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疲弊した第7艦隊とブラックデーモン王への処罰検討





俺達第7艦隊は・・しばらくの間レッドとブラックデーモン領地で大忙し、

というのも・・




「オーライオーライ!その物資はここに降ろしてください~!」




「わかった!今から降ろすから下にいると危ないぞ~~!」




「わかりました~~よろしくおねがいしま~~す!」




てな感じで・・




空に浮かぶ戦艦4隻と航空母艦1隻は分散して各地に救援物資を運搬、

王達との話の後一旦帰ろうかと思っていたら各地から救援要請が殺到、

特に内陸部も深刻な被害を受けたので急ぎ俺達が動いた。




湾外沿いの街や村等は第9艦隊とその関連が対応しているが・・・



・・・




内陸部への救援物資を運ぶデーモン達がほとんど殺され運搬が出来なかった、

それを聞いた俺達は急ぎ艦を浮上、各地に分散して救援物資を運んでいた、

本来このために艦を浮かす改造をしていたので早速の活躍となった。




まず各艦が現地に向かい町や村等の上空から救援物資をパラシュート等で降ろす、

デーモン達は空は飛べるが体力が持たず遠方の場合は渡り鳥等にとりつき移動、

だがその時は初級レベルまで落ちるので重い荷物などは運べなかった。




そのため各艦が近くまで出向き上空から救援物資を降ろしたり手渡しをしている、

女性子供等の救援物資はパラシュート等で降ろし体力のある者は艦に取りに来る、

ほとんどの家がドラゴンゾンビの毒ブレスで被害を受けて住むことが出来ない。




止む無くデーモン達は家に火をつけ毒ごと家を燃やしたので着ている服しかない、

これを聞いた俺達は急ぎ第7艦隊を派遣し収納魔法に収めていた救援物資を提供、

だが内陸部には艦が降りれる川等が無いため上空から救援物資を降ろしていた。




幸いデーモン達は説明書があれば自分でプレハブ等を組めるのでセルフサービス、

とりあえず雨風は凌げる等になり今度は食事、これに関しては非常食を配る、

最初は俺達に戸惑っていたデーモン達も・・徐々に慣れおかわりを求めていた。




意外だったのは・・




レッド・ブラックデーモンの民衆は最初こそ警戒したがすぐに俺達に慣れた、

どうやら俺達の噂は辺鄙な内陸部まで行き届いていたらしくすぐに馴染んだ、

逆に俺達の食料等に興味が沸いたらしく・・意外な形で実現することとなった。




皆喜んで非常食を食べてはいるが・・皆無口で涙を流しながら食べていた、

おそらく亡くなった身内等と一緒に食べたかった・・俺達は言葉が出なかった、

今俺達に出来ることは・・目の前の民衆を一人でも多く普段の生活に戻す事だ。




本来は沈没船を調査するために搭載されていた2機のヘリが大活躍、

プレハブや魔力エアコン等重量物を頻繁に運び地上の組立班に渡す、

各艦の救援物資は完全に無くなったが・・なんとか生活の目途がつく。




各艦はその後も内陸部の街や村に繰り返し移動、理由は治療と精神的ケアの為、

空飛ぶ病院と化した第7艦隊は一か月ほどデーモン領地を飛び回り大忙し、

そのため艦内の備えも・・残り3日分しかなく大急ぎで戻る羽目となった。




・・・




帰る際ブラックの王子とレッドの王女がついてきた、とりあえず客人として対応、

ミオやレイ、ユイと一緒にホテルで当分生活してもらう・・




・・・




5人は一目散にルーム国を観光、王子はなかなかのイケメンなのでミオが狙う、

レイは同じ王女であるレッドの王女と仲良くなり・・ユイは全員を見守っている。




だが・・・




この5人以外は全員ダウン!エリーナやデーヴィド、天聖族と天使族もダウン、

ヒミコとハヤテ達も・・あれだけ楽しみにしていた昇進授与式も延期する始末、

その中には俺やブルーアイズ、猫達も疲れ果て部屋に籠り深い眠りについている。




その理由は・・・




大和・武蔵・信濃・紀伊・モンタナ・・・




あれだけの大型艦を一か月以上地上に降ろさず空中に浮かばせていたから、

大和が大体65000~70000トン、信濃に関しては艦載機も追加となる、

内陸部はこれらの艦を降ろせる場所が無かったので常に魔力を注いでいた。




落したら大参事なので皆は必死、なので戦闘後全員が天然石に魔力を交代で注ぐ、

戦闘員は艦を落さぬよう魔力を注ぎ、その他は治療や復興に全力を注いでいた、

そのため帰還した時・・艦がドックに入った瞬間全員意識を失いその場に倒れた。




艦もガタガタだった、一か月も強制的に空中に浮かばせていたのがその理由、

液体の上に浮かばせる設計のため長期間の空中移動は想定に入っていなかった、

全体を浮遊石で浮かせていたとはいえ・・重力の影響をあちこちに受けていた。




