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王達の自力脱出と用意周到なイザベルの策略




威凛族と馨響族の王族達は牢から飛び出し門番と交戦状態となる、

相手は魔法結界で王族の力を押さえたが俺のお供が武器を提供した、

これらの実弾系の武器は結界の影響を受けないため・・・




ズキューン!!!




ドキューン!!!!




携帯武器ではあるが威力は十分、これで牽制し接近戦に持ち込む、

そしてスタンガン攻撃、懐に入って当てるだけで敵は痺れ動けなくなる、

さらに煙幕や麻酔弾など間接武器も使い次々と門番を倒していく。




カラララーーーン!




ブシューーーーーー!!!




「な・・何だこの煙は??)




「ご・・ゴホゴホ!!な・・なんか眠くなる・・」




「う・・・ううん・・」




バタバタバタ・・




俺達の兵器を知っている門番だったが意表を突かれ次々と倒れる、

さらに効果を高める為大幅に改良した催涙弾は効果抜群で効きも早い、

なので多少免疫があっても意味が無く門番は次々と倒れていく。




「さあこっちだ!このまま一気に地上に出るぞ!!!)




「はい!!!!!!!!」




王達はさらに勢いつく、それを慎重に監視し後を追うホーリキマイラ猫、

彼にはイザベルから密命が出ていた、それは王達の援護と万一の備え、

それは王達に危機が及んだ場合ゴーレムを展開しその敵を駆逐すること。




この星に来る前にホーリーキマイラ猫達はゴーレムで訓練を積んでいる、

万一王達が劣勢の時はゴーレムに乗り込みそれを操り敵を倒す事だった、

だがこの方法は3時間が限度なので最後の切り札として温存させている。




ちなみにイザベルは武器等は用意するが自分達で脱出するよう手紙を書いた、

牢は特級以上は結界で動けなくなるので応援には行けないとも書いている、

なので王達は武器を持ち自力で脱出するしかないと悟り行動を起こした。




だがこの時点ではゴーレムの存在を知らない、なので慎重ながら行動は早い、

あっという間に門番を駆逐し地上近くまで出た、だがここからが厄介だった、

外には威凛族の兵や民衆が操られ自分達を襲う可能性が高いと判断した王達。




なので王達は動けない・・ここでホーリーキマイラ猫が王に進言する。




「民衆や兵の事なら心配いりません、既に手はうってあります」




「なんだと?どういうことだ?」




「あちらをご覧ください!」




王達の目線の先には・・




「フハハハハハハハハハハハハハーーーーー!!!!」




それは巨大なパピータ大魔王の幻影、それに向かって民衆達は拝む、

破壊神が万一バレた時に備え自分の本体を拝むように洗脳していた、

その姿に似て・・いやもっとカッコいいパピータに全員が拝んでいた。




「今の内ならここから出れます、急いでください、あれは間もなく消えます、

急ぎあちらの湾岸に向かってください、まもなく応援が駆けつけます」




「そ・・そうか・・わかった・・」




パピータ大魔王の幻影は数時間しか持たない、もうすぐ消える時間が近づく、

その前に王宮を出てある湾外沿いに移動するようホーリーキマイラ猫は進言、

他に方法が無い王達はその進言に頷き・・一斉に外に出て湾岸に向かう。




ホーリーキマイラ猫はそれを見てスマホを取り出し緊急メール、送信先は大和、

急ぎ湾岸に来てほしいと連絡、それを受信した大和は即座に動き出す、そして、

湾岸に近づいたら救援ヘリが2機離陸、王達を大和に乗せ保護するためだった。




その間俺達は大神官を刺激しないよう見張りだけ倒しひたすらメールを待つ、

王達を人質に取られたら動けなくなるので先に王達を保護する必要があった、

予想より大幅に時間を要したが・・なんとか王達を保護することが出来た。




王達はヘリは知っていたようで特に抵抗なく乗り込んだ、そして離陸、

ヘリは5分ほど飛んで大和に帰還・・



・・・




「な・・なにこの巨大な船?」




「せ・・戦艦のようだが・・これは一体?」




軍艦を知っている王達とはいえ・・大和の巨大さに驚き・・ヘリが着艦、

連絡を受けていた乗組員が王達を出迎え。




「ようこそ戦艦大和へ!貴殿達を歓迎いたします」




「こ・・この船がイザベルが手紙で書いていた軍艦なのか?」




「左様でございます、イザベル様から貴殿達を保護するよう言われました、

ここからは我々が皆様を警備いたします、どうぞご安心を・・」




「そ・・それではお言葉に甘えさせてもらおう」




大和乗務員は威凛・馨響族の王達・・具体的には親戚やメイドさん達、

側近も含めると100名程いたがイザベルから聞いていたので問題なし、

