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威凜族の存在とキアーラの精一杯の言葉




ミオの叱咤に落ち込むレイとキアーラ、だが断ることは出来ない彼女達、

というのも・・この政略結婚に関しては祖父母や親達への配慮だけではない、

戦火に怯えた民衆達が安定を求め強大な後ろ盾を欲しがっているからだ。




レイに関してはそのまんまで・・




キアーラも聞いた感じ・・ほとんど同じ立場らしい。




自分を慕ってくれる民衆達の期待を裏切れない・・それで頭が一杯だった、

それを知ったミオは・・




「ご・・ごめんなさい、あなた達の気持ちもわからずつい・・」




「い・・いいえ気にしないで!貴方の言うことが正しいんだから」




ミオとレイはお互いを慰め合う、それを羨ましそうに見ているキアーラ、

その様子を見ていたエリーナ達、これは相当深刻な問題だと感じていた、

というのも・・もし結婚話が流れた場合様々な問題が起こる可能性がある。




まず考えられるのが相手の出方、本人は消極的らしいが破談になってはいない、

本人はその気は無くても取り巻き等がこれ幸いと相手を問い詰める口実となる、

最悪衝突となり交戦する可能性も否定できない、リィブラはキアーラに尋ねた。




「そ・・それは無いとは言い切れません、相手の心境は分かりませんので」



・・・



元はと言えば・・




デーモン達の召喚が根本的問題なのだが・・俺達はもう静観できない、

形はどうであれ今の俺達は同盟仲間、デーモンの問題だけでは済まされない、

もしキアーラの婚約が破談となり戦争にでもなったら俺達にも責任がある。




なので・・




エリーナ達はキアーラに深く情報を求めた、キアーラも納得して答える、

馨響族の性格や立ち位置等を尋ねる、するとキアーラは紙とペンを要求、

それにイラスト等詳細を描いて自分の星の状況を細かく説明してくれた。




それによると・・




● 馨響族は見た目妖精族の雰囲気、だが耳等は人間と似ていて温和タイプ。



● キアーラは馨響族と互角の立場の威凜族いりんぞくの王子と婚約中。



● 威凜族は男性が多く好戦的、技術も長け様々な兵器を開発運用している。



● 破壊神と主に戦ったのが威凜族、姿はジャニーズ系のイケメンが多い。



● 威凜族は女性が多い馨響族を基本慕っていて大切にしてくれている。



● だが中には馨響族を支配し配下にしようと考える輩もいるらしい。



● キアーラの住む星は・・例えるとデンマークのような北欧の雰囲気。



● その星には人間や犬猫、ガルーダのような様々な種族が住んでいる。



● 全体的に栄えてはいたが破壊神との交戦で各地が被害を受け復興中。



● 威凜族は様々な兵器や魔法を使い破壊神と戦いこれらを蹴散らした。



● だが威凜族も甚大な被害を受けたので落ち着くまで婚約は延期状態。




・・・




今の話からすると・・




キアーラの星は破壊神との戦いで被害を受けた、そのため復興が最優先、

行事等は後回し状態、キアーラはその復興作業中に突然召喚されたようだ、

各地の被害は甚大で・・おそらく元通りになるのは一年はかかるらしい。




・・・




1年?




・・・




確か・・




神族が動けば1年でキアーラの星に辿りつけると言っていたような・・




・・・




もし一年以内に戻ることが出来ればキアーラが原因で揉める可能性は低い・・



・・・





レイナはこの言葉を聞き神族に連絡、仮にキアーラの星に行く場合を尋ねる、

すると・・神族4人が前のように同行して交代で宇宙を進めば辿りつけるそうだ、

帰りは転送の鏡を使えば数分で戻れる、行きだけが超大変だが不可能ではない。



・・・



この日はここで一旦お休み、皆は頭を整理して明日の質疑応答に備えた。




翌日・・・




・・・




・・・




壇上ではキアーラがタブレットを持ち俺達の状況を必死で閲覧していた、

その周りでは重鎮達がキアーラのイラスト等情報をタブレットで閲覧、

インフェルノ達も小人族に習いながらタブレットで情報収集していた。



しばらくの間・・




お互いが深く状況を知ろうと躍起、会議室は妙な沈黙が漂っていた。




・・・




あの~~~




君達何のために集まったの?




タブレットで事が済むなら集まる必要は無いと思うのだが?




ちなみにキアーラの星にはスマホやタブレット等の情報関連は無いらしい、

だがその便利さを一瞬で把握し操る姿はもはや熟練者、相当知能が高い、

1時間もするとキアーラは俺達の世界をほぼ把握しお腹が空く・・




・・・




「あの~コウさんですか?中華そばをお願いしたいのですが・・」




・・・



なんで俺に名指しで頼むんだよ!




