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サユミ達の機転と難民達を救う軽トラック




サユミが放った無数の棘弾は上空に軌道を変え・・雨のように敵を攻撃、

棘弾は敵船に襲い掛かりマストや幌などを次々と貫き穴だらけにした、

だが船員には一切攻撃していない、これには深い訳がある。




サユミ達はエリーナ達より先にクレール王国に潜入、状況を把握していた、

特に重要だったことは・・難民たちを追って大国が攻めてきたことだった、

難民たちは急ぎ逃げたが・・大半は捕まりそのまま船ごと攻撃されたそうだ。




その船には子供や老人等も乗っていたが・・




大国の軍船はそれらも容赦なく攻撃、次々と沈め難民たちは大勢殺された、

その話を聞いて激怒したサユミとタケシ達、我慢の限界を超え港に向かった、

そして敵と交戦・・いつの間にか港には大勢の難民が民家に隠れていた。




難民たちは各地から押し寄せ闇夜に紛れ次々と上陸して民家に助けを求める、

国王から難民を保護するように言われていた民衆は出来る限りの援助を行う、

だが・・あまりにも多すぎるので馬小屋や洞窟まで使う羽目となる。




難民達は着ている服しか持ち物が無く、さらに遠距離移動で疲れ果てていた、

さらに飢えも重なり動くこともままならない、これを見たサユミ達は考えた、

まずは難民を優先、敵はあえて捕まえず船を大破させ撤退させることだった。




蹴散らすのは簡単だが・・




下手に叩きのめして降伏でもされたら保護する人数が増えるのは間違いない、

人道的立場からしてそれらを放置は出来ないが大事な食糧は渡したくはない、

なので圧倒的力を見せて撤退させることが最善と考えサユミ達は攻めた。




この案を聞いた他の艦もそれに賛同、半分を叩きのめし撤退させることにした、

まずは信濃が棘弾で軍船に攻撃、さらに精密射撃を加え魔法砲を砕いていく、

驚くことに信濃から放たれた機銃は魔法砲の口径に直撃、砲は次々と破裂する。




バァ~~~~ン!!!



バシィ~~~~ン!!!



軍船の魔法砲が次々と破裂する、驚く船員たちは恐怖を覚え撤退を考えた、

だが艦長が・・




「お前らうろたえるな!数はこっちが上だ!攻めれば簡単に勝てる!」




と・・



激を飛ばし前進するよう命じる!それを見たサユミは艦長に脅しをかける、

棘弾を操り艦長に一斉攻撃!!!!




ズサササササ!!!!!!




