ドラゴンゾンビの猛攻と最短距離を飛ぶ第7艦隊
ブラックデーモンが大量召喚した黒く不気味で巨体な化け物の群れ、
それは翼の生えたドラゴンゾンビで理性は全く無く獰猛なゾンビ、
突如空間に出来た複数の穴の中からうじゃうじゃと湧き出る。
「う・・うわわわわわ・・・」
ブラックデーモンの国王たちは当初こそ喜んたか恐怖に変わる、
理性が全く無い化け物たち、目に入った生き物を見境なく次々狙う!
「ギャアアーーーー」
「グワアアアアアア~~~~!!!」
領土では悲鳴か途切れず民衆は逃げ惑い次々と餌食となっていく。
「全軍攻撃開始!ドラゴンゾンビを蹴散らせ~~!」
「キィイイイーーーーーン!!!!!」
すぐさまブラックデーモンの軍隊も出撃し反撃、上級魔法で攻撃、
たがゾンビたちは魔法に関しては免疫があるらしく瞬時に傷が塞がる、
なのでデーモンの軍人たちは武器・・石や槍等の武器を持ち攻撃する。
しかし石の武器だと威力が弱く足止めが精いっぱい、犠牲者か増える、
瞬く間に軍の三分の一が戦闘不能となり王達は広範囲に結界を展開、
なんとか凌ぐも身動きが取れずゾンビ達に囲まれてしまった。
これを境界線近くで見ていたレッドデーモン達、まずは静観の構え、
だがブラック達の劣勢を見て・・このままだと次は自分達だと悟る、
レッド達は急遽参戦、魔法で空間の穴を塞ぎ魔物を抑える行動に出る。
これが功を奏し・・・
魔物の新たな流出は抑えたが・・
すでに出てきた大量のドラゴンゾンビはレッド達に気付き攻撃を仕掛ける、
レッド達は軍を総動員して攻撃、おかげでなんとかブラック達の全滅は免れた、
たか攻撃魔法が効きにくい相手にレッド達も大苦戦、犠牲者が増えていく。
切羽詰まったレッドとブラックの王達は・・
苦肉の策として他のデーモン・・ブルー達に援軍を仰ぐことを決意する、
すぐさま各地に密偵を放ち結界で時を稼ぐ、密偵は一目散に各地に走る、
真っ青になりながらブルー達に現状報告、ブルー達もこれを聞き青ざめる。
「わ・・わかった!すぐに俺達も向かう!」
アレスはすぐさま俺達に現状報告、各地に援軍を要請した、そして・・
先陣を切り第9艦隊が緊急出撃、輸送重巡・軽巡・駆逐・簡易駆逐艦も出撃、
魔法が効きにくいと聞いたアレス達はバズーカー等を追加配備し出撃した。
「グギャアアアアア~~~!!!」
ドラゴンゾンビたちはデーモン達の結界に無差別攻撃、結界は何とか耐える、
だが広範囲に結界を展開していることもありデーモンの魔力が少なくなる、
このままでは2日と持たないだろう、王達の焦りが止まらない。
その頃俺達第7艦隊はイエロー領地を出た時だった、アレスの報告に驚く俺達、
俺達はすぐさま衛星でブラック領地を確認、ちなみに普段閲覧はしていない、
覗きのような行動は慎むべきとアレスが進言、俺達も賛同していたからだ。
だが今回は緊急事態の為衛星を向けて上空から確認、モニターに映し出される、
これを見てブラックとレッドの境界線で空間が歪みゾンビ達が出てきたと結論、
どちらも甚大な被害が出て・・なんとか結界で凌いでる姿を衛星が捉えた。
俺達が今いる海域は・・
攻撃を受けている地域の真反対、大幅に迂回しないと駆けつけられない、
例えるなら・・俺達が今いる地点が高知県で被害を受けている所が香川県、
海から向かう場合愛媛県か徳島県の海域を通らないと駆けつけられない。
だが現地はこれ以上に距離があるため・・
どちらから向かっても・・最大船速でも2日はかかるため間にあわない
アレス達は既に出撃しているが・・こちらも2日はかかりそうな感じだ、
ブラック達の苦しそうな状況を見ていると2日持たないと俺達は判断した。
俺はアテナとゼウスに緊急連絡、第7艦隊の特殊装備の使用許可を求めた、
アテナ達はデーモン領地に入る前に聖域に帰っていたのでここにはいない、
俺が前アテナ達と話していたことの一つは・・この特殊装備のことだった。
「それはいけません!まだあの装備は隠しておきたいのです!」
「隠したい気持ちはわかる、だがそれだと間に合わないんだ!」
「それはわかりますが・・」
「このままだとブラックもレッドもやられる、後に駆け付けても意味が無い、
だから最短距離で行く必要がある、今は割り切って行動させてほしい!」
「・・・」
アテナとゼウスは悩む、第7艦隊の特殊装備はデーモンには見せたくない、
これを見せると各地が恐怖を抱く恐れがある、特に内陸部が危機感を抱く、
ブルー達はともかく勢力が大きいレッドとブラックを刺激したくなかった。
ここで信濃艦長のサユミが懇願してきた!
