難民達の願いと捕虜拒否の超節約艦砲射撃
第1、第8艦隊は接近戦を避け長距離からの艦砲射撃で敵を撃つ!
理由は大きく3つ、漁船達を守るのと艦隊を出来るだけ敵に見せたくない、
それと・・敵を捕虜にするのが嫌なので遠距離攻撃に専念することにした。
先般もそうだが・・侵略者を捕虜にして貴重な食糧を与えたくないのが本音、
王の命とはいえ弱い者を容赦なく攻撃する輩には今後も関わりたくない、
なので遠距離攻撃で敵を叩き・・撤退したらそのままほっとくことにした。
それに加え・・さらに大きな理由がある!
出発前に小国の幹部や冒険者たちに聞いた話だが・・
大国の王達は意識が戻っても・・侵略した小国は元通りにはしないと言う、
今迄も何癖つけては端数を切り捨てたりして細かな嫌がらせがあったらしい、
周りの目・・他の大国の動向を気にして大きなゴタゴタは抑えていたが・・
・・・
思わぬ形で周辺国を手に入れた大国の王達は本性を出してくると言う、
ほぼ間違いなく手に入れた領土は自分達のものだと言い張るに違いない、
形はどうであれ一度手に入れた領土は絶対返さないと断言していた。
・・・
俺達の歴史でも似たような事は・・山ほどあるから厄介だ!
そうなると・・小国の難民は帰る所が無い。
ここで俺達は小国の幹部や冒険者たち、そして難民の代表者たちに質問、
上記の通りになった場合今後どうしたいのかと尋ねた、その返事は・・
予測できることも踏まえて説明と懇願を言ってきた。
● 既に各地は制圧されているので帰っても住むことは出来ない。
● 万一元通りになっても嫌がらせが加速するのは目に見えている。
● 本音は大国を滅ぼしてほしいが弱い民衆も多数いるので控えたい。
● 俺達の世界の方が遙かに魅力があるので出来れば移住したい。
● その際は故郷に残っている仲間達も救出し受け入れてほしい。
● 衣食住を提供して頂ければ俺達に忠誠を誓うらしい。
・・・
各地の小国の人間達を丸ごと俺達の異世界に移住?
・・・
一体何人いるんだ?
大雑把に計算したら・・約2000万人だそうだ。
・・・
え~~っと・・
さすがに多すぎるので・・
俺達では判断できないので神族達に相談した。
「それに関しては予測していました、でも全員移住希望とは思えません、
住んでる所に愛着もあるでしょうからその気持ちも汲まないといけません、
その辺はこちらで段取りします、まずは敵を叩いてください!」
・・・
神族がそう言うので・・俺達はまず敵を叩くことにした。
各艦は大きく迂回して側面から敵を叩く、港に戻られたら困るからだ、
倉庫に閉じ込められている冒険者たちが超心配なので急ぎ救出したいのだ、
さっさと敵を叩きのめして撤退させよう・・皆の気合いは半端なかった。
そうして・・
各艦はレーダーと衛星画像を念入りにチェック、艦尾に攻撃を集中する、
砲弾の節約も考え重複しないよう相手をきめ細かく決めて一気に放つ、
基本敵一隻につき2発!それ以降は状況次第で決めることにした。
グィイイイイイイイイ~~~~~~ンン!!
超節約モードで砲撃体制を取る第1、第8艦隊、各艦の主砲が角度を変える、
艦は横並びで主砲・副砲を敵軍船に向ける、ちなみに航空母艦も参加している、
戦闘機に関しては今回出番は無し、敵と目があって助けを乞われると困るからだ。
「各艦発射準備整いました!」
「わかりました!」
全艦照準完了!それを聞いたメディが攻撃開始の命を出す!
「全艦攻撃開始!敵軍船を蹴散らしなさい!!!」
「撃ち方~~はじめ!!!!!!!」
ズジューーーーーーーーン!!!
ズガ~~~~~~~~~~~ン!!!
ドガ~~~~~~~~~~~~ン!!!
超節約モードもあり各艦単発で主副砲を発射、航空母艦はレールガンで攻撃、
各砲弾は照準のルートをそのまま飛び敵軍船の艦尾に砲弾が次々と命中した!
