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デーモン王達の隠し事と何とも言えない空気





ルーム国にある特別会議室に集まった重鎮達、これから話し合いが始まる、

ちなみに今回俺の神殿は使わない、まだレッド達とは同盟を結んでいない、

なので神殿はまだ見せない方がいい・・イエローデーモン王の言葉に従った。




「これより会議を始めます!」




あえて会議という言葉を用いて話を進める、俺達は裁判官ではないからだ、

皆は一斉に大型モニターを見る、その先にはブラックとレッドのデーモン王、

驚いた事に・・敵対していたはずの2人が並んで座っていた。




ますブラックデーモン王が語る、合間にレッドデーモンの王も語り出す。




「この度はお集まりいただき感謝します、私がブラックデーモン王です」




「みなさまはじめまして、私がレッドデーモンの王です」




2人とも「我」等の王様言葉は使わず知り合いと話す感じで語ってきた、

俺達としては・・この語りは意外だった、てっきり傲慢に話すかと・・

だが王2人は俺達の心境を理解していたかのように丁寧に語り出す。




「この度はドラゴンゾンビ達を駆逐し同胞を救って頂いた事に感謝します、

ですが我らにはその恩に報いる褒美などはないので・・」




ここで・・アースドラゴンのシュメールが挙手、皆頷いたので席を立つ。




「貴方方の言いたいことは概ねわかります、私達も以前はそうでした、

ですが今は異世界人達と同盟を組み共存することで年々豊かになっています、

我々は貴殿達とも同じように豊かな生活を構築したいと考えております」




続いてフォレストドラゴンのディアーナが挙手、皆頷いたので席を立つ。




「それぞれの王達にお尋ねします、今迄の経緯は一旦置いておいて・・

今の心境をお聞かせください、今後どのような考えをお持ちなのですか?」




この質問に対しての王の返事はこうだった。




「私達は今迄貴殿達を驚異の存在としか見ていませんでした、なので・・

侵略を恐れ召喚を繰り返し戦力を増強しようと・・それしか思いつかず・・

ですが結果はご存じの通り、今は放心状態が本音です」




「お恥ずかしい話ですが現状貴殿達の援助が無くては国は成り立ちません、

図々しい話ではありますが・・このまま援助を継続して頂きたいのです」




ここで重鎮達にA4サイズの資料が10枚ほど束ねた資料が配られる、

ミオたちも欲しがったので一緒に配る、第9艦隊からの中間報告もある、

それによると・・




● 毒ブレスなどで被害を受けた家屋等はほぼ焼却処分を完了した。



● 代わりの住処として3DK程のプレハブ住宅を各地に建設している。



● 民衆のほとんどが着ている服しかなく生活セットを支給している。



● ドラゴンゾンビ達に殺されたのが亭主や息子等の男手で多数を占める。



● 残された女子供達は生活の糧を失い難民状態となっている。



● グリーンを含む各デーモン達が援助してるが落ち着くまで1年程かかる。



● 畑なども被害を受けているので作物は当分期待できない。



● 民衆達の一部は・・可能であれば移住を希望している。



● 移住先は各地のデーモンが対応するのでこの異世界に影響はない。



● 王達は責任を取り引退、だが後釜は現王子や王女を希望している。



● アレス達が客観的目線で見ても王子王女しか人材がいない状態。



● レッド王も引退、愚かな同族との争いを繰り返した責任を取るため。



● こちらも後釜は現王子や王女を望んでいる。



● レッド領地も被害は甚大でこちらも人材は王子王女しかいない。



● レッド・ブラックの領地は広く統制が取りにくいので現状を望んでいる。




・・・



ある程度皆が予想していた内容だったので・・




現時点政権などを交代させても手間が増えるだけで得策ではないと見た、

なので他のデーモン達が現地で動き俺達は物資援助だけで事が済みそうだ、

まずは生活の安定を最優先させ落ち着いたら改めて考える方がよさそうだ。




と俺は考えていたが・・




ここでリモートで参加しているメディからある質問が出た。




