浮遊石・重力石と転送の鏡の輸送作戦
各種族が貧困から富裕に転換するため心身環境を切り替え猛勉強・・
リィブラなど新妻達が妊娠でホテルで滞在しSDキャラに夢中の頃・・
俺は安堵感からか暁暉城でボーとしてのんびりお茶を飲んでいた頃・・
・・・
アシュラ達遊撃隊はフェニックスの大陸を飛び回る、その理由は転送の鏡、
これを探す為にこの異世界に残ったステファニー・クリステル・マリー、
ルネ、レアとヒミコ・・に加えなぜかミユキも捜索に参加していた。
彼女達は珍しい物質を検索する能力があるらしく捜索に参加していた、
全員空を飛べることもありアシュラ達とペアを組んで各地を探す、
現時点大陸には無いようでアシュラ達は海も捜索範囲にしたようだ。
?
えっ?出来損ない達で残ったのは6人だったよね?
ミユキはシグマ達と一緒に破壊神の所に向かったんじゃないの?
俺の疑問に答えるかのようにミユキが涙目で訴える!
「ヒミコ様・・いえあの馬鹿は私だけ見えない糸で縛ったのです、
シグマ様達が移動を開始した時私だけ糸で引っ張られ戻されました、
以降私はあの馬鹿の側近として身の回りを世話させられています」
・・・
蜘蛛みたいだな・・
でも嫌なら離れればいいんじゃないのか?
もう部下でもなんでもないんだろ?
この俺の疑問にヒミコが一言!
「ミユキは私の世話をするべき存在なの!だから残したのよ~!
この娘がいないと私は単なる「ずぼら」扱いされるのが怖いのよ!
だから残したの!これからは私の秘書として働いてもらうわ~!」
・・・
ミユキが逃げたくなる気持ちがわかるような気がする。
だが・・
意外にもミユキとヒミコは仲が良く・・というかヒミコがベッタリ、
貢いでいた男性陣が消滅したので拠り所はミユキしかいないからだ、
ちなみにステファニー達はヒミコが苦手らしく距離を置いている。
・・・
彼女達の問題なので俺はスルーした。
それはさておき・・
アシュラ達はヒミコ達を引き連れ5手に分かれ広い大陸を捜索していく、
その目的は転送の鏡、まだこの地だけは発見されていない、尚・・
人間の世界の転送の鏡はイースト大陸の山奥にあり一部が飛び出ていた。
というのも・・
シグマ達が膨大な食糧の対価として残したある物質・・
「浮遊石」
と・・
「重力石」
が手に入ったからだ!
浮遊石は魔力を注ぐと宙に浮く珍しい石、重力石はその逆となる、
シグマが置いていったこれらの石は・・大きさは1m位の四角い石、
これらの石は魔力を注げば注ぐほど宙に浮き驚くべき重さとなる。
例えば浮遊石を巨大な岩の四方に鎖等で繋ぎ魔力を注ぐと浮き上がる、
中級クラス4人が限界まで魔力を注ぐと岩は100m位浮き上がった、
逆に重力石を大岩に乗せて魔力を注ぐと極度に重くなり岩は砕けた。
これらが各50個、合計100個を俺達が買い取る形となった、
その対価は俺達の世界の食糧、急ぎ各地に配給して飢えを凌いだ、
シグマ達に食料を奪われた人間達は代わりを貰い安堵していた。
神族のゼウス達はこの石を見て歓喜!これで転送の鏡が運べるそうだ、
具体的にはデーモンの裏世界にある転送の鏡は浮遊石を使い浮かせる、
人間の世界の転送の鏡は周りを重力石で砕いてから浮遊石で運ぶ段取り。
既にこの異世界の転送の鏡は神族が聖域に運び様々な調査をしていた、
なぜか神族達はテスターや電流計など俺達の測定器を見事に使いこなす、
だが転送の鏡は2つないと単なる鏡のような石に過ぎなかった。
神族は予期せぬ出来事を警戒して3つの裏世界に行くことは躊躇している、
だが転送の鏡は約250m位の巨大な縦長の石なので神族以外は運べない、
そこで神族はこの浮遊石を使ってこちらに運ぶように各種族に指示していた。
まずブルーデーモンのアレス達が動く、第9・10艦隊が合同で島に向かった、
念の為各地のデーモン達にこの島を調査・一部発掘すると手紙を送り動いた、
各地のデーモンは静観の構え、まだ俺達と関わるのは抵抗があるらしい。
「こちらは繋がったわよ~~」
「こっちも大丈夫!これだけ頑丈なら浮くはずよ!」
リン達が急ぎ転送の鏡と浮遊石を特殊なワイヤーで繋ぐ作業をしている、
夜だと目立たないが巨大すぎるため危険と判断して輸送は朝に行う事となる、
遠方でその様子を見ていた多数のデーモン船団、あえてそれは無視した。
「用意は出来たな!では浮遊石に魔力を注ぐぞ!」
アレス達特級クラスが浮遊石に魔力を注ぐ、ちなみに使う浮遊石は全部、
念には念を入れ最大の備えで行動、魔力を注ぐと浮遊石はゆっくり浮いた、
