逆召喚の可能性と不安が招いたある噂
俺とダークの会話の録画を皆に見せる、皆は驚き・・そして喜ぶ!
この異世界では召喚が一時期流行っていたこともあり乱発されていた、
そして様々な種族を召喚・・実はその逆もあったそうだ。
例えるならダークがその例、突然召喚されてデーモンの世界で息絶えた、
このように仲間が逆に召喚されて見知らぬ世界に飛ばされた者も多いそうだ、
なので各種族は戦闘以外にも仲間が突然消え・・以後音信不通になった。
各種族がキアーラの星に向かうのを反対しなかった理由の一つがこれらしい、
もしかしたら昔の仲間がキアーラの星に強制召喚された可能性もあるからだ、
キアーラが描いたイラストには様々な種族がいたので希望を膨らませる。
俺やエリーナ、デーヴィド等はそれらと面識が無いのでイラスト等で確認、
もし何らかの形で会うことがあったら是非連れて帰ってと言われている、
なので責任重大、キアーラの星に着いたら会う人全員確認しないといけない。
そのキアーラの星では・・
威凛族の大神官が封じていた破壊神の魔物達を洗脳し自分の配下とした、
だがこの魔物達は特級に近く特殊魔法も使える厄介で危険な存在だ、
だが大神官はこれらの魔物を見て・・ニヤリと笑う。
他にも軍事部門が大忙し、どうやら俺達に似た装備を召喚しているようだ、
だが大幅な改良などは行わず召喚したものをほぼそのまま運用している、
これはキアーラも言っていた自然のまま使うという考えが根強いようだ。
馨響族も威凜族も現時点争いは起きていない、共に復興を最優先している、
どちらもある程度落ち着いてきたこともあり婚約話もちらほら出てきた、
ちなみに威凜族の王には子供が2人、王子と王女を授かっている。
威凜族も前王達が既に引退していて自分の子供達に政権を任せている、
現王はまだ若く40代位、正妻と複数の妾がおり王子は正妻との子供、
だがこの王子はまだ14歳位でキアーラより年下だった。
王子の妹・・王女は妾との子供で10歳位、現時点子供はこの2人だけだ、
大神官は子供達の教育係も兼ねており王からの信頼も厚く忠義の臣だった、
だが大神官は威凜族こそこの星を治めるべきだと考えていた。
対等の立場にある馨響族・・表面上は友好的だが裏では不愉快を抱く、
というのも馨響族は女性が多く政治面でも女性が大多数を占めている、
そのためか威凜族は馨響族を守る立場という慣習が昔からあるからだ。
今回破壊神が攻めてきた時も威凜族が最前線に立ち激闘を繰り返した、
当然ながら馨響族も戦ったが防衛が主で威凜族のサポートのような感じ、
なので大神官は威凜族こそ崇高の立場だと考えるようになっていた。
このような経緯から・・
大神官はこの星の実権・政権は威凜族が行うべきだと・・
馨響族を政権から追い出すことを秘かに考えていた。
だが・・
王族を始め一般も威凜族は馨響族の女性を妻に娶っている者も多数いる、
そのため大神官は表沙汰にはせず重鎮だけ操り・・暗殺しようと考える、
その矢先あるチャンスが出た、王子の許嫁キアーラが突然消えたのだ。
大神官は・・これはチャンスだと考え秘かに軍事行動の準備を行っている、
狙うのは馨響族の要人達、これらを抑えれば威凜族が全政権を握れるからだ、
そうして大神官は準備が出来次第馨響族の要人たちを攻める気でいる。
その名目は・・
「王子の婚約者の捜索!」
捜索と言っても実質は侵略、だが下手に攻めると自分の立場が危うくなる、
なので大神官はさらなる根回し、馨響族の要人達が破壊神に操られている!
それを民衆に噂話として流し・・時を見て攻め込む準備を急いでいた。
その民衆達は・・
復興活動をしていたキアーラが突然消えたことは知っているので不安がる、
破壊神に攻撃された事もあり当初は信じなかった噂話を意識するようになる、
さらに馨響族はキアーラを探している・・これは只事ではないと感じていた。
憶測が憶測を呼び・・・
その後大神官も予想していなかった噂が流れる!
