大人気の魔力エアコンとカウノス達の優しさ
革新3体・・いやハヤテ達と話し和解が成立し第7艦隊は反転!
カウノス達が待つ新たな王城に向かって5隻は全速全・・
の前に他の無人島に避難していた各種族を呼び戻す作業で大忙し。
その際プレハブ(魔力エアコン付き)も撤去しようと思ったが・・
・・・
「ウキ~ウキキッキ・・(訳 お願いです、この建物は残してください)」
「ウキウキキッキッキッキ(訳 子供達は暑さに弱いのでお願いします)」
無人島に住んでいた日本猿のような感じのサルの種族が大勢で大懇願!
魔力は自分達で補充するからこのままプレハブを置いてほしいと訴える、
ちなみにこの日の気温は34度、かなり暑い日だった。
光輝族と聖皇族が住むこの星は全体的に暑く山奥にしか雪は降らない、
それもありこの無人島含む各地は蒸し暑い、猛暑だと35度を超える、
なので各種族は一部を除き昼間は日陰で籠ることが多い。
時々爽やかな天気や雨が降ることもあるが不特定らしく予測が難しい、
なので俺達が開発した魔力エアコンは大人気で各地から設置要望が殺到、
出発時に非常用として大量に収納魔法で納めていたが・・かなり減った。
ここで豆知識!
この星もそうだが俺達が今いる異世界は暑い地域が多く雨も少ない、
各種族は極端な時だけ氷魔法等で身体を冷やし暑さを凌いでいた、
だが俺達が来て状況が一変、冷蔵庫やエアコン等を見て驚愕していた。
基本的な構造は俺達の元いた世界と同じ、電源だけ魔力で補っている。
それまでは魔法の範囲で冷却・送風などで凌いでいたが限度がある、
いつ戦闘になるかわからないので魔力は出来るだけ蓄え万一に備える、
天然石が乏しいこともあり魔力で部屋を冷暖するという発想がなかった。
俺達が開発した魔力エアコンや冷蔵庫等は電力を魔力に変換している、
それに天然石を備えて蓄電・・いや蓄魔して部屋丸ごと冷却する、
大量の食糧を冷やして長持ちさせることにより飢餓を大幅に減らした。
そのため俺達は艦に非常食などに加え魔力エアコンとプレハブ等も備える、
救援現場が大概飢餓状態なので水や食料に加え臨時の仮小屋を建てる、
快適な部屋で治療、点滴や輸血などを行い患者の容態を安定させている。
それと・・・
体毛が多い種族も多いので身体を洗いエアコンの部屋で落ち着かせる、
身体についた病原菌を洗い落とすことも可能となり各種族は喜んでいた、
今ではほとんどの施設に魔力エアコン完備、各種族は快適に過ごしている。
ちなみに魔力エアコンは様々な種類があるが艦に乗せてるのは10畳タイプ、
緊急に設置する必要があるので統一規格、取りつけは30分程度で済む、
動力は室外機に備えた天然石に魔力を注くことで動いている。
この異世界・裏世界には魔力がありほとんどの種族が魔法を使える、
なので魔力エアコンに備えている天然石に魔力を注げばすぐに使える、
初級魔法の魔力分で大体2日、中級魔法分だと約5日冷房が使える。
ちなみに価格は10畳タイプで1台約30万ギルとかなり高いのだが・・
上記の理由で魔力エアコンは緊急物資扱いとなり救援現場には無償提供、
そのため代金は各地の幹部が支払うことが多い、俺は相当取られている。
・・・
豆知識はここまで!!!
今回組み立てていたプレハブは大型で1階40畳、2階20畳と広い、
そのため魔力エアコンを6台設置、20畳ほどの広さを2台で対応、
合せると60畳あるが6台の魔力エアコンは余裕で部屋を冷やしていた。
「ウキキッキ(訳 この部屋すごく涼しい~)」
「ウキャキャキャ(訳 もう部屋から出たくないよ~!」
魔力エアコンで冷やしたプレハブの部屋は約26度、めちゃ涼しい、
ちなみにプレハブは台風でも耐えられる頑丈なタイプで保温性も抜群、
ケンタウルスが100人乗っても大丈夫・・なんか聞いた事あるな?
