馨響族の第2王女と婚約者への不安感
謎の女性は目を開いて・・ゆっくりとベットから起き立ち上がった、
そして周りをキョロキョロ・・監視カメラを見つけそれに語りかける。
「見ているのは分かっているわ、そちらに案内してくれる?」
驚いた事にこの女性は監視カメラを理解していて俺達に語りかけてくる、
少し偉そうに見えるが・・
・・・
「いいわ、こちらに案内させましょう」
神族のアルテミスが直接部屋に出向く、その様子を俺達はカメラで見る、
そしてアルテミスは部屋をノック・・
「どうぞ!お入りください」
ノックの意味も理解しているこの女性、アルテミスは部屋に入り語りかける。
「はじめまして、私は神族のアルテミスと申します」
「は・・はじめまして!私は馨響族のキアーラと申します」
「あら?その名前は今思いついたのですか?」
「お見事ですね、そうです私達の種族名はとても長く時間を要します・・
貴方方にはあまりにも長いと思いわかりやすく一部抜粋したのです」
これを聞いて俺達内心驚く、どうやらキアーラは俺達の事を理解している、
だが妙だ、どうしてキアーラはマテオの戦闘機の傍で倒れていたんだ?
そう俺達は考えていると・・
「お仲間は私の事を知りたがっているようです、説明しましょうか?」
「ええそれはもちろん、こちらへお願いします」
アルテミスの先導の元・・その前にキアーラは着替えを要求してきた、
着ている服は救援用の作業服だったので恥ずかしいらしくアルテミスも了承、
なぜか俺が秘かに作った通販用のオシャレなドレスを転移して渡している・・
・・・
俺は秘かに生活関連品通販サイトを作り・・明日開業予定だった。
実店舗だとその都度没収されるので生活関連品を作り別名で通販で売る・・
それを見ぬいていたアルテミス達はこの際ついでとばかりに全部没収する、
その後俺の通販サイトは完全に消され隠していた倉庫の商品も消えていた。
ちなみにそれらの生活関連品は神族の部下のサイトで売り出され完売、
俺はその後アルテミス達に苦情を言ったが・・この言葉で封じられた。
「難民を助けるために必要なの!これでわかるでしょ?」
・・・
話を戻して・・
当然ながら・・・着替え中は監視カメラなどは無しである!
「こちらへどうぞ」
改めてアルテミスはキアーラを案内、大会議場で俺達は立ち上り歓迎する、
さすがに・・これだけの人数がいるとは思わなかったようで緊張が見える、
照れながら彼女は壇上に上がりお辞儀、そしてマイクを調整し語り出す。
「はじめまして皆様!私は馨響族の第2王女キアーラと申します、
私は貴方方で言う異世界・・正確には遙か遠い星から召喚されました、
突然のことだったので驚き姿を変えて彷徨っていました」
続けて・・
「私の詳細に関しては質疑応答で対応させて頂きたいと思います」
キアーラはこう言って質問を受け付ける体制で誰かの言葉を待つ、
まず俺が質問・・カプリコルニォが笑いながら俺を遮り最初の質問をする。
「貴方の種族のことを詳しく教えてください」
「はい、私達の種族はある星・・惑星群の指揮を担う最上級の存在です、
先般破壊神達が攻め込んだ時我々が指揮を取りこれらを蹴散らしました、
その後私はこの異世界に召喚され・・形を変えて貴方方を見ていました」
「えっ?どこにいたのですか?」
「貴方方で言う戦闘機・・あれがミサイルを発射して空間の穴を閉じました、
穴が塞がる前に私はいきなりデーモンの世界に召喚されたあと穴は閉じました、
戦闘中だったので私は身体を透明化して戦闘機に乗り気配を消していました」
「えっ?浮遊体じゃなかったのですか?」
「それは戦闘機から降りた後です、というのも私は仲間を探して・・
他に召喚された種族を感じ急ぎ花粉に姿を変え駆けつけたのですが・・
辿りついたと思ったら・・それらは転移魔法で移動し巻き込まれました」
「その後はどうなったのですか?」
「私は転移先で強風に飛ばされ空中を漂っていました、その時・・
あの戦闘機が空母・・ですか?帰還中だったので再び背中に乗りました、
それ以降は整備の目をかいくぐり・・強烈なテレパシーを受け気絶しました」
