フェニックスの血と異空間から呼んだ謎の女性
ライアン達との楽しい時間が過ぎ俺達は無人島にある銭湯に移動する、
ここは有料ではあるがマッサージ等してもらえるので骨休みさせてもらう、
さすがに有料の所には各種族は来ないだろう・・マムとダークが来た。
「これは気持ちいいな!身体が軽くなったようだ・・」
・・・
憑依モンスターであるダークがのんびりマッサージを受ける、マムも一緒だ、
なぜかこいつらの代金は俺が払う羽目に・・まあ先を考えて先行投資しよう、
ある程度の至れり尽くせりしておけば肝心な時には働いてもらえるだろう・・
そう思っていたら・・
早速ダークが語り出す!
「先般話した件だが・・どうする?」
?
なんだっけ?
「忘れたのか?異空間の目印のことだ!」
失礼いたしました!
たしかダークの血を飲むと異空間の穴から白い光が見えて検索可能となる、
万一俺達が何らかの形で召喚されてもダークが異空間から探すことが出来る、
それには彼の血を飲む必要がある・・憑依モンスターに血があるのか?
「それは心配ない、マムが憑依主だから彼の血でも大丈夫だ!」
既にマムは採血を済ませていた、50ml程度だがこれで十分らしい、
ちなみにマムは俺とフェニックスの女王ユイから生まれた王でもある、
なので彼の血を飲むと治癒能力が格段に上がるそうだ。
「僅かな血でも大丈夫なのか?」
「ええ大丈夫よ!フェニックスは元々不死の生き物だからね」
いつのまにか隣の部屋で極上マッサージを受けていたユイが自慢そうに語る、
ユイの姿を確認した俺は急ぎ支払いは別に・・既に支払いは済まされていた、
事務能力をフルに活用したユイは大概の支払いを俺の口座から払っていた。
・・・
後でユイを脳天グリグリゲンコツの刑に処すると誓った俺だった。
それはさておき・・・
この異世界のフェニックスは度を越えた攻撃を受けると絶命はする、
だがその手前までは回復力も早く魔力を加えれば即時回復も可能らしい、
だがこの場合膨大な魔力を要するので余裕がある時しか使えないそうだ。
今回マムの血を飲んだ場合俺達は異空間からの検索対象となり捜索が可能、
さらに回復力も早くなり・・例えば全治1週間が3日で回復するそうだ、
おまけに病原菌にも強くなるので病気にもなりにくいらしい・・
・・・
この話を聞いた各種族は我先にマムの血を求めた、さてどうするか?
マムの血は限りがあるので薄めるしかない、それでも効果はあるそうだ、
なので俺は水に薄め・・なぜか大樽が出てきて中には特上の日本酒。
・・・
この中にマムの血を混ぜ皆で飲み干すらしい、ちなみに子供達は甘酒の樽、
血を少し分けて子供や酒が飲めない種族はこちらを飲むらしい、なので・・
俺は大樽の日本酒・・妻達が笑いながら俺を子供達の輪に押し入れた。
・・・
俺が飲むとその分日本酒が減るからと妻達は俺を子供達と同じにしている、
尚この日本酒は杜氏ライアン達の傑作品らしく今は大樽一つしかないらしい、
なら俺も飲みたい・・妻達は再び笑いながら俺を子供達の輪に入れた。
・・・
俺が飲む量はせいぜい湯呑一杯位だろ?
なんでそれすらも君達は拒むんだ?
と俺は文句・・天使族のアリエノールとソネットが俺に寄り添い一言!
「うふふ・・妻を酔わせてどうする気?」
論点をずらすんじゃない!
それに君達が飲むのではない!俺が飲みたい・・・モガモガ・・
アリエノールとソネットは微笑みながら俺の口を塞ぐ、それと豊満な胸、
お互いの胸を俺の顔に押し付けながらさらに黙らせる、俺は酸欠でダウンした。
・・・
俺の訴えはここで塞がれ・・マムの血を入れた大樽の酒は各種族に配られた、
驚くことに大樽の酒は見事なまでに全員に行き渡り一滴すらも残らなかった
尚残ったメンバーには後日同じ酒を用意して振る舞うそうだ。
「かんぱ~~~~~~~~~~~い!!!!!!!!!!」
「う~~~ん美味しい~~~!」
「ほんと最高の味だわ!一滴も残せないわね!!!!」
皆はお酒を飲み感激!血が混じってることもわからない位至高の味だった!
