表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
376/794

クリスティーナの誤算と株主総会開催の要望





俺はデーヴィドからの電話を受け急ぎ彼の住む屋敷に向かって飛んでいく、

迎えのヘリには俺とコロ、ブルーアイズと猫、それとなぜかピンキー!

さらにラッドルがそれぞれ一匹俺の傍に寄り添っている。




・・・



???




なんでこの2匹が俺の傍にいるんだ?




疑問に思う俺に・・ラッドルがサキの手紙を俺に渡す、その内容は・・




「コウさんこの2匹はコウさんの傍にいたいと駄々をこね困っています、

なので本人・・いや本匹の希望を尊重し大和に乗り込むよう命じました、

以降の世話はお任せしますのでよろしく!貴方を愛するサキより!」




・・・



俺としてはピンキーとラッドルよりサナとサキの方がいいのだが・・




「キューキュー(訳 これから宜しくお願いします)」



「ぴぃ~~ぴぃ~~?(訳 扱いはブルーアイズ達と同じですよね?)」




・・・



人間の言語は話さないが・・なぜかこの2匹の鳴き声の意味が理解できる、

2匹は俺に猛烈に懐き・・ブルーアイズ達に丁寧に挨拶してゴマすりしている。




・・・




なんで俺の傍には動物ばかり集まるんだ?




傍にいてほしい妻達は営みが済んだら俺を放置するし・・




・・・



なんか桃太郎のような気分の俺、まあ1人よりかは賑やかな方がいい、

なのでピンキーとラッドルの仲間入りを許可!2匹は猛烈に喜んでいた。




「ピピピピピィ~~~!(訳 ありがとうございます~!)」



「キュキュキュキュ~~~(訳 これからもよろしくお願いします!)」




こうしてピンキー1匹とラッドル1匹が俺のお供として新たに仲間入り、

ちなみにどちらもオス、気になる異性はいたがどちらも一蹴されたらしい、

なので俺の傍で嫁さん探し、俺の傍にいれば異性が近づくと感じたらしい。



・・・



なんか目的が違う様な気がするが・・まあいいか!