既に準備は出来ている、王達は乗務員の案内でまず食堂に案内された。




ちなみにこの大人数をヘリ2機で一斉に運ぶことは出来ない、なので・・

ヘリには転移魔法が出来る種族が移動し5人程度と手を繋いで大和に戻る、

大和から陸地に転移魔法をすると敵に感知される恐れはあるが逆なら問題ない。




なので各種族は魔法を使わないヘリで湾岸に移動し王達と転移魔法で戻る、

ヘリは10人位は乗れるので20人ほどが移動し王達を連れて大和に戻った、

だが馨響・威凛の王とその妻達は転移魔法を拒んだのでヘリで移動していた。




王達は食堂に移動し用意していた席に座る、既に食事の支度は出来ていた、

イザベルから王達が喜びそうなメニューを聞いていたコック達が食事を用意、

次から次へと料理が運ばれてくる、王達は空腹もありその匂いに夢中だった。




ここで豆知識!




イザベル達の星では甘い植物・・サトウキビのような植物も生えている、

他にも白菜や玉ねぎ、ジャガイモなどに似た食材もあり俺達と変わらない、

だがその料理は・・お世辞にも美味しいとは言えない。




最大の理由は・・・




食べ物は自然のままが一番いいと思い込み・・ある意味宗教的な考えが根深い、

なので味付けはほとんどせず煮る、焼く、蒸すなど最小限の料理しかしない、

そのため素材は素晴らしいが質素な料理ばかり、これは王族も例外ではない。




俺達のように醤油や味噌、ドレッシング等で味付けする考えは基本無い、

たまに儀式などでサトウキビなどを絞り砂糖汁のようなものを作る程度、

だがそれが当たり前と幼少期から育っているので抵抗は全くない。




ちなみにパペット達は俺達の食事を知ってはいるが口が無く飲食はしない、

彼ら彼女達は威凛族等から魔力などを補い普段は軍艦などの整備で大忙し、

さらに破壊神が攻めてきたこともあり料理を考える余裕は無かった。





だが・・




キアーラが俺達の星に強制召喚され・・俺達の味を知ってから凶変する、

味付けの食事を知った彼女は瞬く間に虜となり・・以降舌が肥えまくる、

そのためか故郷の星に帰ってきてからも今迄の食事は一切食べなくなった。




これは庶民たちも同じ事、非常食を食べた後俺達の食事しか食べなくなった、

しかし非常食には限りがある、なので調味料を支給し俺達の料理を教える、

それに必要な調味料を提供、だが数に限りがあるので皆大事に使っていた。




その後俺達の料理を知ったイザベル、彼女も例外なく虜となっていた、

ここで彼女は考えた、この味を知れば各王族を操れるのではないかと・・

それは王族は頑固者が多く後々俺達を警戒し煽りそうな輩もいるからだ。




先般大神官がキアーラの行方不明を利用し野心を駆り立て騒動を起こした、

事例もあるだけにイザベルは将来も危惧していた、なので対策を深く考えた、

今後俺達との貿易は盛んになると予測し手を打つ必要があると予想していた。




彼女は後々何らかの形で俺達に不満を持った王族が宣戦するかもしれない、

そうなると最悪戦闘になる、いくら俺達でも攻撃されたら反撃せざるを得ない、

それを危惧しあることを思いつく、それは俺達の料理を食べさせる事だった。




へそ曲がりな自分が虜になる位だから王族の誰しもが虜になると確信した、

なのでイザベルは王達の救出と共に後々の憂いも取り除こうと秘かに考える、

そして実行、手紙を書き王達の救出と誘導し虜にする一石二鳥の策を実行する。




当然ながら王達は・・というか俺達もイザベルの胸の内まではわからない、

なので現地を知る彼女の指示に従い行動を共にすれば問題は少ないと考えた、

だがイザベルがここまで用意周到な策を講じるとは俺達も予想しなかった。




なので・・




イザベルは自分達の王族、威凛族、そして俺達も巻き込み自分の考えを実行、

その策はほぼ想定通り、あとは破壊神さえ倒せば今後は自分の思い通りとなる、

それに浮かれるイザベル、だが傍にいる俺やブルーアイズは全然わからなかった。




豆知識はここまで!




そして王達は・・・




俺達の食事を見て唾を飲みこむ、牢では死なない程度の食べ物しか出ない、

なので空腹と脱出の疲れも出て警戒心よりも食欲が勝った、そして一口・・




・・・




!!!!!!!!!!!!





「う・・美味い!美味すぎる!!!」




これがイザベルの策略とは知らずに・・・




「う・・美味い!おかわり!!!」




まんまと虜になった王達と・・




「どんどん食べてくださいね~おかわりは十分用意してございます!!」




・・・



それを疑わず・・



・・・



迷わず従い踊らされる俺達だった。




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