ミィスタァリィ神殿での儀式と海底に潜む巨大なもの
俺の新たな拠点は神殿扱いとされ名はミィスタァリィ城と命名された、
これは英語で「神秘・不可思議」と訳され神族がほぼ強制的に決めた名だ、
以降俺の拠点はミィスタァリィ神殿と言われ重要な行事の場と化していった。
各地の民衆達もここが重鎮たちの会議場と理解したようで違和感はない、
むしろ重鎮達がここに来るとわかっているから探す手間が省けたようだ、
そのためか?重鎮が領地にいない時は真っ先に神殿に問い合わせが来る。
なので・・
この神殿にはなぜかコールセンターがある、商品説明の他に重鎮さがし、
各地から連絡があった時は放送等を行い重鎮達を探す仕事も請け負う、
スマホだと着信拒否されることもありコールセンターは重宝されている。
・・・
なんかショッピングセンターのような感じなんだが・・まあいいか!
それはさておき・・
早速この神殿を使っての儀式がはじまろうとしている、内容は原核譲渡!
神族が持つ特殊原核を俺の子供とデーヴィドの子供が授与する儀式だ、
今回は身内のみ・・恒例の重鎮メンバーがしっかりと席に座っていた。
ルア・エナ・ソアラ・カオルの4人は大緊張!まさか自分達が最初とは・・
それも神族から直接特殊原核を承ることとなり顔が真っ青になっていた、
まあ力を抜いて・・母親たちは子供の成長に感激し喜びの涙を流していた。
・・・
この場合俺も泣いたほうがいいのだろうか?
・・・
一応感激の顔はするように意識した。
壇上の奥を見ると・・なぜか髪ボサボサのアテナとハーデスとアフロディーテ、
どうやら授与式の贈呈の役目を巡り裏で揉めに揉めたのだろう、なので・・
勝って壇上にいるゼウス・ポセイドン・アポロン・アルテミスは満面の笑顔だ。
まずゼウスが語り出す!
「ルーカス・ルア・ウィリアムズは前に!」
「は・・はい!」
ルアはぎこちない足取りで壇上に上がる、ハラハラしながら見るエリーナ、
俺はと言うと・・ルアを信じているので不動の構え、なぜかエリーナが怒る!
「自分の子供をなぜ応援しないのよ!」
とエリーナに耳元で囁かれ・・お尻を思いっきりつねられた。
「貴殿にこの特殊原核を託す!日々精進し共存の為に尽せ!」
俺の悶絶を完全に無視したゼウスがルアに特殊原核を託す、すると・・
原核は光り輝き・・
スゥ・・・・
原核はルアの体内に入り・・ルアが一瞬光り輝いた!
驚きを隠せないルア、だがすぐに落ち着きゼウスにお辞儀!そして宣言!
「僕・・いえ私は誓います!さらに精進し共存の世の中を構築します!」
この言葉を聞いたエリーナは・・感激の涙を流していた。
俺は・・痛みを堪え精一杯の感動の顔をしてルアの宣言を聞いていた。
以降ルナにはアルテミス、ソアラにはアポロン、カオルにはポセイドン、
それぞれの神族から特殊原核を承り・・ルアと同じように宣言していた、
その後各種族は大拍手!未来の希望達に惜しみない拍手を送った。
4人は儀式が済んだ後早速勉強に入った、弟や妹に負けないためだ、
天聖族や天使族はじめ各種族は物覚えが速いので物心つく前に差をつける、
兄と姉の威厳を保つため・・4人は驚く位のペースで成長していった。
その頃・・・
デーモンの領地に戻った第9艦隊、総司令官のアレスがブルーの国王と対談、
グリーンデーモンの要望を聞いたアレスは考える、というのもグリーンとは・・
戦闘もそうだが技術関連でもライバルの存在、それが自分達に要望・・
アレスはリン達を呼び意見を求める、リン達は各地でスパイ活動をしていた、
その時点ではこう着状態、だが民衆が何かを発見し騒いでいた事を思い出す、
しかしリン達は聞いた感じ戦闘に関する物ではないと判断し調べなかった。
それを聞いたアレスは親書を見る、あるものを引き上げてほしいという要望、
詳しい内容は書かれていないが・・かなり巨大なものらしいので判断に悩む、
そこでアレスは俺に相談の電話、俺はアテナ達とある打ち合せをしていた。
アテナはアレスの話を聞き俺との打ち合わせを中断、調べるよう指示を送る、
この言葉を聞いたアレスは使者に返事を伝える!
