王城での話し合いと戦闘機の進化
破壊神の出来損ない達はニヤニヤ笑いながら扉方向を見ている、
その足元には王を始め側近が白目をむいて倒れていた、さらに・・
各地の小国の王達もまとめて集めたようで同じように倒れている。
「そこにいるんでしょ?歓迎するから入っていらっしゃい!」
扉に向かって語りかける出来損ない達、サギタァリオ達は気づかれていた、
気配は完全に消していた4人だが・・侵入者用のトラップが仕込まれていた、
それは意外な場所に仕掛けていた、なんと川のほとりに複数仕込んでいた。
これに虚空が使っていた酸素ボンベが接触、トラップが反応していたのだ、
侵入の段階で気づかれていたのだが・・敵はあえてこちらの侵入を許していた、
それに気づかなかったサギタァリオ達は・・敵に囲まれる形となる。
・・・
サギタァリオは深呼吸して扉を開ける、そして王室の部屋に入っていく、
それを拍手で歓迎する出来損ない達、倒れている王達を部屋の隅に移動させる、
そうして上座に全員着席、サギタァリオ達は下座の椅子にゆっくり座る。
そして会話が始まった!
「サウスの王城にようこそ!・・ところであなた方は・・どなたですか?」
「私達は・・ここで言う裏世界から来た者です」
「なるほど・・ではどのようなご用事でこちらに来られたのですか?」
「貴方方が各地で暴れ・・それを逃れた難民達が友好国に逃げてきました、
人道的立場から我々は無視できずそれらを助け暴挙を食い止めに来たのです」
「それはお疲れ様ですね、では我々と一戦交える気なのですか?」
「状況次第ですね、素直に元通りにしてもらえれば見逃してあげます」
「それは滑稽ですね、自分達の立場が分かっているのですか?」
「それは・・私達と一戦交えると解釈してよろしいのですか?」
「貴方方が望むならそうしましょう、出来れば戦いはさけたいのですが・・ね」
サギタァリオ達は・・ここで笑う。
「ウフフフ・・」
「なにがおかしいのですか?我々の方が圧倒的に優位なのですよ?」
「なにか勘違いされていませんか?」
「・・?わかりませんね、ご説明願います」
出来損ない達はサギタァリオ達は4人だけなので見下していた、
だがサギタァリオは笑う、なぜなら俺達には・・
「我々の諺で・・
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」
という言葉があります、ご存じですか?」
「・・?初めて聞きますね、ご説明願います」
「わかりました、この諺は危険を冒さなければ成功は得られないと言う意味、
私達があえてこちらに伺ったのは貴方方の人数や強さがわからなかったから、
だけど・・こうして対面してもらったおかげで手間が省けました」
「なるほど・・なかなか余裕ですね?でも無事に帰れますかね?」
「それは余裕ですよ、私達には強い味方が沢山いますから・・」
「ほう?でもここには貴方方しかいませんけど?、さらに・・
近辺には私達の部下が警護しています、入る隙間などありませんよ?」
「あら?私達はあっさり潜入できましたが?」
「それはお話がしたかったからですよ、愚かな輩の顔が見たかったので・・」
「ふ~ん・・ではその愚かな輩に倒される貴方方は・・何なのでしょうね?」
「言葉に気をつけた方がいいですよ?消されたいのですか?」
「出来るものなら・・やってみたらどうですか?」
「フフフ・・では遠慮なく・・」
出来損ないの・・1人の男性が席を立ち死魔法を唱えようとした瞬間!
ズキューン!!!
