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紫のインフェルノと力を求め懇願するカオル




青白い炎を纏ったルア、その姿は20代位の青年の姿でメチャかっこいい、

それを見た女性陣、まあ母のエリーナはともかく各種族の女性達も黄色い声援、

それと妹のエナやソアラまでもメロメロになるその姿に俺は驚くだけだった。




「どうですかルアさん?身体が大きくなりきつくは無いですか?」




「ああ大丈夫だよ、自分でも驚く力が漲ってくるんだ」




どうやらインフェルノは主の体型を大きく変化させることが出来るらしい、

それも一時的ではなく将来確実に成長する姿に変身できるそうだ。



・・・



となると?俺と同じ位の年齢にも変身できるということか?

なら一緒に酒も飲めるということかな?だとしたら嬉しいな!




と・・俺は考えたが・・




すぐさま横にいた他のインフェルノが説明してくれた!




「それは無理です、我々が変化できるのは10年前後位までです!」




それは残念、ルアは今7歳位だから10年後は17歳・・・



・・・



17歳であれだけの美貌と落ち着きを持つイケメンになるのか?



・・・



なぜかは知らないが・・



・・・



俺はなぜかルアに対して猛烈な嫉妬を覚えた。




これはさておき・・




「第5試合はじめ!」




ルアにメロメロだった審判のエナがやっと我に返り試合開始の合図を行う、

ルアとゴーレムを操るホーリーキマイラ猫は衝突、激しい打ち合いとなる。




ドガ!!!ドガガガ!!




「ハアアアアアアアアア~~~~」




「キィーーーーーーーーーーーイイイ!!!」




まるでゴーレムを空手家のように操り攻撃するホーリーキマイラ猫、

ルアは巧みにそれをかわし接近戦、その攻撃を受け止め凌ぐゴーレム、

猛烈な蹴りを仕掛けたゴーレム!間一髪でかわし宙返りで距離を取る。




「さすがですね・・」




「ふふ・・ゲームなら今ので決まっていたけどね・・」




ホーリーキマイラ猫は格闘ゲームを得意としてプロと言えるレベルだ、

それもあるのか操作系はお手のもので特級クラスでも手こずる強さを誇る、

さらに普段見せない本体で操る・・単純な格闘なら聖級でも苦戦するだろう。




その後3分程殴り合う、だがお互い紙一重でかわし無傷ではあるが・・




「疲れてきました・・次で終わらせますよ!」




「はいこっちもです。次で終わりにしましょう」




今の段階ではお互いスタミナが無いので長期戦は苦手、なので勝負を急ぐ、

ルアとゴーレムは向き合い最後の一撃を放つ・・




「ヤアアアアアアーーーーーーー」




「ハアアアアア――――――――!!!」




ゴーレムは左フックでルアの腹にパンチ、ルアは右ストレートで応戦、

ゴーレムのパンチは・・摂りついたインフェルノがガードしルアを守る、

そしてルアの右ストレートは・・ゴーレムは紙一重でかわしていた!




「それまで!この勝負も引き分けとします!」




オオオオオオオオオオオーーーー!!!!!!!!!




予想以上の展開に驚く観客たち、ステージではルアとホーリキマイラ猫が握手、

猫の姿に戻ったホーリーを抱き抱え観客に手を振るルアに皆が拍手を惜しまない、

正直俺も驚いた、これなら実戦でも頼れる戦力になると俺は・・そう感じた。




その後養子たちも赤のインフェルノと同化、お互いスパーリングを繰り返す、

ルアほどではないが実力は相当なもので上級クラスとほとんど変わらなかった、

まだ養子達は10歳以下、それでこの強さだから成長すると・・どうなるんだ?