なので・・
これを見た他の無人島の種族も集まり懇願、俺達はどうしようかと悩んだ。
その理由は単純、このサルたちと同じで設備を残してくれと懇願される、
その姿を見た俺達は・・あることを思い出す!
それは・・
その昔ブラックの領地を艦砲射撃したあと被災した住居を立て替えた、
その際お詫びとして魔力エアコンを進呈、それを知った各地の種族は・・
・・・
自分達も欲しいと懇願、なぜか涼しい地域にも懇願され大量生産した、
魔力エアコンは送風・冷房・除湿・加湿・暖房に加え空気清浄も対応、
オールマイティに使えるので各種族は理想の品だと絶賛していたが・・
・・・
これを思い出した俺達は悩む、無人島は複数あるので備えが吹っ飛ぶ、
どー見てもこれらの種族は代金を払えないのでタダで贈呈する事になる、
贈呈に関しては・・これはまあいいのだが・・
・・・
ある意味野生種族の生活環境を大幅に変える代物なので・・
生態系が狂うのではないかと俺達は心配し躊躇・・
「それは我々が監視します!設置をお願いします!」
悩む俺達にリモートで割り込んだカウノス達、話は聞いていたらしい、
いつまでたっても俺達が帰らないので心配して連絡してきたのだ、
今後光輝・聖皇族が全責任を負うので備えを出してほしいと懇願される。
これを聞いた俺達は了承、備えを全部出し各無人島にプレハブを建てた、
そして魔力エアコンも全部設置、あれだけあった備えが全部吹き飛んだ、
なぜか冷蔵庫や電子レンジ等も欲しがるので設置、各艦の倉庫は空となる。
2日後・・
やっと一段落着いた俺達は王城に帰還、この日は警備を除き休みとした、
だが俺は・・どうして野生種族にここまで設備を提供する必要があったのか?
この疑問がどうしても拭えないのでカウノスを呼び考えを聞かせてもらう。
「実は・・この異世界でも年々野生種族が賢くなり要望が絶えません」
「それはわかるが・・魔力エアコンは行き過ぎではないのか?」
「各種族の親がほぼ全滅なので身体の小さな子供は親の保護がありません、
体感してもらってわかるかと思いますが・・この星は猛暑が多いのです、
なので今迄は私達が氷魔法で冷やしていましたがすぐに溶けるので・・」
なるほどな・・
カウノス達がいくら氷魔法を放っても保温設備が無いからすぐに溶ける、
プレハブに備えた魔力エアコンなら監視で済むから大幅に手間が減らせる、
魔力消耗が少ないから親を失った子供を面倒見る余裕が出来るという訳か・・
「そうお考え頂けると幸いです!」
読唇術でもあるのか君は・・・?
「過保護かもしれませんが我らは野生種族を絶対に存続させたのです、
たとえ生態系が狂っても・・もう彼ら彼女らの死は見たくありません、
これから共に歩んでいきたいのです、この気持ちを察知してください」
「ああわかった、そこまでの考えなら安心した、大切にしてやれ」
「ありがとうございます!」
なにはともあれ・・
気になっていたカウノス達の配下種族は・・これで絶滅は避けられた、
街も復興し山の洞窟に畑や温室などを建築して大量生産が可能となる、
暑さを利用しての塩や干物の作り方も説明、部分的だが鉄道も造った。
ある程度の目途がついたので・・俺達は帰ることにした!
皆は大歓声!やっと身内に会えると皆嬉し涙を流していた。
既に転送の鏡を繋ぐ運河や検問所も完成し帰還の準備は整った!
これでいつでも帰れるのだが・・
・・・
肝心のアルテミスとアフロディーテが未だ起きない・・
・・・
「早く帰りたい・・メイドさん起こしに行って!」
「も・・申し訳ありません、それだけはご勘弁を・・」
起こそうにも全員が嫌がるのでしばらく放置しておいた。
そのため・・
俺達が転送の鏡で元の異世界に戻ったのは・・
・・・
2週間後のことだった。