即座に朱雀が銃を取り出し威嚇射撃、弾は出来損ないの頬をかすめる、
それに驚く出来損ない、そのためか魔法は制御を失い瞬時に消滅していた。
「下手に動かない方がいいですよ、こちらは瞬時に攻撃できます」
驚きを隠せない出来損ない達、見たこともない武器に焦りを覚える、
ここで出来損ない達は俺達を侮れない敵だと感じたようだ。
「な・・なるほど、大きな口をたたくだけありますね」
「一応お尋ねします、撤退しますか?それとも戦いますか?」
出来損ないの女性は仲間に極秘テレパシー、ここは決闘に持ち込めと進言、
余程銃に驚いたと同時に・・嫌な予感がしたからだ、仲間もそれを聞き了承、
そして女性が口を開き決闘を申し込んできた。
これに関しては出来損ないの女性の勘が当たった、というのも・・
戦いを選んだ場合俺達は即座に艦砲射撃を仕掛け王城を吹き飛ばしていた、
サギタァリオ達は発信機を持っているのでピンポイントで狙えるからだ。
ちなみに赤城・加賀・鳳翔の3隻から戦闘機が既に離陸、近辺を飛んでいた、
俺達が改造を加えていたのは艦船だけじゃない、戦闘機も大幅に改造している、
その一つが騒音対策、戦闘機の爆音を大幅に小さくしているのだ。
今迄は3~4km先でも爆音が響いていたので敵にも気付かれやすかった、
だがエンジン始め各部品を徹底的に見直し大幅な騒音対策に成功している、
今では1km程度離れたらほとんど聞こえない位騒音は小さくなっている。
それとレーダーも進化、人工衛星とスマホとの連携で拠点が真夜中でもわかる、
搭載するミサイルも人間の大きさでも追尾可能、ピンポイントで狙えるのだ、
さらに機銃も進化!小型の魔法増幅弾も備え結界を展開した敵も攻撃できる。
戦闘機の弱点の一つであった離陸・着陸距離も大幅に短縮、今迄の半分となった、
これにより小さな滑走路(例えば農業機用の1000m)でも離発着できる、
機体も小型化、大体20mぐらいだったが15m位になっている。
もちろん防御も抜かりはない、今迄は盾状に前面展開していたが変更された、
円状に氷の盾を展開し機体丸ごと包み込むように改良、さらにある膜を張る、
聖級クラスが展開する結界を薄くしてアイスシールドを囲み2重にしている。
これにより1発だが聖級クラスの攻撃でも回避可能、特級だと3~4発防御、
上級以下だと弾き返す、円状にしたのは攻撃の接触面積を最小限にするため、
どこに攻撃を受けるかわからないので・・それなら囲えばいいと単純に考えた。
一番強化されたのがパイロット達、聖級クラスの仲間たちと頻繁に訓練、
天聖族や異世界親衛隊などと訓練を繰り返した事もあり大幅に技術が向上、
1m位の的なら高速で飛んでいても余裕で当てる位のレベルとなる。
話を戻して・・
サギタァリオ達は既に戦闘機隊が離陸、さらに艦隊が攻撃体制なのを知っている、
理由は簡単、その都度艦隊からメールが来て攻撃体制等の報告を見ていたから、
返答に関してはワンボタンでイエスかノーだけ返答、艦隊はそれを見て備えた。
なので・・
もし出来損ない達がサギタァリオを攻撃したら瞬時に反撃出来る、
もし魔法を封じられても関係ない、外に飛び出せば戦闘機が受け止める、
サギタァリオ達は手榴弾等も持っていたので脱出は容易かった。
何重にも備えていた俺達は・・むしろ敵が戦闘を仕掛けるのを待っていた、
出来損ない達が問答無用で攻撃してくれれば躊躇いもなく叩き潰せる、
しかしそれは・・出来損ないの女性一人の予感で抑えられていた。
敵が攻撃してこないのであれば・・こちらも攻撃することは出来ない、
俺達は「共存」をコンセプトにしているので闇雲に攻撃できないのだ、
なので今回サギタァリオ達が侵入したのは敵の詳細を探るためだった。
少し話を戻す・・
「決闘ですか?それは構いませんが・・今行うのですか?」
「いえいえ明後日お願いします、色々と準備があるので・・」
「わかりました、明後日ここに来ればいいのですか?」
「いえ王城の近くにある広場でお願いします、ここでは狭いので・・」
「なるほど・・では決闘はどのようにお考えですか?」
「その詳細は明後日準備が整い次第お伝えします」
「わかりました、では今日は帰ってもいいですか?」
「それはもちろん!明後日お待ちしております」
サギタァリオ達は席を立ち外に出る、あっさり王城から出れた、
奇襲でもしてくれば戦えたのだが・・敵は相当用心深いようだ。
サギタァリオ達は長門に戻り詳細を説明、警戒を最大にして備えた。
だが・・・
その間敵は一切こちらに攻めてこなかった。




