・・
エリーナ達は俺が造った6つの拠点を居住できるよう手を加えていた、
巨大模型は手を加えれば十分使えるので店舗やホテルや駅等を開業、
白銀族にはアパート等住居を提供して普通の生活が出来るようにした。
ここで豆知識!
この異世界での「普通の生活」とは住処と上下水道とスマホ等の関連、
電気製品(照明等)ガス(湯沸しなど)基本魔力を使った機器で行う、
具体的には天然石に自分の魔力を注ぎ溜めそれを使い機器を動かす。
住処(アパート等)と上下水道に関しては俺達とほぼ同じで公共の部類、
これに関しては組織で管理するが家電製品等は自分の魔力で動かす、
ある意味自家発電のような感じで機器を動かし料理や趣味などを行う。
これらの設備が整った生活を送ることを「普通の生活」と言っている、
ただ種族によっては共同生活を望む種族もいるので臨機応変に対応、
この場合は個室では無く団体部屋等でシェアしながら過ごしている。
ちなみに街灯や軍事設備等は特大の天然石等に皆が魔力を注いでいる、
自分に影響がない範囲まで魔力を注ぐ、その量に応じて報酬を支払う、
これにより各種族は日銭を稼ぐことができ欲しい物を買っている。
魔力が乏しい種族(人間等)は労働で対価を支払い日銭を稼いでいる、
働きに応じて報酬を支払うがそれとは別に事業を運営する者も多い、
例えばアクセサリー等小物を家で作りそれをrc等で販売している。
豆知識はここまで!
それと各拠点に軍事基地の新規建設、陸海空に加え宇宙も監視できる、
人工衛星は既にあるのでそれを活用し広範囲に監視が出来るようになる、
輸送駆逐艦等や航空機・戦車等は各地の中古をかき集め体制を整えた。
各種族は最優先でこれらの操作を教える、皆気合いを入れ操作を習う、
白銀族は自分達が拠点のリーダーになるからと寝る間も惜しみ習っていた、
その甲斐あって戦える集団となった、大概の敵なら十分追い払える。
開業とほぼ同じ頃・・・
俺達の拠点を遠目で見つけた他の遊牧族が次々に拠点に集まってきた、
ゴブリンや魔法使いのような種族・・他も迷いなく拠点に集まってくる、
いったいこれはどういうこと・・ミラがエリーナ達に説明していた。
「私達と友好的な遊牧種族に魔法で一緒に住もうと呼びかけたのです!
他の種族も破壊神の攻撃を受け疲弊したので呼びかけに応じました、
どうかこれらの種族も受け入れてください、危険はありません!」
危険が無いなら問題なし!皆頷き駆けつけた種族を次々受け入れた。
その時!!!
警備をしていた衛兵グリフォンが懐かしい仲間を見つけた!!!
「お・・お前行方不明になったガルーダーじゃないのか?」
「ええ私はガルーダーで・・!!!き・・君はグリフォンか?」
「ああそうだよ!驚いた!でも無事でなにより!」
「じ・・状況が理解できないな・・説明してくれるか?」
「まっ・・待ってくれ!上に報告してくる!」
衛兵グリフォンは急ぎ女王レイナに報告、行方不明の仲間がいたと!
これに驚いたレイナは急ぎカオスとアデール達に連絡、全員驚いていた、
急ぎ集まった種族をホテル等に集め行方不明となった仲間を探した。
ウァアアアアアアアアアアアア~~~~!!!!!!
すると次々見つかり・・行方不明の約2割の仲間がいて再会を果たす、
大喜びで抱き合う各種族、皆涙を流し感激、それはしばらく続いた、
2時間ほどしたら全員落ち着いてきたのでレイナが経緯を尋ねた。
それは・・
突然キアーラの星に逆召喚されたワイバーンやガルーダ、グリフォン等、
これらは他の種族と遊牧生活をしていた、というのも当初は自分だけ、
しばらく彷徨っていたら他の種族と遭遇し事情を話し同行したそうだ。
その後破壊神が攻めてきて戦闘、ガルーダ達は他の種族を守るため動く、
ほとんどの種族は中級程度の強さだったがガルーダ達は上級レベルだった、
戦闘には自信があったので魔物を倒し種族を守ってきたそうだ。
だが多勢に無勢、自分達が囮となり敵を引き付け種族を逃がしたそうだ、
それを見届けた時自分も撤退、これを繰り返してきたらしい、なので・・
疲弊が嵩みこれまでかと・・白銀族の呼び掛けを感じ急ぎ来たらしい。
間接的ではあるが・・
俺達が広範囲に模型都市を造ったことで仲間と巡り会えた各種族、
居場所を手に入れた白銀族や様々な種族、さらに飲食も困らない、
それに加え脅威に対抗できる軍事力を手に入れ全員が感激していた。
俺への感謝をこめて・・・
白銀族達は俺が住んでいた世界の樹木名を拠点名にしようと考えた、
わかりやすいように一文字の樹木を複数選び皆で真剣に選んでいた、
それに響きのいい言葉を組み合わせ拠点名は以下の通りとなった。
