15分の間と刃納着物で神官を圧倒するサユミ
破壊神と対峙する4つのチーム、俺達の誇る主力部隊の精鋭達だ、
予想していたとはいえ全チームが破壊神と対峙するとは・・
・・・
この事は予想出来ていたので各チームは作戦通りに動く、まず時間稼ぎ、
破壊神と対峙した場合はすぐには戦闘せずに睨み合いなどで時間を稼ぐ、
その間に第7艦隊が動き後方援護を行うため適所に移動するためだ。
しかし第7艦隊は5隻しかいない、さらに大和は俺専属の後方支援で行動、
なので残りの武蔵・信濃・紀伊・モンタナの4隻が他のチームを援護する、
だが時間が重なると離れている為同時支援は無理で間をずらす必要があった。
そのため破壊神と対峙したチームは時間稼ぎ、慎重に敵の動きを見る、
その様子は後方の特級種族がメールで送信、そして艦が動き出す、
何とか他の地域は安定したので4隻は担当のチームを護衛するため動く。
15分ほど睨み合いが続く、この15分が俺達にはとても大きかった、
もし15分前の間に敵が仕掛けてきたら・・応戦しざるを得なかった、
そうなると俺達は極度の不利となる、艦の援護が受けられないからだ。
だが・・
破壊神達も下手には動けなかった、それは威凛族達が全員外に出た為、
得体の知れないパピータ大魔王が攻めてくることを想定に入れていた、
さすがに挟み撃ちにされるとヤバいと感じ・・一旦間を取ったのだ。
・・・
この15分の間は・・
・・・
お互いに好都合の時間となった、まず俺達は第7艦隊が所定の位置に移動、
各艦は砲撃体制のまま待機、信濃は一旦艦載機を戻し緊急発進準備を行う、
戦闘機の騒音で所在が知られるとまずいので信濃も砲撃体制となる。
破壊神達も好都合だった、その間パピータ大魔王が幻影だと見抜いたから、
なので破壊神は外の威凛族を全員気を失わせその場に寝かせていた、
下手に騒がれて正気に戻られると厄介なのでその場に眠らせたのだ。
・・・
前の戦いで大勢の配下を失った破壊神達は威凛族の配下を考えていた、
そのため下手に殺すことは出来ず・・しかし正気に戻られるとまずい、
なので外の威凛族を一斉に眠らせ今後の戦力して残す必要があったのだ。
だが人数が多いため破壊神でもある程度の時間を要した、なので・・
お互い即座に動くことは出来ず自分に有利になるよう秘かに動いていた、
その準備が整った・・もう待つ必要はないのでお互い動き出す。
ここからは個別にお伝えします。
まずは第8班、西街①攻撃担当のタケシ・サユミ・謙玄と特級各種族、
対する敵は親衛隊10人程、神官と下級だが破壊神がいる。
・・・
タケシ達は考える、親衛隊は聖級下位で神官は中位レベルと見る、だが・・
破壊神は神級レベル、単純に攻撃力だと相手の方が上、なので総攻撃は避ける、
ここは奇策を講じ相手の戦力を分散するべきだと考えた。
そこで・・・
「私がしばらく破壊神の相手をします、皆さんは他を片付けてください!」
こう言ったのは謙玄、彼は以前天聖族のアクワリオと戦い互角の戦いを展開、
タケシとサユミ、特級各種族は頷く、彼ならある程度の時間を稼げると悟る、
その間に神官と親衛隊を倒し援護に向かおうと考え・・行動を開始した!
「行くぞ!」
「はい!!!!」
サユミが神官、タケシと特級各種族は親衛隊を押さえようと突進していく、
特級各種族は3人一組となり5人の親衛隊と交戦、残りはタケシが受け持つ、
まずはタケシ達、特級各種族は親衛隊に攻撃、数の力で有利に展開している。
特級各種族は基本2人一組として親衛隊と対峙を想定し訓練を受けていた、
だかこれだと足止めは出来ても倒すことは出来ない、なのである考え、
特級2人が囮となり1人が銃で牽制するという6段攻撃を展開していた。
ズキューン!!!!
「うう・・くそ!」
親衛隊は囮2人に気を取られ残り1人に銃で攻撃され劣勢を強いられる、
特級2人だと対応できるが銃・・マヒアを持つもう一人の攻撃に戸惑う、
さらに背中の憑依モンスターも展開、実質6対1の状況になっていた。
ちなみに俺達と同盟を結ぶ全種族は憑依モンスターを備えている、
さらに様々な武器防具アイテム等を備え憑依モンスターでパワーアップ、
普段は背中に収納し隠しているが手の必要な時には展開している。
特級各種族はアークエクスシアとエレメンタルソルジャーを憑依している、
攻撃力の高いアークエクスシアは展開させ攻撃、エレメンタルは憑依主防御、
なので一言に特級とは言っても攻守は遙かに上回っている。
そのことを知らない親衛隊は焦る、格下と言っても6対1では勝ち目は無い、
味方の劣勢を知った他の親衛隊、応援に駆け付けようと目を逸らす・・
「隙あり!」
これを見逃さなかったタケシが高速攻撃、隠していたスタンガンを取り出す、
そして気を逸らした親衛隊に攻撃、親衛隊は次々と電撃を受け悲鳴を上げる。
ウギャアアアアアアアアーーーー!!!
