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難民たちの捜索と破壊神の出来損ない




アズミ達ギルドに上陸した難民の対応を任せてエリーナ達は急ぎ沖に出た、

沈められた難民船の民衆が漂流してるかもしれないので救助に向かった、

5隻は東西南北に分かれ信濃は中心で止まり4方向へ戦闘機を離陸させた。




戦闘機は上空から捜索、漂流者を見つけたら報告、近くの船が駆けつける、

範囲が広いからと動かせる船と男性陣も捜索に参加、第7艦隊は護衛に回る、

湾岸では多数の難民・・老人や女性、子供達が身内知人の無事を祈っていた。




捜索が広範囲のためエリーナは鱗の名刺を燃やしイルカ達を応援に呼んだ、

そして捜索願い、イルカたちは頷き各地の仲間を呼んで海を探してくれた、

その結果・・・500人ほど発見し急ぎ救助したがほとんどが息絶えていた。




ウァアアアアアアアアアア~~~~!!!!!!!




身内の死を知った難民たちは号泣、そして丁重に弔った・・

ここで王が俺達に質問、死者をどう弔っているのか尋ねてきた、

これはアズミが答える、俺達の世界では火葬が多いと伝えた。


 


理由は病原菌の問題、人間に限らず死体は病気の元となるからだ、

これを聞いた王は火葬に切り替える、難民が多すぎるので土葬だと困るからだ、

スペースの問題や・・病原菌が怖いので俺達に設備の建築を依頼してきた。




これにはアズミも頷きギルドが無償で火葬場を建築、次々と火葬が行われる、

泣き喚く難民たち、だが事情を理解していたので火葬には反対しなかった、

捜索が済んだ後・・第7艦隊は空に向けて空砲を撃ち死者たちを弔った。




捜索に協力してくれたイルカ達にはサンマに加えイワシもたっぷり支給した、

だがイルカ達は俺達の気持ちを察したのか喜ぶ様子は無く魚を食べていた、

そして新たな鱗を複数置いてイルカ達は沖に帰っていった。




ある程度落ち着いたらアズミが難民の中で現地の状況がわかる者を探した、

その結果20人ほど小国の幹部がいたので王城に招き各地の状況を尋ねた、

それによると・・




● 大国は突然攻めてきて自分達の国を次々と焼き占領していった。



● 話は通じず使者はその場で殺され止む無く反撃するが歯が立たず。



● それまでは少しの威圧があったが話は通じある程度良好だった。




ということは・・




「はい、噂によると大国の王と側近が突然凶変し好戦的になったそうです、

それも1国だけでなく5つの大国の王や側近が同じ時期に凶変しています、

そのため一斉に戦争が起き各地の小国は次々と占領されてしまいました」




これを聞いたレイナはアシュラに緊急連絡、該当する経験はないか尋ねた、

すると破壊神ではなく・・破壊神の出来損ないが用いる方法だと答えてきた、

詳細はコロ・・破壊神の方が詳しいと言うのでコロに尋ねることにした。




エリーナ達は一旦北東の大陸に戻り珠玉城にいるコロとリモートで話す。




「確かにその手は破壊神になれなかった外道達が用いる事が多い」



「なぜそんな手間をするの?攻めた方が手っ取り早くないの?」



「外道達は・・その名の通り外道だ、それらは自分が手を下すことを嫌う、

最小限の行動だけで大多数が苦しむ姿を見るのが快感なのだ」



「なるほどね、で?それらの強さはどの位なの?」



「出来損ないとはいえ奴らは神級に匹敵する、強さはあるから厄介なのだ」



「具体的には?」



「単純に強いから好き勝手に動く、さすがに我の領域には入らなかったな」



「その後はどうするの?」



「ある程度満足したらその地を離れる、あとは放置と言っていいだろう、

その地がどうなろうが知ったことではない、なのでその地は荒れ果てる」



「あなたはその後を見たことがあるの?」



「ああ何度か見た、大概はお互い恨みあって戦いを続け・・共に滅んでいる、

おそらくその人間の異世界も今後似たようになるだろう」



「阻止する方法は無いの?」



「手っ取り早く王や側近に取りついた出来損ないを倒すしかないだろう、

だが状況が不利と見たらすぐ逃げる、この辺は要領がいいので厄介だ、

なので複数で取り囲み逃げ道を塞いでから一気に叩く、我ならそうする」



これ以降の要点をまとめると・・



破壊神の出来損ないは・・神になり損ねた存在、例えたら半神のような存在、

純粋な神になれなかった異種族との混合神や下級神等のような存在らしい、

ある意味神に近い人間のような存在、寿命もあり殺すことも出来るそうだ。


 