「私からもお願いします!助けれる命を見殺しには出来ません!」
続けて紀伊艦長のタケシも懇願する!
「ここは俺達に任せてください、後の事はなんとかします!」
続けてモンタナ艦長のデーヴィドが語る!
「あの様子だと明日には結界が途切れる、今は早く駆けつけるべきだ!」
そして武蔵艦長のエリーナが・・頭を下げる!
「お願いです!彼ら彼女達を・・見殺しにはしたくないの・・」
第7艦隊の特殊装備・・それは・・
「浮遊石を使った航空能力」
以前デーモンの世界にあった転送の鏡を異世界に運ぶ際に用いた浮遊石、
アテナ達は大和はじめ第7艦隊にこれを使った航空能力を備えるよう指示、
ヘイゾウお兄さま達は了承、急ぎ第7艦隊に航空能力を備えた。
具体的には・・
浮遊石を鉄板サイズに加工して艦の壁面等に貼り合わせ浮遊能力を備えた、
これに艦や乗組員等からの魔力を注ぐと浮遊石が反応して艦が空中に浮かぶ、
旋回・推進力は戦闘機のジェットエンジンを艦の各部に装備して対応した。
スピードは100km程しか出せないが魔力が続く限り空を飛び続ける、
イメージとしては艦に飛行船の機能を備えた感じだが武器は全部使える、
艦が逆さになっても攻撃が可能、この時一時的に魔法で無重力状態にする。
そのため乗組員は無重力空間でも動けるよう訓練、自分の魔法で体勢を整える、
砲弾などは自動で展開され座る席にはシートベルト等が追加配備されている、
これにより第7艦隊は内陸部も攻撃が可能となり異世界ほぼ全てを攻撃できる。
だが・・
第7艦隊にこの能力を備えた最大の理由は・・
内陸部に大量の支援物資を届けるため、巨体な艦なら一度に運べるからだ、
湾岸地帯なら帆船でも運べるが内陸部・・山奥となると移動だけでも一苦労、
だが艦が空からパラシュート等で食糧等を落とせば即支援が可能となるからだ。
アテナとゼウスは・・
・・・
「わかりました!使用を許可します!急ぎデーモン達を救いなさい!」
「わかりました!!!!!」
各艦の艦長は緊急艦内放送!乗組員に離陸・・いや離海をすることを告げる。
「全乗組員浮遊石に魔力を注げ!艦を浮上させる!」
「了解しました!!!!!!!!!!!!!!!」
全乗組員は魔力を浮遊石に注ぐ、もちろん俺やピンキー達も注いでいく、
巨大な艦なので浮上の際膨大な魔力を要するのでミオ達も協力してくれた、
そして艦は全速前進!勢いをつけて一気に艦を浮上させる!
キィイイイイイイイイイイイーーーーーン!!!!!!
戦闘機の離陸のような感じで5隻は浮上!一気に上空に駆け上がっていく、
高度は約3000mで固定、これ以上の高さの山は見当たらないからだ、
念の為艦内は大量に酸素等を発生させ高山病等を防ぐ処置をしている。
内陸部を飛ぶ第7艦隊、最短距離を飛ぶので大幅な時間短縮となった、
これなら夕方頃には現地に行けるだろう、乗組員は戦闘態勢に入った、
各艦の砲は一斉射撃の構え、信濃艦載機が出撃準備を整える。
その頃デーモン達は・・
猛攻を受けながらも・・
必死で結界を展開して同志を守り・・
・・・
各地からの援軍を期待していた。