「えっ?あなたに頼めば無料だと奥様達のブログに記載が・・」




どこに書いてあるんだよ!




「まあまあいいじゃない、私達もお腹空いたから全員の中華そば作ってね」




俺の背中に抱きつくリィブラ、顔は笑顔だが眼だけは野獣の目をしていた、

ある意味一番ヤバい妻なので俺は沈黙、厨房に籠りせっせと中華そばを作る、

さらに重鎮からもリクエストの嵐、俺は2日連続で中華そばを作る羽目になる。




「いただきま~~~~~す!」




どこで覚えたのかキアーラとインフェルノ達も両手を拝み中華そばを食べる。




「う~~~~ん美味しい~~~~!!!!!!!!!!」




好評なのは嬉しいが・・




この時も誰一人代金を支払おうとはしなかった。




それはさておき・・・




食事が済んだ後改めて質疑応答、お互いの詳細が把握できた今深い話に入る、

まずインフェルノ達は戻る気なし、小人族もこの異世界で住むと断言している、

というのも・・小人族達の星はほぼ無法地帯で恐ろしい魔獣が多いからだ。




さらに破壊神の侵略を受け小人族は絶滅に近い、今いるのは100人ほどだ、

仮に帰っても村等は焼かれていて魔獣の餌食になるだけなので意味が無い、

それを聞いた俺達も理解、なので小人族はそのままこの異世界に住んでもらう。




インフェルノに関しては・・




自分達の星に仲間は1000体ほどいるらしい、だが関係は薄いそうだ、

その理由は摂りつく魔獣の問題、衝突が絶えないのですぐ離れるからだ、

それに加え単体で行動する種族なので仲間と話すことはほとんど無い。




今回は突然召喚された事もあり結束、インフェルノとしては珍しいそうだ、

まあ突然見知らぬ世界に召喚されたら同種族と団結するだろう、なので・・

戻っても前の繰り返し・・こちらもこの異世界での生活を希望している。




これを聞いた俺達は頷く、インフェルノと小人族の星は完全に対象外とした、

というのも・・転送の鏡はあと一組しかないのでどちらに使うか悩んでいた、

だが小人族とインフェルノが帰るのを拒否したので方向性は纏まった。




ここでアトラスがキアーラに質問、転送の鏡を設置できる環境なのか尋ねた、

転送の鏡は一度設置すればほぼ永久に使えるが常に繋がってる状態となる、

それと神族の言葉、片道は何とかなるが往復は出来ないと聞いているからだ。




仮に俺達がキアーラを送り届けても・・・




転送の鏡を使わないと帰ることが出来ない、なので設置出来ないと困る、

だが威凜族は好戦的と聞く、俺達が出向いて攻撃されたら元も子もない、

被害を受けたとはいえ破壊神を退ける種族と戦えば俺達も無事では済まない。




イラストで見た限りだが威凜族の武器の中に戦闘機や戦艦、ミサイルも見える、

キアーラは王室内での行儀が多かったそうで威凜族の武器はほとんど知らない、

たまに窓から威凜族の戦闘訓練を見た程度で詳しいことは分からないそうだ。




アトラスの質問に対してキアーラは・・



・・・




「わ・・私は馨響族の第2王女です!送って頂けるのなら設置を許可します!」




・・・




苦し紛れにも見えるキアーラの言葉、これが彼女の精一杯の言葉だった。




だが俺達に・・拒否は無い!




この言葉を聞き・・




俺達全員は・・




彼女を絶対故郷に送り届ける決意を固める!




ここで俺は締めの言葉を言おうと立ち上・・突然口をふさがれた。




「あらあなた、こっちへちょっといらして?」




「そうそう!いい子だからこっちに来てね!」




タウロとカプリコルニォに連れ去られ外に出される俺、すると・・

エリーナとリィブラに背中を押された天使族のベアトリスが壇上に立つ!

どうやら締めの言葉はベアトリスに・・ベアトリスは察し締めの言葉!




「ぜ・・全員に告げます!キアーラさんを故郷に送り届ける準備を!」




「はい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」




皆は気合いを入れ会議室を後にする!



その頃俺は・・




「あなた早く夕飯の支度を!」




「そうそう急いでね!」




・・・



怖い顔をした妻達にせかされ・・




・・・



夕飯の支度を急いでいた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 完全に貢ぐ君になっているコウさん。少し気の毒。
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