そして・・転送の鏡もゆっくり浮きあがっていく。
戦艦ジークフリートとオーディンにワイヤーが繋がれゆっくり牽引する、
その左右には戦艦シャルンホルストとカイザーが並び僚艦を護衛する、
少し離れた所では航空母艦オスヴァルト・メッシーナ・アデリーンがいる。
3隻の航空母艦は輸送重巡改・輸送軽巡改・輸送駆逐艦改が護衛する、
各空母は念のために戦闘機を出撃、転送の鏡を囲う形で飛んでいる、
遠くにいるレッド・ブラック・グリーンのデーモン達がそれを見守る。
「あいつら一体何を・・えっ?巨大な岩が浮いているぞ?」
「ま・・マジかよ・・あの艦めちゃくちゃデカくないか?」
「ひっ・・引っ張っているのか?一体どうやって?」
遠くからでもはっきり見える・・デーモン達は全員目はいいらしい、
転送の鏡が浮き上がりそれを巨大艦が引っ張る、異様な光景だった、
それぞれ緊張が走る、どちらも相手の行動を警戒しているからだ。
だが・・
他のデーモン達の王は・・
俺達と戦闘になると大損害が出て最悪復興不能と見たようだ、
そのため部下達には攻撃された時だけ反撃するよう厳命を送る、
俺達も転送の鏡の輸送が目的なので戦闘を避けるよう慎重に行動した。
緊張の中アレス達はイエローの領域に入る、船団もついてきたが引き返した、
異世界に戻る門の前でジークフリートとオーディンは縦並びとなり進んだ、
先頭がジークフリートでオーディンが牽引されるような形となる。
これは万一洞窟内で何らかのトラブルになった時に備えこの体勢となる、
アレス達は魔力を調整しながら転送の鏡をゆっくり洞窟に送り込んだ、
10m程度の隙間しかなかったのでアレス達は魔力調整を慎重に行う。
移動は3ノット(約1・5km)程度のスピードなので1時間を要し外に出た、
特に大きな問題もなくデーモン領地の転送の鏡は無事この異世界に運ばれた、
報告を受けた神族ハーデスは急ぎ転送の鏡を受け取り聖域へと運んでいった。
ちなみに人間の裏世界の転送の鏡にはこの後第4艦隊が向かう予定だった、
だがアレス達が要領を覚えたからと言って第4艦隊の指揮官カオスに懇願、
自分達に転送の鏡を回収・輸送させてほしいと言うのでカオスは了承した。
アレス達は即行動、周りの岩を重力石で砕く手間があったが他はほぼ同じ、
慎重に輸送し無事この異世界に転送の鏡が運び込まれた、それを知ったゼウス、
急ぎ回収・・なぜかポセイドンと口論となり揉めに揉めていた。
「あの転送の鏡は私が調査する!」
「いいやここは私に任せろ!君は聖域で待機するんだ!」
・・・
どうやら2人は暇だったらしく転送の鏡を自分が調査すると譲らない、
他の転送の鏡はアポロンとハーデスが唾つけているので手出しできない、
なので人間の世界の転送の鏡が来たという知らせを受け・・揉めだした。
・・・
呆れたアテナが仲介に入り一旦落ち着いた、そしてジャンケンで対決、
さすがは神と言うべきなのか・・30分以上あいこをくりかえしていた、
そして決着!アフロディーテが隙見て転送の鏡を回収、調査していた。
・・・
俺はこれ以上この事に関わるのは避けることにした。
これで3つの転送の鏡が揃った、だが神族はもう一つも探すように厳命、
どうやら何か考えがあるらしく2組の転送の鏡を用意する必要があるようだ、
現時点それは知らされていない、アシュラ達は海を広範囲に捜索していた。
そうして・・
「あっ?あれじゃないかしら?」
「えっ・どこですか?私には見えないのですが・・」
「無理ないわ、海底の砂に埋まっているのよ!」
ルネと霧生のペアが海底の・・砂浜のような所に沈む転送の鏡を発見する、
2人はアシュラ達にスマホ連絡、ちなみに霧生とルネもスマホを持っている、
他もメンバーもあっさりスマホを覚え熟練者のように使いこなしている。
アシュラ達は現地に集合、試しに全員潜ってみて引き上げに挑戦してみた、
だが転送の鏡はビクともしない・・周りの岩が邪魔して動かせなかった、
息も続かないのでアシュラ達は一旦浮上、オリオンに戻り対策を考えた。
だが海底は複雑な地形、環境を考えると闇雲に周りを壊すわけにはいかない、
アシュラ達は色々と考えたが結論が出なかったので各種族に相談メールを送信、
するとデーモンのアレス達が試したい方法があると連絡してきた。
その方法とは・・
アレス達が俺達のある海底作業を知り製造していた特殊艦・・
・・・
複雑な形をしたクレーン、サルベージ船を使った・・
転送の鏡の引き上げ計画だった。