ヘリは俺の心境など無視して急ぎデーヴィドの屋敷に無事到着する、

ヘリポートにはガルーダのジセル、グリフォンのルミナが俺を出迎える、

俺は2人に案内・・




「きゃ~~~~かわいい~~~!!」



「なにこの可愛いの?めちゃもふもふしてるわ!!!」




2人はピンキーとラッドルを抱いて上機嫌だった。




・・・




ピンキーとラッドルは不満顔、確かに女性は傍に来たが完全な種族違い、

さらにこの2人は特級レベルなので怖さも絡み2匹は落ち着かなかった、

だが逃げて離れるとあとが怖いので2匹は我慢しされるがままだった。




・・・




俺やブルーアイズ、猫達とコロは無視して屋敷の奥に急いだ。




「よく来てくれたな、まあ座ってくれ!」




デーヴィドが俺達を席に案内、俺達は彼らの対面に座って前を向く、

目の先にはデーヴィドとクリスティーナ、そしてサクラとアミーが並ぶ、

ちなみにルミナとジセルはピンキー達を抱いたまま横のソファ―に座る。




「あ~~~ん可愛いわね~~」




「う~~~んこのもふもふたまらないわ~!!」




・・・





ルミナとジセルは一旦無視したデーヴィドが詳細を語り出した、尚・・

なぜか猫2匹は落ち着かない、そわそわしているが俺から離れようとしない、

俺は単純に猫2匹はデーヴィドが苦手と思っていたが、後から違うと知った。




なぜかクリスティーナが青ざめてる、長い付き合いなのですぐわかった、

何か重大なことでも起きたのはなんとなく理解できた。




「実は・・クリスティーナの誤算が大きな問題を起こしたんだ!」




「?何がどう誤算したんだ?意味が分からない」




「お前たちが運営しているDwbの楽器類を妻が複数購入して教室で使った、

それらの楽器を見た弟子の一人がレプリカでもいいからと猛烈に欲しがった、

だがDwbの商品は一点ものばかり、複製を造るにはDwbの同意がいる」




「まあそうだろうな・・同じレプリカを造るには専用の金型等が必要だ」




「妻はヴァレットに頼んだが・・それは自分達のコンセプトに反する、

それに自分達は雇われ人、株主達の同意が無いと無理だと言って断った、

なのでクリスティーナは共有財産としてそれらを飾るだけにしたんだ」




まあ普通そう考えるわな・・




「それで?どうなったんだ?」




「諦めきれない弟子の一人がその日の夜中に侵入し楽器を盗もうとしたんだ、

発見が早かったので即座に押さえつけたが猛烈に泣き出し自殺しようとした、

それは何とかやめさせたが・・謹慎させ以降音楽教室は休業している」




なるほどな・・




この話は俺にもショックだった、苦楽を共にした種族が盗みを行ったこと、

似たような事はあったが冗談の範囲、展示品をマジで盗むとは完全な想定外、

ましてや信頼する弟子が・・冷静なクリスティーナが横で青ざめていた。




ここで俺は・・元いた世界を思い出す。




それは・・貧困しか知らない者が小銭稼ぎの為に無謀を冒す事、

例えば数万円のために麻薬や詐欺などの犯罪に加担し人生を狂わせる、

本人は何気なく行動しただけ・・取り返しのつかない事だと後で気付く。




この苦しみを繰り返さないために・・




負の歴史も隠さずに漫画にして犯罪による精神的苦痛も伝えている、

だが蓋を開けてみると・・それだけでは不十分だったと痛感している、

それはクリスティーナも同じ、浅はかな行動で弟子を苦しめる結果となる。




「事の重大さは理解できた、それで君達はどうしたいんだ?」




「Dwbは顧客を厳選し商品を一般には見せないが購入者は違う、

今回のように教育や美術鑑賞等に使ったら当然欲しがる者も出るだろう、

だがこれらの品は高額で買えない・・盗もうと考えるのも当然だ」




それは理解できる。




「俺が提案したいのはレプリカ等の製造だ、これなら手の届く価格になる、

俺達の住んでいた世界でも商品ランクがあっただろう?例えば車がそうだ、

同じ車種でもハイグレードは高いがベーシックなら価格を抑えられる」




それも理解できるが・・




「今後この異世界は貧困が減り・・富裕が増え各種族は潤うだろう、

その次に来るのは物欲だ、今回のような事はますます増えると俺は思う、

なので人気商品はレプリカを造るべきだ、そうしないと奪い合いになる」




この言葉を聞いて俺は考える、確かにデーヴィドの考えは的を射ている、

だがDwbは至高品を追及する会社であってレプリカを造るのは筋が違う、

ヴァレット達はDwbの理念に共感し働いている、変える訳にはいかない。




「失礼します!!」




ここで・・赤ん坊を抱いたサユミとタケシが部屋に入ってきた、

なぜかサユミは俺に赤ん坊を預け・・めちゃかわいい~~~~!!

そのまま2人は横の席に座り・・語り出した!




「失礼ながら話は聞かせて頂きました、そこで私からある提案があります、

Dwbは理念そのままで動いて頂き関連会社を創立されてはいかがでしょうか?

それには株主同意が必要だと思います、なので臨時総会を開くことを要望します」




???




サユミのいうことは理解できるが・・なぜ彼女が株主総会を要望するんだ?

Dwbの株カードは俺とブルーアイズ達、それと猫やヴァレット達が持つ、

これに関しては妻達にも渡していない、サユミが持っているはずはない・・




「これが私達の株カードです、株主の権利として臨時総会を希望します」




すると・・サユミとタケシがDwbの株カードを取り出す、驚く俺、

次の瞬間デーヴィドとクリスティーナも株カードを取り出した。




「俺達からも要望する、至急臨時総会を開催して頂きたい!」




なんとデーヴィドとクリスティーナも株カードを取り出した、これで4枚、

株カードは100枚しかないので1枚所有でも臨時総会を要望する権利はある、

4人の株主が臨時総会を希望・・俺は断ることは出来なかった。




だが・・どうしてデーヴィド達が株カードを持っているんだ?




すると猫2匹がたまらず俺にすがりつき謝罪をはじめる。




「にゃ~~~~~にゃ~(訳 コウさんごめんよ~)」



「にゃにゃにゃにゃ~~ん(訳 僕たちが賭けに負けて・・)」




・・・




詳しく聞いたら・・麻雀勝負に負けた猫達が株カードを8枚渡したらしい、

猫達はそれぞれ株カードを5枚持っていたので4枚タケシ達に没収された、

そう嘆いていたが・・どー考えても非は猫なので俺は呆れるしかなかった。




ちなみにルミナ、ジセル、アミー、サクラは株カードに興味はないらしい、

だが渡した株カードは8枚、残りの株カードは誰が持っているんだろう?

すると別室で隠れていたエリーナ、カオス、レイナ、アトラスが部屋に入る。




「私達も株主総会を開催することを希望します!」




4人は一斉に株カードを掲げ総会を開催することを要求した!



・・・




俺は・・頷くしかなかった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