無数の棘弾は艦長の足元に刺さる、それらは船長にかすり傷を負わせる、

次は容赦しないぞとばかりに次の棘弾が艦長に棘先を向けて浮いていた、

これに怯えた艦長は撤退命令、動けない船は他が牽引して逃げていった。




これを見て戦闘機も帰還、急ぎ弾薬の補充をして次の出撃に備えた、

だが他の戦闘機も次々帰還、同じように他の大国の軍船を撤退させていた。




紀伊はタケシと合流後戦闘機から得た情報を元に敵船を狙撃していく、

遙か先から攻撃を受けた軍船は怯え撤退、ちなみに半分は被弾させた、

無傷だと引き返す可能性があるので半分は狙撃で大破させていた。




武蔵とモンタナも流れは同じ、十分砲が届く位置に敵船がいたので蹴散らす、

だがあくまでも撤退が出来る程度しか攻撃していない、理由は信濃と同じ、

降伏して捕虜にしたら食糧を与えないといけない・・それが嫌だった。




大和も敵船を攻撃したが内容は他と同じ、だが大和はそのまま王城に向かう、

ここに敵が上陸すると何かと厄介なので大和だけは港に近づき砲撃した、

これを見たクレール王国は・・強大な攻撃力の大和を見て震えていた。




難民たちも巨大な艦を見て怯える・・




だが後ろには敵がいるので前に進むしかない、震えながら各艦に近づく・・




「このままお進みください!あなた達は我々が護衛します!」




各艦は放送を流し難民の乗る船はスルー、安堵の表情を浮かべる難民たち、

そのまま港に入り上陸、なんと難民は10万人を余裕で超えていた、

あまりの多さに戸惑うクレール王国の民衆たち・・出来る対応はしていた。




そこで大和を指揮していたレイナが艦尾に移動、ヘリを出し王城に向かう、

他にも武蔵、紀伊、モンタナ、信濃もヘリが離陸、主要メンバーが王城に向かう、

そしてクレール王との対談を要請・・王はあっさりと快諾した。



すぐさまレイナがクレール王にある要請をする。




「難民は飢えています、大至急食糧の用意をお願いします!」




これに対して・・



「申し訳ないが・・我々はもう余裕が無い、既に備蓄は尽きている、

なのでお願いなのだが・・君達からの支援をお願いしたい。」



「それは・・私達が自由にこの国の中を動いていいと解釈しても?」



「それはもちろんだ!援助してくれるならこの国内は自由に動いていい、

だが一部だけは容赦願いたい、具体的には武器庫や宝物庫などだ」



「わかりました、出来る限りの援助を行います」



「おお~~!!よろしく頼みます!」




回りくどいが・・




国王の許可が出たので俺達は難民たちの援助に動き出した、

当然国王も民衆に急ぎこの事を伝えた、民衆は頷き俺達を受け入れた。




これには理由がある、アズミが援助の前に王の許可を取るよう皆に要請、

王の監視下で俺達が動いていると民衆に伝えないと疑われる可能性がある、

例えば略奪された品が俺達の仕業だと責任転換されることもあり得るからだ。




今は俺達は未知の世界から来た異端な存在、まだ民衆は信用していない、

だが王の要望が出ているのなら俺達は救世主・・は言い過ぎだが救助隊になる、

救助隊なら国内を動いてもいいよね・・と民衆に理解させる事が目的だからだ。




この辺は・・この国と長年付き合ってきたアズミが各幹部に伝えていた、

というのも・・この国の教育レベルは俺達の住む異世界より遙かに低い、

それもあり王の存在は絶対的に近い、ある意味宗教的な考えの民衆だからだ。




これでクレール王国は俺達を受け入れた、急ぎ荷物を降ろし救助を始める、

空き地を借り簡易病院や寝床を造り特に弱っていた難民を治療していく、

自分で動ける難民は非常食を受け取りそれを食べて飢えを凌いでいる。



だが・・



10万を超える難民たち、途中はぐれていた船も次々入港してさらに増えた、

5隻は倉庫を開放して急ぎ食事と寝床を用意するが在庫が乏しくなってきた、

空き地は簡易ハウスだらけになるが・・まだまだ数が足りない。




そこでアズミは馬車を走らせ北東の大陸に一旦戻る、馬車ならすぐ戻れた、

そして東の大陸のアトラス達に緊急連絡、物資と軽トラを送るように要請した、

アトラス達は了承、急ぎ要望の物資と軽トラを大量に用意し列車で送った。




ここで豆知識!




先般俺が異世界レースを開催した後各地で高架道路が新たに建設されていた、

基本的な考えはルーム国と同じだが一部例外的な使い方をする車があった、

それが軽トラック、これだけは各地で要望され様々な現場で大活躍している。




例えば畑や牧場では牛車や馬車を使い肥料や収穫物などを運んでいた、

だが雨や炎天下では牛や馬が外に出ることを嫌がり大幅に仕事が遅れた、

しかし作物の中には腐りやすい物もあり急ぎ出荷する必要があった。




魔法で運ぶことも出来るが相当な魔力を要するので各種族はそれを嫌がる、

そこで各種族は屋根があり小回りが利きエアコンがある軽トラックを要望、

これなら子供でも運転が出来れば容易に荷物が運べるので大好評だった。




ちなみに牛や馬も軽トラックを歓迎、汚れる作業が減ったので喜んでいた、

牛や馬は他の仕事に専念したいと輸送に関しては軽トラックに一任した、

牛は雑草の除去、馬は狩りや観光馬車の牽引など得意分野に専念している。




豆知識はここまで!




軽トラックは馬車より少し小さいので北東の大陸の門を通ることが出来た、

これに目をつけたアズミは救援物資を軽トラックで運ぶことを思いつく、

これならギルドの人員・・事務員でも大量の荷物を運べるからだ。



翌日・・



30台を超える軽トラックが東の大陸より運ばれてきた、急ぎ荷物を積み込む、

濡れたら困るもの・・例えば衣類やふとん等は荷台に幌をつけて運搬した、

肉や魚等は冷蔵庫付きのパネルバン仕様などに改造して臨機応変に対応した。



ギルドの人員は優秀な人材が多くあっさりと軽トラックの運転を覚えた、

そして運転、門を何度か往復して救援物資を次々と運んでいった。



これにより・・



大勢の難民は救われることとなる。

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