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開発反応のトラップと裏山の賑やかな駄菓子屋





デーモン王達との会議は2日程続き条件付きで援助の継続が決まった、

具体的には住宅・軍事基地・王城の復旧等の不動産関連の修復作業、

及び民衆の生活環境を整えるなど人道的支援と戦力の確保等だ。




その見返りに・・




落ち着いたら野生生物等が暮す自然地帯を除き各地に工場や店舗等を運営、

そこで得た利益の3分の1を俺達が受け取る形で一応話はまとまった、

正直儲けはほとんどないが今は被害を受けた民衆の生活再編を最優先とした。




労働や移住、運搬等はアレス達が引き受けるそうなので俺達は物資援助のみ、

米や麦、トウモロコシや砂糖などが求められたので各地から集め送っている、

そのせいか門があるフェニックスの島はものすごく賑わっていた。




デーモンの王達の責任追及は現時点無し、その代わり身内を失った民衆達、

それらには王が責任を持って賠償を行う、具体的には年金や生活保護等を行う、

俺達の通貨を支給して今後はそれを通じて生活してもらう。




これらの総指揮は各地の重鎮達に任せているので・・俺はこの分野でも蚊帳の外、

第7艦隊は当分動けないので他の艦隊に状況に応じて広範囲に対応してもらう、

そのためか・・俺は部屋に籠ることが多くなったので店舗計画を考えている。




今回は新たな商品は考えない、なぜなら・・



・・・




妻のリィブラ達は俺の部屋のあちこちにあるトラップを仕掛けている、

それは新たな武器や商品などを感知するトラップ、端からは全く見えない、

しかしこのトラップは武器や商品を感知するとリィブラ達に伝わるらしい。




そのため俺が隠そうとしても筒抜けで後日没収されることは間違いない、

なので今回俺は・・既存の商品に手を加え店舗を立ち上げることにした、

いい加減俺が運営して収入を得るための糧が新たに欲しいからだ。




神殿から下を見てみると・・



・・・



北の山付近に空き地が見える、山の陰なのでエリーナ達もここは無関心、

敷地は大体30畳位、ここなら店舗も造れると判断し俺は早速行動する、

誰も関心が無かった土地なので即差し押さえ成功、早速建物を造る。




俺の指示に応じてブルーアイズ達が屋根や柱や梁などを組み上げていく、

猫やピンキー達は内装担当、2日程で小さな店舗が完成して俺達は大喜び、

早速商品を並べていく、他にも鉄板や調理器具などを次々と揃えていった。




今迄は高額商品が多かったので妻達も狙い奪い取ることで多額の利益を得た、

それらの利益は難民など生活困窮者に支援するために使っていることが多い、

だが各地と関わることが多くなり生活困窮者も爆発的に増えている。




そのため妻達は・・




俺が造る製品やアイディアを次々に狙う、手っ取り早く利益を得られるからだ、

そのため俺は苦い思いばかりしているが・・難民救済の為なら文句は言えない、

なので俺は妻達に奪われほったらかしにされていても・・まだ我慢が出来た。




しかし・・



あまりにも蚊帳の外だと寂しい・・営み以外は相手にされないので独自に動く、

その一つが店舗経営、利益にもなるしお客さんと関わる機会が増えるからだ、

だが高額商品を扱うと店舗ごと妻達に奪われるので目線を変えた。




んで・・・




今回俺が考えたのが・・駄菓子屋さん!




これなら単価も低いし妻達も奪うだけの価値が無いので無視するだろう、

そう俺は考え既存の商品に少し手を加える程度にして単価を抑えた、

一番安い商品は10ギル、高くても100ギル程度とした。




だがこれだけだと利益が出ないので少し単価の高い商品も用意した、

それは昔ながらの中華そば、広島と和歌山のラーメンを組み合わせた感じ、

メニューは中華そばと俵むすび、中華そば500ギルでむすび100ギルだ。




ブルーアイズ達の要望で鉄板も用意してもんじゃ焼きも用意、値段は400ギル、

既に広島と大阪のお好み焼き屋はエリーナ達が運営してるのでもんじゃにした、

これを焼く鉄板を5席、ついでに餃子のテイクアウトも用意した。




たこ焼き等も既にあるので餃子をたこ焼き感覚で食べれるように工夫した、

この時ホーリーキマイラ猫が本で見たある餃子に似た食べ物を提案した、

それは南米パラグアイ等で食されるエンパナーダという食べ物だ。




見た感じ餃子の拡大版で油で揚げた感じの食べ物なのだが・・かなりうまい!