「貴殿達の要望を承る、準備があるので一週間後に伺うと伝えよ!」
「わ・・わかりました!感謝します!」
使者は一目散に領地に帰る、アレスは各種族に連絡し後方援護を要望した、
相談の結果今回は第3艦隊が向かうことになった。
戦艦 伊勢・日向。
航空母艦 大鳳・千歳・千代田・瑞鳳。
重巡洋艦 古鷹・加古・青葉。
軽巡洋艦 北上・大井・長良・名取。
駆逐艦 暁・響・雷・電。
遠距離ということもあり今回これらは参加を見送った。
潜水艦 伊176型1隻。
専属魔物 クラーケン2匹。
第3艦隊は急ぎデーモンの領地に急ぐ、だが今回は護衛任務に専念、
第3艦隊が選ばれたのは航空戦力は豊富であること、戦艦も艦載機が多い、
最悪レッドとブラック連合軍と戦うかもしれないので用心のためだ。
第3艦隊は5日後にデーモン領地に入った、途中ホワイトの領地で休息、
翌日第9艦隊と合流し後方援護、サルベージ船は全部出港したようだ、
第9艦隊はサルベージ船を円で囲むように展開しグリーン領地に向かう。
スピードが出せないため途中の島で一夜を明かす、乗組員は宴会を始める、
警備を除き乗組員はカラオケ大会や盆踊りなど第3艦隊との交流を楽しむ、
第3艦隊の乗組員も多数参加、だが軍務中なので酒は控えている。
翌日・・
艦隊はグリーン領地に向かう、途中100m位の巨大帆船が姿を現す、
帆船としては巨大だが戦艦に比べると半分以下なので帆船側は戸惑っている、
帆船は旗艦オーディンに近づき縄をかけハシゴを渡し何人か乗り込んできた。
これは事前に聞いていた事でアレスも了承、オーディンの会議室に案内、
ちなみに第3艦隊の指揮官シルヴィとソフィアは今回同行していない、
2人とも妊娠の兆候があったので副官たちが代理で指揮していた。
「ようこそ戦艦オーディンへ!私が司令官のアレスだ!」
「は・・はじめまして、グリーン王国第一王子レグルスと申します!」
「なにか巨大な物を引き上げてほしいと聞いているが間違いないか?」
「はい、わがグリーン領地の北の海になにやら巨大なものが沈んでいます、
我らもいろいろ試したのですが動かないので・・その時貴方方が・・
あの島から巨大な石を運んでるのを見てお願いした所存です」
「それは・・急ぎ引き上げないといけないものなのか?」
「いえ急ぎはしないのですが・・ですがその巨大な物は・・
あちらに見える船に似ているのでもしかしたら関連かと・・」
レグルスが指差した艦は・・戦艦伊勢だった。
アレスは急ぎ伊勢日向の副官を呼び伊勢日向に別の同型艦があるか尋ねた、
副官の返事は・・計画はあったようだが自分達はそれ以上知らないと言う、
だが当時の軍艦は他国から買う場合もあった、金剛などがその例だ。
それを聞いたアレスはサルベージ船をフル動員して巨大なものを引き上げる、
センサーなどで形を調べると・・かなり砕けてはいるが戦艦のような形だ、
引き上げる度船体が砕けるので苦労したが・・夕方にはあらかた引き上げた。
どうやら第二次大戦の時の戦艦らしい、なぜここに沈んでいたのかは不明だ、
だが今回はグリーン達の要望なのでこの船体は丸ごとグリーン達に渡した。
「あらかたは引き上げた、それでは我々は帰るぞ!」
アレスは興味薄そうな顔をしていたが・・裏では写真を撮りまくっていた。
「お・・お待ちください、これが何なのかを調べてほしいのです!」
「それは構わないが・・奉仕と言う訳にはいかんぞ」
「も・・もちろん、それ相応の対価を用意しております」
レグルスの帆船の中には貴金属が大量に載せてあった、これが報酬らしい、
だがアレスはそれらは無視してある要望をレグルスに伝える。
「詳細を調べた後この船の残骸を頂きたい、それなら請け負う」
これを聞いたレグルスは・・
「い・・いいでしょう、ですが包み隠さず教えてくださいね!」
「ああ、もちろんだ!」
こうしてアレス達は・・
謎の残骸を徹底的に調べる行動に入った。