自業自得の領主達と富裕への取り組み
各地の王達は競うようにDwbに訪れハイブランド商品を次々購入する、
その際自分達もDwbに関わりたい・・カオスと同じことを要望してきた、
だがヴァレット達はカオスと同じような提案をして関わりを拒否していた。
その代わりヴァレット達は培ってきた技術に加え俺達から吸収した知識、
これらを別分野なら包み隠さず教えると各種族に約束していた。
そのため各地の王はDwbを参考に別会社を創設する案を真剣に考えていた、
理由はカオスとほぼ同じ、貧困と傲慢意識が強い部下が多いのが大きな理由だ、
今後は各地が貧困から富裕に変革する必要がある、それを焦っているのだ。
例えばカオス達が支配している西の大陸は魔族・人間への扱いが低かった、
特に魔族は・・他が苦しいとはいえ猪と小魚を交換させられる位酷かった、
そのため住み慣れた地を捨て他の大陸に移住を検討している者も多かった。
俺達が召喚され各地を豊かにしたことで・・その恨みはある程度薄らいだ、
だが未だに今迄の立場を押し付け弱い者いじめをする輩も数多くいる、
さすがのカオス達も広大な地での末端の虐待までは目が届かなかった。
俺達がいた世界では戦争後事業を立ち上げ巨万の富を得る会社が次々創設、
農業しか知らない地域の人材を誘致して工場などで働かせ豊かになった、
その反面・・不便な地や横暴な領主等がいる地は人が離れ過疎が加速した。
この歴史を漫画で見て知った領主達は焦る、似たような経緯が多いからだ、
特に虐待され二束三文でこき使われた種族はそれらへの恨みは半端ない、
今はネットがあるのと各地が好条件で人材・・いや種材を募集している。
そのため数多くの種族が・・
故郷を捨て新天地で働く者も増えてきた、例としてフェニックスの島がそうだ、
ここは以前ユイ達が島民の食料を略奪して眠る仲間達に貢いでいた経緯がある、
謝罪はしたが島民のほとんどが戻らず白の大陸の工場で働き楽しく生活している。
これと同じような流れが各地で起きている・・
このままでは自分達が取り残される・・
だが今の身分を捨てるまでの度胸はない・・
悩む各地の領主が王達に相談する、図々しい話ではあるが無視は出来ない、
いままでは貧困と弱肉強食、強い者が富を得て末端は奴隷に近い時代だった、
だが俺達が差別なく惜しげもせずに最新技術・知識を提供したことで・・
・・・
奴隷扱いされていた末端の種族は・・
立場が変わり新たなる・・生きる希望を見つけた!
各地に鉄道が開通し移動が容易でスマホで情報を手に入れ通貨も流通した、
末端の種族達の多くは故郷を離れ新天地に希望を抱き次々と旅だった、
その多くは・・俺達が管理していたこともあり今は笑顔で生活している。
当然ながら・・・
その手の噂は伝達も早く自分も新天地で頑張りたいと考える種族も増えた、
そのため扱いの酷かった地域は次々と種族が去り過疎化が一気に進んでいた。
反面俺達がリニューアル・・というのかな?の地域は発展しまくっていた。
この事は西の大陸はじめ東の大陸や白の大陸などでも大きな問題となった、
栄える地域は栄えるが・・反面根こそぎ種族が去り過疎集落も増えている、
そこに残るのは横暴な領主達だけ、まあ自業自得と言えばそれまでだが・・
しかし無視は出来ない、貧困から富裕に変革するためには食糧確保が大前提、
不便や不満だからとその地を完全放棄すると農業や産業が縮小するからだ。
俺達がいた世界では・・
森林等を伐採し条件のいい場所に新たな町や工場を造って産業を活発化させた、
だがその反面膨大な自然破壊を繰り返し気象が不安定となり災害が多発化した、
それにもかかわらず各地で自然破壊を繰り返し・・さらに災害が増えている。
この異世界の種族は自然と調和していることもあり環境破壊はもってのほか!