「王達に質問します、他に召喚された魔物等はいないのですか?」




これには全員がどよめいた、俺達はドラゴンゾンビや魔影の騎士、

これしか頭に無かったが・・他に召喚された魔物がいるかもしれない、

こいつらが暴れ出したら大事になる、皆の緊張が高まった。




王達も顔色を変える、どうやら図星を突かれたようで冷や汗をかいている。




「・・は・・はい確かに他に召喚した魔物は多数います、ですが・・

大半は我々が駆除しております」




「大半?というと他に逃げたのがいると言うことですね?」




このメディの質問に戸惑う王達、俺達の緊張は一気に高まり王達を見る、

もし逃げた魔物が凶暴だった場合大参事は免れない・・・




・・・




ここで皆が・・




なぜ敵対していたデーモン王が同じ椅子に並んで座っていたことを理解した、

おそらくどちらも以前召喚した魔物の一部を逃がしたことは間違いなさそうだ、

その負い目から・・俺達に援助を仰ぎ共に責任逃れを考えていたのだろう・・




・・・




少し腹立つ話ではあるが・・だがその時はそうでもしなければ攻撃される、

例えるならアメリカと旧ソビエトの冷戦状態のような感じだったようだ、

共に攻撃されることを恐れ戦力を増強・・あり得る話だった。




「過ぎた事を後悔してもしょうがありません、その時の様子を説明願います」




このメディの言葉に・・少し落ち着いた王達が詳細を語る。




「は・・はい、まず我らブラックでは魔影の騎士のような魔物を召喚、

サイズは180センチほどで人間に似た感じでした、それが10体ほど、

それらは転移魔法を使えたようで召喚後すぐに転移し消えました」




「我らレッド領地では・・同じく魔影の騎士のような感じが10体ほど、

それに加え虎のような猛獣魔物が複数、それとワイバーンのような感じ、

これらも転移魔法が使えたので召喚後すぐに消えました」




「捜索はされたのですか?」




「そ・・それはもちろん、ですが発見は出来ませんでした、ですが・・

その後それらの魔物は一切姿を現さず我らは半分忘れていました」




「わが方も同じです、なぜかそれらの魔物は一切姿を現しませんでした、

念の為各地の怪しい洞窟等も捜索しましたが発見は出来ませんでした」




この言葉を聞いて俺達は考える、どうやらこれらの魔物には感情がある、

下手に暴れると駆除されると判断し隠れているのだろう、しかし・・

詳細が分からない今これらの魔物は危険と判断するしかなさそうだ。




・・・



特別会議室の中は・・




・・・



何とも言えない空気が漂っていた。




その頃・・




レッドデーモンの領地で・・ある山奥の洞窟に籠る複数の魔物達がいた。




「どうなの?ドラゴンゾンビ達は全部駆除されたの?」




「ああ間違いない、驚いたぜ~あのゾンビ達が瞬く間に焼かれたからな」




「それでどうする?あいつらと一戦交えるか?」




「いやそれはやめておこう、あの強大な力には敵いそうにない、

出来れば俺達の存在は知られたくないからな、今は静観しよう」




この魔物達は・・




以前レッドとブラックデーモン達が召喚した魔物達、かなり賢いようだ、

レッド達が必死に探したが・・驚くことにこれらの魔物達は捜索隊を翻弄した、

捜索隊が探した跡地に迂回して戻り・・それを繰り返し逃げ延びていたのだ。




魔物達は感じ聖級以上の強さがありそうだが・・戦いは好まないらしい、

その証拠に付近の村や集落は襲わず洞窟等の生物・・コウモリ等を捕食、

一見獰猛に見える猛獣たちも同じ行動・・大人しい性格のようだ。




その後魔物達は何やら話し合い、第7艦隊を見て今後の事を検討していた、

まともに戦うと勝ち目は薄い・・




だがなにかしら行動しないと先ではヤバい・・



というのも・・



そろそろ王達が自分達魔物の事を俺達に話すだろう・・



・・・



俺達も不安を抱えていたが・・




・・・




「ど・・どうしよう・・」




魔物達も同じ悩みを抱えていた。








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