非常に長命で若い姿のままで・・神のように特殊な力を持っているそうだ、

性格は獰猛で残酷、団体で動き各地の要人に乗り移り操りそれを楽しむ。

飽きたり劣勢になると・・あっさり見限り即座に逃げるそうだ。



・・・



ろくな存在じゃないな・・



コロが感じたのは・・今回は複数が人間の異世界に来て王に取りついたようだ、

一斉に隣国に攻撃を仕掛け・・最終的には5つの大国そのものを完全に滅ぼす、

そうして生物を全滅させ生体エネルギーを根こそぎ吸い尽くすと見ている。




破壊神と大きく異なるのは・・破壊神は後も考え知的生物だけを狙い滅ぼす、

その後は監視下に置き新たな知的生物が出たら滅ぼし生体エネルギーを奪う、

だが出来損ないはそのような手間はしない、その場で完全に滅ぼすそうだ。




これはある意味嫉妬、破壊神になれなかった出来損ないが嫌がらせをする、

そのため破壊神も出来損ないを見つけたら攻撃してそれらを叩きのめす、

例えるならライオンとハイエナのような感じ、なので関係は最悪だそうだ。



・・・



俺はこれ以上深く考えないようにした。




そうなると・・かなり厄介な状況、そのような敵なら必ずまた攻めてくる、

おそらく軍や船員たちも洗脳され容赦なく攻撃してくるのは間違いない、

さてどうするか・・ここでコロがある提案をする。




「どれか一国に絞り先に第7艦隊で一斉に艦砲射撃で攻めたらどうだ?」




「それは・・どういう意味なの?」




「聞いての通りだ、出来損ないに君達の脅威を見せれば奴らは怯む、

一部を片づければ他は怯み真っ先に逃げるだろう、そうすれば皆は正気に戻る、

あとは各地の王に事情を説明して統制させれば元通りになるはずだ」




なるほどな・・




確かに受け身のままだと5国は一斉に攻めてくるだろう、それは避けたい、

クレール王国は既に難民で一杯だ、攻撃を受ければ犠牲者が増えるだけだ、

それなら先手必勝、こちらから攻めて出来損ないを倒せば問題は解決する。




コロのこの案を皆は受け入れ作戦会議、どこを攻めるかを検討し始めた、

すると小国の幹部が進言、北にある大陸が一番近く海から攻めやすいそうだ、

地図を書いてもらうと・・イギリスのような形をした巨大な大陸だ。




確かにここならほとんどの場所は海から攻めることが出来る、全員考えは一致、

あとは王がどこにいるか・・幹部が首都にいる可能性が高いと言ってきた、

地図で確認・・首都は海から約20km位の内陸にあるそうだ。



この距離なら主副砲が届く、念の為他も検討したがここが一番攻めやすい、

だが問題もある、全艦で向かうとクレール王国を守る艦がいなくなる、

急ぎ増援を要請・・既に第10艦隊がこちらに向かう、翌日には着くそうだ。



だが?



俺達には知らされていなかったが・・



神族はこれとは別に・・秘かにカオス達に密命を与えていた。



ここで信濃艦長のサユミと紀伊艦長タケシがエリーナ達に懇願する。



「北の大陸の攻撃は私達に任せてもらえませんか?」



「お願いです、私達に攻めさせてください」



これを聞いたエリーナは考えた、確かにこの2隻が最適かもしれない、

だが何か気になる・・エリーナは念の為神族に相談することにした、

その返事は・・




「それは認められません、第7艦隊を分散することはやめてください!」




予想外の返事に驚くサユミ達、さらに神族はこう付け加えた!




「状況は大体わかりました、その出来損ないは別の者に討伐させます!」




神族はこれだけ言って通信を切る、長く話すとサユミ達が異論を唱えるからだ、

納得がいかないサユミ達、だが敵は出来損ないとはいえ神に近い存在だ、

神の事は神に任せた方がいいと考えサユミ達も黙ることにした。



翌日・・・



第10艦隊が到着、総司令官のアシュラとフレイ・フレイアが武蔵に訪れる、

そしてその後ろには・・




「事情はわかりました、それらの討伐は私達にお任せください!」




異世界新選組と・・



天聖族6人が腕を組んで武蔵に訪れていた。









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