特殊敵への対策と紫セティからの驚くべき提案
2日程熟睡していた俺とそのお供達は眼を覚ます、まずは歯磨きを行う、
その後シャワー、球体の中は年中昼間なので時計で確認、今は朝9時だ、
腹も減ったので食堂に移動、既に俺達以外の乗組員は全員食事が済んでいた。
「お待たせしました~~~!」
この日の献立は花ソーセージと目玉焼き、笹かまぼことなぜかぶっかけうどん、
ちなみに花ソーセージとは広島県で販売している桜の花のようなソーセージ、
なんでも受験合格の願いを込めての商品らしく見た目鮮やかでとても可愛い。
俺が艦長を務める戦艦大和は広島県の呉市で製造された戦艦、それと・・
扶桑や長門、赤城や蒼龍、葛城や愛宕、最上等複数の軍艦を建造している、
そのためか各艦には広島に縁のあるライアンやジェニー達がとても多い。
なので時々広島でのご当地メニューが出てくる、この日は花ソーセージ、
これは包装を取ればそのまま食べられることもありおやつとしても人気だ、
今回は2センチほどの厚みに切ってもらい少し焼いてありほんのり温かい。
さて・・
俺は箸を持ち温かい花ソーセージを掴んで食べようと・・
・・・
・・・
「コウさん大事なお話があります!」
なぜか俺の目の前に・・どアップで現れたエスペランサが俺の箸を掴む、
その隙に憑依主のレイが花ソーセージを根こそぎ奪い喜んで食べていた、
横ではカサンドラがブルーアイズ達の分を没収、こちらはミオが食べていた。
・・・
君達・・喧嘩売ってるのか?
「そんなことはありません!マジでの大事な話があるんです!」
そう言いながらもエスペランサとカサンドラは急ぎミオ達の元に戻る、
そうして花ソーセージを笑顔で食べるレイ達、その顔は満面の笑顔だ、
あっという間に完食した4人、ちなみに笹かまぼこも食べられていた。
・・・
俺は非常に不愉快なので・・
無視して部屋に帰ろうとすると・・
「まっ・・待ってください!マジで大事な話なのです!!!」
慌ててキアーラが食堂に駆け込み俺を引き留める、俺はしぶしぶ座る、
すると料理人ジェニーが気を利かせて俺に花ソーセージを用意してくれた、
俺はご機嫌となり・・キアーラが目を光らせさっと横取りして食べていた。
・・・
「話を聞こうか?」
「はい(モグモグ)実は大事な話が(モグモグ)ありまして・・」
食べるか喋るかどっちかにしてくれ!
俺は呆れながら暫く待つ、キアーラ達は喜んで花ソーセージを完食する、
落ちついたところでキアーラ達は席に座る、このまま食堂で話すらしい、
まずはカサンドラが語り出す、その内容は驚く事だった。
「お伝えするのを忘れていましたが・・私達を殺した相手の事です」
「ああそれは俺も疑問に感じた、聖級クラスの君達がやられるとはな」
「はい・・特殊系魔法で私達を翻弄し死魔法でとどめを刺されました」
「特殊系魔法に死魔法?思いっきりヤバいやつじゃないのか?」
「はい、死魔法はお分かりだと思いますが特殊系は様々で・・・」
「具体的に教えてほしいんだが・・」
「はい、私達は幻術系・・見た目は貧相な術師に私達不覚を取りました、
私達が攻撃を仕替えた途端霧が辺りを包み空気が薄くなり気絶しました、
その後無防備で死魔法を受け私達の部隊は全滅しました」
「今にして思うと・・その魔法は範囲が広く大勢が同時に術に嵌ります、
この霧魔法にはアイスシールドや電磁波等は通じないと思うのです、
今のうちに何らかの対策をしておかないと最悪乗組員が全滅します」
それはまずいな・・
俺達には一応鉄粉などを操ることは出来るが・・霧レベルだと防げない、
だが死魔法に対しては対策はある、以前漆黒の大陸から手に入れた魔封石だ、
これをペンダント等に加工して全乗務員が複数備えている。
カサンドラ達は霧状の幻影魔法で視界を遮られ酸欠状態となり動けなくなる、
その後幻術師が数多く現れ死魔法を連発、エスペランサ達は全滅した、
彼女達は魔封石等は無かったようで・・この石があればと嘆いていた。
というのも・・
カサンドラ達は通常攻撃だと十分戦えるが・・幻術系は大の苦手らしい、
馨響族は意外と単刀直入的な考えの種族らしく敵を見たらすぐ戦うそうだ、
そのため意表を突かれると弱い、前の戦いでこの性格が災いしたそうだ。
「ちょっと待て!ならキアーラはどうして俺達を攻めなかったんだ?」
この質問に対してキアーラが語る!