「召喚されたのは・・貴方だけですか?」
「おそらくそうだと思います、仲間の気配は全然感じませんでしたから」
これを聞いた神族はすぐさま心眼で捜索、各地を見たがキアーラだけだった、
どうやらこの異世界に来た馨響族はキアーラだけらしい・・・
その後も質疑応答、そこでわかったことは・・
● キアーラ達馨響族は透明や花粉に変化できるが条件がある。
● 花粉や透明化の時は中級以下で強烈なテレパシー等には耐えられない。
● 変化は最高で3時間ほど、だが天然石等魔力補充出来れば延長可。
● 馨響族は遙か遠くにある惑星群に住む種族をまとめる存在。
● キアーラは第2王女らしく兄と姉がその世界をまとめている。
● 親達は隠居して次世代に総指揮を任せている。
● 馨響族達の星は俺達と似ていて初級から神級等多種族が存在する。
● こちらも破壊神に襲われたが様々な兵器や魔法でそれらを追い払う。
● その破壊神達は以前俺達を攻めた破壊神の本隊らしい。
● 破壊神達のほとんどは滅び・・一部は逃げその先は分からない。
● だが馨響族達も甚大な被害を受け被害復旧で大忙しだった。
● キアーラは現地で救援活動をしていた時いきなり召喚された。
● 穴から飛び出したキアーラは危険を感じ透明化して戦闘機に取りつく。
● キアーラは聖級クラスではあるが戦闘はあまり得意ではない。
● キアーラの惑星群はここから極度に遠い位置にある。
● 大体の感じだと・・カウノス達の星より倍以上は離れている。
● 仮に神族が行くとなると・・1年はかかりそうな距離らしい。
・・・
質疑応答を繰り返すたびに落ち込むキアーラ、自力で戻るには不可能だ、
なので彼女は俺達に懇願、この異世界で住ませてほしいと切に訴えてくる、
俺達も特に問題は無いと判断してそれは許可、しかし別問題が発生した。
それは・・
「わ・・我々もお願いします!この異世界で摂り・・いや住ませてください」
話を聞いていたインフェルノ達も懇願、住むのは別に構わないのだが・・
「あと・・主へ摂りつくことをご許可願います!」
これには全員悩む、インフェルノ達は小人族から聞いた話だと問題がある、
それは自己中心な性格、だが例外・・主へは忠誠を誓うらしいが・・
・・・
子供達に摂りつかせて・・本当に大丈夫なのか?
・・・
皆不安なので・・住むことは許可したが摂りつくのは先にした、
インフェルノ達は落胆、だがまだ希望があるので気持ちを切り替えた。
日も暮れてきたので質疑応答はここで一旦終了、皆は各部屋に戻る、
キアーラは来賓として歓迎、インフェルノたちは来客として歓迎した、
そのキアーラは・・相談があるからと言うので一部が対応することにした。
その一部とは・・
エリーナ、リィブラ、レイナ、アデール、ベアトリスと・・
・・・
なぜかミオとレイを・・キアーラが逆指名をしたのでこの7人が対応、
今回は女性が対応した方がいいと考え俺やカオス達は部屋に戻った、
そして食事をしながら・・キアーラは心境を話し出す。
「私は・・・出来れば早く元の世界に戻りたいのです」
「その気持ちはわかるわ、でも・・焦るなにか特別な理由でも?」
「は・・はい、実は私婚約者がいまして・・」
「そう・・それなら戻りたい気持ちもわかるわ」
「でも・・相手は私を慕っているようには見えないので・・」
あれ?
「貴方・・」
キアーラはレイに向かって語り出す!
「貴方・・レイさんはなんとなく私と似ているような気がするんです」
「それは・・婚約者に対してですか?」
「はい、お互いの為になると親から勧められて婚約はしています、
ですが・・相手は私の心境を察知してか婚約には消極的です、
似たような雰囲気を感じるあなたは・・どうお考えですか?」
これにはレイも悩む、彼女も祖父から俺への婚約を勧められている、
だが既に大勢の妻がいる俺は無理をしているレイとの婚約には消極的、
周りもその雰囲気なので・・逆にレイはどうしていいか悩んでいた。
そんなレイを近くで見ていたミオは・・
「・・お二人とも・・そんなに悩むなら婚約解消したら?」
このミオの言葉に・・
・・・
・・・
黙り込むキアーラとレイだった。