表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/792

エルフの誘惑と鉄道計画




西の大陸から帰ってきたデーヴィドがデレデレしてる、

その姿にクリスティーナが不愉快な表情を浮かべていた、

さらにエリーナも不機嫌な顔をしていた。



王城の会議室にいる俺たちの前には・・



異世界の定番?とも言えるエルフの女性が3人座っている、

耳は長いがそれ以外は人間そのもので容姿はとても美しい、

彼女たちは俺達と同盟を組むためにデーヴィドの艦でここに来た。


「エマです」


「リリーです」


「ララーです」



名前があったので一安心した俺だった。


「同盟を組みたいと聞いていますが間違いないですか?」


「はい、あなた達の技術と戦闘力には驚かされてばかりです、

あなた達となら共に発展出来ると確信しました」


「あなた達は私たちが戦おうとしている相手を知ってるの?

相手がドラゴンでもその気持ちは変わらないの?」


エリーナが念押しするように問いかける。


「正直ドラゴンは怖いですが私たち単独では衰退ばかりです、

食糧難を救ってくれた恩もありますし行動するなら共にと・・」


「気持ちはわかりました、ただ他の種族の意見も聞かないと」


「それは大丈夫よ、私たちが連絡しておいたから」


レイナが狙ったようなタイミングで部屋に入ってきた、

シルヴィ・ソフィア・アデール・マイラ・ジセル・ルミナも一緒だ。


「問題ないのか?」


「こちらは大丈夫、あとはあなた達次第よ」



俺達も別に反対する理由はないので同盟を受け入れた。



「ところで・・あなた達エルフの戦力はどの位なのですか?」



「現在戦える男手は200人ほど、女性は300人ほどです、

私たちは森の中で生活してます、森の中の戦いは任せてください」



グリーンペレーのような感じかな?



