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白銀族のミラの要望と嫌な予感がする俺





白い身体と長い銀髪の美しい種族、この種族を俺は・・




「 白銀族しろがねぞく」 と名付けた!




その詳細をイザベルは俺にメールで返信、なぜか通話は拒否してきた、

今俺の前にいる白銀族は100人ほど、女性7、男性3位の割合のようだ、

その中で子供は2割ほど、80人が成人男女で20人が男女の子供らしい。




イザベルのメール内容によると・・




この種族は遊牧民、例えるとモンゴル遊牧民のように移動生活する種族、

彼ら彼女らは基本他所との関わりを嫌い誰もいない大陸を移動生活する、

だが彼らがたまに他種族と遭遇すると小さな幸せが起きるそうだ。




例えばお店に彼らが入ると・・その店は当面商売繁盛、さらに街も明るくなる、

他にも彼らと握手すると一度だけだが小さい願いが叶うらしい、例えば・・

行方不明になった宝物(宝石など)が翌日見つかると言った感じらしい。




だが彼ら彼女達は長く滞在することを嫌い用が済んだらさっさと移動する、

他にも街等が見えたら余程の事が無い限り自分達からそこを避けるそうだ、

なので馨響・威凛族も白銀族と会うことはとても珍しいそうだ。




それと見た目、神秘的な姿の白銀族は他の種族から珍しがられている、

ある意味天然記念物のような扱いらしく馨響族達も深く介入しないそうだ、

それもあり白銀族は幻や謎の種族としてその存在は極秘に近いそうだ。




・・・




幻で謎の種族?神秘的な種族?




・・・




俺の目の前にいる白銀族?は見た目は綺麗だがその姿は質素そのもの、

着ている服は神官服のようだがボロボロで靴も破れている、さらに・・

皆かなりやせ細っている、この様子だと数日何も食べていないようだ。




「ねえ~~もっともっと~~!!!」




・・・




俺のコタツ席を勝手に占領した子供がおでんのおかわりを催促している、

他に・・俺達を囲んでいる青年達もやせ細り食べ物に目を奪われている、

女性達はそれほどでもないが・・食べ物を見る眼だけは野生に近かった。




・・・




俺の目の前にいる女性、どうやらリーダーらしくエリーナ姉妹に似ている、

しばらく彼女は俺のスマホでイザベルと話していたが・・なぜか薄ら笑い、

俺にスマホを返し・・そして語りかけてきた。




「先ほどは失礼しました、私は白銀族の臨時リーダーのミラと申します、

私達は遊牧民としてこの大陸を渡り歩いていましたが破壊神達と遭遇、

何とか逃げ延びましたが多数の仲間が犠牲となり彷徨っていました」




続けて・・




「私達は夢中で逃げたので持ち物がほとんど無く困り果てていました、

そんな矢先貴方を見つけ食べ物を分けてほしいと思い近づいたのです、

先程の無礼は謝ります、お願いです!食べ物を分けてほしいのです」




・・・




俺は周りを見る、確かに全員やせ細っていて今にも倒れそうな感じだ、

だが子供だけはそこそこ元気がいい、おそらく優先的に食べさせていた感じ、

だがその子供達も食べ物を見ている、一部は耐えられなかったようだが・・




・・・




破壊神に攻撃されたのならこの状況も納得できる、なので俺は・・・




「わかりました!出来る限りの援助は致しますのでご安心ください!」




「あ・・ありがとうございます!!!!!」




ミラ達は大喜び、俺は即座に収納魔法から持ってる食べ物を出しまくる、

人数が多いのでお供やミラ達にも手伝わせ急ぎ全員に食べ物を配る、

まずは食べさせて・・それから移動し建てたホテルを開放して休ませた。




翌日・・・




ドンチャン騒ぎから一転・・深刻な状況に陥った俺達は大忙しとなる、

白銀族は着てる服だけしか持ち物が無いので展示品を開放して支給した、

街の雰囲気を出すため店舗にはマネキン人形を置きそれに服等を着せていた。




「わあ~~~この服いいな~~!」




「す・・すごくかわいい!あ・・ありがとうございます」




さすがにボロボロの服では気の毒すぎるので好きな服を選ばせ渡した、

男子はGパンにカッターシャツ、女子はロングスカートが人気だった、

他にも靴、帽子、鞄、マフラーなども与えたので大喜びしていた。




白銀族は俺達の世界の服を抵抗なく着て喜んでいた、不思議に思う俺、

イザベルのメールにはミラ達は他種族の関わりを嫌うと書いてあった、

だが俺達の関連はその素振りはない、一体どういうことだろう?




その後は俺達の世界を説明、お供達が日本語と英語も細かく教えた、

白銀族は当初翻訳魔法で語りかけてきたが即座に俺達の言葉を覚える、

その後はミラはじめ全員が当たり前のように日本語英語で話していた。




・・・




ホーリーキマイラ猫以外は喋れないはずだが・・まあ深く考えない、

その後イザベルが簡易スマホをミラに渡してくれと言うので渡した、

ミラはそれを使い頻繁にイザベルと連絡を取り合っていた。




しばらくして・・




俺はミラと対談、今後どうするのか聞いてみた、たぶん俺としては・・

彼ら彼女らは遊牧民と聞いている、落ち着いたら俺から離れるだろう、

なので俺としてはミラがテントなど生活関連を求めるかと思ったんだが・・




「コウさんの造った6つの拠点を私達に任せてほしいのです!」




あれ?