それは・・
「まだ破壊神達はこの星にいる、そして誰かに摂りついている、
それを知ったキアーラ様は口封じのため瞬時に消されたのだ!」
・・・
実際には破壊神は逃げ配下が取り残されただけだが・・
大神官にしてみればこの噂は・・まさに願ったりかなったりだった、
あとは怪しい行動を起こした・・根回しで起こさせればそいつを始末出来る、
そうして邪魔者を一気に淘汰する・・それらはキアーラの肉親達だった。
そのころ・・
半分を超えた距離を進んだ俺達、日々鍛錬を積み万一に備えていた、
俺は戦艦モンタナに移動、艦長デーヴィドとある祭りを考えていた、
それはアメリカのランタン祭りの開催、だがこの球体の中では夜は無い。
デーヴィドの横には息子のカオルが紫インフェルノ・・セティと横にいる、
彼らの話だと開催は可能だが・・この球体の中では暗闇が無いので延期、
どうせならキアーラの星で友好も込め開催しようと俺達は考えた。
この案を伝える為俺はキアーラを呼ぶ・・
・・・
義姉妹の契りを交わしたようでキアーラ、ミオ、レイ、夏姫も一緒に来た、
当然ながら憑依モンスターの謙玄、カサンドラ、エスペランサも一緒だ、
この中では謙玄だけが男なので時々彩華と交代しているそうだ。
ちなみに破壊神の先鋒隊長を務めていたアシュラの憑依モンスター達、
剣豪慶清、霧生、彩華はアシュラとは離れているが神族が仮の主となる、
そのためこの3体はアシュラがいなくても普段通り動けるのだ。
そのアシュラは異世界親衛隊はデーモンの世界で召喚された魔物を捜索、
ブルーデーモンのアレスは復興に忙しく援助を求めアシュラ達が駆けつけた、
だが魔物達は巧妙に逃げアシュラ達を翻弄していた。
というのも・・
召喚された魔物達は知能が高く驚異の力を持つアシュラ達を把握していた、
そのため自分達は周りの魔物のレベルに合わせ紛れ巧みに逃げていた、
アシュラ達は無暗に攻撃する事が出来ないので後手後手となっていた。
アシュラ達は召喚された魔物と既にいる魔物との区別がつかず悪戦苦闘、
逆に召喚された魔物達は強大な力を持つアシュラ達の気をすぐに把握、
なので上手いこと逃げ回りまるで終わりのない鬼ごっこのような感じだ。
ちなみに天聖・天使族達はお留守番、妊娠と育児に忙しい日々を送っていた。
余談だが天聖族のエスコルピォやアクワリオも妊娠、12天聖全員が妊娠、
産まれた子供達はメイドさんが厳重に管理、妊婦は無理せずホテルで過ごす、
そうして生まれた子供達にある教育を考える者がいた、クリスティーナだ!
彼女は今回は同行せずホテルで過ごす、彼女は各種族にある考えを伝える!
自分達は無理でも次の世代なら・・
自分達とこの異世界の様々な種族が交わり生まれた子供なら・・
ライアン達が培った技術のすべてを・・
伝授出来るのではないか・・
という考えだった。
この言葉を聞いて各種族は驚く、確かにこれなら確実に近いからだ、
現時点ではライアン達の技術は高度過ぎてお手上げ、なので焦っていた、
もしライアン達が消えたら各設備の更新が出来なくなりやがて止まる。
そうなると将来はまた波乱の世界に逆戻り、再び争い混沌の世界となる、
それを避けたいがために俺を種馬とし各種族との子を設け維持を考えた、
しかしこの方法は不確実なため妻達は他の方法も模索していた。
各種族の母親たちは・・
ベビーベットで眠る我が子達を見て・・
・・・
希望を膨らませたのだった。
その後・・
この考えを聞いた匠のライアンやジェニー達は眼を光らせていた、
自分達の技術を伝授できる・・後釜が出来ると異常に喜んでいた、
というのも・・前の世界では自分の子供は後を継いでくれなかった。
そのため・・
・・・
「よっしゃあああああああああああ~~~~~~~!!!」
気合いが半端無かった。