ちなみに分量を厳密計算していた、俺が入ると皆の酒が1滴減るそうで・・
・・・
俺は割り切り子供達と一緒に甘酒を飲んでいた。
ちなみにマムの血を飲む行為はあくまで異空間に目印をつけるためのもの、
なので一回は全員が飲むが以降は無し、マムはまだ幼いので無理はさせない、
大人になったらその時の状況に応じて対応することになった。
翌日・・
なんだかんだと足蹴にされる俺達は深く考えた、特に俺は主人公だ!
なんで主人公がその都度足蹴にされ苦労しなくちゃいけないんだ?
たまには主人公らしい・・かっこいい活躍があってもいいじゃないか!
と俺は考え・・
・・・
!
そうだ!俺を称える映画を創ろう!
主人公は当然俺、それとお供達だけで専用の作品を作ることにした!
・・・
ふっふっふ・・・
これなら各種族も手出しできまい!
俺は映画の内容を考えた、当然出演するお供達も真剣に内容を考える、
どうせならカッコいい内容がいい・・俺は小さい頃見た戦隊モノを思い出す、
特に熱中していたのは星●仮面マシンマン、これを見本にコスチュームを作る。
丸々コピーでは面白くないので工夫、戦闘機風の感じにしてなかなかカッコいい、
敵役に関しては適当に泥人形を作りそれをブルーアイズ達が遠隔操作する、
そして敵が苦し紛れに巨大化すると俺達は合体してスーパーヒーローとなる。
そうして必殺技を繰り出す!
「合体技!レイリー(けっしゅう)アタッ~~~~~~ク!!!!」
ドガガガガガガガガ~~~~~ン!!!!!
巨大化した敵はゴナゴナになり俺達は勝利のポーズを決める!
とまあ・・
こんな感じのストーリーで映画作成開始、ここで俺達は重大な事に気付く、
それはヒロインの存在、お約束の存在がいなければ映画の魅力は半減する、
なのでヒロイン探し・・ここには美女は多いが映画がバレるので頼めない。
だがヒロインは欲しい、だが俺達は全員男なので女性はいない、そこである考え、
ダークに頼み異空間からここに呼んでも問題ない女性を呼んでもらうことにした、
これを聞いたダークは・・
・・・
「何で異空間から呼ぶのだろう?第一そんな女性いるかな?」
と・・・
頭を傾げながら異空間へと移動していった。
2時間後・・・
ダークがある女性と一緒に帰ってきた、俺達は大喜び・・あれ?
「呼んでも問題ない女性を連れてきたぞ!彼女でいいのか?」
・・・
・・・
誰この美女?
目の前にいたのは・・
神秘的に輝く謎の黒髪の女性だった。
・・・
俺達は反応に悩む、目の前の女性は確かに美人だが何かが違う、
人間でもないし魔物でもない、各種族と照らし合わせても該当者がいない、
悩んでいる俺達に・・黒髪の美女は語りかけてきた。
「あなた達は一体誰?なんのために私をここへ呼んだの?」
俺達は驚いた、その黒髪の女性はいきなり日本語で語りかけてきたのだ、
日本語が通じるのなら・・俺は今までの経緯をその女性に細かく伝えた、
そして俺達が創る映画にヒロインとして出演してほしいと全員で懇願した。
それを聞いた黒髪の女性は・・・
・・・
「はあ・・呆れたわ、そんな理由で私を呼んだの?、でもありがとね、
おかげで異空間から出ることが出来たのだから感謝するわ!」
異空間から?
さらにダークが語る。
「その女は我が異空間を彷徨っていた際偶然見つけたんだ、
異空間を彷徨う女なら呼んでも問題ないと考え連れてきたんだ!」
この言葉を聞いた俺達は・・
・・・
「い・異空間を彷徨っていた????????」
あまりにも衝撃的な言葉に何も言えず・・
・・・
眼が点になっていた。