中にゆで卵が小さく刻まれ入っているので食感もあり癖になりそうだ、

俺はこの案を採用、エンパナーダを1個150ギルで販売することにした。




用意が出来たので早速開店!ちなみに宣伝は港などに小さなポスターを貼るだけ、

大々的に宣伝すると妻達に狙われるので素朴に商売を行うことにした俺達、

寂しさを解消する目的がメインなので儲けはあまり考えていなかった。




店舗が裏山の陰もあり目立たず初日のお客さんは3人・・いや3匹だけだった、

ポスターを見た武蔵乗艦のピンキーが人参カリカリを買ってくれた、なお・・

この日の売上げは30ギル、まあ初日だからこの程度だと割り切った。




その後平均3~5匹のピンキーやラッドルが駄菓子を買う、利益は100ギル、

なぜか人型は集まらず4本足の種族が徐々に増えアニマルハウスと化していった、

店舗内は4本足種族で溢れかえり・・だがきちんと支払いはしていた。




2週間後・・




やっと人型の種族が来店・・




「おとうさ~~~ん来たよ~~!」




人型の初来店客が俺の子供のルア達、養子のラミア達も集まっていた、

子供達は駄菓子を買い漁り・・きちんと支払いはしてるので客と見做した、

その後ルア達は友達も連れてきて・・店は子供とピンキー達で溢れた。




3週間ほどしたらやっと大人が来店してくれた、ピンキー達から聞いたらしい、

大人は駄菓子では高いブロイラーや中華そばなどを次々注文、大忙しとなる、

最初は30ギルだった売上げもこの頃になると1万ギルを超えていた。



だが・・



この先・・




俺達は想像もしていなかった相手に・・



・・・



店舗を奪われることとなる。




その後・・・



駄菓子屋には日に100人ほどの種族が来店し賑わいを増していった、

リピーターも増え売り上げも右肩上がり、行列が出来る人気店となった、

だがこの駄菓子屋は背伸びせずに規模拡大や商品を増やす事はしなかった。




「おとうさん手伝わせて~~」




ソアラ達が忙しくしている俺達に助け舟、ありがたく頼み人手が増えた、

ルアが会計、エナがもんじゃの準備、ソアラがエンパナーダを揚げている、

養子の子供達は商品補充や店舗の掃除などきめ細かく手伝ってくれた。




それを遠目で見ていたエリーナ達、なにやら考えが浮かんだようだ、

ある日エリーナ達は子供達を集めあることを進言、子供達は眼を輝かせた、

その日から子供達は俺達に質問の嵐、秘伝のレシピまで教えてくれと強請る。




俺達は戸惑いながらも・・可愛い子供達の要望には逆らえず全部教えた、

3日もしたら子供達は全部覚え・・徐々に店舗を仕切るようになっていく、

そのため俺達はどんどん追い遣られ・・いつの間にか客扱いとなっていた。




・・・




これはおかしいんじゃないか?




なんで経営者の俺達が追い出され子供達が店舗を運営しているんだ?



・・・




これは喝を入れないといけないと俺達は判断し店に向かう・・




「ちょっと待ちなさいよ!!!!!!!!!」




いつの間にか妻のエリーナ達が現れ俺達を拉致、俺の部屋に連れ込まれる、

なぜか怒り心頭の妻達!ものすごく俺達を睨みながらこう語り出す!




「あなたなに考えてるのよ!子供達のやる気を削がないでちょうだい!」




この言葉を聞いて俺は察知した、子供達を煽ったのはエリーナ達に間違いない、

この言葉を聞いて・・逆に俺達は怒りが込み上げる、それを察知した妻達、

さすがに俺を本気で怒らせると後々困る・・静かに頭を下げこう語り出す。





「あなたの怒りは理解出来るわ、本当にごめんなさい」





あっさり謝る妻達に俺達は拍子抜け、さらに妻達はこう語る。




「前にルア達が不安を言ったことを覚えてる?あれまだ尾を引いてるのよ、

あの子達は必死で勉強してるけど実体験が乏しいからなかなか伸びないのよ、

なにか実戦をさせたいと・・貴方が開いた店を任せることにしたのよ」




なんなんそれ?




なら俺に一言相談・・エマが遮り続きを語る。




「貴方に相談すると子供達を甘やかすでしょ?それだと身につかないのよ、

だから私達は・・お父さんが一斉関わらないから店を守れと厳命したの、

おとうさんが頑張って造ったお店を・・子供達は真剣な顔をして頷いたの」




ここまで聞いたら・・




もう後の流れは理解できた、要するに子供達に駄菓子屋を運営させること、

確かに駄菓子屋なら規模も小さいし商売のイロハを覚えるにはちょうどいい、

顧客も同じ年代が多いから気軽に経験を積ませられる・・




・・・




また俺達は奪われる形となったが・・先を考えると子供達に任せた方がいい、

今後さらに各地との取引は増えるだろう、ここは身を引いた方がよさそうだ、

愛する子供達を成長させるのは親の役目・・俺達は駄菓子屋から撤退した。




「ありがとう・・愛しているわ!!!!」




その後俺は妻たちに・・




優しくキスしてもらった。




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