そういう意味では遙かに制限が厳しく山や森林を伐採しての開発は出来ない、
そのため既存の集落や畑などの土地を有効活用しないと先で行き詰るのだ。
実際栄えている場所・・例えば駅付近等は都市化が進み大勢の種族が移住、
密集地帯となりアパート等が増えたが環境問題もあり建築を制限している、
だが次々と移住者が増えるのでパンク寸前、王達は至急対策を考えた。
そこでカオス達が考えたのが株式会社方式、各地の地形や状況に応じた産業、
これらの会社を複数創業させ職と住処を提供し幅広く他所の種材に来てもらう、
既に去った者達を呼び戻すのではなく新たに募集し移住してもらう考えだ。
カオス達はこの方式を衰退した各地の領主に提案、だが領主達は渋い顔、
提案の中には厳しい制限や条件があり領主たちは規制の緩和を訴えた、
だがカオス達は衰退した原因は領主達にあると断言しそれを拒否した。
ちなみに従業員も含めた制限や条件の内容は・・
● 年に2度業務決算を行い採算割れの場合は調査員を派遣させる。
● 年に数回抜き打ち検査を行い作業環境を厳しくチェックする。
● 年に1度全員に健康診断を受けさせる、費用は全額会社負担。
● 採算割れが2年続いたら会社の代表(領主)を交代させる。
● 虐待やいじめ等はもってのほか、厳重に調べ加害者は罰する。
● 仕事時間は一日8時間以内、休憩と週二日の休みは必ず行う事。
● 従業員は真面目に働く事、度が過ぎたサボり等は減給・解雇とする。
● 会社は適正な給与を毎月従業員に支払うこと、遅延は許されない。
● 領主は上記を必ず守ること、ただし災害等やむを得ない事情、
それらで救済を要する時は状況に応じ王達が救済を行う。
俺達の世界・・日本ではほぼ当たり前の職務内容だが領主達には厳しかった、
今迄は威圧や脅迫で物事が進んでいたので・・それが当たり前となっていた、
だが今後横暴は許されない、さらに赤字が2年続くと自分が追い出される・・
・・・
領主達は・・背筋が凍る思いで会社のシステムと事業を猛勉強していく、
期限内に成果を出さなければ自分が追い出される、他に行くと末端となる、
それだけは絶対嫌だと・・ある意味心を入れ替えて事業に専念していった。
ここで豆知識!
デーヴィドのおばあ・・いやいやナターシャお姉さまは通信関係の専門家、
その愛弟子たちは通信関係に加え芸術や金融知識などの専門家が多数いる、
その中にはウォール街で証券取引所や金融業界で働いていた者も大勢いる。
ナターシャおねえさまは彼ら彼女らに指示してヴァレット達を専門教育、
これに加えこの異世界独特の事情に配慮した金融や証券の構築を指示した、
それは物々交換を含めたあらゆる商品の取引を可能な限り適正化すること。
例えばブラックの領地にいた羊の魔物は自分の体毛を売り食糧と交換、
その際に問題になるのは体毛の価格がいくらなのか?を明確にしていく、
相場を知らない羊が損をしないように配慮・・に加え過剰な行動を抑える。
ある羊の魔物が・・
スイカ欲しさの為まだ生え変わらない自らの体毛を食いちぎり売っていた、
そのような暴挙を防ぐため生え変わっていない体毛は買い取り不可とした、
その代わり後から体毛を貰う代わりに先にスイカを渡すようにした。
これは先物取引の応用、その地の主も連帯責任者となり取引をする、
スイカの価格が千ギルだとすると・・生え変わった体毛を千ギル分頂く、
先でどちらの価値が変わっても取引には変更が無いなどを模索している。
豆知識はここまで!
多種多様な種族がいるこの異世界・・
完全とはいかないが・・
皆貧困から脱却して・・富裕に変わろうと猛勉強している。
それを見ている俺達は・・
・・・
共に頑張ろうと・・日々を切磋琢磨している。
いつも御閲覧・応援頂きありがとうございます。
おかげさまで新型コロナの病状もある程度落ち着き日々を過ごしています。
ですが・・
その間に溜まった仕事が山ほどあり可能な限りこなしています、
幸い同僚たちが手伝ってくれますが量が多くて多くて・・
・・・
しばらくの間更新は遅くなりますが出来る限り今のペースを維持します!
これからも応援宜しくお願いします。




