先祖との結婚話と初めてのクリスマス
俺達の祖先かもしれない桜咲さんが新たに各種族の仲間に加わった!
彼女は戦闘能力こそ初級レベルだがフェニックス達と同じほぼ半不死身、
さらに今迄異空間から俺達の世界を・・たまにだが見え
ていたらしい。
桜咲さんは自分が見た歴史を俺達に説明、だがほとんどは全員知っていた、
むしろライアンやジェニー達が描いてくれた漫画や書物の方がより詳しい、
そのことを知った桜咲さんは・・猛烈に落ち込んでいた。
・・・
自分の存在価値が乏しいと知った桜咲さんをひたすら慰めたのはミオだった、
自分も似たようなものだから・・なぜか2人は涙を流しながら抱き合っていた、
だがライアンとジェニー達はなぜか喜んでいる、その理由を尋ねてみた。
「桜咲さんは自分の眼で確認しています、なので私達の史書は間違いないのです、
何点かは又聞きだったこともあるので・・正確な確認がこれで出来たのです」
なるほどな・・
ある意味検査官のようなものかな?実際に見ていたのなら確実に近い、
中にはかなり複雑な内容もあったらしくジェニー達は頻繁に訪ねている、
そのせいか・・桜咲さんは自分の存在価値を知り自信を取り戻していた。
さて会談の続き、話が途切れ途切れとなったがやっと本題に入ることが出来る、
俺達の仲間になることは共に了承済、桜咲さんは歴史の検査官と言う位置づけ、
それと・・俺を見てあることを思い出し・・・追及してきた。
「ねえ・・映画の話はどうなったの?」
・・・
本来桜咲さんは俺の映画にヒロインとして出演してもらう為に連れてきた、
だが妻達は猛反対!桜咲さんが嫌いなわけではなく単純に目立つから、
さらに俺の下心満載のこの映画内容に超不満、なので脚本から替えられた。
具体的には・・
2部構成となり最初は子供達がどっかから来た侵略者を倒す流れとなる、
なぜか俺が考えた衣装等は子供サイズに切り替えられそれを着て戦う、
そして苦し紛れに巨大化した敵を子供達が力を合せ撃退していく。
2部は・・・
平和となった異世界で・・
皆が歌い踊るという設定、例えるとA●Bのような感じで全員参加となる、
今回は球体の中にいるメンバー限定だが帰ったら拡大版を作るらしい、
そうして皆がポーズを決め平和宣言、俺はどっかで少しだけ出演する。
・・・
この内容に・・当然ながら俺は超不満、なぜか桜咲さんも不満を唱える、
これだと単なるプロモーションだと訴える、それには俺も完全同意だ、
だが桜咲さんはなぜか俺を激しく見つめ・・顔を赤め舌打ちをしている?
・・・
瞬時にその心境を察した妻達は俺を部屋から押し出す、ここで会談終了、
なんの会談だったのか・・俺は訳がわからず自分の部屋に戻った。
ちなみに・・
暇つぶしにはなったらしく各種族は持ち場にもどり普段の生活に戻っていた、
そして妻達は桜咲さんの心境を尋ねる。その返事はこうだった。
● 桜咲さんは男子禁制の巫女だったが男神にプロポーズされ巫女辞職。
● 年頃の桜咲さんは初めての男性に完全にメロメロだった。
● だがそれを理由に追放され異空間に飛ばされた。
● 不完全燃焼状態の桜咲さんは怒り爆発だったが手も足も出ず。
● 異空間では性欲等は出なかったらしくただただ彷徨っていた。
● だが俺がヒロイン探しにダークを向かわせたことで脱出成功!
● 異世界ではあるが元の世界に戻ったことで性欲等がカムバック。
● 映画のヒロインと聞き不完全燃焼が解消されると秘かに喜ぶ。
● 俺は好みのタイプらしく早く身体の欲求を満たしてほしかった。
● ちなみに桜咲さんはなんとなくヤンキーっぽい性格のようだ。
● 今迄は遠慮していたが俺がチョロイと思い込み本性を出してきた。
● 俺が最高司令官と知りこいつに嫁げば今後は安泰と考えたらしい。
・・・
元巫女ではあるが俺達の歴史を知っているだけに扱いがめんどくさそうだ、
その後妻達は桜咲さんと深刻な話し合い、何を話しているかは俺は知らない、
だが桜咲さんの反応から見て・・性関連なのは容易に想像できる。
・・・
また俺に嫁が・・妻が増えるのか?