第7艦隊全艦が・・




各部の金属疲労が激しいので大改修!当分使えない事となる、なので・・

乗組員は疲弊に加え艦が使えないため改修が終わるまでルーム国待機となる、

ルーム国では自由だが緊急時に備え他の大陸に行くことは原則禁止となる。




というわけで・・




俺達はしばらくの間自由行動、デーモンに関しては第9艦隊が対応している、

第7艦隊以外は飛べないので空母から大型ヘリで救援物資を運んでいるらしい、

まあ俺達が運んだ物資でとりあえず民衆は落ち着きを取り戻しているらしい。




それと同時に・・現在ブラックデーモンの王を裁判にかけているそうだ、

自国を守る行為とはいえ・・危険なゾンビを大量召喚してしまったのも事実、

特にとばっちりを受け大被害が出たレッドデーモン達はものすごく怒っていた。




この問題には俺達は関与していないが・・




ブルーのアレスとリモートで話し合い、この場合俺コウだとどうするのか?

こう尋ねてきたので・・




俺ならまずこれらを検討すると・・こう答えた。




● デーモン王の失態は間違いないので罰は与える必要がある。



● さらに住民投票を行い多数決で王の処罰を決める。



● 王を擁護する声が多い場合恩赦を与えそのまま国を治めさせる。



● 王への処罰を求める声が多かった場合財産や爵位没収後に追放。




さらに・・




今迄デーモン達は争いを繰り返していたので王の対処は理解できる、

だが大勢の民衆が死んだこともあり・・俺なら追放を考えるが・・

しかし以前人間の世界で追放された王族達はその後虐殺されている。




なので俺はアレスに逆質問、ブラックデーモン王の性格や人望等を尋ねた、

アレスの返事は・・警戒心が強いがそれほど横暴でもなく常識も持っている、

民の信望はそこそこ、現時点処罰を求める民衆は3割と微妙な状況だそうだ。





これを聞いた俺は悩む、暴君なら厳罰もためらいは無いが中途半端・・




目線を変えると脅威に備えての行動だったので王としては当然の行為だ、

結果は最悪でも民衆を守ろうとした行動を責めることは筋が違うと思う、

実際王自身が結界を展開し子供達を守っていたのも事実だ。




なので追放にしても恩赦にしても・・




蟠りが残りそうなので長期的に対応できる案が必要だと考えた。




そこで俺が考えたのが金銭的賠償、被害を受けた者すべてに賠償を行う、

王という位だから相当な財産があるはずだ、それを賠償に当てれば・・




「コウさんそれは出来ません!ブラック王の財産は1億ギル程度です」




・・・




全然足りないな~~




アレスも金銭的賠償を考えたそうだが・・




ブラック領地はあまり豊かでは無く追い打ちをかけるように家を焼いている、

領地は広いがこれといった特産物も無くレッドデーモンとこう着状態だった、

そのため王であっても余裕が無く民衆は飢えを凌ぐので精一杯・・




このような状況だったので・・




・・・




王としては俺達と関わるのを恐れていた、というのも他のデーモン達は裕福、

飢えは消え衣類は新しくなり娯楽等が増え生活がどんどん向上していった、

この事が民衆に知られたら・・




・・・




国から逃げるのを恐れ戦力を増やそうと召喚を繰り返したので賠償は免れない、

だが肝心の金銭や資産などがほとんど無いのでアレスも困っていた。




・・・




俺は頭を捻り考えた、前の世界でこのような場合どうやって償うか・・



・・・






1つ思いつくのがあった、それは日本の生活保護や年金制度を参考にする事、

俺達が予算を立て替える代わりに領地を使う許可を貰い現地のデーモンを雇う、

そこで得た利益を使い被害を受けた者に生活費や年金を支給する案を思いつく。




似たような制度は天使族が行ってはいるが・・デーモン領地では初めてとなる、

これにはブラックの王族とレッドの王族にも話をしておく必要がある、

この事をアレスに伝える・・・




「わかりました、現時点では最善の案だと思いますので伝えておきます」




ここでアレスとのリモートは終了、俺は返事を待つ間店舗計画を考えていた。




2日後・・・




アレスから要望があり各地の幹部と話があると言うので急ぎ各幹部が集まった、

各幹部は特別会議室に集合、来れなかった幹部はリモートで参加する。




観光をしていたブラックの王子とレッドの王女も会議室に招き参加させる、

ミオとレイも参加させてほしいと懇願したので俺は許可した。




こうして・・




ブラックデーモン王への処罰を・・




話し合うこととなった。
























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