ちなみに使っているスタンガンは聖級クラスにも有効で即座に動けなくなる、
俺達の世界のスタンガンの能力に加え魔法麻痺や特殊な薬草の痺れ効果がある、
なので敵は瞬時に痺れ動けなくなる、瞬く間に親衛隊3人がその場に倒れた。
「隙あり!!!!!!!」
大勢で囲んだ特級各種族が隙を見てスタンガン攻撃、これらも同じスタンガン、
これを受けた親衛隊達は次々倒れ・・先ほども含め8人が倒れていった、
すぐさま特級各種族が親衛隊を回収、反対の入り口付近に運び束縛していた。
残るは2人、だがタケシの敵ではなく瞬時にスタンガン攻撃で倒れる2人、
すぐさま特級各種族が2人を運び束縛、これでタケシは応援に動ける、
親衛隊を特級各種族に任せたタケシは謙玄の援護に向かおうとする。
「ここは任せます、俺は謙玄さんの援護に向かいます!」
「わかりました!急いでください!!!!」
特級各種族も謙玄の強さは知ってはいるが・・相手は強大な破壊神だ、
なので一刻を争う、急ぎタケシは走り出した。
その頃・・・
キィーーーーーーーーーン!!!
神官と戦うサユミ、現時点ほぼ互角だがサユミは聖刀を出していない、
奥にいる破壊神との戦いに備え切り札を温存して神官と戦っている、
対する神官はベンチャーが造ったらしい謎の装備を纏っていた。
ズシューーーーーーーン!!!
3発の小型ロケットを発射する神官!即座にサユミはそれらをかわす、
そして着物・・刃納着物と名付けた純白の着物を展開する、
瞬時にそれを纏い攻撃、まるで千手観音のように神官を攻撃している。
ちなみにこの刃納着物は以前俺が作った着物、その由来はうし●ととら、
これに出てくるカガリと言う鎌鼬の女性が展開する無数の刃物を応用、
着物に収納魔法を組み込ませ鎌のような形の長刃を複数収納している。
なので・・
サユミはどの方向を向いても鎌刃は展開し弧を描き敵を攻撃できる、
刃が尽きてもサユミは刃納着物を複数持ち瞬時き着替え攻撃を続行、
敵は途切れる事のない攻撃に翻弄され・・やがて力尽き貫かれる。
尚着物にしたのは・・前の世界で見た演歌歌手の着物姿に見惚れたから、
その美しさが忘れられず何着が作り飾っていたのだが・・
・・・
サユミは俺から根こそぎ着物を持ち去り・・
以降自分の戦闘服の一部とした、
俺はやんわり返却を何度も求めたが・・
・・・
それ以降もサユミは笑って誤魔化している。
ガガガガガガガーーー!!!
「うふふふ・・」
ガシューーーーーン!!!!
サユミの多彩な攻撃を受け神官の装備品が粉々になり神官は倒れる、
神官はすぐ起き上がるが・・実力の差は歴然でなす術がなかった・・
「うっ??ググググ・・・・」
この神官ではサユミに勝てないと悟った憑依魔物が神官の身体から出てきた、
即座に死魔法をサユミに浴びせる、だがサユミは微笑んだままその場に立つ、
そして・・
「業氷展開!」
なんとサユミはインフェルノの業火と自身の冷気を混合し同時展開した、
その業火は死魔法を焼き尽くし冷気は憑依魔物を瞬時に凍らせた!
浮いたまま凍った憑依魔物は意識を失う、そして・・
ガッシャーーーーーーーーーン!!!
実体のないはずの憑依魔物はそのまま落下し床にぶつかり粉々に砕けた、
そして業火がその残骸を焼き尽くす、恐ろしいレベルに成長したサユミ、
今の彼女は天聖族にも劣らないだろう、もし戦えば俺でも危ないかも・・
「いえいえ!まだまだコウさんには及びませんよ?」
ナレーションルームにいる俺にウィンクして手を振るサユミ、
さらに投げキッスをして急ぎ謙玄の援護に向かう彼女だった、
思わず見とれる俺・・いやいや彼女は人妻、手を出してはいけない。
その頃・・・
「ハァハァハァ・・」
「ほお人間風情がよく粘るな、だがいつまで持つかな?」
そこには・・・
・・・
重傷を負っている・・
「ま・・、まだまだこれからだ!」
なんとか刀を構え破壊神に立ち向かう・・
・・・
謙玄の姿があった。