・・・
俺は深く考えるのはやめることにした。
その後妻達が出てきた、どうやら折り合いがついたらしい。
桜咲さんとしては・・・俺が映画のヒロイン探しで異空間から出れた、
その恩もあるが男神はなんとなく俺と似ていたらしく求婚を望んでいる、
それを聞いた妻達は俺の複雑な経緯を説明、桜咲さんは静かに聞いていた。
そして妻達は問う、妻だらけの俺と結婚しても心境は問題ないか?と・・
それに対して桜咲さんは問題ないとのこと、もう巫女ではないからが理由、
だが今はキアーラの問題の解決が先だからと結婚は帰ってからで話が纏まる。
・・・
なんで俺の心境は無視されるのかな?
その間性欲等に関してはジェニー達が対応するらしい、任せろと自信満々、
この手の扱いは色々とあるらしく・・桜咲さんもなぜか期待を膨らませる、
早速ジェニー達は様々なプランを説明、桜咲さんは熱心に聴いていた。
・・・
どう対処するのかはわからないが・・
・・・
俺はこれに関しては一切関わらないことを誓った。
ちなみに後日桜咲さんが俺達の・・ある深刻な問題を解決することとなる、
今の時点では想像もつかなかったが・・これに関しては後日説明する。
それと他にも異空間を彷徨っている人物などがいないかダークが調べた、
だがダークがかなり広範囲を調べたが現時点誰もいなかったそうだ。
翌日・・
どうしたのかは知らないが桜咲さんはすっきりとした顔で俺に挨拶する、
そしてあるお願い、それは異空間で見た前の世界のクリスマスの開催、
賑やかな・・皆が満面の笑顔で楽しむ姿を見て羨ましかったらしい。
俺は了承、過酷な異空間生活の苦しさを少しでも忘れてほしいからだ、
そしてサユミとタケシを呼び・・無人島に雪を降らせてほしいと頼む、
2人は快諾、その後交代で休みに入ろうとしたハーデスが俺の部屋に来た。
「異空間の女性の話は聞いた、相当苦労したようだな」
「ええ口には出しませんが・・ひどく苦しんだことは容易に想像できます」
「・・新たな仲間だからな、盛大に開催しようではないか?」
「ええ・・そこで頼みたいことがあるのですが・・」
「夜を創ることか?それなら私に任せろ、最高の夜景を提供しよう」
「ありがとうございます!頼みます!」
ハーデスは眠りに入る前に球体の中を暗くして夜を創る、そして・・
無数の蛍を展開させそれらは集まりクリスマスツリー等の形となる、
それを見たサユミとタケシが冷気を放出!すると雪が降り出した。
「メリークリスマス!!!!!!!!!!!!!!!」
サンタやトナカイ等の仮装をした各種族が笑顔で桜咲さんに集まる、
そして大歓迎のダンスやパレードを披露、それを見た桜咲さんは・・
「あ・・ありがとうみなさま・・」
「う・・」
「う・・・ウエエエエエエエエエエエーーーーーン!!!」
猛烈に泣き出しミオが受け止めていた、やっと一人ぼっちから解放された、
希望から絶望に叩き落とされてから口では表せない長い年月を1人っきり、
死ぬことも出来ずただ彷徨い・・たまに見える世界を見て過ごしてきた。
長寿故に各種族は・・
桜咲さんの苦しみを理解していた。なので最大の歓迎でもてなしている、
満面の笑顔でクリスマスを楽しむ桜咲さん、それを見た俺達も笑顔となる、
そして子供達がサプライズで桜咲さんにクリスマスプレゼントを渡す。
それは・・
俺達の軍服とプライベートの服!純白のドレスとカジュアルな洋服セットだ、
早速着替える桜咲さん、まずは軍服に着替え子供達と敬礼しながら記念撮影、
桜咲さんはその後武蔵の意見役としてエリーナの傍で働くこととなった。
次にカジュアルな姿に着替え、まるでOLさんのような感じとなり感無量、
その姿でミオ達とお喋りを楽しむ、そうして楽しい時は過ぎていった、
最後に純白のドレスに着替えて俺に結婚の挨拶に来た。
「こ・・コウ・・助けてくれてありがとう、これからよ・・よろしくね」
俺は頷き・・
その後桜咲さんは俺の妻達と交流していた。
こうして楽しい時は過ぎていき・・
俺達を乗せた球体は加速して・・
・・・
もうすぐキアーラの星に・・
到着しようとしていた。