「魔法は使えますか?」



「はい、一部は上級魔法も扱えます、子供でも中級は使えます、

あと我ら民族は各種族に効く誘惑魔法が使えます、試されますか?」


本音はお願いしたいがエリーナとテイーナの目が怖いので遠慮した。


「あとお願いしたいのが・・あなた達の兵器と食品の提供です、

出来れば我ら用の兵器も開発して頂きたいのですが・・」


「具体的にはどの様なものをお望みですか?」


「まずバズーカを小型に、それと空を飛べたらありがたいと」


俺はエマを呼び窓の外を見せ、空港から離陸する飛行機を見せた。


「あんな感じですか?」


「あれも欲しいのですが・・出来れば手軽に持ち運べる方が・・」


俺はハンググライダーのイラストを描きそれをエマに見せた。


「こんなものがあるのですか?」


「現在開発中です。これは山の上等高い所から降りる時に使います、

あと風魔法で空に浮かせれば簡易飛行機として使えないかと・・」


「風魔法なら得意です!、これをぜひ譲ってください!」


出来次第提供することで話がまとまった。



「それとですね・・・」


エマたちが誘惑の眼で俺とデーヴィドを見る。


「兵器の対価として私たちをあなた達の傍に置いてほしいのですが・・

あなた達の護衛の仕事をさせて頂けると助かります、それともちろん、

ご希望であれば夜のお相手もさせていただきますが・・」



「ダメ~~~~~~~~!」



クリスティーナが真っ赤になり間に割り込んだ。



「話はこれで終わりよ!あとは女同士で話すから出てって!」



エリーナが怒ったように俺とデーヴィドを部屋から追い出した。


・・・


夜の相手をしてほしかった・・



少し間を置き俺たちは部屋のドアの前で会話を聞く、喧嘩してるかも・・


・・・


彼女たちの笑い声がドア越しでもしっかり聞こえてくる。


・・・


女性はよくわからん。



俺とデーヴィドが寂しく歩いてるとルーム王国の少女達と遭遇、

相談がしたいからと言われ俺たちは食堂で話すことにした。


「相談とはなんだい?」


「これって造れないですか?」


木人形が書いたらしき列車のイラストを見せてもらった。


「出来るとは思うけど・・どうしてなんだい?」


「ワイバーンの住む鍾乳洞や西町に沢山食べ物を送りたいのです」


「それならガルーダ達に頼んだらいいんじゃないか?」


「彼らを使いたくないんです」


「どうして?」


「空の守りが手薄になるからです」


・・・



彼女たちは俺達よりこの国の事を真剣に考えてるようだ・・



「木人形さんに聞いた話だと・・これなら沢山運べるそうです、

西町までは遠く馬車だと載せる荷が少ないし時間もかかります、

一度コウさんたちに相談してみろと言われました」


一理あるな・・


俺とデーヴィドは元いた世界の列車を思い出しながら相談した、

昔各地を旅してた時・・自走式の列車に乗った事を思い出した、

あれなら線路さえ出来れば十分活用できそうだ。


「この列車を造ることは可能だ、だけど線路が要る」


「線路ってなんですか?」


・・・


説明が長くなるので俺たちは近くを歩いていた木人形数人を捕まえた、

彼らに頼み王国城から西町までを繋ぐ線路を開通可能かを調べさせた、

ついでに少女たちに列車の仕組みを説明するよう頼んだ。



数時間後返事が来た。



結論から言うと「製造・開通可能」との返事が来た。



トラクターの材料を応用し列車も荷車も客車も造れるそうだ

線路に使う鉄は十分あるので土魔法を使えば数日で出来るとのこと、

必要であれば途中に駅も造れ島も一周できると自信満々だった。


・・・


すごくない?


島そのものが環状線のようになるのか・・



俺達は早速列車の製造と線路の開通するよう指示を出した!



一週間後・・・



⇔ ルーム王国城駅。  


⇔ 鍾乳洞町駅。


⇔ ワイバーンの住家駅。


⇔ 西町駅。 


⇔ 軍艦整備港駅。 


⇔ ドラゴン鍾乳洞駅


⇔ 城下町駅。



これらの駅を往路と復路で繋ぎ環状線が出来上がった。


列車の運用は鉄道マニアの木人形がたくさんいたので委託、

列車は6両分完成していて3両づつ往路と復路で使うそうだ、

俺達は全線地下鉄だと思っていたが違っていた。



「列車の旅は外の景色が見えないと意味ありません!」



いや危険だろ?



ドラゴンから見えたらどうするんだ?



それに旅目的じゃないぞ!



王城の下等は地下鉄方式だが海沿い等は崖を逆C状に削ってる、

そこを通ることで上空からは見えにくいからと力説された。


そんなものなのか・・


イマイチ納得は出来ないがとりあえず出来たので試運転・・

ここで各種族からものすごいクレームが出た。


「ワイバーンの名前だけあるのはずるい!」


「私たち同盟仲間でしょ?公平に扱ってください」


「各種族の名前のある駅を造るべきです!」


・・・


急ぎ駅の増設が行われた。



⇔ ルーム王国城駅。 


⇔ 鍾乳洞町駅。 


⇔ ワイバーンの住家駅。


⇔ ガルーダの空港駅。 


⇔ 魔族と人間との友好駅。 


⇔ 西町駅。 


⇔ 軍艦整備港駅。 


⇔ ドラゴン鍾乳洞駅。 


⇔ グリフォン天空駅。 


⇔ 魅惑のエルフ駅。 


⇔ エリーナとクリスティーナ駅。


⇔ 城下町駅。 



・・・



便乗感満載の路線が出来上がった。



ちなみに・・


俺コウとデーヴィドの駅名も希望したが却下された、

俺達にはルーム王城の裏に銅像を造るから不要と言われた、

銅像で称えてもらうのはありがたいが・・・


城の端の裏なのでほとんど人の目にとまらなかった。



何はともあれ試運転。



ピンポンポンポ~ン!



「まもなく一番ホームに西町駅経由ルーム王国城駅行きが入ります、

この列車は各駅に止まります」


「まもなく二番ホームに軍艦整備港駅経由城下町駅行が入ります、

こちらは各駅に止まり2周環状致します。」


これらの乗車は無料だが改札口できっぷを貰わないと乗れない。


「きっぷは要らないんじゃないか?」


「先で貨幣を導入した時に備え交換の習慣が必要なのです、

いつまでも物々交換だと不便で重いし不公平だからです」


確かに魔族がその辺困っていたな・・



試運転に問題は無く正式な運行が始まった。



まずは提案してくれた少年少女たちが使う・・



なぜか各種族が背広を着た人間姿で我先にと乗り込んでいた。



「早く乗せてくれ!遅刻する!」


「取引先との商談があるのよ!」


「急いで会社に戻らないと上司に叱られるんだ!」



・・・



木人形さんたち!



異世界に俺達の日常を再現する必要あるのか?



「列車と言えば通勤ラッシュでしょう!」



それは必要ない!



俺とデーヴィドは会社員もどき達を降ろして・・



少年少女たちを列車に乗せた。

















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