● 馨響側北側拠点名 「 桜久遠」
● 馨響側中間拠点名 「 松仙郷」
● 馨響側最南端拠点名 「 桐玉響」
橋を渡って威凛族領地、ここからは南から読んでいく。
● 威凛側最南端拠点名 「 檍銀湾」
● 威凛側中間拠点名 「 榊星彩」
● 威凛側北側拠点名 「 椿爽籟」
と呼ぶこととなった。
馨響側の首都機能は桜久遠、威凛側の首都機能は椿爽籟に集約した、
流れとしては馨響城の近くにある転送の鏡から各艦が湖から海に出る、
桜久遠へはそのまま南下するが威凛側は一度経由島に立ち寄る。
経由島には最新鋭の軍艦ドックがあるのでそこで使う精密機器等を降ろす、
そして椿爽籟に向かって南下、この時輸送重巡等はどこも立ち寄らない、
民衆には白銀族達の新たな都市の事は知られたくないので沖合いに進む。
途中補給や商品交換等を行う場合は軍艦で運び沖合いで合流し荷物交換、
この際は神官等重要幹部が管理、その後椿爽籟に向かい荷物を運ぶ流れ、
ここから高速列車で他の拠点に荷物を運ぶ、列車の方が速いからだ。
往路は大体こんな感じ、復路はこの逆の流れとなる。
一応全拠点に軍港はあるが桜久遠と椿爽籟の港は第7艦隊全艦入れる、
他は現時点まだ軍艦が揃わないこともあり駆逐艦が数隻入る程度、
他にも飛行場を建設し小型戦闘機とヘリを20機程度備えている。
それと・・・
馨響・威凛族の王は今後全拠点に軍艦を配備し外敵に備えさせる考え、
なので急ピッチで軍艦と港を再整備するよう命じ皆は大忙しとなる、
これは自分達の領地整備もあるが白銀族への目を逸らすためでもある。
こうすることで目が届かなかった地域も軍備強化が整い備えは高まる、
先では全拠点鉄道で繋ぎたい考えだが当面は区切って各地を整備する、
民衆が落ちつき白銀族への過剰な信仰が減れば実行しようと決意する。
こうして白銀族達は拠点を手に入れ俺達との貿易を活発させていった、
見る見るうちに6つの拠点は近代化し皆喜びながら日々を生きている、
今迄の貧困が嘘のように栄える各拠点、皆の眼は希望で溢れていた。
そのころ・・・
既に目が覚めていた俺達、俺はキッチンで自分の中華そばを作っていた、
その時来客が突然来た、妻のリィブラと共に来た白銀族のミラ、
それともう一人、サユミとレイミを足した様な女性一人もいた。
「あなた~~中華そば3つ超大盛りでチャーシュー追加ね~~!」
・・・
ズルズルズル~~~~
「う~~~ん美味し~~~!!!」
一番ヤバい妻を怒らすと超危険なので俺はしぶしぶ中華そばを追加した、
3人ともモデルのような細身なのに超大盛り中華そばを平然と平らげる、
5分もしないうちに完食した3人、しっかり噛んでいるのだろうか?
「ご馳走様でした~~」
やっと本題・・の前にデザートも要望してきたので特製プリンを出した、
その後なぜか冷蔵庫に入れてあった特製プリンは全部消えてしまっている、
リィブラがとても上機嫌・・問うと危ないので深く尋ねないことにした。
「さて本題に入りましょうか!」
前置きが長いぞ!
「あなた紹介するわ!こちらは威凛側にいた白銀族のティアラさん、
ミラさんとは昔馴染みで歳も同じ、両親はリーダーだったけど・・
今はティアラさんが威凛側を纏めてるのよ!」
リィブラの紹介の後ティアラは席を立ち俺に挨拶をはじめた。
「は・・はじめまして、私は威凛側を纏める白銀族のティアラと申します、
この度は拠点の提供ありがとうございます、おかげで全員命拾いしました、
是非ともお礼が言いたくてこの度お伺いした所存でございます!」
これはこれはご丁寧に・・・
俺は顔こそ笑顔だが・・
ティアラの言葉からしてもう拠点は全部彼女達の定住都市となった、
これで俺は完全に管理から離れたわけか・・正直少しイラッとした、
それを察知したリィブラがすかさず言葉を発する!
「コウ嬉しいニュースがあるのよ!」
「えっ?なんだ?」
「聞いて驚かないでよ!ミラさんとティアラさんがね~~
あなたと正式に婚約したいと言ってくれたのよ!嬉しいでしょ?
今回はそれを報告するために来てもらったの、良かったわね~~」
・・・
俺はキョトンとして・・2人を見る。
・・・
ミラとティアラはとても照れくさそうな仕草をしてはいるが・・・
・・・
その眼には・・
「玉の輿」
(資産家等と結婚し裕福な立場になること)
「牽強付会」
(自分の都合のいいように理屈をこじつけること)
「我田引水」
(他人の事は考えず自分に都合がいいように行動すること)
「断章取義」
(その一部だけを取り出し自分の都合がいい脳に解釈すること)
の文字が見えた気がした。