クリスティーナの演奏と子供たちの習いたいこと
エリーナが西の大陸に出かけてから1週間ほど経った、
一緒に行ったグリフォンが一度戻ってきて伝言を俺たちに伝える、
帰るのに一か月ぐらいかかるから心配するなと・・
・・・
心配といえば心配だがこればかりはしょうがない。
今心配なのはエリーナよりクリスティーナの方なんだが・・
そのクリスティーナから相談があると俺たちは会議室に呼ばれた、
そこにはルーム国王、リシャール、アイザックも来ていた。
「子供たちからものすごく不満を言われました」
「どういうことだ?」
「大人たちには遊び場があって自分達にはないのが不満だと」
魅惑のエルフ駅のことだな・・
「そのことについて君たちに相談したいことがある」
「なんでしょう?」
「君たちの世界では子供をどう扱っていたのかね?」
「そうですね、俺とデーヴィドが過ごしていた日本では・・
まず保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学とあり、
年齢が上がるにつれて教育の内容を上げていきました」
「どんな教育なんだ?」
「主に文字の読み書き、計算、理科、歴史、団体行動等です」
「その教育をわが国でできるのか?」
「出来ると思いますよ、教室や運動場などがあれば教えられます、
あとは講師ですが・・これは木人形に複数いるので相談してみます」
「あの・・子供たちが希望してるのが遊びなんですけど・・」
「そうだったな、話を逸らしてすまない」
ごほん・・
「君たちの世界では子供はどんな遊びをしてたのかね?」
「主にゲーム、野球サッカー等のスポーツ、あとはダンスかな?、
俺は趣味でプラモ造りや天体観測などをしていました」
「俺の親戚は釣りとか山登り、スケボーとかしていたぞ、
あと個人的には・・テニスとバスケかな?」
「あの・・私は小さい頃ピアノを習ってました、歌が好きなので、
姉は主に乗馬と陸上競技をしていました」
この時ドアからノックの音がして木人形が入ってきた。
「クリスティーナさん出来ましたよ」
「えっ?何がですか?」
「え~忘れたんですか?前にエレクトーンの作成を依頼したでしょ?
他にもピアノやバイオリンなど思いつくものは全部作りました」
クリスティーナは飛び上がって喜んでいた!
「これらをどこに持っていけばいいんですか?」
「そうですね・・私の住んでる部屋は・・置けないかな?」
「なら王宮の空いてる部屋を貸してもらったらどうだい?」
俺達は国王に目線を向けた。
「構わないぞ、我もどんなものか見てみたい」
木人形たちはエレクトーン・ピアノ・バイオリン・フルート、
ギター、三味線、琵琶、ドラム・キーボード・ハーモニカ、
太鼓、トロンボーン、トランペット、チェロ、ハープ・・・
コンサートでも開ける位の高級楽器を次々と運び込む、
予想以上の楽器の数と質の高さに戸惑うクリスティーナ・・
とりあえずピアノだけ設置してクリスティーナが試し演奏、
子供たちを呼んで・・各種族も物珍しさに押し寄せ満員御礼、
緊張の中クリスティーナがある曲を演奏し始めた。
彼女が異世界に来る前によく練習していた曲。
ポールモー●アさんの「エーゲ●の真珠」
窓から見える海を感じながら演奏する姿は幻想的でもあった、
はじめて聞くピアノの音に皆が内心驚き感激を体で感じていた、
他にも2曲演奏して終わるとクリスティーナが一礼する。
別に教えたわけではないが・・
皆が拍手でクリスティーナを称えた。
ここからは木人形たちの出番となる。
教員や演奏家・塾の講師などが出てきて講義をはじめた、
とは言っても堅苦しい講義ではなく遊びの種類を説明、
具体的にはリバーシ等の室内遊びやサッカー等の屋外競技。
それぞれ説明して希望者は用意した各ブースに移動して実演、
子供たちに人気が高かったのは・・・
男の子はリバーシやトランプ、サッカーや相撲等の定番ゲーム、
女の子はティーナの影響か楽器演奏と洋服裁縫が人気だ。
さらに料理や髪型や肌の手入れ等美を求める関連が多い、
それとお菓子の作り方、なぜか森での戦いと色気を熱望された、
おそらくエマの影響だろう、今彼女は女の子の憧れの的だ。
他にも戦艦や空母の仕組み、銃等の構造や原理、それと整備、
航空機の操縦等が魅力なのかこの関連は男の子の希望が多かった。
意外なのは・・
俺達異世界人の言語(日本語と英語)を習いたいとルーム国民たち、
ガルーダやグリフォン・それとワイバーンと魔族と人間とエルフ、
会うたび彼らからも同じように教えてくれとお願いされた。
・・・
なんで日本語と英語を習う必要があるんだ?
異世界人のエリーナたちはともかく各種族と会話は出来ている、
俺達異世界人の言語の必要性ほとんどないと思うんだが?
この世界では俺達の会話は木人形の魔法で自動通訳されている。
ただ俺達異世界人だけの時は英語が主で日本語は木人形とだ、
さらにエリーナとクリスティーナはルーム語は話せてる、
たまに彼女達が暇見て日本語を習い会話練習してる程度だ。
彼らが日本語と英語を習う意図が理解できない。
そう悩んでいると・・
ルーム国の少年少女やワイバーンなどの子供達が傍に来た、
彼らに手を引っ張られ列車に乗りある場所に連れて行かれる、
軍艦整備港駅で降りるとそこでは各艦が整備を受けていた。
その奥に連れて行かれると・・・
何やら似たような部屋が10ほどある、なんか見覚えが?
部屋のドアを開けてみると・・
木人形たちが大勢集まり騒いでカラオケを楽しんでいた。
「あっコウさん!一緒に歌いませんか?」
いつの間に造ったんだ?
「いゃ~日本の歌が懐かしくて・・ちなみに私は桑田●祐派です」
「ZA●Dなら任せてください」
「演歌ならいろいろ歌えるぞ!」
「平成の歌と言えばMr.Chi●drenでしょう!」
「いやいや!!カラオケと言えばアニソンだよ!」
「私の青春はカーペ●ターズ!これ最高!」
「何を言ってる!ユー●ビートに勝るものはない!」
「踊るならマ●ケル・ジャ●ソンが定番でしょう」
「何言ってるのよ!踊るならA●Bでしょうが!」
「男なら浜田●吾とか尾●豊は外せないぞ!」
「女なら竹●まりやと今井●樹で勝負よ!」
「カラオケ最高!!!」
「イェ~イ~~~~!!!」
ノリノリに歌って踊りまくる木人形たちに呆れる俺・・・
その俺の手を引っ張る子供が羨ましそうに呟く。
「僕たちもあんな風に歌って踊りたい・・・・・
でも言葉がわからなくて・・」
・・・
俺は大至急!!
木人形に日本語と英語教室を開くよう命じた!
「イェ~イ~~~~!!!」
木人形たちは返事もノリノリだった。
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