「それは当たり前です、明らか様に勝てない相手に喧嘩は仕掛けません、
それにあなた方は魔物を駆逐した後各地の復旧に全力を注いでいました、
なので戦う必要はないと考えたのです」
それと・・
あなた方が食べる食料があまりにも美味しそうだったので・・」
「そうなのよね~~あまりにも美味しいからそれは当然よ!!」
「そうそう!目の前にあるとすぐ食べたくなるのよね~~!!」
なぜかカサンドラもエスペランサも大声で語り3人とも頷いていた。
・・・
だからって俺の花ソーセージを・・いや今はこれは伏せよう。
今の話からすると・・
キアーラの星にはその敵・・術師が残っていて奇襲を仕掛けるかもしれない、
いくら強大な力を持つ第7艦隊でも霧状の攻撃を完全に防ぐことは困難だ、
だが風魔法なら吹き飛ばす事は出来るはす・・エスペランサが首を横に振る。
「風魔法は私達も試しました、ですが相手も風魔法を繰り出し相殺しました、
それに加え風は空気、周りの空気を薄くし風の力を弱めたのです、なので・・
風魔法だけでは完全に霧を抑えることは難しいと思います」
その言葉を聞き考える俺達、その時紫セティが俺に用事があると尋ねてきた、
カオルの父デーヴィドがある案が浮かんだので検討してほしいとのこと、
その詳細の手紙を紫セティが預かり俺に届けに来たそうだ。
その内容とは・・
彼の故郷アメリカでは2万個ものランタンを放つRiSEという祭りがある、
紫インフェルノの炎を見て思いつき・・一時的に簡易太陽を塞ぎ夜にする、
そしてインフェルノ達の炎を広範囲に舞い上げるランタン祭りの開催案だった。
手紙にしたのは・・サプライズで開催して皆を驚かせるのと気分転換の為、
なので俺以外には知られたくないので紫セティに手紙を言づけたそうだ、
この内容を見た俺は・・
・・
!
俺は紫セティに質問があると言って席に座らせる、紫セティはキョトン・・
まず第一にデーヴィドの案に関して、広範囲に炎を展開出来るのか尋ねた、
すると紫セティは・・
「広範囲に炎ですか?それなら地獄の業火を呼び寄せれば余裕ですよ?」
それを聞いた俺は・・
「それは・・空気を使わず炎だけ展開出来るのか?」
「それも余裕です、火元は地獄からなのでこの世界には影響ありません」
「なら次の質問だ、その炎は特定の物だけ燃やすことは出来るのか?」
「それも可能です、以前青のインフェルノがルア様に摂りつきましたよね?
あれも自分の周りだけ熱を遮断し炎だけ展開したので・・その応用です、
燃やしたいモノだけ炎で包めますし広範囲でも可能です」
「な・・なら霧や雨など液体状の物でも出来るのか?」
「そんなの余裕ですよ、だって私達が繰り出すのは地獄の業火ですよ?
雨や霧程度なら瞬時に蒸発できます、ちなみに魔法も全部消せますよ、
相手が神級でもやろうと思えばできます、まあ少し時間かかりますが・・」
「も・・もう一つ尋ねたい、その炎はインフェルノ以外は操れないのか?」
「全部は無理ですが一部なら対応可能です、例えるなら魔封石ですかね?
あなた方はあれを加工して死魔法を防いでいますが・・炎も可能ですよ、
業火を私達が圧縮して宝石に出来ますので同じように備えればいいかと・・」
「そ・・それは複数出来るのか?」
「時間はかかりますが量産は可能ですよ、ですがその対価は頂きます」
「対価とは?」
「まあ生命エネルギーですね、かなりエネルギーを使いますから・・」
「それは・・どの位必要なんだ?」
「1センチ位の宝石を作るのに・・そうですね身体半分位を要します、
例えばミオ様から頂いた場合一週間程眠れば元に戻る位のエネルギーです、
その間は動けなくなりますが地獄の業火を一定時間使えるようになります」
「一定時間・・・大体でいいから時間で教えてくれ」
「そうですね・・ミオ様の場合大体1時間位地獄の業火が使えますよ、
これが展開できる間あらゆるモノや魔法を焼き消す事が出来ます」
「特殊系はどうなんだ?」
「それも可能ですよ、地獄の業火で焼けないモノはありません」
「使ったあとの副作用等は無いのか?」
「それは事前の話です、先ほども申しましたが生命エネルギーを要します、
宝石が出来るまでが大変で一週間ほど寝るようになりますがそれだけです、
あとは使い方次第、トータルで1時間使えば宝石は跡形もなく消えます」
これを聞いた俺達は考える、最初が大変だがこれ以上の備えは見つからない、
逆を言うと・・今は移動なので地獄の業火の宝石を作る時間は十分にある、
今の話だと戦闘力がほとんど無いミオでも1時間使える・・
・・・
俺は・・
・・・
「幹部全員を集めろ!総司令官の権限で緊急会議を行う!」
急ぎ主要メンバーを・・・
全員を戦艦大和に集めた。