・・・



翌日・・・




大和の艦橋室で食事をしていた俺にある人物が面会したいと連絡が入る、

その相手はカオル、彼は6歳位でデーヴィドとクリスティーナの息子だ、

パーティ等では会うことはあったが・・単独面会はこれが初めてだ。




・・・




妙に顔を赤くしているカオル、何か言いたそうだが言葉が出ないらしい、

俺は焦らず・・特製サイダーを与えたら大喜びで飲んでいた、すると・・

カオルは落ちついたのか・・俺に向かってある発言をする。




「コウ叔父さん・・相談があるんだけど・・」




ちなみに俺とデーヴィドは同級生ではあるが彼の方が2か月早く産まれた、

妻のクリスティーナは俺の妻エリーナの妹ではあるが・・ここは亭主で考えた、

一応俺はデーヴィドより年下なので叔父という扱いになっている。




カオルが俺に会いに来ることはデーヴィドも知っていた、と言うか彼が指示、

昨日のルアの変化を見た彼も焦る、あの力を自分の息子にも持たせたい、

だが自分にはインフェルノがいないので俺に相談するよう告げたそうだ。




「コウでいいよ、相談ってなんだい?」




「うん・・ルア兄ちゃんがインフェルノと同化したでしょ?」




「ああ・・あれは俺も驚いた、あそこまで変わるとは思わなかった」




「うん僕も・・で・・お願いがあるんだけど・・」




「それは・・自分もインフェルノが欲しいということか?」




「うん・・あの姿を見たらカッコよくって・・それと僕・・」




・・・



カオルは黙り込むが顔は赤面、その理由を俺はジェニー達から秘かに聞いていた、

どうやらカオルはエターナル・・エナに気があるらしく何かと絡んでいたそうだ、

エナもカオルは嫌いじゃないみたいで・・というか姉として接しているようだ。




・・・




一応この異世界は身内婚OKなのだが・・




エナとカオルは従姉弟になるので俺の住んでた世界でも婚約はOKではある、

だがまだエナは7歳なのでその意識はないようだ、だがカオルはとても焦る、

というのも・・ルアのあの姿にメロメロのエナを見ると気が気でないらしい。




・・・




カオルの焦りもなんとなくわかる、というのもこの異世界は弱肉強食、

幼いからと言っても強さが無ければ幹部であっても安泰ではないからだ、

この辺は実にシビアな世界なので・・幼いカオルでもその辺は熟知していた。




・・・




カオルにはインフェルノはいない、駄菓子屋の経営にはカオルは関わっていない、

彼は母のクリスティーナが音楽家ということもありその分野で頑張っていた、

そのため普段は別行動、今回の遠征はエナが参加すると聞き急ぎ申請したそうだ。




・・・




カオルの焦りもわかる、ルアと同じで普通の人間、他の種族にはまず勝てない、

音楽は好きなので活動してはいたが・・内では強大な力を求めていたらしい、

そうでないとこの世界では・・幹部の世界では生き残れないと焦っていた。




・・・



俺はルアのインフェルノを急ぎ呼んだ、だがルアは呼ばす単独で来るよう指示、

既に赤のインフェルノは養子達をパートナーにしていたので余りはいなかった、

だがカオルは青のインフェルノを希望、だがこの個体は3体しかいなかった。




そこで俺は青のインフェルノを呼び相談、他に余りがいないか尋ねた。




「我々の余ですか?赤は既に全員パートナーと締結していますが?」




「いや俺が尋ねたいのは青なんだが・・」




「青は私も含めエナ様とソアラ様というパートナーが決まっています」




「なら他はいないのか?できれば強大な力を持つインフェルノがいい」




「・・・いるにはいますが・・」




このインフェルノの言葉にカオルが飛びつく!」




「それって?どんなの?」




「あ・・はい、それは紫のインフェルノですが普段は赤に擬態してます、

我々が言うのもなんなんですが・・そいつはかなりのへそ曲がりです、

なので今でも主を求めず単独で行動していて我々とも衝突していました」




「その紫のインフェルノは・・いるのか?」




「あっ・・はい、一体だけこの異世界に召喚されました、ですが・・

そいつも一応この世界に住む決意はしてますが主は求めてはいません、

コウ様が以前マグロの生命エネルギーをくれたので十分と思ったようです」




これを聞いた俺とカオルは・・




「どうするカオル?今の話だと残っているのはそいつしかいないぞ」




「うん・・それでもいい、でもそいつ強いの?」




「紫のインフェルノは我々青と互角以上の存在です、ですが・・、

先程申したようにかなりのへそ曲がりなので説得は難しいでしょう、なので・・

カオル様と摂りつくメリットが大きくないと一蹴される可能性大です」




この言葉を聞いたカオルは考える、だがこの個体しかもうインフェルノはいない、

今紫のインフェルノは無人島に隠れ緊急時だけ俺達に協力する気でいるらしい、

そこで俺は・・緊急時にはカオルに摂りつくよう指令しようとしたが・・




「叔父さん待って!僕に任せて!」




「それは構わないが・・いいのか?」




「うん自分でしないと意味が無いと思う、だから任せて!」




こうしてカオルは青のインフェルノの案内で紫の要る無人島に移動した、

紫のインフェルノは無人島に隠れていたが青の説得で渋々出てきた、

すぐさまカオルは・・なんと両膝をつき紫のインフェルノに挨拶する。




「はじめまして!僕・・いや私はカオルと申します!」




紫のインフェルノは・・




・・・




突然の出来事に驚くだけだった。



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