なんでミラ達が俺が6つの拠点を造ったのを知っているんだ?

それにミラ達は遊牧民だろう?拠点で生活するのは抵抗あるのでは?

疑問に思った俺はミラに深く尋ねる、ミラは真剣な顔でこう答える!




「私達は破壊神の攻撃で多数の仲間を失い散り散りになっています、

なので私達としては固定の拠点に住みまずは仲間を集めたいのです、

この大陸は食物が乏しく生活だけでも大変、なので拠点が欲しいのです」




この言葉に俺は驚く、確かに拠点は6つあるが半分は威凛族領地にある、

今の話からすると威凛族領地にも白銀族がいる事になる、なので俺は尋ねる、

白銀族はどの位の人数がいてどのような状況なのかを質問してみた。




「説明するので地図を見せてもらえませんか?」




と言うので俺はモニターを出し衛星地図を見せる、これにミラは驚く、

だがこれだけ細かいのなら説明も容易いと見たミラは力説を始めた。




「私達はこの一帯・・コウさんが拠点を造った大陸で移動生活しています、

丁度コウさんが造った拠点が私達の行動範囲に適しています、なので・・

私達にしてみたらコウさんの各拠点は理想の住処なのです!」




続けて・・・




「私達は大体1万人程いてその半分は威凛族領地で生活していました、

ですが先般の破壊神の攻撃でそれらも散り散りになってるはずです、

おそらく私達と同じように困っているはず、なので助けてください!」




俺はこの話を聞いて・・




・・・




おそらくイザベルはミラから状況を聞いて調べ俺の拠点を知ったと見る、

既にこの星にも衛星はあるので上空から拠点を把握しミラに提案、

俺の拠点を最大限利用して仲間を助けるように進言したのだろう。




ちなみにミラ達は他の白銀族とたまに出会うことがあり友好的らしい、

威凛族領地へは時々交代で移動し交流、情報交換等してまた戻るそうだ、

そのため移動が容易な高速鉄道も使わせてほしいと熱望してきた。




・・・




ミラの度重なる要望に戸惑う俺、というのも嫌な予感しかしないからだ、

確かに白銀族は窮地に陥っているので助けるのは当然としても・・その先、

今の流れだと巨大模型と拠点関連は根こそぎ奪われると思ったからだ。




巨大模型は少し手を加えれば十分活用できる、生活も仕事も可能だ。




さらにミラの背後にはイザベルがいる、彼女は知略家で俺の妻でもある、

おそらくミラに俺の性格などを伝え必要な関連を求めろと言っているはず、

ミラはその後スマホでイザベルと細かく電話してたので間違いないだろう。




・・・




人道的援助は当然するが・・・




俺がせっかく造った拠点を丸ごと取られるのは面白くない、なので・・

ミラにあえて意地悪な質問をする、どう反応するかでその先を決めよう、

そう考えた俺はミラに尋ねた。




「君達の苦境はわかった、だが落ち着いた後どうするつもりなんだ?」




「えっ?どういうことですか?」




「君達は遊牧民だと聞いている、拠点は一時凌ぎでいずれ去るのだろう?

そうだとしたら俺は援助はするが拠点の管理は任せられない、それと・・

拠点を管理するなら見返りは欲しい、建設に多額の費用を要してるからな」




・・・




ミラは考える、俺の言葉が正論なので説得できる言葉を探しているようだ、

確かに自分達は遊牧民、固定の場所に住まないので俺の不安も理解できる、

それと・・なにもかもタダでで寄越せと言うのはさすがに虫が良すぎる。




だがミラ達は俺の造った拠点で今後固定生活をしたいと思っていた。




その最大の理由は破壊神、強大な敵が攻めてきた時ひとたまりもない、

遊牧は自由に場所を選べるが備えが限られるので長期戦が出来ない、

それと連携の問題、その都度動くから味方がどこにいるかわからない。




ミラ達はこの弱点を突かれ多数の仲間を失っていた。




なので・・・




・・・




ミラ達は今後どこかに拠点を設けそこで集団生活するべきだと考えていた、

だが傷ついた自分達ではそれは難しい・・俺を知り拠点は複数出来ている、

各拠点は自分達に適した場所にあり鉄道もあるので移動も容易に出来る。




さらにこの拠点は他種族と離れた位置にありすぐに生活できる環境にある、

他にも最新の建造物や食料・水等も容易に手に入り軍事関連も各所にある、

ここを住処にすれば近代的な生活が出来る環境が整っている。




そのため・・




他の種族と距離を置きたい白銀族にとっては理想の拠点、何としても欲しい、

幸い馨響・威凛族は白銀族の考えには理解を示している、なのでミラは・・

俺を説得しようとイザベルとの会話を思い出しながら・・ある案が浮かんだ!




それは・・・




・・・




「こ・・コウさん!ではこれではどうですか?」




ミラが発したこの言葉は・・・




・・・




俺の嫌な予感を確定させるものだった。



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