バガ~~~~~~ン!!!
バァ~~~~~~~~~ン!!!
バリバリバリ・・・・
ゴオオオオオオオオオオ~~~~~~!!!
ほとんどが木製の軍船は被弾するとそのまま炎上、艦尾に炎が舞い上がる、
約30km先からの艦砲射撃とは気づかずに慌てる輩たちは超大慌て!
急いで火を消す・・次々と弾薬庫に引火して逆に炎の勢いが増していた。
「ウァアアアアアア~~~!!!」
「慌てるな!急いで火を消すんだ!」
「なに言ってやがる!早く逃げないとこの船沈没するぞ!」
何を積んでいたのかは知らないが・・被弾した船は爆発を繰り返し炎に巻かれる、
もう駄目だと悟った輩たちは船を捨て急ぎ泳いで近くの船に移動して難を逃れる。
バァアァァアッァアアアアア~~~ン!!!
次の瞬間被弾した船は次々爆発、猛烈な炎に巻かれ次々と轟沈していく・・
10分程で100隻程の軍船が次々轟沈、残りの船には輩達が殺到していた、
これを見た指揮官らしき男が撤退命令、だが出港した港方向から攻撃された、
そのため大陸の反対側にある港に向かうよう命令、残りの艦は撤退していった。
「敵船撤退していきます!」
「まだ油断しないで!完全に逃げてから動くわよ!」
「了解しました!」
司令官メディは敵船が撤退してから動く・・ツインメデューサが出てきた!
「メディ・・艦隊を2つに分け急ぎ難民達を救出させるんだ!」
「そうよメディ・・捕らえられた者たちの安否が気になるわ!」
これを聞いたメディは・・
「わかりました!お父様お母様!!」
旗艦ビスマルクの艦長メディは戦艦と重巡を残し残りを港に向かわせた、
すぐさま特級クラスの精鋭達が現地に急ぐ、すると港が見えてきた、
ここで驚くべき行動、なんとウェットスーツに着替え海に飛び込んでいく。
すると・・
バッシャ~~~~~~~ン!!!
イルカ達が迎えに来て水中案内、酸素ボンベを抱えその背中に乗った、
そしてイルカ達は海中10m位の深さで精鋭達を港に運んでいく、
警備の眼をかいくぐり上陸、瞬く間に警備の輩たちを倒していた。
そうして・・
精鋭達は倉庫の門を開く、そこには多数の人間が閉じ込められていた、
ほとんどが脱水状況で危険な状態、急ぎ救護班が駆けつけ治療を急ぐ、
意識のある者にはポカリのような飲み物を飲ませて脱水症状を抑えた。
精鋭達はすぐさま港付近の街を攻撃、雑魚ばかりなのであっさり制圧、
しばらくしたら艦隊が港に近づいていた、敵は完全撤退したそうだ、
開放された民衆や冒険者たちは当初俺達を恐れたが・・すぐに慣れた。
というのも・・・
既に生命の危機状態、何でもいいから助けてほしいとひたすら祈っていた、
そこで俺達が登場、栄養たっぷりの食糧や水を支給・・疑う余地はなかった、
さらについてきた漁船には見慣れた顔が大勢いた、再会に涙が止まらない。
ある程度動ける者は漁船に移動して救護班が待つ無人島に急ぐ、
その際精鋭達が近隣の侵略された町や村に出向き敵を蹴散らした、
そして捕らえられていた者たちを救出、急ぎ港につれていき治療した。
人工衛星で検索したら・・こちらに向かってくる軍勢が複数あった、
そこで精鋭達は通り道にゴーレムを複数設置して足止めとした、
このゴーレムたちは上級に匹敵する強さがある。
ゴーレムが足止めしている間俺達は急ぎ負傷者を無人島に移動させた、
漁船たちの必死の行動が実を結び生存者は全員港からの脱出に成功、
各艦は一旦撤退して漁船を護衛、負傷者の回復を最優先とした。
その頃・・
東の大陸の王達を操っていた破壊神の出来損ない・・ここには3人いた!
そのうちの一人は・・
「うふふ・・敵が来たみたいね、楽しみだわ・・」
不敵な笑みを浮かべる・・
・・・
20代前半位の女性だった。